13.9.18

連絡ができない

今月に入り、オンラインで日本の畔引き鋸と鉄釘切り鋸を注文した。
職人が一本一本丁寧に手作りした貴重な物だ。

海外には送らないということだったので、来月こちらに来ることになっている長男に持ってきてもらうことにしたのだが、支払い方法は郵便振込のみで、注文を入れると、発送準備が整い次第振込用紙が送られてきて、入金が確認された後に商品が発送されるとのこと...、いつ頃届くのかわからず、少々不安になった。
そこで、注文を入れる際に、もしできれば、振込先口座番号を先にメールで教えていただけるとありがたい。振込用紙を写真に撮って送ってくれても構わない。また、オンラインで振り込みできる別の銀行口座か、Paypal のアカウント等があったら教えて欲しい... と注文画面でメッセージを書き添えたが、3日待っても返事が来ず、注文はどうなってしまったのだろうと案じていたら、その職人のブログにお父様が亡くなられたという投稿があるのを見つけた。

そんな状況では発送どころではないだろう。メールで返事を送る時間も気力も無いに違いないと、その旨を長男に知らせ、長男がこちらに来るまでに届かなければ、またその内に送ってもらえばいいかと思っていたのだが、その翌日、郵便振込用紙と共に商品が送られてきたというので驚いた。
忙しいさなかに丁寧に梱包して、料金後払いで送ってくれたのだ。

すぐに振込用紙の番号から振込先の口座番号を調べ、オンライン バンキングで振込を済ませ、お礼と、お父様が逝去されたことへのお悔やみをメールで送ろうと試みたのだが、注文確認メールに書かれていたメールアドレスにも、そこのウェブサイトに書かれたメールアドレスにも、「指定されたアドレスが見つからない」とのことで送信できず、それではと、ブログにコメントを書くも、送信すると、「許可された地域(国)以外からの投稿はできません」と出てきて、完全にシャットアウトされた形になった。

そんなことってあるんだ... と、これまで知らなかった世界を見せられた気分になった。

忙しい長男に、私の代わりにブログにコメントを残してくれないかと頼むのも憚られ、たった一人で鋸を製作し続けている職人に電話して作業を中断させるのも気が引け、「あとは手紙を出すという手段しか残っていないか...  だが、手作りの鋸はまだ手元に来ておらず、使った感想も伝えられない... 」と、ああだこうだ考えていたことを、遅ればせながら来月手紙に書いて送ることにしようと、やっと観念したところである。


畔引き鋸は、雲の上のお師匠さんに一本贈りたいと思っているのだが、私自身使ったことがないので使い心地がわからず、また使い易いサイズがどれかも全く見当がつかないため、今回は購入を断念した。


今日は eBay でUKの業者に真鍮のヒンジを注文したが、直接NZに送ってくれないようなので、YouShop というNZ Post が運営する代行業者に受け取り& 配送を頼まなければならなかった。送料がいくらになるのか定かではないが、NZ国内で同じような品質のヒンジを注文したら、たった1個で$14.00 +送料($4.95)というのがおそらく最も安い価格だろうと思うので、送料を含めたとしてもそれよりははるかに安いに違いない。

安く手に入る物が極端に少ないNZ...
当然国内には eBay も無ければ Amazon も無い。



6.9.18

Stanley No.4 1/2 Plane, Toothing Plane, Panel Raising Plane, etc...


さて、家中のカビ掃除やら、風邪のおかげでずっと滞っていた、最近購入した中古ツールたちの手入れにようやく取り掛かり始めた。

サンドペーパーも切らしていたため、それも購入。今回は日本の Riken のものを購入してみたのだが、届いたものの片方は、どうみても Riken ではないだろうと思える代物で、返品しようかと一瞬思ったが、面倒なのでそれでよしとした。




また、これまでは車関係の商品を売る店で1枚 $2.00 近いサンドペーパーが約半額になるセールを待って買いに行っていたのだが、ネットで調べたら通常価格がその半額〜1/3 という所があり、初めてオンラインでオーダーを入れたところ、対応は速く、届いた商品はこれまで使っていた物と全く同じ Norton の Dry Paper と、おそらくそれと同等品だろうなと思える Sunmight の Wet & Dry Paper だった。これだったらもう車用品店のセールを待つまでもなく、いつでも注文できる。




手こずっていたのは、Stanley No.4 1/2 の底を真っ平らにする作業で、フラットなガラスの上に #180 & #240 のサンドペーパーを貼り付けてひたすら削っていたのだが、なかなかフラットになってくれず、度々気が萎えて中断しながらの作業となっていた。


ようやく底がほぼ平らになったので、刃を研ぎ直し使ってみると、これまで使っていたNo.4 よりも安定感があって使い易く、予期していなかった"副産物"が手に入ったことをけっこう喜んでいる。(実は、これと一対でオークションに出品されていたもう片方の鉋が欲しかったのだ)



Stanley No.4 1/2 とセットで売られていた Made in Germany の Toothing Plane は、ブレードに Kirschen(サクランボ)のロゴがついていて、予想通りラミネートされた鋼であった。
私はドイツ製の刃物が総じて好きで、少し前にもゾーリンゲンの小ぶりの洋裁バサミを買ったのだが、昔のドイツ製刃物は本当に質が良く、切れ味も長持ちし、研ぎ直して使い続ける楽しみがある。






この鉋は、ベニヤ板を接着する際に接着強度を増すために使うことで知られているが、それ以外にも、通常の鉋では削り難い板目が交差している板を、仕上げ鉋をかける前にこれで均しておけば、逆目でも綺麗に鉋がけができるようになるという、優れものなのだ。
なかなか国内では手に入り難いこのテの鉋を入手できて、非常にラッキーだった。

金物のカンナと違って、木製のものは、使用している間に木が擦り減るため、折に触れて台を修正する必要が出てくるが、鋸の目立てなどと同じで、台直しの仕方を一度覚えてしまえば、修正に時間がかからず、さして苦にはならない。
(日本の使い捨て鋸は便利に思えるだろうが、切れ味が落ちる度に買い替えていたのではお金の無駄だ。一度目立ての仕方を覚えてしまえば、捨てていたお金がどれだけ勿体無かったかがよくわかるだろう)



Panel Raising Plane は、ベルギー製 (Ude Lambert of Liege, Belgium) で、ブレードは Goldenberg (France) 。
オークションで入札する前に、ブレードの品質をインターネットで調べてみると、『とても良い』というコメントが幾つか載せられていた。
とても良いと言っても、どの程度で良しとしているのか、はっきり言ってわからない。
それでも、skew plane を一つ欲しかったため購入することに...





ブレードには目のマークがついていた。
初めて使うフレンチのブレードだが、これもまたラミネートされたブレードで、研いでみると切れ味は想像をはるかに超えて良く、正直驚いた。



出品者が概ねシャープに研いでくれてあったものの、刃が弧を描いていたり、研いである部分が均等でなかったりしたため、もう少し修正が必要だが、恐ろしく切れ味の良い刃だということはよくわかった。


こちらのインターネット オークションで購入した日本の安来鋼でできた電工ナイフは、まだ研ぎが甘いものの、重厚で良く切れる。
私はもちろん電工ナイフとして使う目的で買ったのではないが、ほかの用途でも活躍してくれることだろう。




このように、世界の色々な場所で作られた昔のツールたちを実際に手に取って思うのは、昔の職人は良い仕事をしたということだ。
質の良い昔のツールは何十年経っても使い続けることができる。
"職人" が作るものは、"商売人"が作るものと天と地ほどの差があるのだ。

職人は自分の能力の限りを尽くし、採算を度外視して良いものを作ろうと必死になるが、商売人はいかにして儲けを出すかが最優先課題だということを忘れてはならない。

「こんな古いものにお金をかけるくらいなら、新しいものを買った方がマシだ」と考える人も多いだろう。確かに "大量生産における技術" は進歩しているかもしれない。だが、悲しいかな、それが品質の向上に繋がっているかと問えば、NO と言わざるを得ないだろうと私は思う。

そこいらの安売り店で売られている安価なツールは買うべからず。
正に、『安物買いの銭失い』である。



「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...