21.11.22

コスコ出店による効果 / NZ の治安

 オークランドにコスコ (Costco) がオープンしたのは、今年  9 月 28 日。
その日から、連日たいそうな賑わいであるようで、それが故にまだ行く気にならないでいる。

行く気にならない最大の理由は、我が家から遠いということ。高速で 25 分程かかる。
わざわざ高いガソリン代を払ってまで、行く価値があるのかと思ってしまう距離だ。
NZ $ 60 の年会費を支払って、果たして年に何回買い出しに行くだろうか...

もう一つ躊躇してしまう大きな理由は、全てにおいてサイズが大きいということ。
いつも買っている Real Mayo は、一般のスーパーマーケットより格段に安いのは魅力だが、1.9ℓ 入りの容器は我が家の冷蔵庫には入らない。それを買ったら別の容器に詰め替えないとならなくなるのは必至で、詰め替える手間も面倒... そして、詰め替えた容器数本は、狭い冷蔵庫内のスペースをかなり占領することになるのだ。

我が家では、コロナが流行してからというもの、肉/魚類は専門店でキロ単位で買うようになっており、配達されたものを1 回分ずつに仕分けして冷凍するという方法を取っているので、コスコで大量に買うことに違和感は無いが、これもチェスト フリーザーをもらったおかげでできることで、それがなければ、間違いなく、そんなに大量の肉/魚類を一度に買うことはできなかっただろう。
(オーストラリアに引っ越した T の友達が、引っ越す際に我が家に置土産としてプレゼントしてくれたこのフリーザーは、今や、我が家にとってはなくてはならないものになっている)

コスコに買いに行けるのは、そのチェスト フリーザーがほぼ空になった時だけだ。

買って来た肉/魚類を1回分ずつに仕分けするのは結構時間がかかり、いつもうんざりしてしまうが、食費を安く抑えるためには避けては通れず、おまけに、後日、冷凍した塊肉は薄切り肉に加工しなくてはならないという手間まで付いて回る。
日本に居たらおそらくは一生買うことなどなかっただろう『ミート スライサー』は、我が家では今や必需品だ。


オークランドにコスコが出来て以来、多くの人が Facebook に商品と価格の紹介をしてくれるようになったが、それを見ていると、これまで NZ では売られていなかった魅力的に映る商品の数々を、こぞって買っているように思える。
これまでは必要無く過ごして来たのに、皆が良いと言うと、買いたくなってしまうような商品が、大量に家の中に貯蔵されることになるというわけだ。
私たち家族も、コスコに行ったらそれらを買い、ステーションワゴンが満杯になるほどの "大人買い"をすることになるのだろうか...



未だコスコに出向いてはいない私たちだが、既に少なからずその恩恵は受けている。
コスコができてくれたおかげで、これまで "殿様商売" をしていた多くの企業は、否応なく価格競争の渦の中に巻き込まれることになったからだ。

大手スーパーマーケットは挙ってフリー デリバリーの頻度を増やし、使用期限は少々短いものの、$20 引き、或いは $30 引きのバウチャーが Eメールで送られてくることも珍しく無くなった。
目玉商品は売値の半額になる物まであったりする。決して多くはないが。

オンラインで注文し、無料配達の恩恵に与る機会が増えたのはありがたいことだ。だが、依然として食料品の価格は高く、特に魚介類、野菜の価格はまだまだ多くの市民の許容範囲にはなっていない。ほとんどの商品は、やはりコスコの価格に勝てていないようだ。

*これら割引については、おそらく、オークランド住民のみが享受できる細やかな特権で、コスコの無い他の都市ではこれまで通りなのではないか... 定かではないが...


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私たちがここ NZ に来た当初は物価も安く、円高でもあり、治安も良かったが、この 19 年の間に物価は異常なほど高騰し、円安は加速度を付けて進行し、治安は目を疑うほど悪くなってしまった。

白昼堂々と、武器を持ってショッピングセンター内にある貴金属店を襲撃するのが、10 代前半と思われる子供であったりすることが珍しくないというのは、以前のクリーンな NZ のイメージからは信じ難い。

夜、車で、リカーショップやらブティックやら、デイリー(コンビニのようなもの)のガラスドアに体当たりし、ドアや窓を破壊した上で金品を強奪するという行為が後を経たないのは、警察が機能していないことの現れだと、国民の多くが憤っているのがよくわかる。
自衛するしかないのかと、ショッピング モールに店を構える人たちは協力し合い、犯人に立ち向かう体制を取っている所もあるが、本来受けなければならない法の裁きは、『未成年』という囲いを未だ打ち破ることができず、商店主は恐怖を抱えたまま生活せざるを得ない状況となっている。

今でも、NZ は風光明媚で、平和で、安全というイメージを持っている人は多いだろう。
だが、実際は惨憺たる状況である。

NZ に限らず、おそらくどこの国でもそうだろうが、特にコロナが蔓延してからというもの、経済は破綻し、貧困世帯は激増... それが要因で治安は悪くなる一方で、良くなる見通しなど立たないという、悪循環に陥ってしまっている。

果たして、元の生活レベルまで戻る時が来るのだろうか...

少し前、久しぶりに電話をくれた日本人の女性は、既にNZ に国籍を変えていると言っていたが、私よりも遥かに長くこの国に住んでいる彼女もまた、近年の治安の劇的な悪化に辟易していることを残念そうに話していた。

コロナ ウィルスの蔓延、大規模な各種自然災害の激増、ロシアによるウクライナ侵攻(とそれによる物価高騰)、北朝鮮のミサイル問題、etc...


聖書を学んでいた時、『終わりの日』の印として挙げられていた項目の数々を思い出し、終わりの日はいつ到来するのだろうかと、改めて考えている今日この頃である。



「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...