23.7.14

クラフト マーケット 出店準備中

少し前、これまで持っていた物よりも一段大きい plane(鉋)を国内のインターネット オークションで(日本円にして2600円ほどで)落札した。
数カ所錆び始めていたものの、ほとんど使われなかっただろうことがブレードの状態を見てわかった。

ブレードは研いだ形跡がなくシャープそうに見えたため、試しにそのままの状態で削ってみたのだが、いくら調節しても板に深く刃がくい込んで前に滑って行かない…
微調節ができないと言った方がいいほど、本当にどうしようもなく使えない状態だった。
これを使っていた人は、おそらくこんなに使い辛いのでは使い物にならないと匙を投げたに違いない。実際、刃を研ぎ直さなかったら使い物にならないシロモノだった。

買って来たばかりなのに刃を研がなくてはならない作りになっているのはどうしてなんだろう? 買ってすぐに使える状態にしてないのにはまぁそれなりに訳があるのだろうが、不親切この上ないではないか… 
私は初めから新品を買う気は無く、中古を買えば当然真っ先に刃を研ぐ必要があるなとYouTubeで刃の研ぎ方を予め勉強してあったため、「こんなもの使えないじゃないか!」と腹を立てずに済んだのはひじょうにラッキーだったと思った。
plane(鉋)に限らず、chisel(ノミ)もやはり買ったままの状態で使い始めるのではなく、研いでから使うべしというのは木工の世界では常識となっているらしい。

今回買ったplaneは全長がこれまで持っていた物よりもはるかに長く、重量もあり、研いだブレードを付けて削ってみると、安定していてとても使い易い。
板の表面を均すのにはすこぶる都合が良く、前回買った#4の planeの出番があまり無くなっている今日この頃である。

さっそく表面を均したデッキ用の板を使って、今月から出店が決まったクラフト マーケットに掲げる看板を作り始めた。
売る物はステンドグラスと木工の作品なので、それを意識した『木+ガラス』の看板だ。

『ステンドグラス+木』という組み合わせはよく目にするが、そのほとんどが木枠とか、ランプ或はキャンドルの台座とかという程度で、木が主体でガラスが脇役というのはこれまであまり見たことが無く、これはけっこう面白いなと楽しんで作っている次第である。

スタジオに残っていた安い合板を使ってディスプレイ スタンドも作り始めた。
サイズもデザインも、製図を引くことなく板に直接印を付けて切るという大雑把なやり方ではあるが、これまでYouTubeで木工関係の沢山のビデオを見てきたおかげで、組み立てに戸惑うこともなく、スムーズに仕事ができるのは有り難い限り。

先週は、初めて Dovetail joint (日本では何と呼ぶのかわからない)で箱も組み立てた。私にしては珍しく可愛いハート形をくり抜いた木の箱。これは『ほんのわずか難あり』の、『私にとって若干気に食わない仕上がり品』を入れる箱にする予定だったが、スペースの都合で箱を置けるかどうか微妙になってきた。本当は Free と書いて欲しい人に持って行ってもらおうと考えていたのだが、そのようなことをすると周りで店を出している人たちから顰蹙を買うよと知人から忠告され、不本意ながら顰蹙を買わない程度の値段を付けて売ろうと思った次第である。その知人曰く、そんな細かい傷を気にするのは私くらいなものだと… 
ハート ボックスから買ってくれた人が「得をしたな」と思ってくれて、私が「あぁ、捨てなくてよかった」と買ってくれたことに感謝する… そんな具合に商売が成立すれば言うことはないのだが。


父が仕上げに使っていたかどうかはわからないが、『雲の上のお師匠さん』お薦めのポリッシング・コンパウンドをebay uk で購入し、届いたその日にノミを研ぎ直し、コンパウンドで仕上げたところ、おそろしく切れ味の良い刃になり、ちょっと触れただけでスッと指にくい込み、全く痛みを感じないまま、一瞬の内に傷を作ってしまった。
俊敏さが目に見えて衰えてきた私は、人一倍気をつけないと指が傷だらけになってしまいそうだ。


さてさて、
クラフト マーケットを3日後に控え、ディスプレイに必要な小道具作りは明日のペイントを残すのみとなり、どうにかこうにか間に合いそうなので、明日は釣銭の小銭をいくらか用意する為に銀行に行かなくてはならない。

連日朝から晩まで働き通しで疲れがピークに達している。
イベントが終わったら少しのんびりしよう。






22.7.14

冬のある日



NZの冬は雨ばかり。毎日々雨が降る。
けれども、日本のように一日中降り続くということは滅多に無く、降っては晴れ、降っては晴れを繰り返して一日が終わるということの方が多い。

ある日、珍しくバスに乗って単発の仕事に出かけた。
行きには雨が降っていたが、帰る頃には晴れ間が見え始め、バス停でいっこうに来ないバスを待つ間、排水溝の無い道路に溜まった水に映った景色を眺めながら、ぼおっと物思いに耽っていたが、物思いから覚めると、すっかり葉の落ちた枝々と水に浮いた落ち葉の様子が美しく思え、ポケットからiPhoneを出して写真を撮り始めた。

排水設備の整っていない大通り。
たまには美しい景色を見せてくれたりもするんだね。


「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...