ロックダウンになってから 2 週間が経ち、あれよあれよという間に感染者数は 400 人を越えてしまった。そのほとんどはここオークランドにおいてで、オークランドを訪れていたウェリントン在住者からは、大きな感染爆発は今のところ起きていないようだ。
なぜこうもオークランドでの感染が多いのかといえば、MIQ facility (Managed isolation & Quarantine 国外からの帰国者の隔離施設/指定ホテル)が際立って多いからで、しかも、ホテルは辺鄙な郊外ではなく、街中にいくつかあり、今回は隔離期間中の者が一般市民と充分な距離を保てていなかった可能性が否定できないとの報告があったりし、またもや MIQ 関係か... と、日常生活が極めて不便になっているオークランダーは憤りを感じている次第である。
ロックダウンでほとんどの店は閉まり、スーパーマーケットのオンラインショッピングは配達日時枠が直ぐに埋まってしまい、予約したくてもできない人が多く発生する。
運良く配達日時を予約できても、注文した物が全て届くとは限らない。
H は、 「ストック切れで注文した内の 21 品が届かなかった」と嘆いていたが、買い物一つとっても結構なストレスだ。
ちなみに、私はというと、肉はオンライン ミートに注文し、魚はシーフード マーケットから新鮮なものを取り寄せてと、専門店にそれぞれ送料を支払って送ってもらったが、日用雑貨とか野菜、卵、調味料等々はやはりスーパーマーケットに注文を入れるしかなく、H から「この時間にログインしたら配達のスロットが空いてるかもよ」と教えてもらった早朝にチェックして、幸運にも当日の配達予約を済ませることができた。
はてさて、どれだけの品が届くことやら... せめて卵だけは入っていますようにと祈っていたが、幸いにも品切れは 6 商品ほどで、卵も、トイレットペーパーも、マヨネーズも届いて、ほっと一安心したところである。
以下はロックダウン前から書き残してきた記録に、ロックダウン中も引き続いて行なっている作業を加えて書き記したものだ。
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7 月初旬、H とパートナーは購入した家に引っ越した。
引っ越しの前日、家の鍵をもらえたのが夕方で、最初に殺虫剤を噴霧するというので、家に入っても大丈夫な時間となった午後 7:00 、 Tと一緒に掃除の手伝いに行った。
H たちが引っ越した先は、我が家から高速を使って25分程度の所なのだが、朝夕のラッシュ時には倍の時間がかかるようで、朝は 7:15 頃家を出ることにしているということだった。(始業時間は 8:30 AM)
家は平家で、広いキッチンとサンルーム、そして予想以上に広かった庭が殊の外印象的だった。余裕で庭にあと一軒建てられるほどの広さだ。
庭には木が何本も植っていて、その内の2本はとてつもなく大きく、他は植えてまだ数年という感じのものが多かった。
新しい家に入ると、これまでは必要の無かった家具やら何やらが必要だと思えてくるもので、間取りに合わせて何や彼やと揃えていくとかなりな出費になってしまうのだが、それが無いと不便だという思いは日増しに強くなって行き、結局どんどん物が増えて行ってしまうのである。H たちも例外ではないようだ。
引っ越し荷物を片付け終わった頃、H からBird Feeder と紙ナプキン ホルダーを作って欲しいとリクエストが来たため、ネットで一般的な Bird Feeder のサイズを調べたり、紙ナプキン ホルダーのデザインをしたりした後、製図を起こし、Bird Feeder 用の板を買った。
紙ナプキン ホルダーは、手元にある Ancient Kauri / Swamp Kauri の端切れ板で作ったが、この Ancient Kauri は板目が入り乱れている部分があって、鉋がけがし辛いため、私はついついキャビネット スクレイパーやらカード スクレイパーに頼ってしまうことになる。(... 結果、鉋がけのスキルは上達しないまま人生を終えることになるだろうことが予想される)
組み立て終わり、底にコルクを貼り、(コロナの市中感染者が出たことを知らず、幸いにもロックダウンのアナウンス当日午後に買いに行っていた) OSMO TopOil を薄く薄く塗り、12 時間以上乾燥させた後に 2 度目の塗装をし、オイルが完全に定着するまで放置... (どのみち、ロックダウンが解除されるまで届けに行けない)
Bird Feeder 用には DIY ショップで安い板を選び、ザラザラだった表面は鉋で削り、反りも修正した。
安い板だけあって、鉋をかけて表面をスベスベにしても、そんなに綺麗には見えない。カラー ペイントしようかどうしようか迷うところだ。
雨が降って餌がビショビショにならないよう、ポリカーボネート板をはめることにし、取り敢えずポリカーボネート板以外の部品を製図通りにカットして行き、ドライ フィットを繰り返す日々が続いた。
貼ってあった安いマスキングテープを剥がした際に、板の表面が剥がれ落ち、再度板を削らざるを得なくなり、更に、鉋をかけたために板厚が変わってしまったのに合わせ、予めジョイント部分にマーキング ゲージで印を付けてあった通りには削れず、微調節しながら作業をする羽目になった。
このようなことがあると、安いマスキングテープはもう二度と買うものかと痛切に思ってしまう。
吊り下げた時に容易には外れないようにと、側面の板は片方が裾広がりになっているハーフ ラップ ジョイントで餌箱に貼り付けることにしたが、片方は曲線なため、鋸で削り取る深さまでスコアを入れることはできず、鑿やらナイフを使って、地道に削り取っていくしかなかった。
また、側面の 2枚の板を繋ぐ上部分は、外から見えないようになる内側のみに、(板厚の 2/3 ほど)ダブテイル ジョイントを施した。
屋根は片方を固定し、片方はヒンジで開くようにしたのだが、固定する側の屋根には補強板を付けた。
補強板は裾広がりのほぞを側面の板に差し込み、上方向の引っ張りに対して強度を持たせたつもりだが、吊り下げた際に屋根そのものには負荷が掛からないため、これはあまり意味が無かったかもしれない。
売られている木製の物のほとんどは、切った板をグルーとネジ釘(或いは釘)を使って単に組み立てただけの非常に簡単な作りで、手間暇かけてジョイントを施して作った物ではなく、YouTubeなどで披露されている多くも似たようなものだ。おそらく長持ちはしないだろうが、その程度で充分だと誰しもが思うところだろう。
たかがバード フィーダーだ。
只々自分の鍛練と、ボケ防止のために面倒な作業をしているようにしか思えなくなってきたバード フィーダー作り...
どのように組んだら縦横の引っ張りに強くなるだろうかとか、風雨にさらされても傷みを最小限に抑えるためには、何をどのようにしたらいいのかと、毎日そんなことばかり考えていたのに、注文したポリカーボネート板がロックダウン翌日に無事届き、いざ組み立ててみると、側面の板に嵌め込むことにしてあった "窓" が構造的に嵌められないことに気付く羽目になった。
何とかして無理やりにでも嵌められないかと策を探すこと数分... 結局諦めて一部に切れ目を入れ(赤丸部分)、差し込む際に当たる部分(矢印の内側の)角部分を削って対処した。
OSMO のオイルは極薄く塗るだけなので、塗りムラはできず、更に塗り重ねる前にサンドペーパー等で表面を平らに均す必要が無いため、非常に楽である。
窓が入らずやむなく切れ目を入れた部分には、ポリカーボネートの端切れで補強を入れておいた。(補強兼失敗隠し)
さて、最後に残った屋根の取り付け...
どのように取り付けようかとずっと考えていたのだが、取り敢えずヒンジを購入しなくてはと、ネットで調べると、ちょっとアンティークっぽく見える物が目に入った。だが高い...
たかがヒンジにそんなにお金をかけるのはもったいない。
自分で削れば同じようなものができると、購入してきたのは何の飾り気もないストラップ ヒンジだ。
お高いヒンジを真似てパターンを作り、マスキングテープを貼った安いヒンジに型を写す。
ハックソーやらファイルを使って黙々と作業していたら、一面切り終わる前に面倒臭くなり、途中からスクロールソーにメタル用の刃を着けて、不要部分をカット。スクロールソーでカットした後、ファイルで形を整えるという方法に切り替えた。こちらの方がはるかに楽だ。
切り終えたヒンジの表面をサンドペーパーで削り、ステンドグラス用のパティーナで着色しようと試みたが、ムラに染まって失敗...
仕方なく、金属にも使える塗料をスプレーした。
出来上がりは、安いヒンジに手を加えたとは思えない程度になった。
さて、屋根をどうしようか...
同居人 T に、"Bad design" と何度も言われ、苦笑いしながらも、餌の補充がし易く、強度もあり、かつ雨にも強い構造にするべく何日も何日も考えた挙げ句に、屋根のトップから雨が染み込まないよう(見栄えは悪いが)シリコン製テープを被せ、テープを押さえるための細い板を取り付けることにした。
出来上がりを見ても、なぜこんなに時間がかかったのか誰にも理解できないだろうなと、そんなことを考えながら、組み立て終わった。
あともう少しで出来上がる...
余談だが、板を貼り合わせる際にはみ出たグルーは、鉋屑で拭き取る。これは雲の上のお師匠さんだけでなく、亡き父もやっていたのを覚えている。