一番最初のエクソシストが日本で封切られたのは、私が高校 2 年か 3 年の時だった。
観に行こうと誘ってくれたのは仲の良かったクラスメイトの I 君。
彼とは何故だかいつも一緒で、下校時に駄菓子屋『お菊さん』に寄り『ところてん』(自分で棒状のところてんを突いて食べる、セルフサービスのおばあちゃんの店だった)を食べたり、I 君の暮らす市で働く母とランチを食べる約束をしている時には、約束の時間まで、駅ビルにあった『サモワール』というカフェでコーヒーを飲んだりして過ごしたりもし、偶然にも、放送委員も一緒に何期もつとめたりもした。
昼は放送室で一緒にお弁当を食べ、帰りも一緒。おまけに映画にも一緒に行く(エクソシストだったが)という仲だったのに、誰からも付き合っているだろうと噂されたことのない私たち...
少し前に観た『プラトニック』という映画を思い出させるような、健全と言うにふさわしい関係だったのだ。
あまりに昔のことで、どこの映画館だったのかさえも忘れてしまっているが、昨日、新しいエクソシストを家で観終わって直ぐに頭に浮かんだのは I 君のこと。
彼に「ねぇ、新しいエクソシスト観た?」と心の中で聞いていた。
高校を卒業してから彼に会ったのは確か 2 回...
一度は卒業後数年して行われた同窓会で、そして 2 度目は、私達が特に仲良くしていたクラスメイトの女の子のお墓参りだった。彼女は出産直後に亡くなってしまったと、何故だか I 君は知っていて、私に電話をくれ、車で迎えに来てくれた。
彼女の家まで行き、お墓の場所を教えてもらい、お花を供えてきたことは覚えているが、道中何の話をしたのかはまるで憶えていない。
今度日本に帰ることがあったら、会ってみたいなとも思っている。
連絡先は、多分私の姉の友達だったらわかるだろう。(姉の友達は、偶然にも、かつて彼の親が経営する幼稚園で働いていたことがあり、彼と私がクラスメイトで、しかも仲が良かったことを彼から聞いて知っている)