25.10.25

『高瀬舟』作:森鴎外 朗読:窪田等 作業用BGMや睡眠導入 おやすみ前 教養にも 本好き 青空文庫



編み物をしながらこの方の朗読を聴くのが習慣となっている。

この『高瀬舟』は、これまで幾度となく本で読んではいるのだが、この朗読を聴いて、思わず声を出して泣いてしまった。

私の中ではカミュのペスト、異邦人等々と並び、トップ 5 に入るだろう名作である。



15.10.25

父親の血筋

人生後半の私の生活は、丹精込めて作った物を、会ったこともない人にオンラインで買ってもらい、オンラインでメッセージのやり取りをする以外には、人との関わりもほとんど無く、極めて静かで平和なものだ。

これまでのところ、買ってくれた人々から寄せられたフィードバックは、ありがたいことに、私の手仕事へのお褒めの言葉と、また感謝の言葉で満たされていて、正に職人冥利に尽きるという他ない。
フィードバックを受け取るたびに、無事に問題なく届いた安堵の気持ちと、温かい人々の心遣いに癒され、そして、毎回、亡き父の、仕事に対する真摯で手を抜かない職人魂に倣う心持ちがあってよかったと、しみじみ思うこととなる。


この不況下にあって、ネットで探せば幾らでも安い物が買えるだろうに、それらを選ばず、年老いた私が細々と作っている物を、高い送料を払ってまで購入してくれることに、心の底から感謝せずにはいられない。

先日プラント スタンドを購入してくれたジュリエットもまた、非常にありがたいフィードバックを残してくれていた。

Absolutely beautiful stand, and very well made, thank you very much.

思わしくない体調を理由に、作るのを断ろうかと何度考えたことだろう。だが、苦戦しながらも、放り投げることなく作業し続けて、本当によかった。



作品に刻印も無く、何処の誰が作ったかも定かでないプラント スタンドは、NZ の、とある街にある美術館のエントランス ホールの片隅で、上に乗せられた植物の引き立て役となることだろう。

別に有名になる気の無い私は、自分の作った物を使ってもらえるだけで、ただそれだけで満足である。




11.10.25

忍耐強く待っていてくれたジュリエット

「勤務する美術館のエントランスに置く、プランターのスタンドを作ってもらえるか」という質問が来ていた。

比較的大きなプラント スタンドになるため、プラントの重量に耐え、尚且つ無骨過ぎないデザインにするべく、考えるのに時間がかかり、板を選ぶのにも結構な時間がかかった。

それに加え、注文を受けてから 2 ヶ月近く、なかなか作業に集中できずにいたのは、ただただ歳を取ったからだろう。

一日に数時間作業したかと思えば、数日間スタジオに降りていく気力もないという日々を送り、ようやく完成に近づいたら、今度は滑り止めのゴムを海外に発注し、それを待っていたりと、信じられないほど長く掛かったプラント スタンド作りだったが、ようやく『(今の私には)これ以上堅牢には作れない』と言えるところまで、手を抜かずに作りあげた。


ハードウッドにアクセントとしてパープルハートのデコレーションを埋め込み、mortise & tenon ジョイントには、更に頑丈にすべく、同じパープルハートで作ったピンを差し込んで固定した。
ちなみに、パープルハートはハードウッドの中でも際立って硬い木で、今回この細いピンを手作業で作るのに、えらく苦労したのだが、おそらく、パープルハートを扱ったことのある限られた人にしか、この苦労は伝わらないだろう。

プランター スタンドがぐらつかないよう、下の部分にも補強として板をはめることにしたのは、他の部分を組み上げてしまった後だったため、作業が通常よりも大変になってしまった。
そして、その部分の補強用のピンは、上のパープルハートのピンよりも細くしたかった為、やむなく真鍮の棒を使うことにした。(この細さだと、木製のピンは心許無く思える)



この床に接する面には、海外から届いたばかりのゴムの滑り止めを貼ったため、外側からはジョイント部分は見えない。




どんな物が出来上がったかを、掲載可能な 4 枚の写真に収め、サイズも書き込み、私が唯一使用している販売サイトにアップしたのが昨日の夕方...
出品すると同時に、質問をくれた人宛に、だいぶ時間がかかってしまったことを詫び、もしまだ相応しい物を見つけられていなかったら、よかったら私が作ったものを見てみてくださいとメッセージを送っておいた。

今日の昼前、販売サイトから、そのプラント スタンドが売れたと通知が来た。そして、買ってくれた人からのメッセージには、遅くなったことなんて気にしなくていいという温かい言葉が添えられていた。


送るための丁度いい段ボール箱が無かったため、家にあった大きな段ボール箱を切ったり貼ったりし、パッキンを詰めて荷造り... いつも完璧な荷造りを絶賛される私だが(「あなたなら生卵も割れずに送り届けられる」と言われるほど)、結構な神経を使い、時間をかけて梱包するのは一仕事だ。

NZ Post のオンラインで送付手続きを済ませ、来週月曜日にクーリエがピックアップに来ることになっている。
オンラインで支払いを済ませればクレジットカードの使用手数料はとられないが、わざわざポスト ショップに出向いてクレジットカードで支払いをすると、サーチャージを請求されるという、全くもって割に合わないことになるため、もうポスト ショップになど行きたくはない。


あとは、買ってくれた人が満足してくれることを祈るのみだ。




誕生した時間

日本にいる R (第一子)の誕生日を迎えた今朝、当時の記憶が蘇ってきた。 私はその数年前まで、そこ(市立総合病院)の医事課で働いていたため、元同僚やら顔見知りの看護婦さんたちがまだ働いており、特に親しかった知人たちは、私が分娩室から出て来るのを待っていてくれたのだ。 歯を食いしば...