15.10.25

父親の血筋

人生後半の私の生活は、丹精込めて作った物を、会ったこともない人にオンラインで買ってもらい、オンラインでメッセージのやり取りをする以外には、人との関わりもほとんど無く、極めて静かで平和なものだ。

これまでのところ、買ってくれた人々から寄せられたフィードバックは、ありがたいことに、私の手仕事へのお褒めの言葉と、また感謝の言葉で満たされていて、正に職人冥利に尽きるという他ない。
フィードバックを受け取るたびに、無事に問題なく届いた安堵の気持ちと、温かい人々の心遣いに癒され、そして、毎回、亡き父の、仕事に対する真摯で手を抜かない職人魂に倣う心持ちがあってよかったと、しみじみ思うこととなる。


この不況下にあって、ネットで探せば幾らでも安い物が買えるだろうに、それらを選ばず、年老いた私が細々と作っている物を、高い送料を払ってまで購入してくれることに、心の底から感謝せずにはいられない。

先日プラント スタンドを購入してくれたジュリエットもまた、非常にありがたいフィードバックを残してくれていた。

Absolutely beautiful stand, and very well made, thank you very much.

思わしくない体調を理由に、作るのを断ろうかと何度考えたことだろう。だが、苦戦しながらも、放り投げることなく作業し続けて、本当によかった。



作品に刻印も無く、何処の誰が作ったかも定かでないプラント スタンドは、NZ の、とある街にある美術館のエントランス ホールの片隅で、上に乗せられた植物の引き立て役となることだろう。

別に有名になる気の無い私は、自分の作った物を使ってもらえるだけで、ただそれだけで満足である。




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