私は小学生の頃から洋裁を楽しんでいた。
まずは自分のサイズを測り、原型を作り(文化式、ドレメ式両方とも)、服飾本に載っていた製図を見ながら、自分の原型を基に、さまざまなデザインの服のパターンを作っていくという方法を主に取っていたので、実物大型紙を使用したことはほとんど無かったのだが、通常、実物大型紙というのは、そこに表示されているヌードサイズに、そのデザインに合わせた "ゆとり" というのが加味されて出来上がっているわけで、作り手が自分のヌードサイズを選択すれば、後はゆとり分を計算しなくてもいいようになっているものなのである。
これは "常識" だと、私の長い人生で信じて疑ったことなど一度も無かったのだが...
私が購入した犬服の型紙にはその常識は通用しなかった。
苛立たしいことに、犬の胴回り、首周り、着丈を図った上でそのサイズに合わせて購入した型紙には、全くと言っても過言ではないほど "ゆとり分" が入っておらず(0.5cm ほどの長さの違いがあった箇所もあったが、それは完全に "ゆとり" とは考えられない)、例え伸縮素材を使用したとしても、脱ぎ着が極めて困難である非常に窮屈な、犬にとって堪え難いほど動き辛い(或いは着せられたら自由に動けなくなる)ものとなってしまうのである。
何をどう考えて、型紙に "犬のサイズの測り方" を表記しているのだろうか?
あたかも、犬のサイズを測ってパターンを選ぶという仕組みになっているかのように見えるのにも関わらず、実際袋に記されているのは、犬のサイズに基づき、ゆるみを入れて作られたパターンのサイズではなく、"出来上がりのサイズ" そのものであるというトリック...
更には、パターンには使用すべき材料(ニット生地/布帛生地)が明記されているのだが、ニット生地を使用する場合には、犬のヌードサイズ+ 3〜5 cm のゆとりを入れること、また、布帛生地にはヌードサイズ+ 5〜10 cm のゆとりを入れることと最近学んだ私は、果たしてどちらの布を基準にしてパターンを調整したらいいのだろうと、またまた悩まされることとなった。(購入したパターンは、ニット生地と布帛生地の伸縮の度合いを考慮に入れて製図されているものなのか?)
いずれにしても、各自でゆとりを計算し、加味した上で、(ヌードサイズではなく)出来上がりサイズでパターンを選ばなければならないという、非常に誤解を招く仕組みとなっていることを、初めて購入する客は予想できるだろうか?
少なくとも、洋裁経験者にとっては、この会社のサイズ選びは非常に紛らわしいと言わざるを得ない。
高いお金を払って、完全に間違った型紙選びをしてしまった私は、ゆとりを入れた型紙に一々書き直さなければならないという、全くもって腹立たしい作業が加わって、R の愛犬用服作りは予想以上に時間がかかっている。
そのサイトで更に型紙を購入する気には当然なれないため、取り敢えず、ゆとりを 7cm ほど加えた型紙を制作してみた。
体型に合うかどうかを、トルソーで大まかに確認することしかできないため、新しく布を買い揃える前に、手元に残っていた布帛生地を使って試作品を作り始めたところである。
トルソー作りと違って、服作りは非常に楽しい。サイズを気にせず、購入した型紙通りに作れるのなら更に楽しいことだろう。

