20.2.13

客商売

昨年11月後半から始まったブティック勤めは、たった2ヶ月で幕を閉じた。

店のオープン当初から働いていたパメラでさえ、閉店に関することはオーナーから何も話を聞いておらず、毎日のように店を物色に来ていた中国人バイヤーが「ここを買うことに決まったら、2月から商売を始める」と言っていたことを、別のスタッフがオーナーに「どうなっているんだ?」と問いつめたことが発端となって、遅ればせながらのオーナーからの閉店宣言と相成ったわけなのだが、先月第2週目には1月末をもって閉店と言っていたのが、第3週目に入ると突然第4週目終了時に閉店すると予定を変更... スタッフはそれに伴って全員解雇というお粗末極まりない結果となった。

お粗末なのは経営者の技量である。
労働法も何も理解しておらず、経営の「け」の字も知らなかったような英国出身のタレントは、英語が読めなかったわけでもあるまいし、弁護士やら税理士なども当然雇っていたであろうに、法的なことは何一つ承知しておらず、英語が母国語ではないイラン人スタッフやら日本人スタッフ(私)から労働法に違反していると指摘され、反論する余地がなかったのである。

私はお世辞にも客商売に向いているとは言えない性格なので、あの仕事に関しては全く執着も無く、長く続けていたら間違いなく対人関係に支障をきたすようになっていたであろうと思うと、まぁ、ちょうどいい具合に無くなってくれたという状況であったのだが...、他のスタッフのことを考えると手放しで喜んでも居れず、私が知りうる限りの労働法と照らし合わせて、他のスタッフが不当な扱いをされないように情報を提供して終わりとしてきた。


ブティックの仕事を終了し、その後は友人からの頼まれ仕事(グラフィックデザイン)をしていたが、これは仕事というより奉仕だ。報酬は挽きたてのイタリアン&アラビックコーヒーと、瓶詰めのきゅうりのピクルス、それにイスラエルのケーキ。別に何も要らなかったのだが、持って行けというので有り難く頂いてきた。
デザイン関係の仕事は性に合っているのだが、この友人は忙し過ぎるからなのか時々自分で言ったことを覚えていないことがあり、「ここは変えてくれって言ったのに変わっていないじゃないか」と言うので、「そこはそのままでいいと言ったじゃないか。それに、なぜ変える必要があるんだ?」と反論したりなどして、私の意見を通した形になった(笑)
こんなコロコロ意見の変わる人の元でなんて、とてもじゃないが働けない。根はいいヤツなんだが...


単発で寿司屋の手伝いもしたが、寿司を巻くのは何のストレスもなくできるのに、接客は本当に嫌だと思った。
1パック(4個入り)幾らと表示して売られている巻き寿司を、1パックくれという客も居るんだということにも驚いたし、何を買うわけでもないのに、自分が家から持ってきたお弁当を店に備え付けてある電子レンジであたためてくれと要求しに来る輩も居るんだというのを聞いて、何だかゲンナリしてしまったりしながら、それでも引き受けたからにはお終いまでやらなくちゃと頑張って笑顔で接客していたものの、段々に言葉数は少なくなり、精神的に疲れ切って平常心ではいられなくなってきてしまっていた。

私は接客業に携わると人間嫌いになってしまう。
できることなら、一人で黙々と作業をしていられるような仕事がいいなとつくづく思った。



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