20.6.18

NZの潮干狩り、寒梅、そして日本の marking gauge

NZでの潮干狩りは、獲ってもいい数量が決まっている。決まっているのだが、地域によってかなりの差があるようで、オークランド(から北)では一人一日50個までとなっているTuatua は、先週末同居人Hの訪れていたタウランガでは3倍の150個まで獲ることができるらしく、日曜の夜、Hが美味しい Tuatua をお土産に持ち帰ってくれた。



*  NZにおける地域ごとの漁獲規制については Fishing Rules に事細かく示されているので、 事前にチェックしておかなければならない。チェックせずに大量に、或いは規格外のサイズのものを獲り持ち帰ろうとしたのを監視員に見つかった場合、高額な罰金を科されることになるようだが、ほとんど制限の無い国から来たばかりの移民、或いは旅行客などは、おそらく規制があることなど想像だにしておらず、「調べる」こと自体頭に浮かばないだろうというのは十分考えられることだ。
全ての立ち入り可能なビーチに明瞭に但し書きされた看板が設置されているのならいざ知らず、知らずに潮干狩りを楽しんで何百ドルという罰金を科されたのではたまったものではないなと、私などは思ってしまうが、その辺はどのような対処がなされているのだろうか?


さて、この Tuatua だが、アサリに比べてサイズが遥かに大きく、味も比べののにならないほど美味しいが、砂を吐かせるのにかなり時間がかかる。
塩水に浸け丸々一晩おいて、ほぼ砂を吐いたという感じだ。(若干残っていた)
私は通常揚げ物用の網の付いたバット(トレイ)を使い、貝が吐いた砂を再度吸い込まないようにしているが、多くは並べられないので、150個も獲って来てしまうと容れ物を探さなくてはならなくなる。平たく大きなコンテナのようなものを買って来ておいたほうがいいかもしれないが、そう頻繁に潮干狩りに行くものでも無し、はてさて、買っておくべきかどうか悩むところである。



Hの希望で夕食はボンゴレ ビアンコ。
やたらと貝が大きいため、"貝だらけパスタ" に見えるが、貝は13個ほど...  ちょうど良い量かな...




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裏庭には寒梅が咲き始めた。


例年は7月に入ってから咲き始める寒梅だが、もう咲いているということは、今年は寒くなるのが早いということなのだろうか?


アトリエに降りて行き、ベンチバイスに革を取り付けた。
これまで板と板の間に作業する物(主に板)を挟んで固定していたのだが、かなりきつく締めないと作業途中にずれてしまい、きつく締めすぎると今度は緩める時に大変になるという、老体には嬉しくない状況だったため、雲の上のお師匠さんがしているように、革を付けなくてはとずっと考えていたのである。
革は挟む部分の外側に留め付け、革を外側に垂らせば革無しでも使えるようにしておいた。



革の威力はかなりなもので、きつく締め上げなくとも全く滑らなくなった。

日本から買って帰った毛引き(マーキング ゲージ)は松井精密工業のもので、日本の経験を積んだ家具職人推奨のもの。



これまで西洋の、ピンやら、ごく薄いカッターやら、ホイールが付いたマーキング ゲージを使って来たが、どれも私にはイマイチの使い心地で、特にピンの付いたものは板をガリガリ削る感が拭えず、記した線に沿って鑿で慎重に削ったとしてもおよそシャープとは言い難い仕上がりになるような "気分" になってしまうのだ。実際にはそんなに気にすることはないのかもしれないが、そのダル(dull)な感覚というのは、作業をする上で邪魔になりはしても、益にはならないだろう。

また、西洋のマーキング ゲージは印を付けたい板に添わせるのに安定しない作りのものがほとんどで、板に添わせたつもりで線を引いていても、板の繊維に逆らえず微妙にズレてしまっていたということが幾度もあった。

その点、この日本の毛引きはよく考えて作られている。
板に当たる面は広く、また、柄は人差し指と中指の間に挟んで持つのに適した厚みとなっており、手全体を使って毛引き本体を包み込むことによって、ぐらつきが抑えられる仕組みになっている。
試しに側にある携帯電話やら本を片手で持ってみるとよくわかる。(重量のある本を持ってみると更によくわかる)
指だけを使って手に取った物を支えた場合と、物を包み込むように掌に当てて持ち、5本の指それぞれの機能を全て使って支えた場合とでは安定度が明らかに違うことは、誰でもわかることだろう。
そう、日本の毛引きを使った場合、印を付けている時にズレる可能性がほとんどなくなるのだ。

刃は流石に日本の刃物だけあって恐ろしくシャープで、なまくらになったらもちろん研ぎ直せる。だが、半永久的に使い続けられるわけではなく、直角に折れ曲がった部分が極端に短くなってしまったら新しい刃と交換しなければならない。交換したくなったときに果たして寸分違わぬものが手に入るかどうかは甚だ疑問である。

... と考えていくと、後々のことを考慮に入れた場合、このような鎌毛引きではなく、割り毛引きと呼ばれているもののように、柄に直接ブレードが刺さっているものの方がいいようにも思えるが、それだと同時に二重線を引くことができないというマイナス要素が付いてくる。ほぞ穴を掘る際の印付けに関しては、この2枚刄が非常に便利なのである。


さて、講釈はこれくらいにして...

例によって安い Pine(マツ材)を買って来たので、自分用の棚作りに取りかかるとしよう。




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