5.6.18

真冬並みの気温

ここ数週間オークランドの最低気温は4℃だの5℃だのとなっていた。

その気温だとさすがに耐えられずに夕食時ガスストーブをつけ、バスルームには電気ヒーターを運び込み、完全な真冬の装備をしなければ過ごせない。



私は同居人からもらった風邪で喉をやられ、一晩高熱にうなされ、微熱が数日続き、激しい咳のおかげで喉が更に痛くなり、腹筋まで痛くなった。
この歳になると、風邪は命取りになる可能性が高くなると、そんなことが頭に浮かび、「たかが風邪で死にたくはないよな...」と、ベッドの中で考えていたりもした。
症状が悪くなったのは週末から Queen's Birthday で祭日となった月曜にかけてだったため、病院にも行かず、同居人Tの買った GEES LINCTUS を飲み、Hがロンドンで買ってきた強いのど飴を舐め、姉が台湾で買ってきた緑油精なるものを鼻の下に少量つけてしのいでいたが、高熱が出た際には我慢することなく解熱剤を飲み、ようやく快方に向かっているところである。



3週間ほどのヨーロッパ旅行から無事帰宅した同居人Hは先週から職場復帰し、今年からフリーランサーとなった同居人Tには今のところ順調に仕事が入ってきている。

こちらの大学を卒業したのにも関わらずなかなか職にありつけなかった頃のことを思うと、『職歴』がどれだけ重要なポイントを占めているかが良くわかる。

Tはこれまでに、NZ最王手のスーパーマーケットやら、最王手のスポーツ用品店のTVコマーシャル、世界中で名の知れた飲料水メーカーのNZ版コマーシャル等々いくつもの仕事をこなしてきたため、履歴書に添付されたショーリールを見たほとんどの人は「おー、あれはこいつがやっていたのか」とまず最初に思うのだ。あまり知られていないブランドのTVコマーシャルを見せられたのとはインパクトの大きさが違う。

派遣会社に登録申請した際にも、申し分の無い職歴だと言われたのは言うまでもなく、誰かの紹介で、その業界では名の知れた会社に履歴書を送っても、ほとんど撥ねられることはなくなった。

要するに、最初の仕事(職場)にありつけさえすれば、力があれば先は開けるのだ。

だが、その『最初の仕事/職場』をコネ無しにゲットするのはNZでは非常に難しく、特に英語圏で生まれ育っていない人種にとっては、自分の "名前" が職探しの最も大きな障壁となり、履歴書を送ってもまず最初に書かれた名前で撥ねられる(まず読み辛い+英語力があるかどうかがわからない+生活習慣やら感覚の違いがわからない+それらを理解するのが面倒等々の理由)。
どんなに有能であっても、名前で撥ねられたのでは先に進みようがない。

コネを作ることに長けている人は、様々な場所で出会う人、出会う人に愛想を振りまき、積極的に話しかけ、"facebook friend" になり、電話番号を交換したりなどして、いとも簡単に仕事にありつくのだが、そのような社交的な人が『=仕事ができる人』とは限らないということは、見るからにその仕事に向いていないように思える人がかなり多く存在することからも、容易に想像できるだろう。

我が家の同居人TやHは、Tの大学時代の友達の紹介で大手広告代理店に入社することができたことは以前書いただろうか...  その友達もやはり友達の紹介でその会社に入っている。

多くの企業は、公募しはしても、"社員の知り合い" に入社希望者が居たらそちらを優先するようで、有能かどうかなどあまり問題ではないというのは事実だ。

Tの友達は、自分が昇進/昇給するためにそのポジションを引き継ぐ人を探す必要があり、Hは正に適任であったため紹介された。その当時は、引き継ぐ人を探して来たら会社から $500 の報酬までもらえたので、その友達にも大きなメリットがあり、紹介された側も勿論有り難く、また会社にとっても、求人広告を打ったり数多くの面接をする手間やら経費やらを省け、一石二鳥どころではないメリットがあったのだ。
企業の採用事情というのは、まぁ何処もそんなものなんだろう。

そんなわけで、Hは一応面接には出向いたものの、他に候補者も無く、いとも簡単に採用されたのだった。
そして、自らの頑張りでトントン拍子に昇進/昇給し続け、最近では、広告関係者の集まる授賞式に出席を要請されるするような立場になっている。着ていくドレスの数も増えた。
しかし現在、その "かつての" 大企業は、長いこと新たなクライアントをゲットできずにおり、これまでのクライアントも一つ、また一つと失い続けているような有様だ。
先行きが非常に怪しくなってきているため、他の社員と同様 Hも昇給はストップしたままで、そのくせ深夜まで残業させることは躊躇なく(残業手当などもちろん出ない)、そろそろ職場を変える時かなと、他の会社を探しているのも頷ける。



長く降り続いた雨も今朝は止み、今の気温は16℃と出ているが、依然として風が強い。
風邪はだいぶ良くなってきたが、本調子ではないため、今日も片道30分近く歩いて郵便局まで行くのは諦めることにした。


週末に、Tの友達のお母さんが作って持たせてくれた大量のマレーシアン チキン カレーは、さすがにレストラン経営者の作るものだけあって、ピリ辛で非常に美味しかった。
一昨日も食べ、昨日の夕食にもなり、今日の昼に食べてもまだ 3食分(3人分 × 3)は残っている。
Tの別の友達がくれたボックス型冷凍庫に入れ、残りはまたカレーが恋しくなった頃に食べるとしよう。



調子が悪くなる前に焼いたZaatar Bread はよく膨らんで美味しかった。
寒い時に部屋でパン生地を発酵させる際には、以前は大きな発泡スチロールの箱に湯たんぽを入れて、"暖かい部屋" を作っていたのだが、最近は横着をして、水道から熱々のお湯を注いだボールの上に、発酵させる生地を入れたコンテナを置いておくだけ。
それだけで案外うまくいくものだ。

多分、保冷/保温バッグやら、クーラーボックスも発酵に使えるに違いない。




0 件のコメント:

コメントを投稿

「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...