30.11.14

鉋がけの毎日


鉋がけの仕上げはシャープに研ぎ直した刃で極薄く削って行き、板の厚みがほぼ均一になるよう整える。(caliper で測って100%誤差がないように削れる人がこの世に存在するのだろうか?)表面は滑らか且つシャープで、サンダーで削って均した面とは明らかに輝きが違う。


スクロールソーの扱いにもすっかり慣れ、最近は透かし彫りを施した箱ものを作るようになった。箱ものは時間ばかりかかって売れるかどうかわからないという難点はあるものの、売ることだけを考えているとチンケなオーナメントのようなものばかりを作ることになり、自分がまるで進歩していないように思えて落ち込んでしまうため、もうどうでもいいやと開き直って、自分の技術を向上させるものを作ることに決めたのだ。

これは卓上ペンケースとして作った。蓋の透かし彫りの裏には色ガラスが入っている。光に照らして見るものではないので、透明性の低い色ガラスを使った。
他のどこにも売っていない、私だけが作る物である。



27.11.14

リンゴの実とブルームーン



最近ようやく夏らしい気候になってきて、裏庭のリンゴが実を結び始めた。
そして、この夏初めてのベランダのブルームーンも美しく、また香しく姿を現し、清々しい夏の初まりを告げてくれている。



こんな気持ちのいい日に、私はスタジオに隠って一日中鉋がけ。
合間に今週始めから作り始めたペンケースにシェラックを何度か塗ったが、数日前 facebook page を非公開に設定したため、作業途中の写真は撮らなかった。

世も世にあるものをも愛していてはなりません。世を愛する者がいれば、父の愛はその人のうちにありません。(ヨハネ第一2:15) 

facebook は正に『世にあるもの』そのものにほかならないよなと、しみじみ思った。


14.11.14

妖精の住む森...


注文しておいたLED ライトが届き、ようやく出来上がったステンドグラスのバードハウス。家中を歩き回って撮影場所を探し、撮った写真の中でこれが一番好きだった。
まるで妖精が出てきそうな感じのする灯りとでも言おうか…

下の写真の棒ハンダ1本の値段はNZ$9.90(今日現在、日本円にして904円強)。これを3本使ったため、ハンダだけで2,700円以上の経費がかかっている。LEDライトはNZ$6.00 (約548円)... ガラス、銅のテープ、電気代を含めて、いったい幾らで売れるのだ…

こんな高いもの、NZではまず売れないだろうななどと思いながら、やや面倒な組み立て作業をしていたら、無性に投げて割ってしまいたくなった。私がもしまだ若かったら、きっとコンクリートに打ち付けて粉々に割っていただろうが、もうそんな気力も無くなってしまい、おそらくNZではこの仕事で食べていける人はいないだろうと考えながら、家計の足しにもならないだろう作業を続けていた。空しさで胸が詰まった。

さて、明日は何をしたらいいのだろうか...


5.11.14

2014年の林檎の花



昨年は10月半ばには満開だった庭の林檎の木だが、今年は約一ヶ月遅れで花が開いてきた。
今年の冬は寒かったということかな? 何だか色々あり過ぎて、気温のことに など気にしてもいなかった。


今日は思いつくままにミニチュア・バード・ハウスを作っていた。パターンを作らず、直接板に線を引き、感覚で大きさを決めながら作っていったが、こうやって作るのはけっこう面白い。
がさついた板を鉋でスムースに均すことから始め、45度のカットも、角を丸くするのも全て鉋。
小さなホビー用鉋は、以前息子からお土産にもらったもので、日本製だ。替刃も何枚か買って来てくれたが、まだ切れ味がよく、研いで使えばかなり長持ちするだろう。

バードハウスの屋根の継ぎ目が見えない程度に綺麗にできた。テーブル・ソーなどでカットしたらここまで正確に合わせることはできない。シャープに研いだ鉋の刃で薄皮を剥ぐように角度を合わせて行って、ようやく吸い付くような切断面ができるのだ。

鉋がけは決して簡単ではないが、平らな面が出来上がって来る時の喜びは何にも代え難い。




さて、明日はペイントだ。


「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...