29.6.18

野菜に例えると...

昨日まで、自分を野菜に例えたことはなかった。

同居人Hはキュウリ、Tはトマト(だとHは言う)、"西早稲田の君"はゴボウ(?)、彼の人はスイカ、そして私はネギらしい。

なぜネギなのかを同居人たちが話していた。
生命力/再生力が半端なく強いというのが最も大きな理由らしいが、私ってそんなに強く映っているんだなと苦笑いしてしまった。

ネギは薬味となることがほとんどで、単独で食べることは滅多に無いのだが、生姜と同様存在感はかなり強く、クセも強い。

あぁ、言えてるかもな... と、ベランダで再生を繰り返す(スーパーで買ったネギの根っこから成長した)ネギを見ると、何だか健気に見えて思わず微笑んでしまった。


単独で檜舞台に立つことよりも、誰かを引き立てる役割を担う方が性に合っているのに、存在感だけは強く、おそらく影響力も強いと言われる私は、やはり『ネギ』なのだろうなと、やけに納得してしまった一日であった。


20.6.18

NZの潮干狩り、寒梅、そして日本の marking gauge

NZでの潮干狩りは、獲ってもいい数量が決まっている。決まっているのだが、地域によってかなりの差があるようで、オークランド(から北)では一人一日50個までとなっているTuatua は、先週末同居人Hの訪れていたタウランガでは3倍の150個まで獲ることができるらしく、日曜の夜、Hが美味しい Tuatua をお土産に持ち帰ってくれた。



*  NZにおける地域ごとの漁獲規制については Fishing Rules に事細かく示されているので、 事前にチェックしておかなければならない。チェックせずに大量に、或いは規格外のサイズのものを獲り持ち帰ろうとしたのを監視員に見つかった場合、高額な罰金を科されることになるようだが、ほとんど制限の無い国から来たばかりの移民、或いは旅行客などは、おそらく規制があることなど想像だにしておらず、「調べる」こと自体頭に浮かばないだろうというのは十分考えられることだ。
全ての立ち入り可能なビーチに明瞭に但し書きされた看板が設置されているのならいざ知らず、知らずに潮干狩りを楽しんで何百ドルという罰金を科されたのではたまったものではないなと、私などは思ってしまうが、その辺はどのような対処がなされているのだろうか?


さて、この Tuatua だが、アサリに比べてサイズが遥かに大きく、味も比べののにならないほど美味しいが、砂を吐かせるのにかなり時間がかかる。
塩水に浸け丸々一晩おいて、ほぼ砂を吐いたという感じだ。(若干残っていた)
私は通常揚げ物用の網の付いたバット(トレイ)を使い、貝が吐いた砂を再度吸い込まないようにしているが、多くは並べられないので、150個も獲って来てしまうと容れ物を探さなくてはならなくなる。平たく大きなコンテナのようなものを買って来ておいたほうがいいかもしれないが、そう頻繁に潮干狩りに行くものでも無し、はてさて、買っておくべきかどうか悩むところである。



Hの希望で夕食はボンゴレ ビアンコ。
やたらと貝が大きいため、"貝だらけパスタ" に見えるが、貝は13個ほど...  ちょうど良い量かな...




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裏庭には寒梅が咲き始めた。


例年は7月に入ってから咲き始める寒梅だが、もう咲いているということは、今年は寒くなるのが早いということなのだろうか?


アトリエに降りて行き、ベンチバイスに革を取り付けた。
これまで板と板の間に作業する物(主に板)を挟んで固定していたのだが、かなりきつく締めないと作業途中にずれてしまい、きつく締めすぎると今度は緩める時に大変になるという、老体には嬉しくない状況だったため、雲の上のお師匠さんがしているように、革を付けなくてはとずっと考えていたのである。
革は挟む部分の外側に留め付け、革を外側に垂らせば革無しでも使えるようにしておいた。



革の威力はかなりなもので、きつく締め上げなくとも全く滑らなくなった。

日本から買って帰った毛引き(マーキング ゲージ)は松井精密工業のもので、日本の経験を積んだ家具職人推奨のもの。



これまで西洋の、ピンやら、ごく薄いカッターやら、ホイールが付いたマーキング ゲージを使って来たが、どれも私にはイマイチの使い心地で、特にピンの付いたものは板をガリガリ削る感が拭えず、記した線に沿って鑿で慎重に削ったとしてもおよそシャープとは言い難い仕上がりになるような "気分" になってしまうのだ。実際にはそんなに気にすることはないのかもしれないが、そのダル(dull)な感覚というのは、作業をする上で邪魔になりはしても、益にはならないだろう。

また、西洋のマーキング ゲージは印を付けたい板に添わせるのに安定しない作りのものがほとんどで、板に添わせたつもりで線を引いていても、板の繊維に逆らえず微妙にズレてしまっていたということが幾度もあった。

その点、この日本の毛引きはよく考えて作られている。
板に当たる面は広く、また、柄は人差し指と中指の間に挟んで持つのに適した厚みとなっており、手全体を使って毛引き本体を包み込むことによって、ぐらつきが抑えられる仕組みになっている。
試しに側にある携帯電話やら本を片手で持ってみるとよくわかる。(重量のある本を持ってみると更によくわかる)
指だけを使って手に取った物を支えた場合と、物を包み込むように掌に当てて持ち、5本の指それぞれの機能を全て使って支えた場合とでは安定度が明らかに違うことは、誰でもわかることだろう。
そう、日本の毛引きを使った場合、印を付けている時にズレる可能性がほとんどなくなるのだ。

刃は流石に日本の刃物だけあって恐ろしくシャープで、なまくらになったらもちろん研ぎ直せる。だが、半永久的に使い続けられるわけではなく、直角に折れ曲がった部分が極端に短くなってしまったら新しい刃と交換しなければならない。交換したくなったときに果たして寸分違わぬものが手に入るかどうかは甚だ疑問である。

... と考えていくと、後々のことを考慮に入れた場合、このような鎌毛引きではなく、割り毛引きと呼ばれているもののように、柄に直接ブレードが刺さっているものの方がいいようにも思えるが、それだと同時に二重線を引くことができないというマイナス要素が付いてくる。ほぞ穴を掘る際の印付けに関しては、この2枚刄が非常に便利なのである。


さて、講釈はこれくらいにして...

例によって安い Pine(マツ材)を買って来たので、自分用の棚作りに取りかかるとしよう。




5.6.18

真冬並みの気温

ここ数週間オークランドの最低気温は4℃だの5℃だのとなっていた。

その気温だとさすがに耐えられずに夕食時ガスストーブをつけ、バスルームには電気ヒーターを運び込み、完全な真冬の装備をしなければ過ごせない。



私は同居人からもらった風邪で喉をやられ、一晩高熱にうなされ、微熱が数日続き、激しい咳のおかげで喉が更に痛くなり、腹筋まで痛くなった。
この歳になると、風邪は命取りになる可能性が高くなると、そんなことが頭に浮かび、「たかが風邪で死にたくはないよな...」と、ベッドの中で考えていたりもした。
症状が悪くなったのは週末から Queen's Birthday で祭日となった月曜にかけてだったため、病院にも行かず、同居人Tの買った GEES LINCTUS を飲み、Hがロンドンで買ってきた強いのど飴を舐め、姉が台湾で買ってきた緑油精なるものを鼻の下に少量つけてしのいでいたが、高熱が出た際には我慢することなく解熱剤を飲み、ようやく快方に向かっているところである。



3週間ほどのヨーロッパ旅行から無事帰宅した同居人Hは先週から職場復帰し、今年からフリーランサーとなった同居人Tには今のところ順調に仕事が入ってきている。

こちらの大学を卒業したのにも関わらずなかなか職にありつけなかった頃のことを思うと、『職歴』がどれだけ重要なポイントを占めているかが良くわかる。

Tはこれまでに、NZ最王手のスーパーマーケットやら、最王手のスポーツ用品店のTVコマーシャル、世界中で名の知れた飲料水メーカーのNZ版コマーシャル等々いくつもの仕事をこなしてきたため、履歴書に添付されたショーリールを見たほとんどの人は「おー、あれはこいつがやっていたのか」とまず最初に思うのだ。あまり知られていないブランドのTVコマーシャルを見せられたのとはインパクトの大きさが違う。

派遣会社に登録申請した際にも、申し分の無い職歴だと言われたのは言うまでもなく、誰かの紹介で、その業界では名の知れた会社に履歴書を送っても、ほとんど撥ねられることはなくなった。

要するに、最初の仕事(職場)にありつけさえすれば、力があれば先は開けるのだ。

だが、その『最初の仕事/職場』をコネ無しにゲットするのはNZでは非常に難しく、特に英語圏で生まれ育っていない人種にとっては、自分の "名前" が職探しの最も大きな障壁となり、履歴書を送ってもまず最初に書かれた名前で撥ねられる(まず読み辛い+英語力があるかどうかがわからない+生活習慣やら感覚の違いがわからない+それらを理解するのが面倒等々の理由)。
どんなに有能であっても、名前で撥ねられたのでは先に進みようがない。

コネを作ることに長けている人は、様々な場所で出会う人、出会う人に愛想を振りまき、積極的に話しかけ、"facebook friend" になり、電話番号を交換したりなどして、いとも簡単に仕事にありつくのだが、そのような社交的な人が『=仕事ができる人』とは限らないということは、見るからにその仕事に向いていないように思える人がかなり多く存在することからも、容易に想像できるだろう。

我が家の同居人TやHは、Tの大学時代の友達の紹介で大手広告代理店に入社することができたことは以前書いただろうか...  その友達もやはり友達の紹介でその会社に入っている。

多くの企業は、公募しはしても、"社員の知り合い" に入社希望者が居たらそちらを優先するようで、有能かどうかなどあまり問題ではないというのは事実だ。

Tの友達は、自分が昇進/昇給するためにそのポジションを引き継ぐ人を探す必要があり、Hは正に適任であったため紹介された。その当時は、引き継ぐ人を探して来たら会社から $500 の報酬までもらえたので、その友達にも大きなメリットがあり、紹介された側も勿論有り難く、また会社にとっても、求人広告を打ったり数多くの面接をする手間やら経費やらを省け、一石二鳥どころではないメリットがあったのだ。
企業の採用事情というのは、まぁ何処もそんなものなんだろう。

そんなわけで、Hは一応面接には出向いたものの、他に候補者も無く、いとも簡単に採用されたのだった。
そして、自らの頑張りでトントン拍子に昇進/昇給し続け、最近では、広告関係者の集まる授賞式に出席を要請されるするような立場になっている。着ていくドレスの数も増えた。
しかし現在、その "かつての" 大企業は、長いこと新たなクライアントをゲットできずにおり、これまでのクライアントも一つ、また一つと失い続けているような有様だ。
先行きが非常に怪しくなってきているため、他の社員と同様 Hも昇給はストップしたままで、そのくせ深夜まで残業させることは躊躇なく(残業手当などもちろん出ない)、そろそろ職場を変える時かなと、他の会社を探しているのも頷ける。



長く降り続いた雨も今朝は止み、今の気温は16℃と出ているが、依然として風が強い。
風邪はだいぶ良くなってきたが、本調子ではないため、今日も片道30分近く歩いて郵便局まで行くのは諦めることにした。


週末に、Tの友達のお母さんが作って持たせてくれた大量のマレーシアン チキン カレーは、さすがにレストラン経営者の作るものだけあって、ピリ辛で非常に美味しかった。
一昨日も食べ、昨日の夕食にもなり、今日の昼に食べてもまだ 3食分(3人分 × 3)は残っている。
Tの別の友達がくれたボックス型冷凍庫に入れ、残りはまたカレーが恋しくなった頃に食べるとしよう。



調子が悪くなる前に焼いたZaatar Bread はよく膨らんで美味しかった。
寒い時に部屋でパン生地を発酵させる際には、以前は大きな発泡スチロールの箱に湯たんぽを入れて、"暖かい部屋" を作っていたのだが、最近は横着をして、水道から熱々のお湯を注いだボールの上に、発酵させる生地を入れたコンテナを置いておくだけ。
それだけで案外うまくいくものだ。

多分、保冷/保温バッグやら、クーラーボックスも発酵に使えるに違いない。




「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...