27.2.20

閑散としたレストラン

H の誕生日は、トルコ料理店で祝うことにした。

それは小洒落たフードコートという感じの、小さなレストランが集まった一角にあったが、日曜の夜だというのに(いや、金曜や土曜でなく日曜だからか)、周りの店にもお客はたいして入っておらず、これで商売がやっていけるのか?と疑問に思うほど閑散としていた。



料理は美味しく、量も多かったので、料理に関しては満足だったが、テーブルは少々狭く、ベンチシートに至っては、私には若干高過ぎただけではなく、明らかに奥行きが無さ過ぎ、食事中ずっと uncomfortable 極まりなかった。



あんなに奥行きの無いベンチシートに座ったのは初めてで、食事が終わりさぁ帰ろうかと立った途端、脚の付け根に痛みが走り、痛みを我慢して歩かなくてはならないという、悲惨な状態になってしまった。

食事を楽しむためには、料理そのものの質は言うに及ばず、快適なテーブルと椅子のセッティングが提供されないとならないということを痛切に感じたディナーだった。
もしまたそのレストランの料理が食べたくなったら、間違いなく Take Away(持ち帰り)にすることだろう。


そして翌日、誕生日休暇(有給)をとった H が、私を買い物に誘ってくれた。すっかり車の運転に慣れた H は家まで迎えに来てくれ、少し離れた所にあるショッピング センターに行き、二人していくつかの店を見て周り、帰りにスーパー マーケットで食料品を買いなどして、3 時間半ほど出かけていた。

日頃 VR で足腰を鍛えているのが幸いしてか、膝も痛くならず、翌日に疲労感も残らなかった。



19.2.20

VR 汗対策

2ヶ月で 7kg 減量したという長男が羨ましい...
私は未だ 2〜3kg 減のままだ。


VR のヘッド セットにシリコン パッドを着けているためか、毎回プレイ中に汗で滑り落ちてきて、非常に不快な思いをしていた。
どうしたものかと色々と考えた挙句に、薄いヘッド バンドを作ってみることにした。

T がマイクロファイバーの雑巾用布(洗車時に使用)を何枚かストックしているのを思い出し、普通のタオル地よりも汗を吸収しそうだと、1枚分けてもらい、それに手持ちの布を縫い付けて、1枚の雑巾から 8個のヘッドバンドを作った。



作り方は超イイカゲンで、どこぞの大量生産品の品質に毛が生えた程度だなと、自分でも笑えてきたが、まぁ、使用中、或いは洗濯時にほつれてくることのないようには作ってあるので、こんなもので充分だろう。(これを身に付けて外出するわけでもないし)

昨日早々試してみたところ、額の汗は滴り落ちてくることなく、ヘッドセットがずり落ちることも全く無くなって、万々歳である。

薄いので、使用後石鹸を擦り付けて手洗いし、手で絞って干しておけば、次の日には乾いている。



ちなみに、
一般的に、洋裁をする際にはアイロンの使用が不可欠であるが、このマイクロファイバーという素材は熱に弱く、アイロンを使えないどころか、熱いお湯で洗濯すると一気にガサガサ/ゴワゴワになってしまうというので、アイロンで布のシワを伸ばし、縫い目を整えるという作業も無しで、素人感満載の作りに拍車をかけたものとなっている。



17.2.20

Plant Stand

H が "お高い茎" を買ったのは半年ほど前だっただろうか...

何でもその植物は、Monstera Deliciosa Albo Variegated という、何故だか信じられないほど高価なものなのだそうで、つい先ごろ国内のインターネット オークションで一部枯れかけている鉢植えが何と NZ$5,000 超え(¥350,000以上)のとんでもない落札価格をマークして、私のみならず H もまた、度肝を抜かれ、しばらく唖然としたままだった。

余裕で海外旅行できるほどの大金を、惜し気もなく鉢植え一つに注ぎ込む情熱というのは、私たちにとっては想像を絶するもので、およそ、正気の沙汰とは思えないと、貧乏人は考えてしまう。

そんな大層なプラントは、お高い鉢に入れて、綺麗にデコレートされた部屋に置くのだろうななどと想像していたら、ふと、プラント スタンドを作ってみようかなという気になった。


そう、重い腰を上げ、私はプラント スタンド製作を始めたのだ。

まずは簡単な、巷でよく見かけるようなデザインで作り、耐久性等をみてみることにした。
鑿でまず Mortise Hole をあけ、次に Tenon と呼ばれる凸部分(差し込む側)を形作る。緩過ぎずかた過ぎず、接合部分に極力隙間ができないように、慎重に作業しなければならない。

今回、Mortise & Tenon をクランプでしっかり固定できるよう、足部分の加工は後回しにした。




グルーがしっかり乾いたら、足部分を形に沿って鋸で切り落とし、外側の角に丸みを持たせるべく、spokeshave で削り取っていく。(板目に沿って削らなくてはならない)


ここまでできれば、あとは組み立て、仕上げの塗装をするだけである。


組み立ては、足と足をつないだ板の中央にあけてある溝をはめ込むようになっていて、はめ込んだだけでも滅多なことでは抜けない程度の締り具合なため、グルーは付けなかった。(写真上の奥の足の中央には下側に溝が開けてあるのだが、何も気にしないで写真を撮ってしまったため、溝が隠れてしまっている)


初めて作ったプラント スタンドは、少々ズングリした形だ。

仕上げはオイルコーティングにしてみた。
オイルを乾かし重ね塗り... を何度か繰り返すため、完成にはまだ数日かかる。





取り敢えずは自分用 & 植物好きな H 用にいくつかの種類を作り、使い心地、耐久性、植物とのバランス等々を考察し、一般的に使えそうな形とサイズを模索するという作業から始めなければならないが、巷で売られているような粗悪な作りではなく、亡き父に見せても恥ずかしくないような、昔ながらの工法で作ることになるのは間違いない。

時間はかかり、販売価格も割高になるだろうが、質を落として安価な物を作る気にはならない。
果たしてどれだけの人に受け入れられるか全くわからないが、少なくとも父から「そんなことはしない」と言われるような仕事にはならないように努力するつもりだ。




3.2.20

2020年2月3日

イギリス王室の揉め事も、オーストラリアの山火事も、すっかりコロナウィルスの話題に掻き消され、世界中の多くの人々が不安を抱えながら生活することを余儀なくされている今日この頃...




Albert Camus の『ペスト』に描かれている世界そのものの様相を示している "震源地" の様子を見るにつけ、これが、この科学技術が進んだ "現代" に起こっていることのようには思えなくなってくるのは、おそらく私だけではないだろう。

既にウィルスは様々な国に広がってしまっているが、NZでは現時点で感染者は確認されてはいない。
だが、人々は感染の恐怖から、中国人を(実際には、見分けがつかないため、アジア人を一括りとして)敬遠し、人種差別とも十分受け止められるほどの迫害をし始めている。
『病原菌拡散者』という汚名を着せられたアジア人はSNSなどを通して実態を公表してはいるが、偏狭で無思慮な "ニュージーランド人" と名乗る輩たちは、NZ生まれのアジア系の人々に対しても、それとは知らず(いや、様々な可能性を考える能力が劣っているのだろうとしか思えない)公の場で容赦なく攻撃するという愚行に出ている。

中東の人々=テロリストと決めつける人々と同じようなものだ。


政府の対処が後手後手になっているのを非難する市民は多いが、一人の伝染病患者が確認された時点で、既に病原菌は誰かにうつっており、鼠講のごとく増え広がっているという状態では、実際のところ手の打ちようがないではないか... どの時点で対策を発表したとしても『手遅れだ』と言われるに違いない。


NZ政府は、2月2日以降に中国本土から来た者、及び中国本土を経由してきた乗客は入国禁止とし(NZ国民並びにNZ永住権保持者は制限付きで入国可)、また中国本土への飛行便を全て当面の間運航停止とすることを発表した。

また、"震源地" に足止めとなってしまっているNZ国民を帰国させるべく、チャーター機を出すことを決定したが、帰国者を2週間隔離するための軍の施設を用意したと発表すると、それを受けて、その施設のある地域の住民が不安を訴え始めた。

どう考えても、完璧な対応などできる由はない。だが、何とか早急に対処しなければならないという立場に置かれた人々は、身の縮む思いをしながら、酷評に耐え、不完全だと承知しつつも判断を下さなければならないのだ。


この騒ぎが収束するのにどれくらいの時間がかかるのかわからないが、この伝染病もいつかは姿を消し、時を違えてまた別の伝染病が出現することになる。
この世から病原菌が一掃されることなど不可能だろう。





そんな最中...
日本に居る長男から連絡が入った。
長らく連絡も無かったかつての近親者から、彼の人の実家の墓の場所を教えて欲しいというemailが届いたというのだ。問い合わせには私たちの肉親が関係しているようだが、詳細は知らされていないとのこと。取るに足りない案件であればいいのだが... と、皆胸中穏やかではなくなった。

私は咄嗟に、見えないものの存在(力?)を感じてしまった。

何故、よりによって彼の人の誕生日であり、私の父の命日である今日、連絡が来たのだ?
一年は365日もあるというのに、何故今日なんだ?
しかも、email を受信した時間は、彼の人の命日の日付になろうという、正にその時だった。



「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...