17.2.20

Plant Stand

H が "お高い茎" を買ったのは半年ほど前だっただろうか...

何でもその植物は、Monstera Deliciosa Albo Variegated という、何故だか信じられないほど高価なものなのだそうで、つい先ごろ国内のインターネット オークションで一部枯れかけている鉢植えが何と NZ$5,000 超え(¥350,000以上)のとんでもない落札価格をマークして、私のみならず H もまた、度肝を抜かれ、しばらく唖然としたままだった。

余裕で海外旅行できるほどの大金を、惜し気もなく鉢植え一つに注ぎ込む情熱というのは、私たちにとっては想像を絶するもので、およそ、正気の沙汰とは思えないと、貧乏人は考えてしまう。

そんな大層なプラントは、お高い鉢に入れて、綺麗にデコレートされた部屋に置くのだろうななどと想像していたら、ふと、プラント スタンドを作ってみようかなという気になった。


そう、重い腰を上げ、私はプラント スタンド製作を始めたのだ。

まずは簡単な、巷でよく見かけるようなデザインで作り、耐久性等をみてみることにした。
鑿でまず Mortise Hole をあけ、次に Tenon と呼ばれる凸部分(差し込む側)を形作る。緩過ぎずかた過ぎず、接合部分に極力隙間ができないように、慎重に作業しなければならない。

今回、Mortise & Tenon をクランプでしっかり固定できるよう、足部分の加工は後回しにした。




グルーがしっかり乾いたら、足部分を形に沿って鋸で切り落とし、外側の角に丸みを持たせるべく、spokeshave で削り取っていく。(板目に沿って削らなくてはならない)


ここまでできれば、あとは組み立て、仕上げの塗装をするだけである。


組み立ては、足と足をつないだ板の中央にあけてある溝をはめ込むようになっていて、はめ込んだだけでも滅多なことでは抜けない程度の締り具合なため、グルーは付けなかった。(写真上の奥の足の中央には下側に溝が開けてあるのだが、何も気にしないで写真を撮ってしまったため、溝が隠れてしまっている)


初めて作ったプラント スタンドは、少々ズングリした形だ。

仕上げはオイルコーティングにしてみた。
オイルを乾かし重ね塗り... を何度か繰り返すため、完成にはまだ数日かかる。





取り敢えずは自分用 & 植物好きな H 用にいくつかの種類を作り、使い心地、耐久性、植物とのバランス等々を考察し、一般的に使えそうな形とサイズを模索するという作業から始めなければならないが、巷で売られているような粗悪な作りではなく、亡き父に見せても恥ずかしくないような、昔ながらの工法で作ることになるのは間違いない。

時間はかかり、販売価格も割高になるだろうが、質を落として安価な物を作る気にはならない。
果たしてどれだけの人に受け入れられるか全くわからないが、少なくとも父から「そんなことはしない」と言われるような仕事にはならないように努力するつもりだ。




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