5.5.14

商品写真の撮り方

もちろん「買わなくちゃ!」と思わせるような魅力的な写真でなくてはならないが、かといって、本物を手に取った人が「な〜んだ、こんな物だったのか」とガッカリするほど実物よりもはるかに素晴らしい物に見えてはいけないのだ。その兼ね合いがけっこう難しい。

先週、国内のインターネット・オークションに出品していた Trivet (鍋敷き)が売れた。
落札者は遠く離れた場所に住んでいるため、もちろん私の手作り品を実際に目にしたことはなく、オークションに掲載されている一作品たった一枚だけの写真を見て購入を決断してくれたのだが、なんと同時に3点も購入してくれ、商品が手元に届くのを楽しみにしているとメッセージを送ってくれた。

私は鍋敷きには無垢の板ではなく合板を使っていて、それはしっかり商品説明の欄に書かれており、更に、中には合板とは何ぞや??という人もいるだろうと思い、合板についての説明文をwikipedia から抜粋し載せてもいるのだが、特にステインしてある商品については板の断面までは写真に鮮明に写らない場合の方が多く、どれだけの人が仕上がりに納得してくれるか、非常に気になっていた。

そこで、落札者へのお礼のemailには、使用材料と工程の大まかな説明を付け加えておいた。
合板は無垢の板と比べて熱にも水にも強く、鍋敷きとして使用するのに向いているのだが、断面が幾層にもなっているのが見えてしまうのが難点だということ。それでも自分が納得できるまでサンディングと着色を繰り返し、表面はかなり滑らかに仕上げてあること。また、デリケートな透かし彫り部分については、表面と同じように充分な処理を施すと果てしなく時間がかかってしまい、商品の価格がとんでもなく跳ね上がってしまうので、2〜3度の処理で良しとしていること。そして、もし商品が手元に届いて気になる部分があったら、どんなことでも構わないので、連絡をいただけると有り難いとも書き添えた。

通常は1〜3日で配達されるのだが、3日目がちょうど週末となってしまうので、もしかしたら配達は週明けかなと思っていたのだが、土曜日の午前中に届いたようで、オークションサイトに素晴らしいフィードバックを送ってくれてあった。
そして更に、ご丁寧にemailも送ってくれ、「写真で見てはいたけれども、実物は写真よりももっと素敵で、嬉しくて、emailでお礼の気持ちを伝えたかった」と書かれていた。

有り難く、またこの上なく嬉しい取引であった。


私が撮って載せた写真はきちんと役割を果たし、実物をほんの少し引き立てるのに成功したようだ。:)






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