7.8.14

日本ではシルバーカーと言うらしいが...

先月クラフト マーケット用に購入した新品のショッピング カートは、マーケット初日にはまぁなんとか使えたものの、満足であると言い切れるほど使い勝手が良いわけでもなかったので、引き続きカートを探していた。

国内のインターネット オークションで見つけたものは、walker / shopping cart と書かれていて、いわゆる買い物籠付き歩行器だったが、サイズが適度に大きく、クラフト マーケットに荷物を運ぶのに便利そうだなと思い入札したら、驚くほど安い金額(NZ $11.00 日本円にして約950円)で落札してしまった。


出品者の家(高速で30分ほどの距離)まで受け取りに行かなくてはならなかったため、昨日、同居人が昼休みを潰して、目的地まで運転して連れて行ってくれた。
すんなりいけば昼休みをそんなにオーバーしないで帰って来れるはずだったのだが、約束した時間に家のベルを何度鳴らしても誰も出て来ず、相手の携帯電話に連絡しても「今出られないからメッセージを残しておいて」というばかり…
おそらく出掛けていて今家に向っているのだろうと、家の外で待つこと30分。携帯電話に「待っているからすぐに連絡して欲しい」とメッセージを残し、その上テキストメッセージまで送っておいたのに、なしのつぶてで、なんてヤツだと怒り心頭に達し、昼休みを大幅にオーバーしてしまった同居人に申しわけない気持ちでいっぱいになりながら、もうそれ以上待つこともできずに帰って来た。

家に戻ってからemailで「車と助っ人を調達して約束の時間にそこに行ったのに、あなたの家には誰も居らず、携帯電話に何度連絡しても何の返事も返って来なかったのでやむなく帰って来た。頼むから、断りもなく約束をすっぽかすことはしないでいただきたい。どうやってこのトレードを完了させたら良いのか、できるだけ早く返事をもらえることを期待している」と送ったところ、すぐに返事が来て、「携帯電話はあいにくバッテリー切れで出られず申しわけなかった。けれども、自分は約束の時間の1時間半前から家に居たが、ドアベルは一度も鳴らなかったよ。きっと家を間違えたんだろう」と書いてきたので、私はすぐに、訪問した家をgoogle mapでキャプチャーしたものを添付して、おまけにその人の家に行った人でなければわからないはずの特徴のあるドアベルについても言及した上で、「私達が訪れた家はあなたの家ではなかったのですか?」と返事を送った。もし家を間違えていたとしたら、ずっと待ちぼうけを食わせてしまったのは私の方だ… (でも、もし間違っていたとしたら、どうやって正しい家を見つけられるというのだ???? ストリート名も番地も確認して行ったはずだぞ…)

その家はその人の家で間違いなかった。彼はなぜドアベルが鳴らなかったのか、なぜ気付かなかったのかわからないと言いつつも、真摯に自分の非を認め、今日こちらまでカートを届けに来てくれるというので、「あんなに安い金額で更にデリバーしたのではガソリン代の方が高くついてしまうから、あなたの都合の良い時間を教えてくれたら私が(今度はバスで)取りに行くことにするよ」と返事を送っておいたのだが、今朝、「こんな所まで2回も来る必要は無いよ。私の過失だから責任を取らせてくれ。今日の午前中に届けに行きたいと思ってるから、都合の良い時間と場所を教えて」とemailが届き、有り難く届けてもらうこととなった次第である。

会ってみるととても誠実そうな良い人だった。
私が落札したショッピング カートは彼のお母さんが使っていたもので、お母さんは3ヶ月前に亡くなったと話してくれた。彼は介護の必要があった母親を何年もずっと面倒見てきた人だったのだ。お母さんも長年辛かっただろうし、彼もさぞかし大変だっただろうと想像できると言うと、彼はお母さんがどんな状態でいたのかを丁寧に話してくれた。
私はもう若くはないし、時々腰を痛めて難儀をするので、彼から買ったカートは私の助けになるに違いないとお礼を言い、無事取引を成立させて笑顔で別れた。
彼は直接会えて話ができたことを本当によかったと言っていた。

ほんの些細な行き違いが人と人とを大きく隔ててしまうことがある。相手に対し敵意を抱いたまま、苦々しい気持ちでこの先過ごさなければならないというのは何とも悲しいことだ。
誠意を持って行動し、話し合えばわかり合うことができるということを実感した今日は、昨日の怒りもすっかり消え、オークションのフィードバックにはお互いに「喜ばしい取引だった」と感想を残すことができた。

今日は良い一日だった。



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