30.11.17

外壁+屋根塗り替え & Advent Spiral

10年以上手入れをされていなかった家の外壁+屋根を塗り替えることにしたと、大家さんから連絡が入ったのは数ヶ月前のこと。
この数ヶ月の間に幾つかの業者が見積りを出す為にやって来たが、どうやら、納得できる金額を提示した業者がいたらしく、ようやく作業に着手する時が来たとのことで、大家さんご夫婦がやって来て、「明日の朝から業者が来るのでよろしく」と伝えてくれた日には誰も現れず... それから数日経って安全対策のフェンスを設置しに来たが、作業に取りかかったのは数日後だった。

予約した日に現れない業者...
彼らの設定する日時は単に "予定" であって、"約束" ではない。

当然の如く工事はいっこうに進まず、敷地の至る所に立つ邪魔なポールを避けながら歩かなくてはならなかった私達にとっては、至極迷惑な話だった。

クーリエ(宅配業者)に限ったことではなく、予約した日時に来ないというのは、おそらくこの国に住む人にとっては珍しいことではなく、日常のありふれた出来事でしかないのだろうが、「約束は必ず守れ」「守れないなら約束はするな」と口を酸っぱくして子供達に『責任感』というものを植え付けて来た私にはけっこうなストレスとなっている。

オークションで売れた物を発送するのに、集荷予約日に集荷に来ないことが90%以上... 予約日の翌日にやって来る業者もいれば、こちらから催促しなければ来ない業者もいるという誠にお粗末な状況なので、落札してくれた人への通知は、「ピックアップの予約は明日になっているが、クーリエの都合で翌営業日になるかも知れない」と書いて送らなくてはならなくなった。(集荷日と配達に要する日数を相手にemailで伝え、アテにならないクーリエに振り回されて、何度も自分の意に反して遅延の謝罪emailを書かなければならなかったことにウンザリした末の対策だ)

オークションの販売業者の中にはトラッキングナンバーすら送ってよこさない人もざらに居るのだが、買った荷物が何時頃届くのか、おおよその日付がわかっていれば、輸送途中で紛失した場合にも早急な対処が望めるだろうし、受取人が外出中に荷物が届けられてしまい盗難に遭うというようなことも最小限に食い止められるかも知れないと思い、私は常に配送状況と配達予定日を相手に通知することにしている。(おそらく、日本では常識だろうと思うが...)

大手企業はもちろん認識しているだろうが、取引というものは信用の上に成り立っていなくてはならないということを、しっかり認識している小規模企業が、この国にはどれほど存在しているのだろうか?


屋根のクリーニング、修理、塗装業者は、足場を建て、サージ プロテクションを施し、転落防止の柵を設置して作業にあたっていたが、大量の泥で排水パイプが詰まることを予想せず、丸一日かけて高圧洗浄し続けた結果、アトリエを水浸しにしてしまったり、塗装作業の前に、駐車場に置いてある車にシートカバーをかけた方がいいかどうか(塗装が飛び散る作業か?)と聞かれなければ、そのままスプレーしてしまうところだったし... 私はもちろん念のためにシートを被せたが、「シートを被せるのもいいかもね」くらいにしか返事をしなかった業者が帰った後で、シートの上に信じられないほど大きな雫痕が無数に付いているのを見た時には、家に居て車にシートをかけることができて本当にラッキーだったと心底思った。(車は白、屋根の塗装は黒... ダルメシアンになってしまうところだった)

しかも、塗装業者が来る日を前もって知らされていたわけではなく、電源を貸してくれと言って来た際に、「今日は何をするの?」と聞いてようやく屋根の塗装だとわかった有り様だ。
もし万が一、留守中に塗装され、車の再塗装をしなければならなくなった場合、塗装業者は責任を持って費用を負担してくれるのだろうか? 何年その商売をしているのだ? これまで苦情や損害賠償請求されたことはなかったのだろうか?
気の利かない/気の回らない業者という以前に、作業員自身が他人のことを何も考えない人であることがよ〜くわかった。また、作業マニュアルもしっかりできていない企業であることも付け加えておこう。

さて、屋根の全ての作業がようやく終わったようで、数日前足場は撤去された。
パイプ同士を繋いでいた頑丈なクランプを、屋根に昇った作業員が上からコンクリートの上に次々落として行くのを見て、「他に方法は無いのか?」と私はついつい思ってしまったが、その方法でこれまで破損物及び負傷者が出なかったとしたら、それはそれでお見事だと言えるかも知れない。

やれやれ、これで一つ片付いた...

次は外壁の塗り替えだが、はてさて、何時から始まるのだろうか? また、今付いているペイントはどのようにして落とすのだろうか?
まずは高圧洗浄機で汚れを落とすことになるのだろうが、所々ペイントが剥がれかけている部分はおそらくそれで剥がれてしまうので問題は無いだろうと思うものの、高圧洗浄でペイントが残った部分はどのようにして落とすのだろうか... スクレイパーを使って手作業なんてことはおそらくしないだろうな...

残ったペイントを削り取らないまま重ね塗りしてしまうのか、はたまた薬品を使ってペイントを落とすのか... ペイントを溶かす薬品は通常非常に強烈な臭いがする場合がほとんどなため、できればそのようなものは使って欲しくはないし、家の周りに生えている植物への影響も心配だ。

このように大掛かりな家の修復があると、気分的に落ち着かず、これまでの超平穏な日が早く戻って来ないかなと、そればかりを願ってしまう。


オークション サイトで Lucet とともに注文のあった Advent Spiral のボード作りは、苦労してパターンを作ったものの、板をカットする直前になってリクエストされた板の厚みが、予想を遥かに上回るものであったため、その厚みにした場合十分な手持ちの板が無く、また、新しく分厚い板を調達するとなるととんでもなく高額になってしまう旨を相手に伝え、私にはこの仕事は受けられないと断った。
もちろん、薄い板を何枚か貼付けて使うこともできなくはないが、出来上がりが美しくなくなってしまう以上に、費用がかかり過ぎてしまうことが充分予想できたため、その選択肢は相手に伝えるまでもなかった。

半日以上掛けたパターン作りは無給作業に終わったが、板を切り始めていなかっただけマシだったなと思った。
また、私に会ってみたいので、出来上がったら取りに来たいというリクエストにもおそらく答えなくてよくなり、それに付いては幸いだったなと安堵した。
人と会って話をすることには、私は全く興味は無い。








27.11.17

本日の気温 22℃

風もあまり無く、暑い一日になった。

鉋がけをしていると汗が噴き出す。外に出かけることが滅多に無い私にとっては殊の外良い運動になってはいるが、暑くてたまらない。

22℃で悲鳴を上げているようでは、とてもじゃないが日本の夏には帰省できないな... やはり帰るとしたら秋から春先にかけてだな... などと、次の帰省時期を考えながら作業をしていた。




裏庭のリンゴの木はまた一段と成長し、既に幾つも実を付けている。


レモネードは美味しそうな色になってきた。


例年になく沢山実を結んだサツマ(蜜柑)だが、もう病害虫にやられているような傷が付いている。
上手く、美味しく育つかな?



Hの部屋の窓辺にある植物には変わった形の蕾ができ、数日前、それがようやく開いたよとHが教えてくれた。
真っ白な花の中に更にピンクの花が咲いているような、凝った作りの :) とても綺麗な花だ。




------------------------------


夕方になり、出品している Lucet に質問が来て、早急に追加の Lucet を作ることになった。
ほんの小さな物だけれども、出来上がるのを心待ちにしていてくれる人がいることを、心から嬉しく思った。



19.11.17

Oh, dear.......

昨日、家の屋根を綺麗にする人が来て、丸々一日かけて高圧洗浄して帰った。

夜になって雨が降り出し、キッチンが雨漏り... 
家族総出で急場凌ぎをしたものの、寝ている間に雨が降り続いたらダメージが広がってしまうかも知れないと昨夜は気が気ではなく、私が眠りについたのは明け方5時過ぎだった。

朝起きて、キッチンの状態が悪くなっていなかったことにホッと一安心したのもつかの間...

Oh, dear...

予想だにしていなかったアトリエのキッチンの水害。
どこから雨漏りしたのかと同居人Hと探して回ったが、カウンタートップも、壁にも雨漏りの痕は無く、隣りのトイレを見てみると床が真っ黒な泥で覆われていて唖然とした。
おそらく、トイレの便器に繋がる配管部分から泥が流れ込んでしまったのだろうと予想したが、配管がどうなっているのかなど、専門職ではないのでわからず、取りあえず大家さんに電話連絡し、現状を見てもらうことに...




Oh, dear...

大家さん夫婦も唖然とし、しばらく言葉が出なかった。
トイレの床に広がっている泥は明らかに雨樋から落ちて来たものと同じで、大家さんもやはり配管部分から侵入したに違いないと判断し、すぐに修理してもらうよう連絡するとのことで、「ひどいことになっちゃってごめんね」と言って帰った。

床はコンクリートにタイルもどきのカーペットを張ったものだったので、タイルのグルーが剥がれ、見るも無惨になっていたが、それでもカーペットの床とか、木の床でなかっただけマシだったねと、大家さんと話した。(一部カーペットの床まで浸水していたが、乾けば大丈夫なのか、それも取り替え無くてはならないのか、まだわからない)


それから間もなく、昨日屋根の洗浄にやって来た人が現れ(来る予定ではなかったが)、昨日やり残したベランダの洗浄をしに来たというので、もちろんアトリエの中の惨状を見せたところ、彼は「なんてこった!!」と、手で顔を覆った。
その人にとっても考えてもみなかった出来事であったようで、当惑し、困惑し、すぐに何とかするよと約束してはくれたが、掃除に来るとは言わなかった。

屋根の破損部分の修理とともに、アトリエの配管部分も要修理となり、修理は明日とのことだったが、しっかり明日来てくれるのだろうか...





溜まった大量の水を吸わせるよう新聞紙を敷き詰め、それを何度か取り替えたが、細かい泥をきれいに拭き取るのは手間がかかり過ぎるため、乾かしてから掃除機をかけることにした。
数センチ水に浸かったストックの無垢板は乾かせば使えるだろうが、合板はどうかわからず、MDFは水を含んだ部分はもう使い物にならない。



キッチンに備え付けのキャビネットはほとんどがMDFでできているため、もう既に膨張し、外側のコーティング部分がめくれ上がって来ていた。
新しいものに交換ということになるのだろうか... 果たして屋根のクリーニング業者に弁償してもらえるのだろうか?


私が出費しなければならないわけではないが、掃除は私の仕事か...

あぁ、難儀なことだ...



6.11.17

魂が無くなるまで...

日本では小学校しか出ていない同居人Hは、日に日に日本語を読むのが大変になってきている。

「犬も歩けば」に続く言葉は?と聞くと、
「猫も歩く」と答えたような子だ。

まぁ、諺としてではなく、単なる日本語としてとらえた場合は、何ら間違った使い方ではなく、「猫も」と同格にしたのは大正解だ。
「犬も歩けば、猫は歩く」だの、「犬も歩けば、猫が歩く」、「犬も歩けば、猫と歩く」などという、文章として成り立たない助詞をくっつけなかったのはさすがに日本人である。

そんなHが、先週末の朝食にパンケーキを食べたいと言って来た。
パンケーキのレシピを見つけたHが材料を私に読んでくれ、私は計量し、ボールにそれらを入れて行った。

H: 「粉類の中に溶かしたマーガリンとミルクを合せたものを入れて、魂(たましい)が無くなるまでかき回すんだってー」

私は笑い過ぎて動けなくなった。

私: 「それ、塊(かたまり)😂 」「魂が無くなるまでかき回してたら、焼く前に死んじゃってる」

たまらなく笑えた週末の朝であった。



5.11.17

木工、洋裁、そして邪道なマドレーヌ

先週木曜の朝、車を運転していて迷子になる夢を見た。そして、夢の最後に10年来の知り合いが出てきて、「あー、久しぶりー」と言ったところで目が覚めた。

迷子になって神経をすり減らし、グッタリ疲れた状態で目覚まし時計に起こされたため、しばらく頭がボーッとしていた。

ボーッとしたまま朝食の支度をし、同居人達を見送った後、アトリエに降りて行き、内側になる面を二度塗りしておいたレシピ ケースの組み立てをしていた時に電話が鳴った。

電話の主は、朝夢に出て来た10年来の知り合いだった。
何とも不思議な感じがした。

簡単に近況報告をし合うと、彼女は用件を話し始め、ジーンズとかスラックスを何着か買ったが、丈をつめて欲しいというので、お易い御用だと引き受けた。

彼女は翌日の午後アトリエに現れ、3本のパンツと、代金は要らないと断ったのに、律儀に$50+美味しいチョコレートを置いて帰った。

服の直し、とりわけズボンの裾上げはいい商売だ。ミシンとアイロンと糸と鋏さえあれば、ほとんどのことができる。
消耗品の糸代など微々たるもので、ほとんどが労働代金だ。『丸々儲け』と言っても差支えないほど、私には美味しい商売に思えて仕方がない。
丁寧に仕上げればもちろん時間はかかるが、私の他の仕事に比べたら遥かに楽で、尚且つ収益を見込めるかなり『割の良い』仕事である。

だが、直しの仕事は楽だが楽しくない... 全く楽しくないため、商売にする気が無い。


無給労働と言っても差支えないような、私の木工やらステンドグラスの作業は、お金にはならないが楽しいよな... と、そんなことを考えながら、底板の際をぐるりと削り取り、グルーを付け底にきっちりはめ込んだ。


外側にステインを塗り、拭き取り、乾かし...


この後、付け忘れていた強力マグネットを背面に埋め込むための穴をあけ、サンディングし、二度目のステイン塗装。

マグネットはエポキシ グルーで接着した。

キッチンで使う為、仕上げにコート剤を塗って、油汚れ対策をしておくことにした。


***********************************

昨夜遅くになって小腹が空き、マドレーヌを焼こうとキッチンに行ったのだが、仕舞い込んであるマドレーヌ型(貝型)を取り出すのが面倒で、「これでいいや...」と取り出したのは、Ginger Gem 型。


この Ginger Gem Iron は設定温度に達するのが早いオーブン トースターに入るサイズなので、すこぶる使い勝手が良い。しかも、使い終わった後洗うのも簡単だ。

どんな型で作っても、味はマドレーヌ。
マドレーヌ好きの同居人Tのみならず、辛党のHも夜中に幾つかつまんでいた。

Ginger Gem Iron は面倒臭がり屋にはもってこいの、二口サイズのケーキ型。
マフィンでも、ミニ フルーツケーキでも、なんでもこれ一つでいけそうだ。


***********************************

追記:up し忘れていた写真があった。

通常ズボンの裾上げは、片方の丈のみを測り、裾を合わせてもう片方を同じ丈(+縫い代分)に切り揃えるという方法を取るのだが、今回頼まれたジーンズの内の1本は、測る度にカットする幅が明らかに違って見えた。(私は間違いを起こさないよう、布をカットする前に数回サイズを確認する癖がついている)

このジーンズを前に、「目が悪くなったのかな?」と、しばし当惑してしまったが、それぞれ単独でピンを打ってみると、1.5cm 以上もの差があり仰天した。
通常の仕方で丈をつめてしまっていたら、どちらか片方がやけに短い(或はやけに長い)ものになってしまっていたに違いなく、私の技量を疑われかねない結果になるのは予想がつく。(長い場合は直せるが、短い場合はお手上げだ)


大量生産品は、一度に何枚もの布を重ね、機械で一気にカットし、流れ作業で縫製をするという方法を取ることがほとんどなため、元々のパターンが間違っていると、このような不良品が製造過程で誰にも気付かれること無く、大量に世に出回る結果となってしまう。
例え最終段階で誰かが気付いたとしても、そのロット全てを廃棄処分することも、やり直すこともおそらく無いだろう。

預かった他の2本のズボンに付いては、左右の丈を最初に測ったのは言うまでもない。

ズボンの丈直しの鉄則:左右の丈(股下のサイズ)が同じであるかまず最初に確認すること。

2.11.17

思い出せない

キッチンが非常に狭いため、レシピ本等を立てて置いておくスペースが無く、コピーした(或は手描きの)レシピをマグネットで冷蔵庫に貼付けて使っているのだが、幅の狭いドアには何枚も貼付けられない。また、重ねて貼付けていると、マグネットの威力が弱過ぎて、窓を開けた途端風で吹き飛んでしまうことがある。

そんなイライラを解消するため、強力マグネットで冷蔵庫に貼付けられる『薄いレシピケース』を作っているところだ。



ケース自体の重みを極力減らすべく、7mm 厚の合板(例によって端板)を使い、ダブテイル ジョイントで組み立て... ダブテイル ジョイントは薄い板を強度を保たせて組み立てる際に非常に便利で、釘などを使うこと無く頑丈に仕上げられるという利点があるものの、ジョイント部分が丸見えになるという欠点がある。まぁ、美しさなどどうでもいいレシピケースにはこれで充分だが...
(無垢でもう少し厚みのある板を使用し、高級な箱ものを作る場合は full blind dovetail joint(隠留形蟻組接ぎ)を施す方が綺麗に仕上がって良いのは言うまでもない)

作業をしている間、ずっと頭に浮かんでいたのは、中学校の技術の時間に作った状差し(レターラック)のこと。
家から鋸を持って行ったのは覚えているのだが(おそらく、学校にはクラス全員分の鋸が用意されていないため、家に鋸がある人は持って来るようにということだったのだろう)、鑿や鉋は持って行った覚えが無く、使った覚えも無い。
鋸で切っただけのものをどうやって組み立てたのかも、全く覚えていない。切り口はざらついたままだったのか???

クラス中で最も早く、綺麗にできたことを教師から簡単に褒められたことはよく覚えているが、どんなものが出来上がったのかは、おぼろげながらの記憶しか無く、家に持ち帰って父に見せた記憶も無い。
鋸は父から借りたものだったに違いないのだが...

今思うと、誰よりも早く綺麗に仕上がったのは、おそらく鋸の切れ味が格段に良かったからだろう。どう考えても、学校の備品である鋸がしっかりと手入れされていたとは到底思えないし、第一、教えていたのは "先生" であって、 "職人" ではないのだから、要目立ての鋸しかなくても無理はない。

家で鋸を使って遊んでいた記憶など無いので、もしかしたら、その授業が初めての木工だった可能性が高いが、もしその時教えてくれていたのが "職人" だったら... もしかしたら、私も雲の上のお師匠さんのように10代から木工に傾倒していたかも知れないなと、ふと思った。(その道に入っていたら、雲の上のお師匠さんとの出会いも無かっただろう)

そんなことをずっと考えながら、ハンド カット ダブテイルを日本の鋸と西洋の鑿を使って作っていた。

板を寸法通りに切り揃え、ダブテイル ジョイントが出来上がり、仮組み立てをすると、あまりに殺風景で貧弱に見えた。
余計な時間がかかるので一瞬悩んだが、接着する前にフロント パネルに透かし彫りを施すことに決めたため、今日出来上がるはずだったレシピ ケースは未だ作業中。


スクロール ソーで透かし彫りをしている時に、「切り終わった後、サンディングが面倒だな...」とどうしても考えてしまう。


見た目はもちろん良くなるが、本当にサンディングが嫌いで仕方がない。
しかも、細い刷毛でこの細かい隙間にステインで色をつけるのも時間がかかり、乾かした後にまた、飛び出した繊維でザラザラになった表面をサンディングしなければならず、その後更に重ね塗りすることを考えただけで、気が遠くなる。


最近は夕食の支度をする時間になってもまだ明るく、アトリエのドアを閉め、裏庭を華やかにしているリンゴの可憐な花をしばし眺めてから家に戻った。



「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...