5.11.17

木工、洋裁、そして邪道なマドレーヌ

先週木曜の朝、車を運転していて迷子になる夢を見た。そして、夢の最後に10年来の知り合いが出てきて、「あー、久しぶりー」と言ったところで目が覚めた。

迷子になって神経をすり減らし、グッタリ疲れた状態で目覚まし時計に起こされたため、しばらく頭がボーッとしていた。

ボーッとしたまま朝食の支度をし、同居人達を見送った後、アトリエに降りて行き、内側になる面を二度塗りしておいたレシピ ケースの組み立てをしていた時に電話が鳴った。

電話の主は、朝夢に出て来た10年来の知り合いだった。
何とも不思議な感じがした。

簡単に近況報告をし合うと、彼女は用件を話し始め、ジーンズとかスラックスを何着か買ったが、丈をつめて欲しいというので、お易い御用だと引き受けた。

彼女は翌日の午後アトリエに現れ、3本のパンツと、代金は要らないと断ったのに、律儀に$50+美味しいチョコレートを置いて帰った。

服の直し、とりわけズボンの裾上げはいい商売だ。ミシンとアイロンと糸と鋏さえあれば、ほとんどのことができる。
消耗品の糸代など微々たるもので、ほとんどが労働代金だ。『丸々儲け』と言っても差支えないほど、私には美味しい商売に思えて仕方がない。
丁寧に仕上げればもちろん時間はかかるが、私の他の仕事に比べたら遥かに楽で、尚且つ収益を見込めるかなり『割の良い』仕事である。

だが、直しの仕事は楽だが楽しくない... 全く楽しくないため、商売にする気が無い。


無給労働と言っても差支えないような、私の木工やらステンドグラスの作業は、お金にはならないが楽しいよな... と、そんなことを考えながら、底板の際をぐるりと削り取り、グルーを付け底にきっちりはめ込んだ。


外側にステインを塗り、拭き取り、乾かし...


この後、付け忘れていた強力マグネットを背面に埋め込むための穴をあけ、サンディングし、二度目のステイン塗装。

マグネットはエポキシ グルーで接着した。

キッチンで使う為、仕上げにコート剤を塗って、油汚れ対策をしておくことにした。


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昨夜遅くになって小腹が空き、マドレーヌを焼こうとキッチンに行ったのだが、仕舞い込んであるマドレーヌ型(貝型)を取り出すのが面倒で、「これでいいや...」と取り出したのは、Ginger Gem 型。


この Ginger Gem Iron は設定温度に達するのが早いオーブン トースターに入るサイズなので、すこぶる使い勝手が良い。しかも、使い終わった後洗うのも簡単だ。

どんな型で作っても、味はマドレーヌ。
マドレーヌ好きの同居人Tのみならず、辛党のHも夜中に幾つかつまんでいた。

Ginger Gem Iron は面倒臭がり屋にはもってこいの、二口サイズのケーキ型。
マフィンでも、ミニ フルーツケーキでも、なんでもこれ一つでいけそうだ。


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追記:up し忘れていた写真があった。

通常ズボンの裾上げは、片方の丈のみを測り、裾を合わせてもう片方を同じ丈(+縫い代分)に切り揃えるという方法を取るのだが、今回頼まれたジーンズの内の1本は、測る度にカットする幅が明らかに違って見えた。(私は間違いを起こさないよう、布をカットする前に数回サイズを確認する癖がついている)

このジーンズを前に、「目が悪くなったのかな?」と、しばし当惑してしまったが、それぞれ単独でピンを打ってみると、1.5cm 以上もの差があり仰天した。
通常の仕方で丈をつめてしまっていたら、どちらか片方がやけに短い(或はやけに長い)ものになってしまっていたに違いなく、私の技量を疑われかねない結果になるのは予想がつく。(長い場合は直せるが、短い場合はお手上げだ)


大量生産品は、一度に何枚もの布を重ね、機械で一気にカットし、流れ作業で縫製をするという方法を取ることがほとんどなため、元々のパターンが間違っていると、このような不良品が製造過程で誰にも気付かれること無く、大量に世に出回る結果となってしまう。
例え最終段階で誰かが気付いたとしても、そのロット全てを廃棄処分することも、やり直すこともおそらく無いだろう。

預かった他の2本のズボンに付いては、左右の丈を最初に測ったのは言うまでもない。

ズボンの丈直しの鉄則:左右の丈(股下のサイズ)が同じであるかまず最初に確認すること。

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