板は伸縮し続けるということが、私にとって次第に大きなストレスとなってきている。
何十年にも渡って天然乾燥させ、収縮幅が僅かとなった超高級板など経済的に使えない上に、個々の木の性質を未だ読み取れないでいる私は、どんなに神経を使って作ったとしても、出来上がったそのものの形状を四季を通して保つことができるとは限らないことに落胆し、自信を持って販売できる木製品作りの幅がどんどん狭くなって来ているのが現状だ。
昨年の秋口に合板のみで作ったバスルーム キャビネットの引き出しも、扉も、湿気の多い冬になったら板が膨張し、開け閉めが大変になってしまったため、鉋で削って調節しなければならなかった。(「引き出しの底には伸び縮みしない合板を使う」というのが常識のように言われているが、合板もかなり伸縮することを承知しておくべきである)
あぁ、自分の販売する手作り品に対して何の責任感も感じること無く居られる人が羨ましい。そうであったら、さぞかし作業が楽なことだろう。
さて、朝から一日中雨が降り続いている今日、4月の旅行に向けて、透かし彫りの鍋敷きを作り始めた。
着物の似合う純和風な知人の家にイスラム模様ではな...と、今回は組子の伝統的なパターンの中から私の好みのものを選んだのだが、本物の『組子』ではなく、偽組子。
一枚板をくり抜いて作るスクロールソーでの透かし彫りを選んだのは、何枚もの板を接着剤で組み立てた場合、熱い鍋等を置いて接着部分が軟化し接着力が低下する可能性があるからだ。接着部分が外れてしまったら、例え上手く組み立て直しても飾り物にしかならなくなってしまう。
また水がかかることも充分考えられるため、長い使用での接着剤の変質、板の膨張/伸縮が及ぼす影響を考慮に入れて、"組子もどき" としたことを、やはり手渡す際に伝えることにしよう。そうすれば、何ら気を使わずに『鍋敷き』として毎日使うことができるだろう。
(接着剤を使わずに組んだら、長い使用に耐えられるのだろうか... 甚だ疑問であるが、使ったことがないのでわからない)
今回は 5cm厚の NZ Rimu のブロックがあったので、それを使用することにした。
鉋をかけ板厚を半分にしてまた鉋がけ...
比較的涼しい日だったが、鉋がけでかなり汗をかいた。(鉋がけダイエットと私は呼んでいる)
Rimu は高級板として知られている softwood で、鉋がけは非常にスムーズに行えるため、何のストレスも感じること無く表面の鉋がけは終了。
鍋敷きのパターンは既に作り終わっているので、次はスクロールソーでの透かし彫り作業に入る。
昨年末のことになるが...
アトリエで置き場に困っていたスクレイパー類とRecord No.50 Combination Planes を片付ける為のボックスを作った。どちらも同じ 7mm 厚の安い合板のみ使用。
スクレイパー類は家の窓枠のペイントがみすぼらしく剥がれて来ているため、古いペイントを落とし、リペイントするために買っておいたもので、オークションで落札。
バラバラに置いておくと邪魔になるので、棚に積み重ねておけるよう蓋を付けておいた。
Record No.50 は非常に使い勝手の良い溝掘り鉋だが、最初に国内のインターネット オークションで落札したものはフルセットだったものの、悲しいかな本体のスケート部分にヒビが入っていたため、メタルを接着できるという謳い文句の接着剤で補修しようと試みたのだが、全く功を奏さず、溶接機を買う日が来るまで修理はお預け。
しばらく経ってから、eBayで本体とブレード1本だけで安く出品されていたものを発見してしまった私は、送料が商品購入価格を遥かに上回るものの、"許せる価格" かなと観念し、UKから購入。全く同じものだと思っていたのだが、デザイン及び材質が微妙に違っていた。
Combination Plane というのは箱に入れて収納しないとやたらと場所を取るため、スクレイパー ボックスと同じように、蓋付きの Dovetail Box を作って棚に収納した。
このような Dovetail を鋸と鑿で仕上げるのに苦戦することは無くなったものの、継手が丸見えなのは私にとって美しいものではないので、今年は『留形隠し蟻組み接ぎ』をマスターすべく鍛錬しなくてはと、切実に思った年明けであった。
何十年にも渡って天然乾燥させ、収縮幅が僅かとなった超高級板など経済的に使えない上に、個々の木の性質を未だ読み取れないでいる私は、どんなに神経を使って作ったとしても、出来上がったそのものの形状を四季を通して保つことができるとは限らないことに落胆し、自信を持って販売できる木製品作りの幅がどんどん狭くなって来ているのが現状だ。
昨年の秋口に合板のみで作ったバスルーム キャビネットの引き出しも、扉も、湿気の多い冬になったら板が膨張し、開け閉めが大変になってしまったため、鉋で削って調節しなければならなかった。(「引き出しの底には伸び縮みしない合板を使う」というのが常識のように言われているが、合板もかなり伸縮することを承知しておくべきである)
あぁ、自分の販売する手作り品に対して何の責任感も感じること無く居られる人が羨ましい。そうであったら、さぞかし作業が楽なことだろう。
さて、朝から一日中雨が降り続いている今日、4月の旅行に向けて、透かし彫りの鍋敷きを作り始めた。
着物の似合う純和風な知人の家にイスラム模様ではな...と、今回は組子の伝統的なパターンの中から私の好みのものを選んだのだが、本物の『組子』ではなく、偽組子。
一枚板をくり抜いて作るスクロールソーでの透かし彫りを選んだのは、何枚もの板を接着剤で組み立てた場合、熱い鍋等を置いて接着部分が軟化し接着力が低下する可能性があるからだ。接着部分が外れてしまったら、例え上手く組み立て直しても飾り物にしかならなくなってしまう。
また水がかかることも充分考えられるため、長い使用での接着剤の変質、板の膨張/伸縮が及ぼす影響を考慮に入れて、"組子もどき" としたことを、やはり手渡す際に伝えることにしよう。そうすれば、何ら気を使わずに『鍋敷き』として毎日使うことができるだろう。
(接着剤を使わずに組んだら、長い使用に耐えられるのだろうか... 甚だ疑問であるが、使ったことがないのでわからない)
今回は 5cm厚の NZ Rimu のブロックがあったので、それを使用することにした。
鉋をかけ板厚を半分にしてまた鉋がけ...
比較的涼しい日だったが、鉋がけでかなり汗をかいた。(鉋がけダイエットと私は呼んでいる)
Rimu は高級板として知られている softwood で、鉋がけは非常にスムーズに行えるため、何のストレスも感じること無く表面の鉋がけは終了。
鍋敷きのパターンは既に作り終わっているので、次はスクロールソーでの透かし彫り作業に入る。
昨年末のことになるが...
アトリエで置き場に困っていたスクレイパー類とRecord No.50 Combination Planes を片付ける為のボックスを作った。どちらも同じ 7mm 厚の安い合板のみ使用。
スクレイパー類は家の窓枠のペイントがみすぼらしく剥がれて来ているため、古いペイントを落とし、リペイントするために買っておいたもので、オークションで落札。
バラバラに置いておくと邪魔になるので、棚に積み重ねておけるよう蓋を付けておいた。
Record No.50 は非常に使い勝手の良い溝掘り鉋だが、最初に国内のインターネット オークションで落札したものはフルセットだったものの、悲しいかな本体のスケート部分にヒビが入っていたため、メタルを接着できるという謳い文句の接着剤で補修しようと試みたのだが、全く功を奏さず、溶接機を買う日が来るまで修理はお預け。
しばらく経ってから、eBayで本体とブレード1本だけで安く出品されていたものを発見してしまった私は、送料が商品購入価格を遥かに上回るものの、"許せる価格" かなと観念し、UKから購入。全く同じものだと思っていたのだが、デザイン及び材質が微妙に違っていた。
Combination Plane というのは箱に入れて収納しないとやたらと場所を取るため、スクレイパー ボックスと同じように、蓋付きの Dovetail Box を作って棚に収納した。
このような Dovetail を鋸と鑿で仕上げるのに苦戦することは無くなったものの、継手が丸見えなのは私にとって美しいものではないので、今年は『留形隠し蟻組み接ぎ』をマスターすべく鍛錬しなくてはと、切実に思った年明けであった。
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