21.4.21

Oak Cutting Board 完成

 オーク(ナラ)は、まな板として使うには少々硬すぎるという人がいる一方、パン切りナイフのようにギザギザの刃がついたものを使用するのには向いているという意見もある。

もう少しだけ柔らかい板で作りたかったが、あいにく手元には柔らか過ぎる板しか他になかったため、とりあえずオークで作ってみることにした。

手元にあった床板用の端材には片面に 6mm 幅ほどの溝が掘られており、その溝の底まで板を削って均してしまうと、まな板として使うには頼りない薄さになってしまうだろうなと思い、溝部分を切り落とし、細い板を数枚貼り合わせて使う方法を選んだ。



貼り合わせた板は 5 枚...
若干反っていた板の一方の面を鉋でまっ平にし、縁を直角に削った後に耐水性ボンドで貼り合わせ、1日おいた。(もう一方の面はボンドが乾いた後に平らに削った)

プラント用 サポート フープに彫刻を施したり、サンディングしたりする作業はほとほと嫌になったが、こういう地味な作業はすこぶる楽しい。要するに『鉋がけ』が好きなのだ。

そんな鉋がけ大好き人間ではあるが、板目の方向が入り乱れている確率の高いオークは少々扱いづらく、刃を研ぎ直したばかりの鉋でも対処できない部分があったため、今回はキャビネット スクレイパーの出番が多くあった。



私はこのキャビネット スクレイパーの存在を『雲の上のお師匠さん』から教えられたが、日本の木工従事者でこのような物を使っている人を見たことがない。
長年木工に携わって来た父の道具箱にも、このような物は入っていなかったので、複雑な板目のものも、おそらく鉋だけで対処して来たのだろうと思う。

私は、幸か不幸か、木工を始めてすぐに、西洋の便利道具の存在を知ってしまい、しかも安く手に入ってしまったために、日本の繊細な技術とはほど遠い腕前にしかなっていないが、楽にまぁまぁ綺麗に仕上げられるようにはなっている。


breadboard end と呼ばれる両サイドにはめる板を切り出し、溝を掘る。
私は日本の溝掘り用鉋も幾つか持ってはいるが、サイズが合わず、丁度良いサイズの刃があった Record No.50 Combination Plane を使用することにした。一挺の鉋で様々なサイズの刃を取り替えて使えるというのは、収納場所も取らず、非常に便利だ。




板は板目(接線)方向及び柾目(半径)方向に大きく収縮/膨張するため、伸縮方向の異なる両サイドの板に差し込んだ本体部分を接着剤で固定してしまうことはできない。片方だけが伸縮を繰り返している内に、接着部分に負荷がかかり、割れたり剥がれたりしてしまうからだ。
そこで、差し込んだ部分が抜けてこないよう棒を打って固定するのだが、中央の棒だけは固定し、それ以外は板が伸縮しても対処できるだけの余裕を持たせるべく、楕円形に穴を開けて、その中央に棒を打ち込むことになる。



両サイドの板に開けるほぞ穴も、中央だけはピッタリなサイズにし、それ以外は長目の幅のほぞ穴を開けておく。



棒を差し込む穴は微妙にオフセットにし、継ぎ目がきつく閉まるようにする。(差し込む方の板には、中心から 1~1.5mm ほど内側にずらして穴を開ける)


差し込む棒は、同じ板から作った。
ローリング ピン(麵棒)を作る要領と同じだ。



四隅を丸くカットし、全ての角を鉋で丸く落として、サンディング。



仕上げにミネラルオイルとかサラダオイルを塗る人が多いと思うが、私はココナッツオイルを塗って完成とした。



市販のバンブーのまな板は、端板をただ接着剤で貼り付けてあるだけのものがほとんどで、我が家でも H の家でも買って程なくして呆気なく取れてしまったが、このように両サイドの板をはめ込んで棒で止め付けてあれば取れるなどということはない。

これは新居を買った H へのささやかなプレゼント。



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