5.5.23

何十年振りかの Bread Maker

かれこれ 35 年は経つだろうか...
日本に居た頃は、ホームベーカリーでパンを焼いていた。
自分で買ったものではなく、欲しいと言ったこともなかったのだが、何故か母が買ってくれたもの...
母は他にも、フルセットのフードプロセッサー も買ってプレゼントしてくれたのだが、何に使ったのか覚えが無い。

何故、母がそれらを私にプレゼントしようと思ったのか、今でも全くわからないのだが、ホームベーカリーはよく使っていて、タイマーをセットし、朝、パンの焼ける匂いで起きることがとても嬉しかったことをよく覚えている。


こちらに来てしばらくした頃、パン屋を経営する人と知り合いになった。
そこで売られていたパン、特に Challah(ジューイッシュの金曜日のパン)はとても美味しくて感動ものだったが、年季の入ったお爺ちゃんのパン職人がいなくなってからは、それほど美味しくもなく、何が違うんだろうと疑問に思った私は、本を何冊か購入し、自分で作ってみることにしたというわけだ。
購入した本の内、とりわけ The Best Bread Ever という本に載っているバゲットは、これまで食べたどの店のバゲットよりも美味しく、素晴らしい出来栄えだった。
他の本と何が違うかといえば、正確な温度管理に最も重点を置いている点だろう。

捏ね始める時点での粉類、水分の温度が適正であるか、発酵に入る時点での生地の温度から、焼き上がりのパン内部の温度まで、幾度となく温度を測り、丁寧に焼き上げれば、確実に美味しいパンができる。

パン作りのビデオを見たりすると、粉やらイースト、塩、砂糖、ミルク、生クリームやら何やら、高級食材を揃えないと美味しいパンは焼けないのかと思ってしまいがちだが、パン作りには温度管理が最も重要だということを、ジューイッシュのお爺ちゃんと上記の本から学んだ私は、その方法でパンを焼けば間違いなく美味しいパンが焼けることは知っているが、歳を取って、半日丸々つぶれるような作業がひどく面倒に思えるようになってしまったのだ。

リーズナブルに手に入る食材で、それなりに満足できる程度のパンが "簡単に" 焼けるかも知れないパナソニックのパン焼き器... 何度も々温度を測ることなく、果たして美味しいパンは焼けるのだろうか?


歳をとり、ほとんど全てのことが面倒に思えるようになってきた私は、NZ 国内で購入できるパナソニック製パン焼き器を探し始めたのだが、家電専門店で売られているのはたったの二機種のみというお粗末さ...



何故パナソニックかといえば、高額であるのにも関わらず、日本での人気度がダントツで高かったからで、加えて海外での評判も総じて良く、品質の良さはまぁ疑いようがないだろうと思えたからだ。

日本では、餅/麺も作れる沢山の機種が販売されているが、海外で売られているパナソニック製品にはそのような機能は付いておらず、日本で人気の生食パンコースなども見当たらない。

代わりに、外側がカリカリに焼けるアーティサン ブレッドの機能を備えた物が出ていて、興味を覚えた。

NZ の販売店で扱っている他の機種と比べること数週間 ...

SD-ZP2000 の価格は店舗によって大きな開きがあり、NZ$ 649.99 〜 $ 398.00 ほど...
別の機種 SD-R2530 の最安値は $276 となっていて、どちらにしようかと、購入直前まで悩んでいたが、セール期間が終わらないうちに決めるべく、Lowest Price Guarantee (最低価格保証)を謳っている家電専門店に向かい、両方を実際に見比べてみて決めることにした。

内釜の形状は ZP2000 が楕円、R2530 は四角。捏ね羽根の厚みは ZP2000 の方が厚く、より頑丈な作りに見えた。内釜のコーティングは明らかに違い、ZP2000 の方が耐久性に優れているように感じた。
オートでセッティングできる機能は、R2530 の方が遥かに多く、また、レーズンやらナッツやらを自動投入できるディスペンサー付き(ZP2000 には付いていなかった)ではあったが、果たしてそれらの機能をフルに使うかどうか... 我が家ではアーティサン ブレッドを焼く方が頻度が高いかも知れないと考え、値段は高いのに、オート機能数のかなり少ない ZP2000 を購入することに決めた。

この機種には、内釜と外側の温度の違いを感知して、生地を適性温度に保つ機能がついているとのこと。内釜に投入する粉類やら液体の温度やらを計測しなくていいということだろうか?
使ってみないことにはわからない。




粉の種類も、イーストの種類もほとんど選択肢が無いように思えるこの地で、これまた選択肢の極限られたパン焼き器を購入するというのは、これまで考えてもみなかったことだったが、このパン焼き器が面倒臭がりになった私の片腕になってくれることを、ただただ祈るのみである。



 

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