31.1.24

H からの頼まれもの & 頂き物の水菜

数週間前、H の家に行った際、カーテンの丈をつめて欲しいと頼まれ持ち帰った。
その翌日には出来上がっていたが、H は何かと忙しかったようで、先週末、我が家の近くの美容院に来たついでに取りに来た。

H はお昼少し前に我が家に着いたため、残り物の裂いたビーフ ブリスケット(タコス味)を温め直し、レタスやらグアカモーレやらを加えてトルティーヤにして簡単なランチとし、私はといえば、我が家にある "使っていない物" を、(H が「使う」と言うのを期待を持って)次から次に出しては見せていた。

数年前に作ったが、辛過ぎて使えないままだったタコス ミックスやら、1kg 近く残っていた粉状ハリッサ、日本から買ってきた目薬、ハエやら蚊の忌避剤(酢と食器洗い洗剤を水で薄めたもの)を作って入れておくスプレーボトルとかがヒットして万々歳。

日本には選ぶのに苦労をするほど多くの目薬が売られているが、日本で売られているような目薬類は NZ では売られておらず、あるのはドライアイ用の、単に潤いを目的としたもののみで、爽快感などは全く無い。そのため、日本に帰国した際に数個まとめて買ってくるという行為に出るのだが、どうしたわけか、こちらでは日本にいた時のように頻繁に目薬をさすことがなく、一度も開封していない使用期限切れになっている目薬がいくつか出てしまうことになるというわけだ。おそらく、それらは次に日本に行き、新しい目薬を買ってくるまで、薬を入れている引き出しの中で眠っていることだろう。
不経済だし、勿体無いとも思うが、使いたい時に手元に無い/すぐに買って来れないという状況においては、致し方の無いことと納得するしかないだろう。


H は 4 時間ほど居ただろうか、家に戻って直ぐに裾上げしたカーテンを取り付け、ちょうど良い感じだと写真を撮って送ってくれた。お直しのカーテンを受け取って来る際、左右で仮止めした長さが異なり、左側の丈くらいにしてと頼まれていたが、間違えることなく直せ、床に着かない程度の絶妙な長さにできて良かった。(まだボケてはいないな...)




H が栽培した立派な水菜を山盛り持ってきてくれたので、私は早速、その日の夕食に、水菜料理で最も好きな、豆腐と水菜の胡麻和えを作って食べた。レシピにはちくわを入れると書いてあったが、ちくわは常備していない(且つ高い)ので、中国系スーパーマーケットで売っているフェイクな蟹のすり身ナゲットで良しとした。


我が家の夏の定番である。


19.1.24

Tailors Clapper

 

Tailors Clapper と呼ばれる、アイロンをかける際に使われる道具。とりわけ、厚手の生地やら、パッチワークをアイロンがけする際にあると便利な物として知られている。

主として、アイロンがけした縫い目をまだ熱い内に真っ平らにプレスすることを目的とした物で、そのため、手に熱が伝わらない程度の厚みの板であることが必須条件だ。

組み立てる必要の無いものなので、非常に簡単に出来上がるのだが、一般に売られているものは信じ難いほど高価で、ネットで検索すると、NZ $80 近くするものもあったりして、そんなに法外な値段を付ける理由が理解できない私は、もちろん買ったりなどせず、自分で作ることにしたというわけだ。


幸い、手持ちの板の中にハードウッド(saligna)の厚い切れ端があったため、鉋で表面を真っ平らにし、使い易いだろうサイズにカットし、カットした部分に鉋をかけたり、丸みはファイルやらサンドペーパーを使って整えた後に、買って間もない Makita Router / Trimmer を使い、Clapper を持ち易いよう、側面に指が収まる程度の窪みを掘った。

このマキタのハンド ルーター/トリマーはストレス フリーで使えて、あっという間に窪みも作れ、周囲の角張った部分も丸く仕上げられて便利である。


こんな、たかがただの板じゃないかと誰もが思うであろう物を、どうしてそんな高い値段で売ることができるのだろうか?

もし仮に、ルーターも無ければ、鉋や鋸も無いという人でも、DIY ショップ(ホームセンター?)で適当な大きさの角材と、サンドペーパー(#180〜#240程度)を購入してくれば、同じ機能を発揮できる物を難なく作ることができるだろう。
指の滑り止めは、小学校の時に使った彫刻刀セットの中の、丸く削れる(ほぼ半円形の)刃が付いたものを使えば作ることができる(少々の根気が必要だが)。
窪みを作るのが面倒だったら、窪みではなく突起を付ける... 、指が引っかかる程度の板を粘着テープ、木工用グルー、ホットグルー等々で貼り付けるとか、或いはしっかりとビスで止めるとかしても一向に構わないだろう。何なら、安い引き出しの取手を上に付けたっていい。要するに、自分が持ち易い/動かし易いようにすればいいというだけの話だ。

板の角は丸く削っておくのが好ましい。角をそのままにすると、ささくれができたりする危険があり、布地を引っ掛けたり、持った時に手を傷つけてしまう恐れが出てくるためだ。(サンドペーパーで角を削り落とすだけで十分)

廃材で作ればサンドペーパーだけの出費で収まるものでも、買うとなると、馬鹿げた価格を支払わなければならなくなる。

洋裁はしても木工はできないと思い込んでしまっている人は少なくないだろう。だが、これは木工と呼べるほどのものではなく、特別な技術を要するものでもないので、洋裁或いはパッチワークを楽しむ機会が少なからずある人は、一つ試しに作ってみるといい。

きっと重宝するだろう。






15.1.24

久々の洋裁

 自分で縫った服を着るようになったのは、確か小学校  5 年の頃からである。

2 才年上の姉がリカちゃん人形の服を作り始め、私も見様見真似で幾つか作った記憶がある。

姉が原型からパターンを起こし、本格的な洋裁を始めると直ぐに、私も(姉に教わりながら)洋服を作り始めたのだが、そのほとんどは従姉妹からのお下がりの服をくずした布で作るもので、好きな布地を買って来て作っていたわけではない。

家には洋裁関係の月刊誌と思われる物が何冊かあって、原型を使っての製図の仕方を覚えてしまえば、自分の体型におおよそ合った服を作ることができ、おそらく、当時の最先端を行っていたであろうデザインの服を、裕福ではない家に住んでいたとしても、身に付けることができていたのである。

小学校に自分で作ったキュロットスカートを履いて行った際には、同級生は見たこともないズボンのようなスカートのようなヘンテコなものを訝しげに見、機能性はさておいて、早速いじめの材料にするという、愚かな行動に出た。

いじめられてはいたものの、キュロットスカートは非常に便利で、私は特に気に入っていた。

中学校時代には、夏の工作として、前中央にハトメ穴を並べて開け、そこに通した紐が特徴のジャンパースカートを提出し、姉の出品作とともに賞をもらったことを覚えている。
もちろん、ずば抜けて器用な姉が金賞、私が銀賞であったのは言うまでも無いが、姉が何を作って出したのか、全く覚えていない。

中学校時代、夏の制服(セーラー服)も作った。
何故作ったかといえば、体育の授業の前後に、着脱のし難い被り式のセーラー服にほとほと嫌気がさしていたからだ。じっとしていても汗が吹き出す日本の夏に、体に張り付く伸縮性ゼロの被り服など、想像しただけで悍ましい。製造業者は着る側の利便性をこれっぽっちも考えていなかったのは明白だ。

私が作ったのは、前がコンシールジッパーで全開できるもの。ジッパーの存在は縫い目にしか見えないため、傍目からは皆と同じ制服にしか見えず、先生からのお咎めなど一切無し。
それからは着脱の度に余計に汗だくになってイライラすることもなくなり、非常に快適に過ごせるようになったことは、今でもよく覚えている。

高校時代の制服は前あきのシャツブラウスに、秋はベスト、冬はブレザーを羽織る学校だったため、脱ぎ着のストレスは無くなったものの、スカートは、ヒダが取れてしまうのを防ぐため、『寝押し』をするかアイロンをかけるかのどちらかをしなければならなかった。
面倒なので、ヒダの内側部分に隠しステッチをして、ヒダが取れないようにしたスカートを作ったら、クラスメイトから同じようにして欲しいと頼まれ、やってあげたことがあった。

また、高校では、家庭科の先生から、家庭科室のウインドウ ディスプレイとして飾る服を縫ってくれないかと頼まれ、夏休みにささっと仕上げて持って行くと、先生は報酬だと言って 3,000円の図書券をくれたことがあった。布地とデザインは先生が決めたもので、確か、襟付きカフス付きのシャツブラウスだった。布地は全く伸縮性の無い木綿で、デザインは何十年も前の家庭科の教科書に載っていたような、袖ぐりのカーブがかなり大きなものだったため、袖ぐりのいせこみに難儀をしたのが鮮明に記憶に残っているが、その図書券で何の本を買ったのかは、まるで覚えていない。ちなみに、そのディスプレイには製作者の名前は書かれておらず、誰が作ったものかおそらく誰も知らなかったに違いない。


時が流れ、結婚してからは、連れ合いの服を直したり、自分の服を作ったりしていたが、アルバイトで高級百貨店専属の超高級洋裁店に一時縫い子として雇われたこともあった。

そこのチーフは元大手洋裁学校の経営者兼校長を何年も務めた人で、採用のための面接に行った折、洋裁学校も出ておらず、自分で縫ったものも持参していなかった私に、「手を見せて」と言い、私の手を見ただけで即採用を決めてくれたのだった。
チーフ曰く、『洋裁学校を出たからといって、全ての卒業生が綺麗な仕事をするわけではないし、この布地だけで一着何万円もするオーダーメイド服の制作を任せられるわけではない。手を見れば、その人が器用かどうかわかるのよ。』と穏やかながらも凜とした、そして優しい笑顔で、私に話してくれたのは、とても印象的だった。
実を言うと、私は洋裁学校も出ていないし、自己流で縫い物をしてきただけなので、本当に私に務まるのだろうかと、かなり不安だったのだが、チーフはそんな私の背中を押し、「大丈夫、あなたならできる」と、まずは簡単な 8 枚はぎのスカートを縫うように言われた。
採寸、パターン起こし、仮縫いまで終わっていたそのスカートには、修正箇所が明記されており、その修正通りに裁断し直し縫えばいいだけだったが、縫い上がったものを確認してもらうと、綺麗に出来ていると褒められ、驚くほど多くの報酬をもらった記憶がある。

残念ながら、それから間も無くして妊娠直後に切迫流産と診断され、数ヶ月寝たきり状態... しかも妊娠後期には切迫早産となってしまい、洋裁店を辞めざるを得なくなってしまった。

その後は、専業主婦をしながら、子供たちが小さい頃は子供たちの服を作ったり、布おもちゃを作ったりし、またエプロンを作って売ったりもしていた。

自宅から車で 10分ほど離れた場所にあった、言わば ”隣町” にあった小さな布地屋に行くと、店主は私のことを噂で聞いたとかで知っていて、人と連まない私は、一体誰がどのように私のことを話していたのだろうと、「この界隈で最も器用な人だと言われている」と褒められながらも、複雑な気持ちになった。

本人が居ない所で話されることには、ほとんどの場合尾鰭が付き、正しく無い情報が混じっている場合の方が多いと思っている私には、噂話に上ることは決して嬉しいことではなく、「もっともっと器用な人は数え切れないほどいると思うよ。実際、私の姉は比較にならないほど器用だしね。」と、笑って済ませたことを覚えている。


... と、そんな私であるが、先日久しぶりに超簡単なブラウスを、テキトウと表現するのがピッタリな工程を経て作り、出来上がったものを着て鏡を見て驚いた。



全然似合わない...

同居人 T に「せっかく作ったのに、超似合わない」と笑って見せると、T は、「自分で作ったのに、似合わないものを作る人なんているか?」と大笑いしていた。

遥か昔に買った布は、昔は似合ったかもしれないが、グレイヘアにはまるで似合わない色となっていることに、着てみてようやく気付いたというわけだ。

まぁ、家着としてなら何でもいいいや...



ある有名家具職人のお母さんは洋裁の仕事をしていたと聞いたことがある。
私は洋裁、木工のどちらも嗜むが、洋裁で印付けをする際にチャコやら水で消えるマーカーを使っているところからして、『誤差』というものに対してさほど神経質になっているとは言えず、1mm、2mm の違いは許容範囲なのだとよくわかる。
方や、木工においては、0.5mm の誤差は非常に大きく、指の腹で触ってはっきりと確認できる違いなのである。しかし、どんなに正確に作ったつもりでも、木というのは気温やら湿度の変化によって伸び縮みするのを免れられなく、経年変化と言おうか、経年劣化と言おうか、作った時点の状態をほぼ維持できないときているのだ。

神経を擦り減らして作業をしても、自分が満足する状態をどう足掻こうが保てないというのは、私にはやはりストレスである。

そういう面では、着て ”動いていればわからない” 作りとなる洋裁は気が楽である。
まぁ、達成感は木工の比ではないが...





12.1.24

食品のアウトレットショップと業者用卸問屋?

 家族 3 人で買い物に行ったのは何年ぶりだろうか?

H の家の近くに食品が安いという店があるというので、数日前、まだ仕事が始まっていない H に誘われて買い物に行った。

最初に行ったのは Why Knot Outlet Shop。
確かに安い物が多かったが、賞味期限を何ヶ月も過ぎた冷凍食品が平然と売られていたりして、流石にそれらは買う気にはならなかった。

冷蔵されていた 1kg チーズは半月ほど賞味期限が切れていたが、価格は約半額。試しに買って来て、早々にフードプロセッサーを使って削り、冷凍してもくっつきにくいようコーンスターチを少々混ぜてから、小分けにして冷凍した。



てんぷら粉は日本の物とは少々違いそうだが、賞味期限内で $3.99 と安かったので買ってみた。




賞味期限から 3 ヶ月ほど過ぎたカルビーのお菓子は、50セント(約 ¥45)だったので、H も私も買って帰り、「日本で同じようなのを食べたことある!」という H に、「カール?」「うまい棒?」と返事をした私...
仕事から帰った T に食べてもらい、感想を聞くと、「うまい棒かカール」と、全く同じ感想だった。
湿気てもおらず、古い油の味もせず、美味しく食べることができた。
こちらにある日本のスーパーマーケットでお高い日本のお菓子を買う気にならない私たちには、こんなもので十分に思える。



他に幾つか買い、冷蔵庫に入っていた 4 本まで FREE (賞味期限 2 日経過)のミルクを 2 本だけもらって、次の業者用卸問屋 Gilmours に向かった。


兼ねてから行きたいと思っていた Gilmours にも Why Knot と同様ほとんど客はおらず、客でごった返す店内を想像していた私たちにとっては、非常にラッキーだった。

本来飲食関係の業者とか、学校/企業などのイベントの際に大量購入する必要のある人たちがメンバー登録してようやく買うことのできる店ということになっているのだが、H が一般客も普通に買えるようになっているというので、行ってみたというわけだ。

期待を込めて行った割には、価格はさほど安くはなく、品数もそれほど多くはなかった。
肉、魚類はいつも買っているオンラインの肉屋/魚屋よりも安く、それらはこれからも買いに行くかもしれないとは思ったが、コスコほど目新しい商品は無く、買い物をしていて楽しいという感じは全く無かった。

*ちなみに、店頭表示価格は、この国にしては珍しく『税別』であることを、レシートを見て知った。となると、本当に安かった商品はどれくらいあったのだろう...?





「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...