14.12.14

この世のものでない

先日(私にしては珍しく)頻繁に話をする日本人のご夫婦と話をしていた際、私は一般の人とかなり変わっていると思われていたことがわかった。

「○○さん(=私)ってかわってますよね。」と単刀直入に言われて、「この世のものでない?」と笑いながら聞いてみたら、いや、そんな… と一応は否定してくれてはいたが、一言で言えばやはりそんな感じなんだろうなと思って笑えた。

以前にも、やはりこちらに住む日本人の女性に、私は全く日本人っぽくないとはっきり言われたことがあったが、今日クラフト・マーケット会場に居た時周りを見回してみたら、私以外のアジア人と言ったらインド人くらいなもので、そんな中で何の違和感も感じていない自分は、おそらく、もっともっと雰囲気の違う国に行ってもやはり何の違和感も無く過ごせるんだろうなと、そんなことを考えていた。

もっともっと雰囲気の違う国… イスラム教国? イスラエル? 南米? 行って住んでみたい国がまだまだあるのに、この世に存在することにも全く執着が無いというのはおかしいことだろうか。


このシンプルな飾り板を作っている間、はてさて、来年は何をしたらいいのだろうかと、ラジオもつけず、音楽も鳴らさず、ただスクロール・ソーの動く音を聞きながら考えていた。

先週、オークションで激安で落札した仕事用工具類を受け取りに行った際、売主だった驚くほどハンサムなフランス人男性が、私のスタジオ名に興味を持ってくれて、URLを教えたわけでもなかったのに、再公開したばかりのfacebook pageを探してしっかり見てくれたようで、どこかの店で売っているのかと聞いてきた。
私はただインターネット・オークションに出品しているのと、たった一カ所のクラフト・マーケットで売っているだけだと答えると、そんな所で売るのではなく、どこかのギャラリーで展示した方がいいし、もっと高級な店で売るべきだとアドバイスしてくれたので、そういう所はお金がかかり過ぎて私にはそんな費用は賄えないと笑って答えたが、何故だかその人は、しばらくもっといい販売方法を考えてくれていた。

また、今回のクラフト・マーケットでも、私の商品はこんな所で売るようなものじゃないと、お客やら他のベンダーさんたちからも言われた。

私は有名になりたいとか、お金持ちになりたいとかいう欲望は無い。もっと言うなら、この仕事でなければならないという強い気持ちも無い。
ただ日々生活していけるだけの、同居人に迷惑がかからない程度の収入があるだけでいいので、他に何か決まった仕事をさせてくれる所があれば、流れ作業だろうが何だろうが、喜んでしたいと思っている。
けれども、そういう仕事は私でなくても誰でもできるわけで、仕事に溢れた人たちが五万といる中で、わざわざ歳食った移民の私など雇いたいと思う奇特な企業があるとも思えず、また、実際無く、光りの見えない洞窟の中で彷徨っている状態を抜け出すことができず、生活は困窮していくばかり…

何をどうしたらいいのか、さっぱりわからない。



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