少し前、驚くほどハンサムなフランス人から譲ってもらった工具類の中に、ノミのセットが入っていた。
彼は「すごくシャープに研いであるから気をつけて」と言っていたが、電動グラインダーで研いだという刃は全然シャープではなく、おまけに裏側まで刃先を削ってしまってあった為に、おそろしく長い時間をかけて研ぎ直さなくてはならなかった。
買って来たばかりのノミの裏側は通常平らではないので、まず裏側を平らに均さないとならないなんてことは、おそらくほとんどの人は知らないだろう(私もお師匠さんのビデオを観るまで、そんなことは考えたこともなかった)。これらのノミもやはり裏面には手を付けてなかった。均すのには目の粗いサンドペーパーから極細かい目のサンドペーパーまで何段階かに分けて削っていくのだが、サンドペーパーはフラットなガラスの上に貼付けて使うのがお薦めである。
裏の均しは刃先から6ミリ程度内側までがピカピカになればOKで、裏面全体がピカピカになるまで磨く必要は無い。(写真を撮り忘れた)
この作業はたった一度するだけでよく、次から研ぎ直すときには、表だけを研ぐことになる。
次に表の刃を研ぐ。もちろんフリーハンドでだ。もう既に角度は感覚でわかるようになっているので、ホーニング・ガイドなるものは買わずに済んだ。
私はダイアモンド砥石を使っているが、何種類かのサンドペーパーを使っても充分シャープな刃を付けることができる。
最後にクロミウム・オキサイドを塗布した革張りの板の上で研いだ刃を更に磨き、スーパー・シャープなノミの出来上がり。
このシャープさが無ければ綺麗な仕事ができないというのが、今はよくわかる。
0 件のコメント:
コメントを投稿