30.5.17

House Built with Traditional Techniques Using Earth Wall and Hand Choppi...




日本の昔からの職人さんたちは router plane なんて使わないんだろうな…

便利道具に頼らず、感覚を磨かなくては、いつまで経っても技術は向上しないよな… と、日本の優れた技術を見る度に反省するのだが、作業時間が長くなって来ると、ついつい自分を甘やかしてしまう自分がいる。

日本の工法に倣わなくてはダメだ。
日本から送ってもらった本を手本に、もっとしっかり勉強しなくては…


22.5.17

Stanley No.55 Combination Plane


購入してから手を付けずにいた No.55 本体の掃除に、ようやく取りかかった。

部品が多く、一つ一つ外して錆落としのスプレーを吹き付け、ワイヤー ブラシで擦って錆を落とし、拭き取っていくのに2時間もかかった。






使用した錆び落としのスプレーは、RP - 90


2時間後、組み立て上がった No.55 は全てのパーツがスムーズに動き、見違えるほど綺麗になった。




ハンドルの欠けた部分はどのようにしようかと、かつてアンティーク修復工房で働いた経験のある私は、削って形を整えるのを思い止まり、いまだに修理の仕方を考えている。




poor woman's bathroom cabinet 完成

プラント置き場兼バスルーム キャビネットがようやく完成した。


このヒンジは扉に取り付けたのだが、ネジの頭がプレートの高さと同じレベルになるように作られていなかったため、ヒンジのプレートをしっかりと収めるための溝は若干深めにする必要があった。


少し削っては扉を取り付けて確認し、取り外してまた少々削り… 、扉の板がピッタリと納まるまで、何度もそれを繰り返した。
安いヒンジは取り付ける際に面倒になることがよ〜くわかった。


把手を付けるための穴は電動ドリルであけたが、カウンターシンクのビットが鈍らになっているのか、電動ドリルを使うとほとんど削れない上にひどく焦げ痕が付いてしまったため、ハンド ドリルに切り替えて作業しなければならなかった。
ハンド ドリルは木の粉が舞い上がらないので、目が痛くならずに済むという利点がある。(私はコンタクトレンズを装着しているため、小さな粉が舞い散るような電動工具をゴーグル無しで使うと悲惨な結果となってしまうのだ。ねじ釘やボルトを挿す穴を開ける都度一々ゴーグルを着けなくてはならないというのは面倒この上ない)


そのようにして組み立て上がったキャビネットは、ペイントするために把手やらヒンジを一旦外し、最初のペイントの後サンディング、そして次のコートを施し、ヒンジと把手をしっかりと取り付けて完成となった。


アトリエから運び出すのはいつも同居人Tの仕事…

据え付けたキャビネットにお気に入りのプラントを飾ったのは同居人H。

一番上の引き出しの隙間が調整しているうちに若干広くなってしまったのが気になるところだが、まぁいいか… 合板だしな… と自分を甘やかしてしまったため、自己評価は 40点。

これが50代最後の仕事となった。

あぁ、もう還暦だ…


同居人Tに、「私が死んだ後、こんな木工品しか残っていないっていうのは、何かみすぼらしいね」と笑ったら、Tは、「立派なステンドグラスの作品があるから大丈夫」と慰めてくれた。
「あぁ、そうだ、それがあったんだ」と、ステンドグラスのことなどすっかり忘れていた私は、胸を張れる(恥ずかしくない)仕事をしていたことを思い出し、安堵した。



18.5.17

趣味ではなく、義務。 或は 任務

家で採れたネギは、洗ってしっかりと水気を取り、刻んで容器/ジップロックに入れて冷凍保存しておくことにしている。(もちろん、買って来たネギもそのようにしておけば、少しだけ使って残りが冷蔵庫の中でズルズルに傷んでいたり、乾涸びていたりすることもなくなるので、お薦めの方法である)
料理する都度少量をわざわざ刻まなくてよく、汁物やら冷や奴やら、炒め物、ラーメン、或はお好み焼きのようなもの、その他諸々に手軽に使えて非常に便利だ。




また、ひよこ豆も、圧力鍋で一度にけっこうな量を茹でておき、小分けして冷凍しておくと、フムスやサラダのみならず、スープとか、カレーとかにも手軽に使える。




いかに料理にかける時間を減らすか… 

そんなことを考え続けているのは、紛れもなく料理が好きではないからだ。
スーパーマーケットに行くのも気が重い…


あぁ、料理が好きな母が羨ましい。



17.5.17

私は時々運が良い

国内のインターネット オークションで、 Stanley No.55 Combination Plane を手が出る価格で落札できた。

No.55 は1897年から1962 年まで製造されていたらしいが、King Of Combination Planes と呼ばれるほど堂々とした(厳つい)鉋は、『オーストラリアではドアストッパーとして使われていた』などと書かれていたりするものの、現在インターネット オークションで売られている中古品の多くは、ブレードが全て揃っていないにも関わらずけっこうな高値が付いている。

私が落札したものは、ハンドルの一部の欠けと、フェンスの板が割れていた以外は壊れている部分は無いようで、全体が長い年月の間に付いた錆びと油っぽい埃で覆われていたが、錆を落とし、曲がったスクリュー1本を直せば問題無く使える状態になるはずだ。

付属のブレードの数は多く(54本)、とりわけ溝を削るためのブレードが充実している(非常に細かくサイズが別れている)ことは何より嬉しい。
縁の飾り彫りに使うブレードもほぼ全部揃って入っていたが、果たしてこれらのブレードの何本を実際に使うことになるのだろうか…  使われないまま終わるブレードが必ずあるに違いない。




キャビネットの3個目の引き出しをグルーを付けて組み立て、神経を尖らせて形を微調整しながらクランプで留め、グルーが乾くのを待つ間に、稀釈したビネガーに一晩浸けておいたブレードの錆を落とし、綺麗に洗い流した後は良く水分を拭き取り、更に表面に薄く錆び止め用にオイルを塗って… と、それらの処置をするのに小一時間かかった。




Stanley No.55 の本体にはまだ手を付けておらず、汚れたまま。
キャビネットを組み立て終わり、ペイントをする段階になったら全体を綺麗に磨くことにしよう。


ブレードをシャープに研ぐのはその後だ。



14.5.17

poor woman's cabinet making - 引き出し作り


この合板のガサガサな表面を見ただけで高品質ではないことがよくわかるが…、引き出し部分も手を抜かず、高級家具の作り方に倣った。


half-blind dovetail という組み方は初めてなので、どのようにしたら手際良く、且つ綺麗にできるのかを考えながらの作業だった。
もちろん、手本にしたのは雲の上のお師匠さんのビデオだが、日本の指物師の作業風景も参考にした。

合板は層になっていて、"剥がれる" という可能性を否定できないため、無垢の板ほど dovetail joint の強度は無いだろうと思いながらも、練習のためにこの方法を取ったわけだが、dowel(だぼ)で組み立てた方がもしかしたらよかったかも知れない…

ちらっと、そんな思いが脳裏をよぎったが、いつまで経っても dowel だの釘だのを使うことしかできないというのは、自分自身の技術がちっとも向上していないことに他ならず、それではあまりに情けないじゃないかと、いつも簡単に仕上げられる方に心が動かないのだ。


引き出し3段分の half-blind dovetail をカットし終わる頃には、だいぶ要領も良くなり、どのような手順で鑿を入れたら効率がよいのかがわかるようになって来た。


このキャビネット作りの合間に頼まれ物の縫い物をしたり、棚を急きょ作ったり、はたまた出掛けなければならない用事も多かったため、予定よりもかなり作業が遅れている。
仕上げるのに期限は無いものの、早く作り終えて次の物に取りかかりたいと、作業の合間にお茶を飲みながら思った。

そして、お茶を飲みながらつまんだスナックを見て笑えた。
機械化された工場で作られたスナックが、ほとんど全部違う形(顔)になっている。

ここまでバラバラだと笑うしかないね。






正しい卵の使い方


『卵は一つ一つ別の容器に割り入れ、鮮度を確かめてから使うべし』というのを、痛感したのは3週間前のことだった。

買って来た卵のパックの中に、一つ、腐った卵が入っていたのだ。(思い出しただけでもおぞましい)

完全に腐った状態でパックされていたなどとは想像だにせず、いつものようにボールにどんどん割り入れていった私は、3個目に割った卵が異臭を放ち、茶色っぽいドロドロの状態で落ちたのを見て吐きそうになり、すぐさまボールの中身を全てディスポーザーに流し、中が臭くてたまらない殻もビニール袋に入れて口をしっかり閉めすぐさま捨てたが、それからというもの、卵を扱うことに非常に神経を使うようになってしまった。

NZでは最近、 大手スーパーマーケットで Free Range Eggs として売られていた卵が、実際は Caged Eggs だったということが明るみになったが、free range か caged かいう以前に、新鮮な卵だけを売って欲しいものだと切に思った、悪夢のような一件であった。


7.5.17

木工のすすめ

朝晩の最低気温が10℃を切るようになった。秋が来ない内に既に冬になってしまったような気温だ。

まだ暖房をつけていないアトリエでは、連日鉋がけの作業が続いていたが、合板に日本の鉋を使う気にはならず、冷たく重たい金属製の西洋鉋を一日中使い続けていたせいで、腕がダルくて仕方がない。


今週始め、買おうかどうしようかとしばらく悩んでいた西洋鉋を買った。


購入したのは Record No.3 Planeで、1950年代に製造されたものらしいが、状態は概ね良く、ブレードの裏の傷んだ部分を削り落としてしまえば良好な状態になるはずだ。


この No.3 の鉋はNo.4よりも"若干"小ぶりなのだが、想像していたほど小さくはなかった。
だが、この"若干"のサイズの違いは、重量にすると結構な違いに思え、鉋がけ後のシャープな縁をわずかに削り落とす際には特に、軽く、かなり使い易く感じた。


届いたRecord Plane を一通り手入れした後は、頼まれものの曲がった(若干ねじれた)寿司カッター ブレードを真っ直ぐにする作業に取りかかった。

10本ほどの直しを頼まれたのだが、どれも同じ箇所でねじれが起きているということは、おそらく機械そのものに欠陥があるからだろう。

これまでは金属製の平らなハンマー2個を使い、一方は叩き台とし、もう一方のハンマーで叩くというやり方をしていたが、そうするとブレードのコーティングが剥がれ易くなってしまい、見た目が綺麗ではなくなってしまうため、今回はベンチ バイスに挟んで固定したブレードをペンチで挟み、ペンチで少しずつねじれを矯正して行く方法を取った。
こちらの方が断然効率が良く、綺麗に仕上がることがわかったので、今度お寿司屋さんにその方法を試してみるよう勧めてみることにしよう。


ちなみに、お寿司屋さんに以前ブレードの研ぎ方を伝授したことがあったが、それ以降、彼は一度も新しいブレードを買うこと無く、研ぎ直して使っているとのこと。
今回はブレードの捻れを上手く直せないとのことで、捻れだけ直したら、あとは自分で研ぎ直せるので、研ぎ直しはしなくていいと言っていたのを聞いて、私はとても嬉しく思った。
きっと、彼が研ぎ直しをしているのを子供達は傍で見ていることだろう。そして"自分でもできる"ということを学んで行くのだ。

買って来たものが壊れれば捨てて新しいものを買うというのが常識となってしまっている世の中で育った人たちは、『直して使う』とか、『使い易いように手を加える』などという発想が初めから無いまま大人になる場合が少なくない。
出費がかさんで生活が豊かでないと感じている多くの人々が、出費を極力抑える方法があることに気付かず、修理すればまだまだ使えるものを捨ててしまい、新品を買い続け、販売者の"思う壷"にはまってしまっているというのは、実にもったいないことだ。


自分でできるというのは、かなりな経費の節約になることに気付くと、何故これまで(こんな簡単な作業で済むことなのに)それをすることを考えなかったんだろうと思うようになってくる。

本格的に木工を学び始めてから、自分でできることが遥かに多くなった私は、安っぽい出来合いの、しかもサイズが合っていない収納家具を渋々買うなどという必要は全く無くなり、切れ味の落ちた包丁を使い続けることも無くなった。
踏み台が必要になれば余っている板を使って作り、同居人Tが車のパーツを取り付ける際にあったら便利だという治具も端切れの板でチャチャッと作り、同居人Hの車のドアの内張も作り直し、ダイニング チェアのシートが壊れれば張り替えることもできるようになった。

贅沢な物作りはしていないが、経費の大きな節約になっているのは明らかだ。


私の作業を見て生活している同居人たちは、いつか私が居なくなったら、自分たちの手で色々な作業をこなすことを考えるだろう。
そして、作業をしながら私を思い出してくれるに違いない。私がいつも父のことを思い出しながら作業しているように。



「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...