30.3.19

instant karma

同居人 T の元居た職場は、大きなクライアントを失い、収入が激減した穴埋めを、ただ単に "手当たり次第に" 人員削減という手段で乗り切ろうとした。勿論、どの企業でもまず一番に考えることだが、あの会社の愚かなところは、能力の有る無しに関わらず、ただ単に "当座の出費" だけしか考えていなかったところだ。

経理屋は『いかに収益を上げるか』考えるのと同時に、『いかに出費を減らすか』を考えなくてはならないが、ずる賢くあってはならない。ずる賢く振舞ったら、必ずそのツケが回ってくることを、行動を起こす前に考えられない経理屋は無能であると言っても過言ではないだろう。


最近、T に、元居た会社の所属部署以外の部署からの依頼が増えた。
理由を聞いてみると、それらはこれまで T の同僚が時間外に僅かな報酬を貰って引き受けていた仕事だったが、経理担当者が その "わずかな" 報酬を出すのをケチって、『無報酬で残業させてやらせればいい』と言い出したため、同僚は『それじゃ、もうやらないよ』と当然のことながら突っ撥ね、二進も三進もいかなくなって T に仕事が回ってきたとのことだった。
経理担当者は、T の元同僚が自分の不利益もかえりみず喜んで無償の残業をするとでも思っていたのだろうか? また、フリーランサーに仕事を出さざるを得ない状況になることは全く想定していなかったのだろうか? 『想像力の欠如』以外に言葉が見当たらない。

当然のことながら、フリーランサーの日当は職員の日給よりも遥かに高く、会社の出費は比較にならないほど増えたことは確かである。


ちなみに、T が在籍していた頃は、その部署の仕事も就業時間内(時には時間外)に無償でやってあげていたらしく、誰かに依頼しなければならないとなれば、その部署からの信頼が厚い T が真っ先に呼ばれることになるのは当然の成り行きで、T が蒔いたものを刈り取る反面、セコイ経営をしようと企んだ会社側は即座の因果応報(自業自得)という結果になったというわけだ。


ズルいことばかりに思いを巡らしてはならない。
自分の虫の良い提案が受け入れられるかどうか、まず、自分を相手の立場に置き換えて考えてみれば、おおよその見当がつくだろう。
本来、自分の仕事と関係の無い他の部署の仕事を、何の見返りもないまま、残業してまで自分は引き受けるだろうか? しかも、この先給料が上がる保証など何も無く、会社が左前になれば、業績に関係なく容赦無く首を切られるのが目に見えているのだ。

Yes. という奇特な人が、この世にどれだけいるだろう?


26.3.19

組子細工ブーム

最近、世界中の多くの木工愛好者が日本の『組子』を好んで作っているのを目にすることが多くなった。

日本の組子に惚れ込み、組子を製作するための治具を作って売ることになったある木工界で有名な人は、売り出した途端に売り切れという大盛況ぶりに驚いているようだった。私なんぞは、治具くらい自分で作ったらどうだ?と訝しく思ってしまうのだが、組子という非常に繊細で手間暇のかかる細工をしようと "あえて" 試みる人々の多くが、少しでも楽をしようと、自分で簡単に作れる治具さえ、高いお金を出して買っていることに、どうしても違和感を拭い去れないのは、私だけであろうか?

私は "流行り物" というヤツがどうも好きにはなれず、以前から興味があった組子ではあるが、猫も杓子も作っているのを目にして、作る気が完全に失せてしまった。

ブーム に乗りたくない。端的にいえば、流行に翻弄される/左右されることを浅はかだと感じてしまう傾向にある私は、やはり変わり者と言わざるを得ないのだろうが、他の人々と同じことをして楽しいか??という、悪く言えば "ひねくれた" 感覚を持ち合わせていなければ、独創性のある物作りはできないではないかと、どうしても思ってしまう。

そんなことを考えていたら、木工では世界的に非常にポピュラーになってきた雲の上のお師匠さんをフォローする気も、何だか薄らいできてしまった。
もちろん、お師匠さんは流行りの "kumiko" を間違っても作ったりはしないだろうが...

彼は最近、一般人が真似できないと感じるような秀でた家具を作っていない。おそらく忙し過ぎる所為だろうし、彼の収入源であるオンラインのコースで木工初心者から上級者までが容易に(或いは少し努力して)作ることのできるものをお題に取り上げないとならないというのは私にも理解できる。(容易にできないものばかりをカリキュラムに組み込んでいたら、受講する人などいなくなってしまうだろうから)
だが、自分が師と仰ぐ人が、自分でも作れると思えるような物ばかり作っていたら、"師" ではなくなってしまうのは当然のことで、既に披露した技術を繰り返し繰り返し見せ、同じことを何度も何度も言い続けていたら、ネタは既に尽きているという印象を世間に与えることになり、その内に信奉者の興味も失せることになるだろう。

私よりも7歳も年上なのに、毎日忙しく働き続けている雲の上のお師匠さん...

彼の理念を廃れさせないようにとサポートし、今のビジネス展開を支える息子とスタッフは、彼が表舞台に出られなくなった時、彼の志を引き継ぎビジネスを続けるのだろうか?
確かに息子は手先の器用さに於いては誰にも引けをとらないかもしれないが、"カリスマ性" という点についていえば、雲の上のお師匠さんには敵わないように思えて仕方がない。
しかも、息子が大学で専攻した分野は木工とは違うものであると聞いている。
彼の息子は、父親があれほどまでに有名でなかったら、果たして木工業界に居ただろうか?
そんなことを私は時々考える。

私は彼の人の仕事を子供達に継がせることを考えなかった。
子供達には子供達の人生があり、自分に合った職業に就くのが一番良いと思っていたからだ。
雲の上のお師匠さんも、おそらくその点を深く考えたに違いなく、そして今ある結論に達したということなのだろうが、私には、それが何故だか不自然な姿に見えて仕方がない。


全てのものには限りがある。
どんなに栄華を極めた人や集団にも、確実にその終わりが来るのだということを私たちは知っている。だが、それを知らない人であるかのように、人々は走り続けるのだ。


雲の上のお師匠さんが表舞台から消える時、私は何をし、何を思っているのだろうか...



12.3.19

Hilarious Jack Russell Goes Crazy with Excitement at Crufts 2017!



同居人 T は大の犬好きで、毎年英国で開かれる Crufts を YouTube で Live で観ているほどだ。(NZの深夜から明け方にかけての放送にも関わらず)

この愛すべきジャック ラッセル Olly はこの年からずっと出場しているが、今年も途中で演技をやめ、自由気ままに動き回り、観客の "期待" を裏切らなかった。

全てを完璧にこなし、輝かしい成果をあげる犬には心底すごいなと感心するが、この教えられたことができない/教えられない/しっかりやるという意識が無いと思える犬はすこぶる可愛く、人々の心を温かくしているのは間違いのない事実で、おそらく、Crufts では最も人気のある犬だろう。


だが、これは犬の話だ。

これが人間だったら...
『教えらたことがいつまで経っても満足にできない=しっかり聞いていない=やる気があるのか???』ということになるのがオチだろう。

何度言っても言うことを聞かない/できないのを気にする素振りもない輩を見て、『何にもできなくて可愛い〜』と感じる人は、よほど出来た人か、その人自身が何も出来ない/やる気がない人であるかのどちらかだろう。

同居人HのBFは働き者で、几帳面な仕事をするタイル職人だ。
彼はまだ若く、独立して仕事をするようになってから日が浅いが、時々一緒に仕事をする人々がイイカゲンな仕事をして良しとするのを見て、かなり苛立っていたことがあった。しかも、その人々の方が時給にしたらはるかに多くの報酬を得ており、余計に腹立たしいと言っていた。

私も、職人気質を持ち合わせていない職人の杜撰な仕事ぶりを幾度となく見てきているので、彼の憤りが痛いほどよくわかる。

人々はよく、実務経験が長ければ良い仕事をすると解釈し、高額な報酬を惜しげも無く出したりするのだが、それは大きな勘違いである。
実務経験が長くても、お話にならないほどのお粗末な仕事しかできない輩が五万と居ることを、雇う側はしっかりと認識しなければならない。



8.3.19

日の出 7:11、 日の入り19:49

もうそろそろ夏時間が終わるんだなと、朝の薄暗さから感じるようになった。

日の出が 7時過ぎになると、コーヒーを淹れ始める時分に朝陽が窓から差し込み、まだ薄暗い家の中に、鮮やかな琥珀色の光線が走るのを見ることができるようになる。
一日のうちで私が最も美しいと感じる光景だ。

空が明るくなり始めるまでのほんの束の間の光景は、数年前の病室の記憶を蘇らせた。



私は父に、「陽が昇ったよ」と言った。
あの日、父はまだ苦しみながらも息をしていた。そして、私の言葉に頷いた。
構図も何も考えることなく撮った一枚...   あの日のあの瞬間が鮮明に蘇り、涙が溢れた。




最近は T に連れられてよく写真撮影に出かけるようになった。


数日前に行ったのは Takapuna 地区にある Lake Pupuke。



ここにはブラック スワン(黒鳥)が沢山いる。



黒鳥の他にも、様々な鳥が生息していて、鳥好きには面白い場所だろう。




おびただしい数の鳥が生息しているため、糞が至る所に落ちているわけだが、それよりも何十倍も何百倍も不快だったのは、犬の糞が非常に多く落ちていたことだ。

犬に糞をさせるために散歩に出て、糞の始末をせずに公園にそのまま放置して行く人が少なからず居るというのは、実に嘆かわしいことだ。



7.3.19

BRIT & EURO CLASSIC CAR SHOW

久しぶりに暑かった先週末、Tと一緒に Pakuranga 地区にある大きな Lloyd Elsmore Park で一日だけ開催されたクラシック カー ショーを見に行った。


予想を遥かに超える規模の大きさに驚き、展示されている見事なまでに手入れの行き届いた高級クラシック カーの質の高さに驚いた。


非常にユニークな形をしたものが多く、ボンネットを開けるとボンネット自体が地面についてしまうものや、ボンネットが外れてしまわないように革ベルトで固定させるもの、ドアの雨避け(?)が出っ張り過ぎていて、風をモロに受けそうなもの、バックミラーが極端に小さく、「あれで見えるのか?」と首を傾げたくなるもの、また、後ろのトランクがボディと一体になっていて、そこがパカッと開き、中にエンジンが入っているもの等々を、Tと笑いながら見て回った。









見て廻った中で最も印象に残っていたのは、滅多に見ることのない『マカオブルー』の色だった。車ではなく、色そのものが、強烈に私の目に入って来たのである。
それは、かつて彼の人が乗っていた M5(BMW)の色だった。
光の加減で濃紺に見えたり、紫に見えたりするのをしばし楽しみながら眺めていたが、ふと我にかえると、こちらの車の方が格好良い車であるのに気付いた。



非常に男っぽく、美しい車である。



帰り道、Tが一度行ってみたかったという小さな橋の掛かっている Panmure Basin に寄り、Tはビデオ撮影、私は iPhone で何枚か写真を撮って来た。





写真を取り出すと、良いカメラが欲しくなる。創作意欲というよりも、物欲が強いのかもしれない...



暑い日に何時間も外に出ていると、帰った後疲れがどっと押し寄せて来る。

体力をつけるため、努めて歩きに出るようにしている今日この頃だが、あんなに歩き回ってもまだ一万歩弱か... とちょっと悲しくなった。


5.3.19

HAPPY BIRTHDAY RILI !!


毎朝、超満員電車に押し込められて通勤するのがごく普通のことになってしまっている東京在住の長男...

あの広々とした品川駅が、通勤通学客で身動きできないほどに埋め尽くされ、見知らぬ人たちにぎゅうぎゅう押されて前に進んでいくのだと聞いて、私は唖然とした。

不便なNZの暮らしに時折嫌気がさし、東京の暮らしは便利で羨ましいなと一瞬思っても、すぐに "不快な日本暮らし" を思い出し、NZを選んでよかったなと安堵する自分がいる。


身体に気をつけて、R が今年も楽しく、平穏に暮らせますように。


「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...