30.11.19

Thanks Giving Day 無しの Black Friday Sale in NZ

ここ NZ では Thanks Giving Day を祝う習慣は無い。
それなのに、近年になって商売人がこぞって Black Friday Sale と銘打ち、大々的に"破格値" だから買わなきゃ損だと言わんばかりの広告を打つようになった。

商売人にとっては、年数回しか無い『特別な日』が増えたというわけだ。

特別な日というのは概ね祝祭日となり、商売人はそれら祝祭日の前には必ずセールを打つ。
どこの国でも同じようなものだろうが、ここ NZ では、New Year's Day(1月) に始まり、Waitangi Day,(2月) Easter(4月), ANZAC Day(4月), Queen's Birthday(6月), Labour Day(10月), Christmas(12月), Boxing Day(12月)などと共に、父の日やら母の日などというものも加え、ありとあらゆる "記念日" を逃してなるものかと、大々的な広告を打ち、週に何度も顧客に e-mail を送り、庶民の購買欲を刺激し続けて来た。そして近年、祝いもしない Thanks Giving Day の翌日の Black Friday を躊躇も無しに取り入れ、アメリカに便乗した形で大々的に執り行うという、モラルも何もあったものじゃない風潮になって来ている。(ハロウィンは、まだそんなに一般化されていないように思える)

だったら、いっそのこと、他の国々の全ての記念日にセールをやったらどうだ?どうせ、セール価格にしたところで、利益がそんなに削られるわけでもないだろう... などと意地悪い反応を示してしまう私は、明らかに商売人には向いていない。

なぜセールを打つのか。
答えは簡単。売り上げが格段に伸びるからだ。

セール価格に下げても充分利益が出るということは、通常価格では法外な儲けを得ていると考えるのが筋だろう。頻繁に50〜60%引きの広告を打つ企業の仕入れ価格は一体幾らか... もちろん、仕入れ価格に人件費やら広告宣伝費やら諸々の経費類を加味した上での50〜60%引きだ。おそらく、一般消費者の目が飛び出るほど安価に違いない。
私たち一般消費者は、普段有り得ないほど法外な金額で生活必需品を購入せざるを得なく、逆を考えれば、生産者もまた、法外な安値で問屋に下ろさなければならない状況となっているということになる。
儲けるのはいつも、商品を右から左に動かすだけの商売人だ。
私はそんな経済社会にほとほと嫌気がさしているのだが、そのような世界で一生暮らさなければならない。この先もこの体制は変わることはないだろう。

しかし、そんな Black Friday Sale があったおかげで、日本にいる長男から(私にとっては非常に)高価なプレゼントが届いて、未知なる世界 "VR" に突入した私...


手始めに Beat Saber のソフトを購入し、簡単なものから始めてみたが、これがけっこう面白い。

 若い頃運動神経は良かったので、感覚はそこまで衰えてはいない。リズム感もまだ大丈夫なようだ... などと思いながら、これは呆け防止にもきっと役立つに違いないと、そんなことに思いを巡らして体を動かしている、一昔前だったられっきとしたお婆さん...

これから汗だくになることを予想して、Amazon.com にフェイス クッション カバー/パッド等を急いで注文した。Black Friday だからではなく、あと数日で NZ の消費税が上乗せされてしまうようになり、更に高いものになってしまうからだ。


T が小学生の頃所属していた陸上クラブの女性コーチが、夜、寝る1時間ほど前に 15分間でも運動をすると、ダイエットに効果的だと言っていたが、ダイエットは抜きにしても、このゴーグルが頬骨に当たり痕がついてなかなか取れないため、外に出かけることがなくなった夜にプレイするのが最適だろうと私は思った。

暑い夏の夜に汗だくになって、長男の思惑通り減量に成功するといいのだが...



余談だが、これまで Amazon Japan は NZ への海外発送をして来たが、おそらく今回の NZ の税改正を受けてだろう、デジタル商品以外の物については NZ への発送を打ち切ったようで、Amazon.co.jp からは直接購入できなくなってしまった。
どうしても欲しいものがある場合は、親類縁者に転送してくれるよう頼むしかない。
実に不便だ。
これが一時的な措置であるよう、祈るばかりである。


25.11.19

コーヒープリン、 裏庭の草取り、引き出し式テーブル製作 & Apple TV+

T が仕事に出かけた後、夕食後に食べられるようデザートを作り、裏庭に降りて草取りをし、その後はアトリエで作業をしていた。

今夜のデザートはコーヒープリン。

インスタント コーヒーを飲まない家なので、見つけたレシピ通りではなく、いつも飲むドリップ コーヒーの粉を使用したが、味がイマイチわからないまま、適当に濃い目に作ってみた。(イイカゲンな性格)

たまたまクックパッドで固まらないカラメルソースというのを見つけたため、今回はカラメルソースを入れずに作ったが、この固まらないカラメルソースがあれば、毎回ソースを作る手間が省け、食べる際にホイップド クリームを乗せたり、カラメルソースにしたりと、応用が利いて非常に便利だ。(カップから皿に移して食べるなどという洒落たことをしない家なので、上からカラメルソースをかけるのは全く違和感がない)




庭の草取りに向かうと、イタリアン パセリが凄いことになっていた。


この全ての種が舞い散らばったら庭中がイタリアン パセリで覆われてしまいそうだ。
何とかしなくては... と思いつつも、イタリアンパセリには手をつけずに、他の部分の草むしりを小一時間し、腰が痛くなってきたため作業終了。


最近の工作は、狭いキッチンに設置してある14年物のオーブントースター(なかなか壊れない DeLonghi )の下に、引き出し式テーブルがあったら便利だろうなという思いつきから始まったプロジェクトで、キッチンが狭くない家には不要だろうと思える、正に貧乏人の発想に基づいたシロモノである。
だが、無いものを自らの手で作り出し、少しでも生活を楽にしようと無い知恵を絞るというのは、実に楽しく、貧乏人でなかったらこのような楽しみも無かったことだろうと想像すると、貧乏であることが悪くはないなと思えてくる。


サイズを測り、簡単な図を描いて数字を入れて行くという作業は、面倒といえば面倒だが、亡き父が、方眼紙にきちんと縮尺の割合に則って緻密に書き込んでいたのに比べたら、私のは何とイイカゲンな製図であろうか。 しかも、日本語と英語が入り混じっているという有り様だ。

テーブルがスムーズにスライドできるよう、今回初めて Drawer Slide を購入してみた。
Drawer Slide の価格はピンキリで、高価な物だと1本何十ドルもする。
たかがこんな物を作るのにそんなにお金はかけられないため、激安だった 6セット(送料込みで) NZ$16.28 という物を購入。
安いだけあって、スライド部分は外すことができず、片方に溝(レール)を掘って入れ込む方式になっている。(取扱説明書は付いて来なかったため、ネットで検索して、同じようなものの取り付け方を見つけられたのは幸いだった)

手持ちの板が余るようだったら、オーブン トースターの上にフライパン ラックも作ろうと考えているが、そちらはまだ未定。

夕方 5時には家に戻って夕食の準備をする。
食後のデザートを食べた後は、のんびりと、同居人 T が買ってくれたApple TV に付いてきた一年間無料の Apple TV + でドラマを観て過ごす。
日本語吹き替え版に変更できることを知ったのは、The Morning Show のシーズン1 を見終える少し前だったが、日本語に直訳しただけだろうと思われる少々違和感がある表現が少なからずあったのにはガッカリだった。



19.11.19

更なる税負担

NZ 政府は、国内の販売業界を保護/活性化する目的なのか、今年12月頭から、個人が海外から購入した全ての商品に対してNZの消費税率(15%)を課すことを決定した。

ここに何度も書いているが、NZは日本とは違い、物が圧倒的に少なく、しかも数少ない商品の販売価格は非常に高い。故に、私の家のみならず、多くの人々がインターネットを介して海外から品物を取り寄せていたわけだが、国内で販売を生業とする人々がそれでは事業がなりたたないと陳情していたのだろうか、今回の措置は販売業者にとって有利な方向に動いたように見える。

しかし、よくよく考えてみれば、消費税を課して主に得をするのは政府である。
そして誠に残念なことに、欲深い政府(どこの国でも政府というのはそんなものだが...)は海外からの高い送料にもまた消費税を課すという、ダブルパンチを消費者に浴びせてきたのだ。

私の家では、この先そう頻繁には海外にオーダーできないだろうと、これまで買い渋っていた物を(焦りから)買うことになり、先々月あたりから出費が増えている。
スクロールソーのブレード、ドライヤー シート、電動歯ブラシの替えなどのストックまで追加注文した有様だ。

来月から、更に価格を吊り上げても売れるようになるだろうと、強気に出る業者もおそらく多く出てくるに違いない。
販売業と欲深さは切っても切れない関係にあるのが常なので、この先の変化がどのようになるのか見ものである。


しかし、あまりに物価が上がり過ぎたら、人々は買い控えるという手に出るだろう。
結果として、国内の消費は減る一方になり、経済は冷え込んでいくというシナリオに陥る可能性は決して否定できないのではないか... などと、"裕福" という言葉とは無縁の生活をしている私は、ああでもない、こうでもないと思いを巡らしている。



NZ政府は今年10月から、海外からの旅行者に対して、電子入国許可証 (アプリ使用の場合はNZ$9.00 or PC 使用の場合は NZ$12.00)と観光税(NZ$35.00)を徴収することにした。NZ市民及び永住権保持者には支払いの義務は無いが、NZ旅行を計画している人にとっては、少々ガッカリな "余分な出費" である。

海外から観光に来てもらえば国内が潤うのは言わずと知れたことで、それだけでもありがたいことなのに、わざわざ時間をかけて南半球の小さな島国まで来てくれる人々に対して税金を課すなぞ、「来てくれるな」と言わんばかりの傲慢さであるように思えて仕方がない。
観光業界への打撃はいかばかりなものだろうか。
観光客は例年に比べて減ってはいないのだろうかと考えずにはいられない。

謙遜さを忘れてしまったら、この国の美しい自然も色褪せたものになってしまいそうだと感じるのは私だけなのだろうか...



15.11.19

' She is my friend.'

中国系スーパーマーケットに行くのは、金曜を除いたウィークデイの日中に限る。驚くほど買い物客が少なく、のんびりと物珍しい食材を見て楽しめる。
ほとんどのものはどのように使うのか全くわからないので、買うことができないのだが、「何だこれは?」と思うものも少なくなく、もう何年も中国語を学んでいて、中国旅行に何度も出かけている私の姉がここに遊びに来たら、きっとこのスーパーマーケットでの買い物を思う存分楽しめることだろう。

いつものように卵 30個と野菜(大根、モヤシ、山芋等々)、薄切り肉等を少し買い、帰り道にある DIY Shop でポータブル ガス コンロ用のガス ボトルを買い、また少し車を走らせ、今度は普通のスーパーマーケットでミルクとかソーセージ、アイス クリームとかを買って、家路を急いだものの...   家まであと 2分足らずという所にある公園に "友達" が夏の間だけ苺を売る店を出していて、昨日は行きにも道路端にいた彼と顔を合わせていたため、素通りするのも気が引けて、苺を買いに寄ってみた。(以前、何度か素通りしたら、私がどうかしたのかと心配になって、知り合いに尋ねに行ったような人だ 😅)

私は今でも単なる一買い物客だと思っているのだが、彼は来るお客全員に She is my friend. と私を紹介し、「彼女は話をしに寄ってくれたんだ」と言って、他の客を優先して商売をしていた。
相手のファミリーネームも知らず、電話番号も知らず、住んでいる地域は知っているが住所は知らず、個人的に会ったり出かけたりすることも一度も無く、苺を買いに行く以外何の繋がりもないとしか思えない私は、本当に "友達" なのだろうかと、違和感を感じながらも、友達だと紹介されたのをわざわざ否定して回るのも大人気ないよなと、ニコッと笑って会釈しただけで済ませた私...  (私は非常に男っぽい性格だが、外見はれっきとした女だぞ...  『友達』と紹介しても、「単なる友達?」と疑う人もいないとは限らないじゃないか... それでいいのか?などと心配しているのは私だけか...)

お客が切れた後、"友達" と少しだけ世間話をして、家に戻るとすぐに冷凍食品を冷凍庫に入れたのは言うまでもない。

簡単なクーラー ボックスを持って行って正解だった。



卵が沢山あるので、昨日は玄米茶プリンを作ってみた。さっぱりしていて美味しかったが、ほうじ茶ほど香りが強くなく(若干お茶の香りがするかなという程度)、大量の玄米茶を使って作る甲斐がないように思えた。
もしかしたら、卵を入れずゼラチンで固める方法を取ったら、香りが活きるかもしれない...
いつか玄米茶が安く手に入った時にでも試してみるとしよう。

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アトリエに下りて行き、これまで rebate planes のフェンスに着けていたソフトウッドの当て木を、ハードウッドに交換した。Purpleheart は非常に硬く、乾燥中も、乾燥後も劣化や狂いが少ない板と言われているので、一度正確に厚みを揃えてカットしておけば、長期間当て木として問題なく使えることだろう。

ちなみに、この当て木が有ると無しでは、使用感がまるで違うように私は感じる。フェンスの面積が広くなるという以上に、メタルのフェンスは何故だか板の側面に添わせ辛いのだ。






13.11.19

衣替え & T の仕事

ここオークランドは先週急に暑くなり、慌てて衣替えをしたのだが、昨日は少々肌寒く、今日は冬のような寒さだ。

先週、半袖の T シャツ一枚でも汗だくになり、素足のままジャンダル(=ビーチサンダル)を履いて生活していたのが嘘のように思える。


同居人 T はここ数ヶ月間ずっと、以前働いていた職場にフルタイムで働きに行っている。
NZで最大手企業の一つである某グループのビデオ シューティングに同行し、撮影現場で大まかなエディティングをするという仕事も新たに増え、土日にも働きに行くという忙しさである。

雇った側は、T のおかげで極めて効率良く、無駄の無い撮影作業ができたと大喜びだったようで、撮影翌日 T が職場に着くなり、様々な人から「あなたがいてくれたお陰で、撮影が非常にスムーズに行って、本当に助かった。来てくれてありがとう!」と声をかけられたそうだ。
以前のボスも、最終的に自分に回ってくる仕上げの仕事が信じられないほど楽になり、(TVのオンエア)締め切りまでに間に合うだろうかとかなりナーバスになっていたのが嘘のように、数時間で最終エディティングが終わったと大喜びしていたらしく、全てが円滑に機能するためには T の存在が不可欠であるとの確信を持って、委託のプロデューサーやらダイレクターに T の有能ぶりをアピールし、これから他の会社のシューティングにも是非呼んだ方がいいと、強く勧めておいてくれたらしい。有難い事である。

撮影の日は朝 5 時半頃には起床し、6 時には家を出る。そして撮影が終了するのはだいたい夜の 6 時〜 7 時頃で、ほとんどの場合約 12 時間勤務である。T の一日の報酬は日本円にして約 5 万円。
長時間その場にいなければならないが、撮影中はただ見ているだけで、撮影の合間合間にエディティングの要請があるため、その時だけ集中して作業をする...
T の作業中、撮影班、ダイレクター、プロデューサーなど、多くのスタッフが様子を見にやって来るらしく、エディティングの結果を見ながら、その場で撮り直しをしたり、次のシーンの撮影に移ったりするのだそうだ。(後日撮り直しになる可能性をほぼ排除した、最も効率の良い作業体制だ)
技術とスピードを要する仕事であるが、その場で 100% 完璧にエディットする必要はない。自分にかなり向いている仕事だと T 自身が言っていた。

何はともあれ、活躍できる場が与えられているというのは、まことに幸せな事であり、この先も多く仕事の依頼があるようにと願わずにはいられない。

ちなみに、NZ国民ならほぼ誰でも知っているだろうと思われるある企業の "顔" である女性(そのカンパニーの全てのコマーシャルに出て来る人)からも、直接仕事ぶりを褒められたと、嬉しそうに話す T を見て、私は心が和んだ。



6.11.19

井上陽水 いつのまにか少女は (ライヴ)




H(娘)が巣立って一ヶ月経った。

私はあと何回、悲しく寂しい思いをしなければならないのだろうか

3.11.19

ほうじ茶プリンは最高!

数年前、日本に行った折、住み慣れた街の駅ビルで『ほうじ茶プリン』と『玄米茶プリン』を買って帰り、母と二人で美味しく食べたことを思い出した。("結構なお値段" だった記憶がある)

私は玄米茶の方を食べたが、ほうじ茶プリンも美味しそうだったので、先日家で作ってみた。
同居人 T は、これまで食べたプリンの中で一番美味しいかも...と、かなり気に入った様子だった。(写真 撮り忘れ)



最近はよくお菓子/デザート類を作るようになった。



苦目にしたカラメル ソース(大人の味)の普通のプリンは、作ってみると作業はいたって簡単で、なぜ今まで作らなかったのか不思議に思ったほどだ。(他の味のプリンも、材料が増えるだけで、基本的に同じ作業工程と言っていい)

これまでは家にあった容量 250cc の ramekin を使っていたが、食後のデザートとするには少々多過ぎたため、一昨々日、容量 150cc の ramekin を買いに行ってきた。一度に食べる量としては、多過ぎず少な過ぎず、ちょうど良いサイズだった。

容量の小さな ramekin にしたものの、カップ数を増やして作る量は同じなため、牛乳や卵の消費量は変わらず...

プリンを作るようになってからというもの、牛乳の消費量が格段に増え、これまで 1 リットル入りの牛乳でも賞味期限内に飲みきれなかった我が家だが、昨日は 2 リットル入りを購入。おそらく期限内に使い切れるだろう。


同居人 T の大好物であるプリンだけではなく、時々鯛焼きも作る。


鯛焼きは焼き上がりを食べたいため、作るのは夕食後になることが多く、非常に健康的とは言えない生活だが、焼きたてを食べるためには仕方がない。

プリン、鯛焼きの他にも、マドレーヌやら焼きドーナッツも作り、私にしては珍しく、食べることよりも作ることの方が楽しくなってきた今日この頃である。


この国では手に入れることが容易くない味のドーナッツ...   抹茶味 ↑


もう少し暖かくなってきたら、またせっせとパンを焼くことにしよう。



1.11.19

壁の穴あき修理



先日買って来たファイバーグラス テープを使って、H が使っていた部屋の壁にできた穴あき "第二弾" を修理していた。


今回は穴の長さはあるものの、幅は広くなかったため、5cm 幅のファイバーグラス テープで充分間に合った。

テープをこの上からそのまま貼ると、テープの厚み+プライマー分が他より盛り上がってしまうため、まずはテープの幅だけ壁紙を剥がし、きれいに均した後埃を拭き取り、テープを貼った。(テープは粘着式)




ここに 3M のプライマーを押し込む感じで塗っていく。(たまたま手元に 3M のものが残っていたので使ったが、、石膏ボードに使えるものならば何でもいいだろうと思う)



メッシュ部分に入ったプライマーが乾いてから二度塗りした方が、簡単且つきれいに仕上がるように思え、一度目はメッシュが薄っすらと見える程度にてきとうに埋めて良しとし、二度目に表面を均しながら塗った。

二度塗りがすっかり乾いてから、#180 〜 #240 のサンドペーパーで盛り上がった部分を削り、平らに均した。


平らに均すと、他の部分の盛り上がりが擦れてしまったが、そこは一緒に塗装してしまうので問題ない。


かなりな年月を経て色が変わってしまっている壁紙...  同じ物など手に入るはずもなく、この家の他の修理箇所と同様に、ペイントして良しとすることにした。


一度目のペイントで、パッと見穴があったことを気付かれない程度になり、ペイントの色を調整して、重ね塗りすると、ほとんどダメージ部分は隠れた。

最初から壁紙自体がきれいに貼れていなかったため、よく目を凝らしてみると、修理箇所だけがスベスベになっていて、質が違うのがわかるのだが、部屋に入っても気付かれないほどになったため、これで作業は終了とした。

本職の左官が見たらダメ出しをしそうな作業工程かもしれないが、これでもこの国では上出来な部類に入るのではないか... などと思いながら、写真を撮って家族に『なんちゃって左官』の仕事を見せたところ、綺麗にできたねと拍手喝采だった。


木工を始めてから、家の補修はそんなに難しいものではなくなり、自分でもできそうだと思えることが格段に多くなったのは喜ばしいことだ。

ノウハウのほとんどは YouTube で学ぶことができ、もちろん無料である。運が良ければ、その道のプロの優れた技をゲットできることもあるのだから、YouTube は侮れない。
私のような DIYer にとっては、まさに情報の宝庫である。

一から十まで事細かく丁寧に教えてもらわなくとも、『見て覚える』ことのできる人であれば、全く理解不能な言語で説明されていても、おおよそのことは予想できる。そして、理解できなかったかもしれない "深い部分" については、実際に自分で体験し、ほとんどの場合、失敗を繰り返してわかるようになるものなのだ。
そして、経験を重ねるうちに、見たお手本以上のレベルに達する可能性は大だ。

自分の頭を使って、どのようにしたらもっと上手くできるかを考える。その訓練ができていると、自分でできることの幅がぐんと広がり、無駄な出費は最小限に抑えられ、またスキルアップした自分に満足感を覚えることができるようにもなる。


次には H たちの借家の壁修理が待っている。
私にとっては、料理や掃除なんかよりも、何十倍もやり甲斐があり、楽しい作業だ。

一昔前だったら、もう立派な『お婆さん』の部類に入っているだろう私が、これまで経験の無かった色々なことに挑んでいるのを、家族は笑いながら、温かい目で見守ってくれている。

「私が居なくなったら、自分たちでやるのだよ」と、いつも心の中で思っているのが伝わっているだろうか...


私には、雲の上のお師匠さんのように、世界中の人に教えるほどの優れた技術など無い。木工にしても、ステンドグラス、洋裁にしても、これまで、ただ単に生活に必要だからという理由でやってきただけで、(ステンドグラスの初歩以外は)ほとんど独学で、努力してこなせるようにしてきたのだ。

優れた技術を持っている人々と比べたら、私の知識やら技術やらといったものは何の価値もないものだろう。



「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...