29.12.22

レスキュー ドッグ


 先日、スーパーマーケットに買い出しに行く用事があったので、ついでに H の家に届け物をして来た。届け物は、オンラインで肉専門店から買ったペット用の鶏切り落とし肉。ペット用と書いてあったが、もちろん人間が食べても全く問題ないグレードの肉である。


H たちは昨年レスキュー ドッグをもらい受け、1 年 2 ヶ月ほど一緒に住んでいるのだが、その犬が一匹だけではかわいそうだと、つい先日二匹目を飼うことにしたと、写真が送られて来ていた。
どちらも、オーストラリアン ケルピーと(何か)のミックスで、顔はほぼケルピーである。



写真左が生後 4 ヶ月ほどの子犬で、右は 1 歳半〜 2 歳というところだろうか。
右の J は引き取った時からとても大人しく、利発で、非常に育てやすかったと言っていたが、左の L は、まだ幼いせいか、人に飛びついて喜びを表し、軽く噛むことや、吠えることも、J に比べて多いようで、これからトレーニングを頑張る必要があるとのこと。

初めて会った私と T にもよく懐き、T の足元に身体をすり寄せて座る J と、その横で遊ぶ L ...

何の事情があって捨てられたのか分かるよしもないが、かわいそうな境遇だったことは間違いない。


数ヶ月前、ドッグ レースのドーピング問題が浮上したのを目にした。
レース ドッグに麻薬を与えていた関係者が摘発されたと記事には書かれていたが、全く持って許し難い行為である。
レース ドッグは薬物投与以外にも、酷使され、お金にならないとなったら使い捨てという、到底容認できるものではない扱いをされ続けている。

怪我をしリタイヤしたグレイハウンドの引き取り手を探すサイトもあるが、獣医の費用は恐ろしく高額で、なかなか引き取り手が見つからないのは容易に想像できる。

お金に目が眩んだ人間によって、完全に "道具" 扱いされ、無責任にただ捨てられるだけの犬たち...

賭博に動物を使うなと、憤りを露わにしている人も多いだろうに、未だに無くならないのは何故なのだろう?






26.12.22

「すごいね」の意味

 誰かが精魂込めて仕上げたものに対して、格別興味が無い場合、意気揚々とそれについて話す人に、姉は『すごいね』と言う。

この『すごいね』は、褒めているというよりも、『よくやるよ』の意味合いが強いことを、同居人 T はよくわかっているが、そうコメントされた本人は成し遂げたものをけなされたわけではなく、その労苦に対して相応の評価をしてもらったと解釈し、気分が悪くなることはない。

姉は、誰かが言った意見に対して納得はできないが、別にその事に対して興味も無いという場合には、「ほー、そうなんだ」と言うだけで、賛成でも反対でもない反応をすることが多い。
自分の気持ちに反して安易に相手に同意したりしない態度は、すこぶる強固なものであるのに、『いや、それは間違っている』と真正面から対決姿勢を剥き出しにして食ってかかることがないのは、八方美人なのではなく、ただただ『面倒臭い』からに他ならない。自分にはどうでもいい事に首を突っ込む(或いは関わる)気は更々無いねという意思表示のようなものなのだ。
実際、姉には『八方美人』的な部分が全く無い。
相手がどう考えていようが、自分に火の粉が降りかかりさえしなければどうでもいいことで、どのみちそのような人とは深いつながりを持つ気もないのだから、『勝手にどうぞ』という、ただそれだけのことで、作為も悪意も全く無い。


世の中には、他人の目ばかり気にして生活している人がいる。
特に日本ではそのような傾向が強く、"出る杭は打たれる" のを恐れて、周囲に同調する道を選ぶ人が、おそらく、他国よりも多いに違いない。
善悪に関係無く、周囲に同調する道を選ぶ人々に、『責任感』というものはあるのだろうか?
おそらく、あったとしても薄っぺらなものだろう。


姉は、徹底して、誰に対しても媚を売らない。
そのためか、非常にクールな人、悪く言えば冷たい人と取られることもあろうが、心根は優しく、面倒見の良い人なのである。

そんな姉が年老いた母の面倒を一人で担っていてくれるおかげで、私は何の心配も無く、こうして NZ で暮らしていられるのだ。

本当に有難いことである。


先日、日本に居る長男が私の母の所にプレゼントを持って行ってくれた。
義兄はコロナに感染してしまったのだが、母屋の二階に隔離されており、母は一日のほとんどを離れで過ごすようにしているとのこと。
姉の優れた判断/処理能力のおかげで、姉も母も感染することなく過ごせているようで安心した。(ちなみに、義兄はワクチン接種 5 回と、他の誰よりも多く接種していたのにも関わらず、感染したらしい)

LINE のオンライン ビデオ チャットで、気丈な母の姿も見れ、長いこと会っていない長男や、H の元気な顔も見ることができた。

同居人 T を除いては、髪を短く切り、ほぼグレイヘアになっている私を見ている者はいない。それぞれのスマートフォンの画面の中に映っている私を見つけるなり、一様に『オー!』と驚きの声を上げた家族たち... H のパートナー R に至っては、私が誰だか一瞬わからなかったらしく、画面を食い入るように眺め、その後のリアクションが誰よりも大きかった。

会話の最後の方にビデオ チャットに現れた姉の反応は、「オー、良いね! 良い感じに白髪になったじゃん! 長さもすごく良いよ!」と、想像を遥かに超えたものであった。

ここに書いたように、姉は決してお世辞を言う人ではないので、私は、この今の(自分では全く気にいっていない)髪型が似合っているのか?と非常に戸惑いを覚えた。


年始にパスポートの更新を控えている私。
姉が良いと言ってくれているこの髪型で、パスポート用の写真でも撮るとしようか...



余談だが、義兄の具合はどうかと尋ねた私に、姉は、「夕食のおでんに、『辛子が欲しい』と言ってきたから、大丈夫だら」と笑って言い、それに対して全員で大笑い...

食事は二階まで運ばず、階段の中ほどに置いて来る姉と、階段の中ほどまで取りに来る義兄の姿を想像し、皆で笑ったのは言うまでもない。



追記:
義兄からうつったのかどうか定かではないが、90 歳を超えた母が 26 日夕方から発熱し、コロナ陽性とのことで、自宅隔離しているとの連絡が入った。
食欲は無いが重症ではないとのこと。
姉はまだ症状が出ていないようだが、ずっと母の面倒を見てくれているので、完全に濃厚接触者だ。

悪化しないことをただただ祈るのみである。




5.12.22

クレーム(claim)ではなくコンプレイン(complain)

 苦情を申し立てることを、日本では『クレームをつける』と言うようになって久しいが、それは間違いである。

claim は(当然のこととして)要求する、請求する、返還を要求する、(要求によって)獲得する、(矛盾や異議があっても自信をもって)(...を)主張する、主張する、言い張る、引く、値する と定義されている。

complain は、不平を言う、愚痴をこぼす、泣き言を言う、訴える、苦情を言う などの意で使われるので、苦情を申し立てるという時には、こちらを使わなければならない。



さて、これまで幾度となく、様々な場面で "コンプレイン" して来た私だが、日本語でならまだしも、全て英語でなければならないというのは、今でもやはり気が重い。

スーパーマーケットのオンラインオーダーは、配達されたものに不足があったり、間違った商品が配達されたりするケースが驚くほど多く、ほとんど毎回のように連絡をしなければならず、心底うんざりしてしまった。特に間違いの多いのは Countdown Supermarket。どんなスタッフを雇っているんだ?スタッフにどんな教育をほどこしているんだ?と、開いた口が塞がらないほどひどい有り様である。
返金手続き完了の email を送ってもらえるかと聞くと、『もちろん送りますよ』と言っていたのにも関わらず、音沙汰無し...  きちんと返金手続きが取れているかどうかを再度オンライン上のチャットで確認し、返金確認 email は通常送られてこないものなのかと聞くと、通常送ることになっているが、最近何らかの不具合で送られていない事案もあったという... 全くの嘘である。1 年以上前から返金に関する通知は届いていない。

割引クーポンに釣られてオーダーしていたが、もううんざりだ。


最近シャンプー&リンス等を注文したオーストラリアの会社も、毎日のようにキャンペーンを打ち、これでもかというほどの email が送られて来てはいるが、配送に関しては誠にお粗末で、注文を受けて発送するまでに 1 週間以上かかった。しかも、発送したと通知は来たものの、荷物の追跡番号はそれから 5 日経っても送られて来ず、本当に送ったのかどうかと、疑いたくなるほどである。

もちろん、そちらにも苦情の email を送ってある。返事はすぐに来たものの、苦情を受けて作業の速度が早まったかというと、そうでもなさそうで、一体いつになったら届くのやら、という困り果てた状況...


中国の大手通販サイトでオーダーした物の内、幾つかは出荷したと通知が来たのに、初めから追跡不能のままで、私の注文した荷物は今どこにあるんだ?と、問い合わせをするに至った。
一社は追跡不能のままであるが輸送途中だと言い、期限内に届かなかったら返金するので問題ないはずだと返事をよこした。送ったかどうかもわからないものを、2 ヶ月半も待っていなければならないのか... イイカゲンにも程があると、腹が立った。

もう一社は、全く同じ状況でも対応がほんの少しだけマシだった。
「まことに申し訳ありません。こちらの手違いで、送られていない可能性があるので、再度このリンク先から注文してくれませんか」との返事だった。
リンク先を見てみると、商品金額 1 円としてあったが、送料と税金はしっかり取られるようになっていて、何で余分に支払わされるんだと、納得できなかったため、その旨書き連ねて、メッセージを送り返しておいたが、5 日経った今の段階で返事無し。
前回支払った分を返金した上で、お詫びとして最低金額でお送りしますというのならいざ知らず、再度注文する商品名も書かれていないオーダーを、払う必要のない追加料金まで払った上に、言われたままに発注するなどという、理不尽且つ危ないことは、できるわけはない。
きちんとしたオーダーでさえも満足に処理できないような部署が、内容の書かれていないオーダーを間違いなく処理できる保証などどこにもないではないか。
送っていなかったのなら、カスタマーサポートから再度送るよう指示を出せばいいだけの話だ。わざわざ面倒な方法を取る必要がどこにあるのだ?
道理に合わない方法で、顧客の手を煩わせて、わずかでも利益を得ようという姿勢は全くもっていただけない。

あぁ、面倒臭い...


少し前、しばらくぶりに日本に住む知人と FaceTime でチャットしたのだが、最近、どうしようもなく仕事ができない輩がやたらと多くいるように感じると言った私に、彼女は、日本でも全く同じだよと速攻で反応していたのを思い出した。

教育の質の低下?

一昨日観た日本のニュースで、静岡県裾野市にある保育園で園児を面白がって虐待していた保育士の話題を大きく取り上げていたが、何もわからない 1 歳児に対して何を要求したかったというのだろう? 刃物をチラつかせ脅したとも報道されていたが、1 歳児が刃物を怖がって言うことを聞くと考えること自体、間違ってやしないか?などと、私の中で?が点灯し、保育士の頭の程度を疑ってしまった。
保育士ではなく暴力団組員かと思えるほどのおぞましい行為を、何も考えることなく平然と行える大馬鹿者が、その園だけで 3 人もいたというから驚きだ。そういった報道を観ると、人間としての "質" の全体的低下を否めないように感じてしまう。


物事の善し悪しを考える能力を備えないまま成長した者に育てられる幼い子供たち...

そういえば、私の子供たちがまだ幼かった頃、近所に住む『幼稚園で働く "先生" 』と称する女性がやって来て、私の子供たちをその幼稚園に入園させるよう勧誘されたことがある。
その女性曰く、「子供たちが家に居たら日中何もできなくて邪魔でしょう。幼稚園に入れれば自由な自分の時間が持ててすごく楽になるわよ」とのことだったが、私は、「あなたは自分の子供を邪魔だと思いながら育ててるの? 私は子供たちを邪魔だと感じたことは一度も無いし、自分の子供さえ邪魔だと思うような "先生" に面倒をみてもらうつもりも更々無いので、お引き取りください」と、非常に不愉快だという意思表示をした上で追い返したのを思い出した。

保育士になる人の中には、子供が好きだからなったのではなく、ただの収入源としてしか考えていない人がいるのは想像がつく。しかも、子供相手なので、イイカゲンな扱いをしても、それが判明して訴えられる可能性は低いと考えている人もおそらくいるだろう。

子供がいたら邪魔だと考える人が、愛情込めて他人の子の面倒をみるだろうか? 答えは火を見るよりも明らかだ。

今日、そのような善悪の判断もできない保育士 3 名が逮捕されたとの報道があった。当然だろう。その極悪な行為を放置/隠蔽していた園長もまた、それ相応の処分を受けるべきである。


それら虐待行為を、何も理解できないまま頭に叩き込まれた園児たちは、この先どのように育っていくのだろうか...

考えただけで身の毛がよだつ。



21.11.22

コスコ出店による効果 / NZ の治安

 オークランドにコスコ (Costco) がオープンしたのは、今年  9 月 28 日。
その日から、連日たいそうな賑わいであるようで、それが故にまだ行く気にならないでいる。

行く気にならない最大の理由は、我が家から遠いということ。高速で 25 分程かかる。
わざわざ高いガソリン代を払ってまで、行く価値があるのかと思ってしまう距離だ。
NZ $ 60 の年会費を支払って、果たして年に何回買い出しに行くだろうか...

もう一つ躊躇してしまう大きな理由は、全てにおいてサイズが大きいということ。
いつも買っている Real Mayo は、一般のスーパーマーケットより格段に安いのは魅力だが、1.9ℓ 入りの容器は我が家の冷蔵庫には入らない。それを買ったら別の容器に詰め替えないとならなくなるのは必至で、詰め替える手間も面倒... そして、詰め替えた容器数本は、狭い冷蔵庫内のスペースをかなり占領することになるのだ。

我が家では、コロナが流行してからというもの、肉/魚類は専門店でキロ単位で買うようになっており、配達されたものを1 回分ずつに仕分けして冷凍するという方法を取っているので、コスコで大量に買うことに違和感は無いが、これもチェスト フリーザーをもらったおかげでできることで、それがなければ、間違いなく、そんなに大量の肉/魚類を一度に買うことはできなかっただろう。
(オーストラリアに引っ越した T の友達が、引っ越す際に我が家に置土産としてプレゼントしてくれたこのフリーザーは、今や、我が家にとってはなくてはならないものになっている)

コスコに買いに行けるのは、そのチェスト フリーザーがほぼ空になった時だけだ。

買って来た肉/魚類を1回分ずつに仕分けするのは結構時間がかかり、いつもうんざりしてしまうが、食費を安く抑えるためには避けては通れず、おまけに、後日、冷凍した塊肉は薄切り肉に加工しなくてはならないという手間まで付いて回る。
日本に居たらおそらくは一生買うことなどなかっただろう『ミート スライサー』は、我が家では今や必需品だ。


オークランドにコスコが出来て以来、多くの人が Facebook に商品と価格の紹介をしてくれるようになったが、それを見ていると、これまで NZ では売られていなかった魅力的に映る商品の数々を、こぞって買っているように思える。
これまでは必要無く過ごして来たのに、皆が良いと言うと、買いたくなってしまうような商品が、大量に家の中に貯蔵されることになるというわけだ。
私たち家族も、コスコに行ったらそれらを買い、ステーションワゴンが満杯になるほどの "大人買い"をすることになるのだろうか...



未だコスコに出向いてはいない私たちだが、既に少なからずその恩恵は受けている。
コスコができてくれたおかげで、これまで "殿様商売" をしていた多くの企業は、否応なく価格競争の渦の中に巻き込まれることになったからだ。

大手スーパーマーケットは挙ってフリー デリバリーの頻度を増やし、使用期限は少々短いものの、$20 引き、或いは $30 引きのバウチャーが Eメールで送られてくることも珍しく無くなった。
目玉商品は売値の半額になる物まであったりする。決して多くはないが。

オンラインで注文し、無料配達の恩恵に与る機会が増えたのはありがたいことだ。だが、依然として食料品の価格は高く、特に魚介類、野菜の価格はまだまだ多くの市民の許容範囲にはなっていない。ほとんどの商品は、やはりコスコの価格に勝てていないようだ。

*これら割引については、おそらく、オークランド住民のみが享受できる細やかな特権で、コスコの無い他の都市ではこれまで通りなのではないか... 定かではないが...


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私たちがここ NZ に来た当初は物価も安く、円高でもあり、治安も良かったが、この 19 年の間に物価は異常なほど高騰し、円安は加速度を付けて進行し、治安は目を疑うほど悪くなってしまった。

白昼堂々と、武器を持ってショッピングセンター内にある貴金属店を襲撃するのが、10 代前半と思われる子供であったりすることが珍しくないというのは、以前のクリーンな NZ のイメージからは信じ難い。

夜、車で、リカーショップやらブティックやら、デイリー(コンビニのようなもの)のガラスドアに体当たりし、ドアや窓を破壊した上で金品を強奪するという行為が後を経たないのは、警察が機能していないことの現れだと、国民の多くが憤っているのがよくわかる。
自衛するしかないのかと、ショッピング モールに店を構える人たちは協力し合い、犯人に立ち向かう体制を取っている所もあるが、本来受けなければならない法の裁きは、『未成年』という囲いを未だ打ち破ることができず、商店主は恐怖を抱えたまま生活せざるを得ない状況となっている。

今でも、NZ は風光明媚で、平和で、安全というイメージを持っている人は多いだろう。
だが、実際は惨憺たる状況である。

NZ に限らず、おそらくどこの国でもそうだろうが、特にコロナが蔓延してからというもの、経済は破綻し、貧困世帯は激増... それが要因で治安は悪くなる一方で、良くなる見通しなど立たないという、悪循環に陥ってしまっている。

果たして、元の生活レベルまで戻る時が来るのだろうか...

少し前、久しぶりに電話をくれた日本人の女性は、既にNZ に国籍を変えていると言っていたが、私よりも遥かに長くこの国に住んでいる彼女もまた、近年の治安の劇的な悪化に辟易していることを残念そうに話していた。

コロナ ウィルスの蔓延、大規模な各種自然災害の激増、ロシアによるウクライナ侵攻(とそれによる物価高騰)、北朝鮮のミサイル問題、etc...


聖書を学んでいた時、『終わりの日』の印として挙げられていた項目の数々を思い出し、終わりの日はいつ到来するのだろうかと、改めて考えている今日この頃である。



6.10.22

24年目の記念日

24 年前の今日は火曜日。最高気温は 27.7 ℃もあり、晴れだったと、今朝長男から Line に送られて来たのを見て、全く何も覚えていないことに気が付いた。
覚えていないのはそれだけではない。 
どんな服装をしていたのか、どんな物を用意して異国の地に向かったのかさえも、全く記憶に無い。


17 歳だった子が 41 歳になり、14 歳だった子が 38 歳になり、8 歳だった子が 32 歳になった今、当時の状況を思い返してみると、ある日突然、一人で全てを背負わなければならなくなった自分が、必死の思いで、ただただ気丈に振舞うよう踏ん張り続けていたのは、『壮絶』の一言に尽きたなと、懐かしく思い出した。

『懐かしい』と書きはしたが、決して楽しい思い出ではなく、できることなら一生経験することなく終わりたかった類の思い出である。


私たちの最大の記念日は、同時に私の母の誕生日でもある。
今年、90 歳の誕生日を迎えた母は、外見はひどく歳を取ってしまったが、ボケることもなく、今でもしっかりしていて、Line で時折連絡を取り合うこともできている。(孫とも Line でやり取りをするようになった。email でのやり取りよりも楽なんだそうだ)



姉が送ってくれた写真には、今でも何も変わらない『日本の団欒』が写し込まれていた。
私たちの生活は、海外ということもあるだろうが、同じようにダイニング テーブルで食事をとる風景でも、雰囲気はまるで違うなと感じる。そこに居る人ではなく、漂う "空気" が違うのだ。
私たちは、違う道/生活を選んだのだと、送られて来た写真を見て痛切に感じた。


日本に帰っても、年々減り続ける日本の年金だけでは暮らしてはいけない事が明白になった今となっては、永久的に日本に帰るという選択肢は完全に無くなった。
この先日本に一時帰国する機会は、ごく限られたものとなるだろうことは容易に想像がつく。


母が 90 歳の誕生日を迎え、外見的な衰えを目の当たりにすると、元気な内に会っていっぱい話をしたいという思いは強くなる。だが、未だ感染の脅威が無くなってはいないだろう飛行機等での移動は、やはり気後れがするのは否めない。その上、航空運賃は目が飛び出るほど高騰してしまっていて、おいそれと旅行を計画することができなくなっているというのも、非常に痛いところである。

コロナが収束して、何も案じることなく日本に一時帰国できる日が早く来てくれることを、ただただ祈り続ける毎日である。




5.10.22

食べ過ぎ注意! 手作りグラノーラ

歳を取ったためか、少し前から夕飯に白米のご飯を食べると胃もたれするようになったため、主食の白米をオートミールに変えてみた。
速攻で胃もたれは解消されたが、便通が良くなり過ぎ、しばらくは頻繁にトイレに行く日々が続いていた。オーツ麦に含まれている豊富な食物繊維のせいだ。 

食べ続けている内に、体が慣れて来たのか、ひどい下痢状態は治り、特に運動もしないのに、体重も徐々に減って来て、これはなかなかいいぞと、オーツを使ったレシピを探すまでになった。

最近では、小腹が空いた時のおやつ代わりにと、ロールド オーツとナッツ類、ココナッツオイル、蜂蜜、シナモン、塩少々でグラノーラを作るのが習慣になっている。

グラノーラは出来合いを買うと結構な値段だが、自分で作れば安くでき、家計を圧迫しないおやつとなる。
ロールド オーツは 1.5kg で高くても NZ$ 8.00(¥650前後)以下で手に入る。1.5kg で NZ$ 5.00 以下という安いものもあるが、そちらはかなり小粒であり、粉が多く混じっているため、私は粒の大きなものを選ぶようにしている。


そのまま食べても、ミルクを注いで食べても美味しいこのグラノーラであるが、食べ過ぎると確実にお腹を下すため、注意が必要だ。

1 回の摂取量はカップ 1/4 程度(約30g)で、1 日 2 回までに抑えるようにと、摂取量が書かれているサイトがあったが、どうやらそれは守った方が良さそうだ。




28.9.22

思いがけないプレゼント


同居人 T が、私のために新品の iPhone 13 Pro を買ってくれた。機種落ちなのに、最新の iPhone 14 (普通版)よりも高かったと、苦笑いしつつ嘆いていた。

古くなった私の iPhone 7 plus は数年前にもらった H のお下がりで(その前に持っていたのは H が買ってくれた 6 plus )、今でも何ら支障無く使えているのだが、近い内に OS をアップデートできなくなり、様々な APP が使えなくなることを懸念した T が、しばらく考えて、私が使い易いだろう機種を買ってくれたということだった。

誕生日でも、クリスマスでも(元々我が家では祝わないが)、何かの記念日でも何でもない日に、想像だにしていなかった高価なプレゼント... T はいつでも私のことを気にかけてくれていることを、心から有り難く思い、私はなんと幸せ者だろうと、胸が熱くなった。

T はスクリーン プロテクターも注文してくれてあり、早々に取り付けてくれた。
セットアップも全て T にお任せの私がした事は、MagSafe Charger やらケースやらを注文したくらいなもの... 歳を取って、できることがどんどん減って行くのを、もはや笑うしかない。

iPhone 13 Pro になって何より嬉しいのは、マクロ撮影ができること。


これまでは外付けのレンズを装着して花などを撮っていたのだが、被写界深度が非常に浅く、正確にピントを合わせても、手持ちでグラつかずに、その状態を維持したままシャッターを押すのは至難の技だった。
iPhone 13 Pro のマクロ撮影は遥かに楽だ。手ブレの心配などもう無い。


Line で他の子供達に私の新しい iPhone の写真を送ったのは、T がしっかり私の面倒を見ていてくれることを伝えるのと同時に、他の子たちが(私が持っているのを)知らずに買ってくれるのを防ぐためでもあった。

彼の人が居なくなって丸 24 年...

Line でチャットしながら、子供たちが皆とても優しく、明るく育ってくれたことを、何より嬉しく思った次第である。




10.9.22

Pizza Peel

 10 年以上も前に買った大きいオーブン用のピザ ピールは、薄い合板でできた安い物だったが、今でも割れる事なく使えている。(何度かオイルを塗ってケアして来たため、既に飴色になっている)

ピザ ピールと呼ばれるシロモノであるが、私はピザではなく、専らパンを焼く際に使用しているため、滴った油によるシミなども無く、まだ綺麗な状態を保っている。




だが、オーブン トースターで使用するのには、これは大き過ぎ、しばらく前からサイズの小さな物が欲しいなと思っていた。

手持ちの余り板の中に、ピッタリなサイズ&厚みのものがあったので、適当に持ち手を描き、チャチャッと作った物がこれ...


裏側には、上に乗せた食材を熱いオーブンに滑り込ませたり、出したりする際に便利なように、差し込む側に傾斜をつけておいた。



板端から 25mm の所に線を引き、鉋で傾斜を付けて削って行く方が、テーブル ソー を引っ張り出して来て、削ぎ落とす角度を調整し、7mm 厚ほどしかない薄い板を恐る恐る回転する刃に沿わせて行くよりも、(私に取っては)遥かに楽である。
しかも、鉋を使った方が綺麗に仕上がるのは言うまでもない。

(私はあのテーブル ソーのけたたましい音が大の苦手なのだ)



無垢板でファンシーな物も売られてはいるが、薄い合板で充分役目を果たせる事は実証済みであるし、誰に見せびらかすわけでもないので、こんなもので充分だ。

水に浸しっ放しにしなければ、何十年でも使い続けられるだろう。

仕上げは osmo TopOil (Food safe) を 2 コート。このオイルはごく薄く塗るだけでいいので、楽で、非常に気に入っている。





7.9.22

Braun Hand Blender Holder(試作品)



少し前、安くなっていたハンド ブレンダーを購入した。

その店のウェブサイトには、この(上の写真の)箱の上に乗っている小さなフードプロセッサーが 付属されている型番の写真が掲載されていて、しかも、店に行くと正にそのものが展示されていたので、それを購入する旨店員に伝え、待っていると、店員は型番の違う物を持って戻って来た。

店員に、入っている付属品が足りないことを指摘し、展示品と同じセットを買いたいと伝えると、再度探しに行き、結局見つけられなかったということで、店長が呼ばれて説明に来た。

店長曰く、その型番は既に販売されておらず、その小さなフードプロセッサー を除いた型番の物を同価格で販売しているという説明だった。
ウェブサイトの管理者が写真を差し替えるのを怠り、以前使っていた写真を、確認もせずそのまま掲載してしまったとのことだったが、目の前に在庫があるのに、それを売ることはできないという店長としばらく話をし、それでは別の型番の物があるかと尋ねると、横にいた店員が「ここでは扱っていないけれども、他の店ですごく安く売ってるよ!そこに行くといいよ」と、"店長の前で" その店の広告を見せ、助言をしてくれた。ご丁寧に、『すごく安い』を連発していたのには笑えた。
その展示してあるセットをどうしても売れないというのなら、別の店で安いのを買うことにするよと諦めかけた私に、店長は、その小さいフードプロセッサー には保証を付けてあげられないが、それでもよかったら、おまけで付けてくれるというので、それでは他の店に行くまでもないかと、合意に至った次第である。
店長は、「他の店には行って欲しくなかった」と笑いながら言っていたが、あの助言をしてくれた店員はお咎め無しだったのだろうかと、心配するよりも笑えて仕方がなかった。

スープを作りたくて買ったハンド ブレンダーだが、狭いキッチン カウンターに使用直後の具の付いたブレンダーを横にして置くのは抵抗があり、縦置きできるホルダーを製作するべく、しばらくデザインを考えていた。

全てのアタッチメントを装着した状態で使えるようにするには、一番上のスイッチ下の出っ張っている部分を引っ掛ける必要があるが、そのようにすると、やたらと背の高いホルダーになってしまい、不安定になりはしまいかと考え、真ん中のくびれた部分を引っ掛けるものを取り敢えず製作してみることにした。

使ったのは、オークの端切れ。




直角を確認しながら、ダブテイル ジョイントで固定し、osmo TopOil (Food Safe) を二度塗りして仕上げ。安定していて使い易く出来上がった。



数日してから、ホイッパーを着けた場合に使えるようにと、アタッチメントを作ってみたのだが、上が重すぎて若干不安定なため、無造作に差し込むと倒れる危険性がある。




まぁ、ホイッパーはあまり使う機会はないだろうが、使い勝手が悪くてどうしようもなかったら、また何か方法を考えないとならない。

このハンド ブレンダー、コーン スープとかパンプキン スープの類を作るのに非常に便利だ。

また、冷凍フルーツとミルク、バニラ アイスクリーム、プレーン ヨーグルト等を混ぜて食後のデザートにしたりと、思った以上に使う機会が多い。

おまけで付けてもらった小さなフード プロセッサーは、(長ネギが手に入らないため、代用している)リークのみじん切りやら、ハーブ類を細かくするのによく使う。

しっかりしたフード プロセッサーを持ってはいるが、野菜を切るのに使ったことはなく、専らパン生地や 餃子/焼売の皮生地捏ね、餅米粉砕(電子レンジ餅用)、ハモス(フムス)作りに使うのみだ。


歳を取って、面倒だと感じることが更に多くなった。
やらなければならない事は必要最低限な労力でできるよう、日々考え続けていれば、ボケる事なく人生を追えられるだろうか...




7.8.22

白髪を伸ばすこと 10 ヶ月...

白髪染めを止めてから 10 ヶ月が経った。

あと 10 cm ほど髪が伸びれば、肩までの長さが全て染めてない髪になる... ということは、少なくともあと半年は待たないとならないということだ。

あと半年...  染めた部分との差を極力目立たせなくさせるべく、髪留め(バレッタ)で上半分の髪を束ねているうちに、バレッタに興味が出始めた。
これまで持っていたものは、ごく普通の、そこらの薬局とかで売っているようなアセテート製の物で、飾り気の無いものだったが、中国の通販サイトを見ると、それはもう数え切れないほどのデザインやら、様々な素材やらが溢れんばかりに掲載されていて、しかも日本円にして 300〜500円も出せば、送料込みで手に入るときていた。

いつ届くかわからない(更には届くかどうかもわからない)という大きな欠点はあるものの、急ぐわけではないので、試しに幾つか注文してみると、その内の 1 個は信じられないほど早く届いた。(届いた物がダメージ品だった場合、或いは配達期限内に届かなかった場合は、報告すれば速やかに返金してくれるシステムになっている)




3 個注文した内の、2 個は品質も悪くなく、大変満足しているが、1 個(すずらん)は作りがやや雑で、色も掲載されているものとは少々異なっていた。まぁ、安いので、損をした感は余り無いのが救いだ。

白髪に合う色 & 素材をイメージするのは、私にとっては初めてのことで、最初は今持っているようなアセテートの物ばかり探していたのだが、これまで安っぽいと思って敬遠していた、キラキラ光るヘア アクセサリーを身に付けたグレイヘアの人を見て、グレイヘアにはメタリックで光る素材が似合うのだと納得し、そういう物を中心に探し始めた。

それでも、ケバケバしく光を放つものは避け、やや大人し目の色合いを選んだのは、ひとえに "年齢" を考えてのことだ。歳を取ったら派手目の物を身に着けるといいと、遥か昔に誰かが言っていたが、ただケバケバしいだけだと、単に気がふれた年寄りにしか見えなくなるのは想像がつく。


同じ髪留めでも、バックグラウンドをグレーにして写真を撮ってみると、雰囲気が違って見えるのがわかる。グレーの髪にはゴールドよりもシルバーの方がしっくり来るのは、まぁ当然といえば当然だが、果たして赤系の物は似合うのだろうか?などと、暇な時にはよく通販サイトを覗くのが習慣になってしまった。

お洒落に目覚めたわけではないが、たまにはこんなささやかな気分転換も悪くない。




1.8.22

H の転職 / ランチ ボックス キャリー バッグ


 NZ の冬は、雨の降らない日の方が珍しい。

日本の梅雨時と違って暑くはないものの、湿気によるカビの発生はやはり頭の痛い問題であったが、ここ数年は、バスルームとランドリーに除湿機を置き、シャワーを浴びる際/洗濯時には必ず除湿することにしているおかげで、壁やら天井にカビが発生することは無くなった。

除湿機は、雨が多く、多湿になる地域には必需品である。



H は 9 年働いた会社を 7 月いっぱいで退職し、今日から新しい会社で働き始めることになった。
欧米諸国と同様、この国でも、能力に応じてどんどん待遇の良い職場に移るのが当たり前で、いまだに終身雇用が定番となっている日本とは大きく異なり、勤続年数 9 年は『すごく長く働いたね』と言われるレベルなのである。
当然、賃金は上がり、32 歳にして月収(日本円にして)約 70万円を貰えるまでになった。労働時間は週 36 時間(4 日半?)日本のように通勤費/交通費はこの国では支給されないのが普通なため、車で出勤する場合は駐車場を会社で用意してくれてあるかどうか(無料で使えるかどうか)がけっこう大切なポイントとなる。H は、抜かり無く、契約交渉時にその点も要望に入れておいたようだ。
幼かった H の印象は、"非常に恥ずかしがり屋" で、いつも私の後ろに隠れているような子だったが、この国に来てその面影は微塵も無くなり、もう私の出る幕は完全に無くなっている。

私がこの世から居なくなっても、子供たちのことをもう何も心配することはないだろう。

フリーランサーである同居人 T は、最近は元居た会社の仕事を受けている。
コロナが蔓延してからは、外食するのを避けているため、お弁当持参である。

私は朝少し早く起き、T のランチを用意するのだが、ほとんどの場合、前日の夕食で余ったもの(もしくは余らせて作ったもの)が一品入っている。

先週...

朝 6:45 から、お弁当作りと同時進行で朝食を作り、水を入れた水筒 & コーヒーを入れたサーモ マグを持って出かける T を見送りながら、お弁当とコーヒーマグを入れて持ち運べる袋を作ってあげた方が良さそうだと思い立った。

手持ちの(使うあてのない)布でとりあえずプロトタイプを制作...



ポイントは、袋に入れたコーヒーマグが持ち運びの際倒れないこと。

まずは、マグが入るだけの間隔を開けて、仕切り布をバッグ本体に縫い付けてみた。これはけっこう安定していて、大丈夫そうだった。(実際に持っていくのは下の写真のマグ)

そして、2個目はコーヒーマグを収めるための仕切りを本体に縫い付けるのをやめ、袋の脇に輪っかにした布を綴じ付けただけにしてみたのだが、底が柔らかなため、不安定極まりなく、マグが傾く可能性が大きかったので、スタジオに降りて行き、底に敷く薄い板を探し、3mm 厚の化粧合板の端切れでちょうど良いサイズの底板を作ってみたところ、大正解。



揺れてもマグが傾かないバッグが出来上がった。
これで一安心...




4.7.22

急に年寄りになった気分が味わえる SuperGold カード


数々の割引特典に与れるスーパーゴールド カード(年金生活者の特権)が、ようやく手元に届いた。
小冊子の中を見ると、当然のことながらお爺ちゃん、お婆ちゃんしか載っておらず、自分がえらく歳を取ったのだと思い知らされた。(まぁ、グレイヘアになって、何処から見ても『正真正銘の年寄り』の風貌には違いないのだが...)


年寄りになって得られる特典の一つに、銀行口座の月額料金が無料になるというものがあり、早々に問い合わせをした。
だが、問い合わせるまでもなく、年金の振り込み口座に指定されており、入金も確認されているのだから、最初の入金があり次第、自動的に月額料金無料にしてくれるシステムにしてあれば尚親切であるのにと思うのは、私だけだろうか。
多くの "お役所手続き" がそうであるように、申告しなければ恩恵に与れないようになっており、その情報を自ら探す努力をしなければ、いつまでも知らないまま損をし続けることになる。世知辛い世の中である。

何はともあれ、問い合わせをした翌営業日には、全ての恩恵に与れるようになっている旨の email が届き、支店に出向く手間が省けたのは何よりだった。


さて、そのスーパーゴールド カードを持って、AT (Auckland Transport) の営業所に赴き、滅多に乗らない公共交通機関(バス、電車、フェリー)の無料パス/カード(平日は時間制限有り)を発行してもらって来た。コロナが蔓延してからは全く利用していない公共交通機関ではあるが、パンデミックが収まれば、最寄りの電停まで 20 分程度歩き、そこから電車に乗って小旅行をするようになるかも知れない。

これまで持っていた AT HOP カードを無効にしてゴールドに切り替える際には料金はかからないのだが、私は、この先日本にいる家族が遊びに来た場合のことを考え、これまでのカード(↓ 写真右下)を手元に取っておくことにし、自分専用のゴールドカードを新しく買い求めることにした。
幸いなことに、来月末日まではカード発行手数料は通常の半額の $5.00 (+必要入金額 $1.00)ということなので、負担は少なく抑えられ、更には、家から最も近い所にある電停にはキー タグ の在庫があったため、バッグなどにぶら下げておけば、一々カードケースから取り出す手間も省け、便利であろうと、迷わずそちらを選択。

窓口の職員の女性は、ご丁寧にも、全ての手続きをその場で完了してくれ、家に戻ってからオンラインで入力しなければならなかったはずの項目全てを確認することなく済んだのは有り難かった。



今後、外出時には忘れることなく、これらを携帯していることだろう。




24.6.22

Matariki celebrations begin with Hautapu ceremony



今日は、新たに NZ の国民の祝日となった『マタリキ』を祝う日。

オークランドは午後から時折激しく雨が降る、あいにくの天気となってしまった。


16.6.22

ようやく受理された申請

 4 月 22 日から手続きを始めた NZ Superannuation(老齢年金)の申請は、6 月 13 日になってようやく、受理された旨の連絡が届いた。しかも、大変温情のある裁定であった。
苦情申し立てが認められ、誕生日から前回の支払日までの未払い分も即座に振り込まれていたので、これで一件落着となったわけだ。
今後、生きている限りは無審査で受給資格が継続されるというのは、誠にありがたい限りである。(頑張って英語で苦情を書き綴った甲斐があった)


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コロナの新規感染者数は少しずつではあるが減少して来ている NZ だが、コロナで死亡する人はまだ無くなってはおらず、毎日々途絶えることなく報告されているのは憂いる限りである。
だが、世の中はもう既にコロナ前の生活に戻るべく、様々な方面で規制緩和の動きが活発化して来ていて、ワクチン接種証明などもう何の要も足さなくなってしまったように思える。

我が家関係では、先月半ば過ぎ、H のパートナー R が感染し、数日後 H も陽生反応が出たという知らせがあった。
R の症状が出始める前の日、私は H に頼まれて犬を一日預かっていたため、H は私たちにうつしてしまっているかも知れないと、殊の外心配していたが、私たちは間一髪感染を逃れたという感じで、何事もなく済んだのは幸いだった。単に運が良かったとしか言いようが無い。
とは言え、H と接触してから一週間以上は外出もせず、家で過ごしたのは言うまでもない。


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真夏並みの暑さになってきている日本とは反対に、このところ、オークランドの気温は日中 15 ℃前後となっており、靴下無しでは過ごせないほどひんやりした日が続いている。

ほとんど外に出ない生活をしていたため、運動不足がたたってか、坂道を登り始めた途端に息切れがし、最近は特にひどく心臓がバクバクするようになってしまった。
運動不足解消に、毎日 30 分以上は VR で身体を動かすようにしているが、少しの時間でも外に歩きに行った方が良さそうなので、近々日課に散歩の時間を加えようと考えている。

私が外出する際に欠かせないのが、ヒジャーブ...

老齢年金をもらうような歳になったのだから、もう面倒な白髪染めはやめることにしようと決心したのが昨年 10 月...
半年して、長かった髪を肩あたりまで切ったが、demarcation line(染めた髪と白髪との境界線)まで切り落とすまでにはまだ半年以上はかかりそうだ。

白髪染めをやめて半年経つまでに、少しでも色のギャップを少なくさせようと、カラーシャンプーなるもので色をつけていたのだが、ほとんど功を奏さなかったどころか、それが災いして、エスプレッソ カラーのカラーシャンプー使用後の白髪が薄い青緑色になってしまっていた。



その色を何とかできないものかとネットで探し回り、ピンク色のカラーシャンプーが効果があるというので、ダメ元で購入。



緑色はほぼ消えたが、薄い水色は消えず、白、水色、ライトブラウン、ダークブラウン、黒の混じった髪になってしまった。(もうどうでもいいやという気持ちになっている)

出かける用事がある時には、自作の帽子を被ったり、最近ではスカーフをヒジャーブのように被り、頭を覆うようにしている。



この国にはムスリムが多く住んでいるため、ヒジャーブを被っていても特に目立つということはなく、極々普通の光景...
だが、日本に行かざるを得なくなる前に、グレイヘアに完全移行したいという思いは非常に強く、ヒジャーブを被らないで過ごせる日を心待ちにする毎日である。




9.6.22

腹立たしい Work And Income 職員の仕事振り

 4 月 22 日に申請した NZ の老齢年金の手続き...

足りない書類があるのでオンラインでアップロードするようにとの連絡は来たものの、オンライン上で追加アップロードできる場所など無く、ヘルプラインに電話するも、何度かけても1時間以上待ちの状態でラチが開かず、仕方なく、コピーを最寄りのサービスセンターに郵送した。
オンラインで申請できる人ばかりではないだろうし、サービスセンターでそれを入力してくれれば事足りるだろうと考えてのことだったが、それを受け取ったかどうかの連絡は無く、不安に思って、オンラインで問い合わせてみたのだが...
返事は、「あなたの申請はプロセス中で、完了するのを待っている段階です」というもので、詳細は明記されていなかったため、しっかり調べてくれたのか非常に疑わしく、その返事の 2 日後、ヘルプラインに電話をかけ、1 時間以上待たされてようやく繋がった担当者に、これまでの経緯を話し、送付した書類はきちんと処理されているのか、いつになったら申請が受理されるのかと問い合わせた。
担当者は、私の申請書類は全て整っていて、問題は無いので、後ほど電話が行くはずだと言っていたが、何日待っても電話は来ず...

その後、ず〜〜っと滞ったまま何の進展も無く、挙げ句の果てに、提出書類不足で申請期限切れと判断され、再申請が必要な状況になっていたのを、MyMSD のページを見て知り、唖然とした。
要求された書類は全て提出してあったのにも関わらず、誰も手続きを完了させることなく、放置されていたのである。

非常に腹立たしい思いで再申請をしたが、5 営業日以内に連絡が来るはずだったのに、7 営業日を過ぎても何の音沙汰も無く、更に苛立ちを募らせた私は、オンライン上で Work And Income に苦情を申し立てるに至った。

関わった全ての職員がイイカゲンな仕事しかしていないのではお話にならないではないか。

受給資格年齢をとうに過ぎ、振り込まれていて然るべき年金どころではなく、多くの割引特典を得られる SuperGold Card まで未だ送られてきてはいない。

この国に来てからというもの、様々な場面で苦情申し立てのメールを送ってきたが、対応のお粗末さでは Work And Income が群を抜いている。しかも、最初に一度だけ電話をして来た中国人と思われる担当者は、少々横柄な態度で、しかも、彼女が追加アップロードに関する間違った情報をよこしたおかげで、こんなにも不快な状況に陥ってしまっていたのだ。


苦情申し立てがどのように処理されるかを確認した上で、納得できない場合は、更に上の機関に申し立てを行うことになる。

全くもって、面倒極まりない。

7.5.22

人気シリーズ“年金の現実”老後の暮らしは都会?田舎?生活が大きく変わる【しらべてみたら】



日本は老人に優しくない国である。

老齢年金を受け取るための "掛け金もどき" を長い年月支払い続けさせられ(実際には、自分自身のための積立ではなく、老齢年金を受け取るために、強制的に搾取されるのが当然の義務となっている、言わば "税金" のようなものだ)、ようやく年金受給の資格が与えられる歳になっても、雀の涙ほどしか支給されず、持ち家がなければ雨露しのげるというだけの実に粗末な家に住んで、食べたい物も満足に食べられず、医療費は容赦無く徴収され、しかも、公共の交通機関も無料になる都市ばかりではないときている。

ここ NZ では、年金の掛け金というものは存在しない。
掛け金を支払うことなく、65 歳になれば国から老齢年金をもらうことができるのだ。(20 歳を過ぎてから 10 年以上、加えて、50 歳を過ぎてから 5 年以上 NZ に住んでいることが求められるが、NZ 国民だけではなく、私のように永住権保持者も該当する)

65 歳近くになると、NZ Superannuation (老齢年金)申請の手続きを早めにするようにという email が IRD (Inland Revenue Department)(内国歳入庁)から届く。65 歳を過ぎてから受理された場合、遡って年金が支給されるということはないためだそうだ。

email は IRD から来たが、年金の手続きは Work And Income という部署で行うとのことで、その手紙に従って、Work And Income のウェブサイトでまずは Client Number を取得することになるのだが、通常 1〜2 日内(IRD ナンバーを申請時に記入すれば数時間内)に email もしくは携帯電話にテキストメッセージが送られてきて、自分の登録番号を知らされることになっていた。
だが、私の場合、申請後 3 週間経っても何の音沙汰もなく、仕方なくクライエント サービスに電話をしてみたのだが、いつかけても待ち時間 40 分前後というアナウンスが流れるばかりで、(一度は 40 分以上待ってみたが全く繋がらず)苛立たしい思いを何度か味わい、これでは埒が明かないと、Ministry Of Social Development に「いったい何時になったら番号が送られてくるんでしょうか?」と、苦情/問合せをするに至った。
Ministry Of Social Development の担当者からは、直ぐに「もう一度リクエストしてみて」という返事が email で届き、再度リクエストを送信すると、何と、その翌日、すんなりWork And Income から私の番号が 送られて来た。
明らかに、Ministry... から Work And Income にどうなっているんだと問い合わせた結果だろうと推測できた。

クライエント番号が取得できれば、あとはオンラインで申請ができ、わざわざ Work And Income の事務所まで出向くことはなく、便利であるが、添付する書類の写真を撮って(或いはスキャナーで読み取って)アップロードしたりすることに慣れていない人にとっては、おそらく面倒な作業に違いない。

* 老齢年金の申請とともに、家賃、水道料金の支払い等が生活費を圧迫している、或いは、医療費が賄えない等、困窮している人には、更に補助金が追加されるとのことだった。

申請事項に漏れなく記入し、ほぼ全ての要求された添付書類を送り終え、後は結果を待つのみ...  と思っていたら、5 日ほどして、添付ドキュメントが足りないと電話が来た。
不足しているドキュメントをオンラインでアップロードしろと言うので、早々にドキュメントを揃え、アップロード場所を探したが、どこにも見当たらない。
私の申請書は既に全てのドキュメントが揃っているとのことで、追加はできず、質問がある場合は、クライエント サービスに電話するようにと、ウェブサイトには書いてあった。

あぁ、また同じ電話番号か...

仕方がないので、最も近いクライエント サービス センターのオフィスを検索し、そこに郵便でドキュメントを送付することにした。

私の場合は、日本の年金を受給しているため、NZ の年金額から日本の年金額を差し引いた金額が支給されることになるが、NZ の年金支給額の方が遥かに多いため、収入が増えることは間違いない。

申請が受理されると、SuperGold Card が送られてくることになっていて、そのカードを提示すると、(オークランドについて言えば)公共の乗り物(バス、電車、フェリー)は平日の午前 9 時前を除いて無料になり、他にも様々な割引を受けられるようになっているようだ。

* AT (Auckland Transport) からもご丁寧に email が届き、Gold AT Hop Card を受け取れる歳になったことを祝うメッセージが書かれていた。

この国では、老齢=現役引退を祝ってくれるのだ。

日本はというと、長年(年金積立金だと唆され)徴収されて来たお金は、あくまで "国のもの" であって、個人のものではないという考えだ。だから、受給資格を取得する前に死亡したら、取られ損となる。そのことについて遥か昔に、恐喝紛いの督促状やら電話を何度もよこした税務署職員に異議を唱えたことがあるが、明確な答えは帰って来ず、年金制度は国民一人一人が支え合って成り立つもので、自分の利益だけを考えてはいけないと、そんな "聖人" 論を披露されただけだった。
保険料の取り立ては『脅迫まがい』のものであることがままあると、他の日本人からも聞いたことがある。支払わなければ家財の差し押さえもあると脅され、仕事を失い生活に困窮していた兄弟は、肩身の狭い思いをして、親に支払ってもらっていたとのこと...


NZ では、生活に必要最低限の年金+(必要であれば)補助金が当たり前のこととして支給される。
決して贅沢はできないが、暮らしてはいけるようにしてくれるのだ。

あぁ、せめてもう少し食料品やら光熱費が安かったらよかったのに...
売り出されている家の値段も、賃貸物件の家賃も、信じ難いほど高いのがどうにかならないものか...
気候も温暖で、コロナ対策も他の国々よりも遥かにマシだったこの国の欠点は、生活費が高いという点に尽きるだろう。

NZ 国民のほとんどが、近年の生活費の高騰に腹立たしい思いをしているのが、報道等でよくわかるが、それでも、Work And Income に申請し、援助が必要と判断されれば、補助を受けられるようになっているのは救いだ。(食費が足りなければ、スーパーマーケット等で使えるペイメント カードを発行してくれるというのは、今回、年金のことを調べて初めて知った)
もちろん、必要ならば医療費の補助も受けられ、住宅についても、信じられないほど安い金額で住める公営住宅など(国が定める規定に合致していれば)提供してもらえることになる。 



何年か前、T の友達が遊びに来た時、YouTube で観た貧困に喘ぐ年金生活者の話題が上った。
彼もまた、日本の年金制度の無慈悲さに怒りを露わにしていたのを、今でもよく覚えている。

今年は更に支給額が減額されるという報道があったが(2 年連続の減額)、この下のビデオに出てくる、一つのハンバーグを 2 回に分けて食べなければならないほど食費を切り詰めなければならない老人にとって、これほど酷い仕打ちがあろうかと、心が痛くなった。

*ちなみに、NZ の老齢年金は、今年 4 月から、僅かながら増額となった。

今の若者達から、「自分たちが老齢に達した時、年金をもらえない状況になっているかもしれないのだから、今の年金受給者達は、もらえるだけ幸せだ」と言う声が聞かれるのは珍しくないことだ。
だが、老人のこんな現実を目の当たりにしても、それでも幸せだと言い放てるのか...?
現在貧困に喘ぐ老人達もまた、かつては、老後の為と、少ない給料にもかかわらず、その中から年金保険料を差し引かれてきた人達なのだ。文句も言わず、素直に払い続けてきた人がほとんどだろう。




若者達は年金を受け取れなくなる恐れが少なからず予想されるのに、それでも積立金のように考え、"保険料" を払い続けることを強要されている。

日本の年金制度のあり方については、以前から見直すべきではないかと感じていたが、この国に来て更に強く違和感を覚えるようになった。


ここ NZ に来て 19 年が過ぎた。
この国を選んで本当に良かったなと、歳を取った今、改めて思う。



14.4.22

意味の無かった追跡番号

 4 月 6 日に NZ を出た小包みが、4 月 12日に無事届いたという連絡が来た。

追跡番号があるのにも関わらず、日本での追跡結果は一切出て来ず、一体どうなってしまったのかとずっと案じていた。


NZ Post の追跡結果では、川崎に到着してはいるが、その後は全く動きが無く、



日本郵便ではこのように、日本に到着したことさえ記録に無いまま終わった。




何せ、中身は数ヶ月かけてようやく出来上がった苦心の作だ。紛失されでもしたら怒りが収まらなかったことだろう。


全く意味を為さなかった追跡番号... 
一体、何故このようなことが起こるのか、理解に苦しむばかりである。




10.4.22

日本に着いたはずの森林香ホルダー

日本に送った森林香ホルダー...

NZ Post に荷物をピックアップに来てもらってから 3 日で日本に到着し、ほっと一安心。
日本に着きさえすれば、一両日中に問題なく配達されるだろうと確信しながら、「届いたよ〜」という連絡が来るのを楽しみに待っていたのだが、Kawasaki のソーティング センターに到着したという NZ Post 側の追跡結果以降、一向に動きがない。しかも、日本郵便の追跡サイトでは、どうしたことか、川崎に着いたという記録さえ載っていない。

これまでも何度か日本に荷物を送っているが、川崎という名前を見たのは今回が初めてだ。
今までは何処のソーティング センターに行っていたのだろう?川崎に集められていたのだろうか?

それにしても、日本にしては珍しく、極めて仕事が遅い。

無事に届くかどうか、少々不安になってきた。




29.3.22

キャンプ用虫除け線香ホルダー

昨年、(日本の)夏も終わりに近づいた頃、日本にいる長男から、虫除け線香ホルダーを作って欲しいと連絡が来た。

コロナ下で楽しめる屋外アクティビティの一つである "キャンプ" にたびたび出掛けるようになり、様々なキャンプ用品を揃えたのだが、森林香を焚くための線香ホルダーは、なかなかいいものがみつからない...  


希望のデザインでこういうのを作ってもらえたら嬉しいと言うので、どんな物か検索し、売られている商品のリビューを読み、欠点である『火が消えやすい』『底が熱くなる』という点をどのように解決し、更に安全面で問題の無い物にするには、どんな点に注意しなければならないのかをしばらく考えていた。

まず、見た事もない『森林香』のサイズを調べ、どれ位の余裕を持たせて縦横及び高さを決めようかと悩む ...

次に、火が消えないようにするための手っ取り早い方法は、アマゾンのリビューにあった『百均のミニ焼き網を蚊取り線香の下に敷く』のが一番だろうと思い、その焼き網のサイズを調べたが、残念ながら厚みまでは記載が無く、仕方がないので、約 5mm 程度と仮定して、製図した高さを修正...



底に敷く防火用マットは、当初シリコンにしようかと思い探していたのだが、中国の通販サイトでファイバーグラス製のマットを見つけ、取り敢えずどんな物か見てみるために注文した。


届いたマットの縫い目をほどき、ほつれた部分の布にライターの火を当ててみたが、全く燃えず、問題無く使えるだろうことを確認した上で、サイズに合わせて切った。恐ろしくほつれ易い生地であったため、遥か昔に洋裁用に買ってあったほつれ止めを塗ってから、型紙通りに切る方法を取った。全くほつれもせず、厚みも変わらず、ベタつきもせず、またカチンコチンに固まる事もなく、大満足。



マットの上に直接蚊取り線香を置くわけではないが、万が一のことを考えての予防策だ。

マットの厚みは 0.4mm ちょっとしかないのだが、マットを挟み込んで底板に貼り付けると底板と側面の板に隙間ができてしまうため、側面の板側に板厚の半分まで 0.4mm ちょっとの段差を付けた。(電動ルーター使用)




透かし彫りをした蓋部分にマグネットを埋め込み、本体側にはスチール ロッドを埋め込んだ。
マグネット同士を付き合わせると強過ぎて、蓋の開け閉めが大変になるためだ。


スチール ロッドは、壊れたワイン フリッジの棚だったもの... 
ハックソーで切って使った。(廃物利用)
(写真で見て初めて、バイスが埃まみれだったことに気づいた。作業中は一生懸命なため、ただ切ることだけに集中していて、埃など目にも入らなかった)


切り口はシャープで、尖った箇所があると手を傷つける可能性があるため、ファイルで削り、滑らかな表面にしておく。


仕上げは OSMO のオイルを極薄く 2 回塗ってよしとしたのだが、透かし彫り断面は布を使ってオイルを薄く塗ることができず、仕方なく竹串を使って(けっこう)たっぷり塗布した後、余分なオイルを出来る限り拭き取っておいた。




長男に百均で買っておいてもらう『ミニ焼き網』は、丸と四角のセットしかないようなので、丸でデザインしておいた 4 個の内 2 個は四角のデザインに変更... 丸でデザインしたものは四角の枠にはめるとしっくり来ず、結局全く違うデザインになった。

四角の方は、側面をダブテイル ジョイントで組み、一個は板を何枚か貼り付け、中央を八角形に切り取って透かし彫りの枠とし、もう一個は細い板を額縁状に貼り合わせたもので枠を作り、それぞれ透かし彫りした板をはめ込むという方法を取った。





透かし彫りを埋め込むための溝は、電動ルーターを使用。


電動ルーターでは四角の『角』を作れないため、丸くなった部分はノミを使って修正しなければならないが、全てを電動工具を使わないで作るとなると、やはり時間は多くかかり、さすがに疲れて来た私は、早く終わらせたいという思いの方が強くなってきていて、手を抜けるところは抜くようにした。


透かし彫りした板の側も、埋め込むための段差を作る。



電動ルーター使用時は、板目に沿って削る場合ばかりではなく、板目に逆らって削らざるを得ない場合がある。残念ながら、私の持っている安いルーター及びルーター ビットでは、逆目部分のがさつきを免れられず、また、手作業では可能な "若干の誤差" を修正するのは容易なことではないため、超正確な仕事とは言えないが、この線香ホルダーのように、美術品ではない実用品に、そんなに神経を尖らせる必要はないだろうと自分に言い聞かせて、『こんなものかな』という程度の作業ばかりしていた。

まぁ、我が家の中で唯一見る目が厳しい H のパートナー(タイル職人の R)以外は、そんなに細かく出来をチェックする人はいないため、こんなもので十分だろうが...  心に引っ掛かる仕事しかできない不甲斐無い自分の力量にガッカリしながらも、早く仕事を終えたい一心で毎日作業を続けていた、老齢年金受給を目前にした初老の私...



四角のホルダーは、最初の構想では蓋を本体に接着してしまい、側面を半分に切断する予定だったが、途中で面倒になり、こちらも丸型と同様、蓋側にマグネット、本体側にスチール ロッドを埋め込んでよしとした。

埋め込む際に使ったのはエポキシ グルー。

5 分で接着部分が固まって修正が効かなくなるこのグルー... ゆっくり作業していると接着面に塗布しておいたグルーが固まり始めてしまい、マグネットやらロッドがきちんと収まらないうちにくっついてしまうため、一箇所ずつスピーディーに接着剤を付け埋め込んでいかなければならなかった。


接着剤で固定する作業は、いつでも神経を使う。


四角のホルダーの底には、ミニ焼き網が側面にくっつかないよう、枠を貼り付けておいた。
ミニ焼き網が側面から離れていれば、その上に乗せた線香が側面の板に接触することはないだろうと考えてのことなのだが、どうだろう?


エポキシ グルーが完全に乾いた後、はみ出たグルーをサンドペーパーで綺麗に削り取り、OSMO のオイルで 2 回のコートを塗り終えると、「あぁやっと終わった」と、出来はさて置き安堵した。




材料を揃えるのに時間がかかり、取り組み始めてから何ヶ月もかかってようやく完成した森林香ホルダー...

犬と桜は長男の希望に沿ってデザインしたもの。
その他は、かつて長男が送ってくれたハワイアンキルトのパターンブックに載っていたデザインだ。






それぞれの箱には、長男のイニシャルで合印を付けておいた。
腕が未熟なため、パーツ毎に若干の狂いがあるのを修正しきれなかった箇所があり、蓋と本体が最も座りの良い位置を記しておいた方がよさそうだと考えての、苦肉の策だ。



丸型のホルダーの底に置いて、ミニ焼き網が内部側面に触れないようにするためのリングも、おまけで作っておいた。細いリングなので、極力歪みが出ないよう、合板を使用。
ミニ焼き網のサイズがピッタリ表示通りでなかった場合のことを考えて、数mm 余裕を持たせて(大きめに)作ったが、少々心配である。



出来は...

総合評価 60 点というところかな...




「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...