18.9.12

The Best Voice Ever

カリフォルニアに住む中国人の友達と時々emailで熱く語り合うことがある。

彼女とはここに来たばかりの頃入った語学学校で知り合ったのだが、とても勉強家で、個性的で、入学当初は特に、他の人にはない非常に強い存在感が漂っていたのをよく覚えている。

『浮世離れした』という印象は、彼女を知るに連れ次第に薄くなっていったのだが、彼女はその風貌からは想像もつかないほど、細かい気配りの出来る優しい人だということがわかってきたのは、残念ながら私がその学校を去る日が目前に迫った頃だったので、朝から夕方近くまで一緒の教室にいても、さして親密な話をするわけでもなく、他のクラスメイトと何ら変わりない間柄でしかなかった。

私が卒業のスピーチをしている間、彼女は私の写真を撮っていてくれたのだが、彼女が泣きながら写真を撮っていてくれたことを他のクラスメイトから数ヶ月後に聞いた。

彼女が後に送ってくれたemailにはこう書いてあった。
「日本人が戦争時に中国に対して行った残虐行為がどれほど恐ろしいものだったかを、小さい頃から教え込まれて育ってきた私は、これまで日本人に対して強い嫌悪感しか抱いていなかったのだけれども、初めてここ(NZ)の空港に着いた時、何もわからなかった私に親切にしてくれたのは日本人だったし、一番心が通じると思ったのも日本人であるあなたでした。... 日本政府の決定が国民の本当の姿を反映していないということが、今になってようやくわかりました。いつかまたあなたに会える日が来ますように。」


語学学校卒業後すぐに私は一旦NZを離れ別の島(別の国)に行き、私がNZを離れている間に彼女は語学学校を卒業し、アメリカに渡ってしまっていた。

彼女との心の付き合いはもう9年にも及ぶ。非常に率直に意見を言い合える存在で、少し前には映画の話から宗教論にまで発展したのだが、その時点では話に決着がつかず、かなりの月日を経てから、「あなたの言うことが理解できるようになりました。」というemailが届いたりして面白い。


その彼女との最近のお題は『声』。

私は何故か人の声に関心がある。最近喋った人の中にとても優しい声をした人がいたので、それを同居人に話すと、確かにその人の声は優しい響きだけれども、特に気にしたことは無かったし、特別印象に残っているというわけでもないとあっさり片付けられた。
いや、私にとっても、全然印象に残らない声の人がほとんどなんだけどね... 

多分私は、そこまで優しい響きの声とか、物言いとかをする人にこれまで会っていなかったのだろうなと思った。
芯のしっかりした人だというのが手に取るようにわかるのに、声は限りなく優しい。他の誰とも違ったキラリと光るものを持っていて、風貌も明らかに表舞台に出る人のようであるのに、声に力強さを感じない。何故だろう... 


上記のカリフォルニアに住む友達は、少し前にとても魅力的な声の持ち主に出会ったと言っていた。私も2年前に、これまでの人生において最も魅力的だと思える声の持ち主とインターネット上で会話したことがあるのだが、その魅力的というのを具体的にどう説明したらいいのやら...

男らしい凛とした声。(ガラガラした)いがらっぽい声ではなく(笑)、透き通り過ぎてはいないが通る声。決して太い声ではない。... といくら頑張って書いても、到底文字では表すことができない。

あの声を越えるような、見事なまでに麗しい声の持ち主には、おそらくこの先出会うことはないだろうな...(個人の好みの問題以外の何ものでもないが(笑))

永久保存版として声を録音させてもらえばよかった...



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