最近暑かったオークランドだが、昨日は雨模様の少し涼しく過ごしやすい一日だった。
昨日のこと…
友達と沖釣りに出掛けていた同居人Tから携帯にメッセージが届いた。
「でっかいカンパチ釣れた 😁」
「やったー、今日はカンパチの刺身だ!!」と喜んでいたら、間もなくT が帰って来た。
体長 90cm 越えのみごとにでっかいカンパチ。
釣り上げるのはさぞかし大変だったことだろう。
Tは明け方から夜まで出突っ張りで、しかも大物との格闘も加わり疲れ切っていたため、カンパチを捌く工程の半分以上は私が担当することになった。だが、我家の小さなキッチンで捌くのは一苦労で、先月日本から届いた分厚い木屋の出刃包丁がなければ悲惨なことになったに違いない。
木屋の出刃包丁…
遥か昔、私の結婚祝いに何が欲しいかと聞いてくれた父方の伯母に、包丁が欲しいと言った私… (その時には特別刃物が好きだというわけではなかったが — 気付いていなかっただけか?)
伯母は品質にこだわりを持っている人なので、選りすぐりの高級出刃包丁、菜切包丁、そして三徳包丁をセットにして贈ってくれ、私は日本でずっとそれを使い続けていたのだが、自らそれらを研ぐことはなく、高級包丁を間違いなく研げる腕のある父に、時折研ぎ直しを頼んでいた。父は丁寧にしっかりと研いでくれたので、頻繁に研ぎ直す必要は無かった。
NZに来る時には、その内の菜切包丁だけを持って来ることにし、他は実家に預けてきたのだが、良い包丁なので、実家で使ってくれているものだとばかり思っていた。
しかし、おそらく釣りをしない(&魚を丸ごと一尾買って来て捌くことなどほとんど無くなった)実家ではあんなに立派な出刃包丁は必要なかったのだろう、聞けば使っていないとのこと、それだったらと、送ってもらうことにした。
所々に錆が出ていたが、13年以上使わずに物置に仕舞われていたものにしては良好な状態のように見えた。
写真のまん中の牛刀は昔私が買った物なので、さして良い物ではなく、それは送らなくてもいいと伝え、あとの2本を送ってもらったのだが、『忠房作』と書かれた三徳包丁も然ることながら、また私の手元に戻って来たこの分厚い出刃包丁がこんなに活躍する時が来るとは、正直なところ想像だにしていなかった。
父の形見の天然砥石で研ぎ直し、見違えるほどにシャープになった出刃包丁は、我家にはなくてはならないものになった。
昨夜はカンパチのほんの一部を刺身にし、残りと鯛5尾は冷凍用に切り身にしておいたので、またしばらくは魚を買わなくてもよくなり、焼いたり、煮たり、揚げたりと、色々な料理に使えて嬉しい限りだ。
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