20.6.17

Lie-Nielsen Rabbet Block Plane

新品のツールを買うことなど滅多に無い私だが、これまでに買った中古の block plane のどれにも満足できず、良い物は無いのか?とここ2年ほど探し続け、最終的にすこぶる評判の良いLie-Nielsen のRabbet Block Planeを買うことに決めた。
私は細かい作業をするための、小ぶりな掌にすっぽりおさまるplane が欲しかったのだ。

Lie-Nielsen のRabbet Block Plane は中古で出ていたとしても新品に近い値段であることがほとんどなため、それだったら販売元から新品を購入した方が良さそうだと、オンラインで発売元に注文を入れ、待つこと1週間…



届いた鉋は小ぶりなのにずっしりと重たく、ブレードはStanley などと比べると遥かに厚く、底は確かに真っ平らで、立ち上がりの側面は素晴らしく直角だった。
同居人Tが「マット ブラックとゴールドの合わせがカッコイイ」と言っていたが、私の気になったのはやはりブレードの質だ。



「届いてすぐに使える状態になっている」と説明書に書いてあったので、取りあえず使ってみると、切れ味は悪くはなかったが、私が想像していたほど良くはなく、すぐに研ぎ直すことになった。危ないほどシャープに研ぐというのが作業をする上での鉄則だというのは、鑿や鉋を使って仕事をする人の常識だろうと思うのだが、やはり国によって(或は人によって)差があるのだろうなと思わずにはいられない。

どんなに良い刃であっても、これ以上できないというほど鋭く研いでなければ満足のいく仕事はできない。正真正銘真っ平らな面というのは、恐ろしいほどシャープな刃を着けた鉋でなければ作れないのだということを、一体どれだけの一般人が知っているのだろう…
鈍らになった刃でいくら一生懸命に鉋をかけても、絶対に真っ平らになることはないのだ。
 
研ぎ直した刃はより一層シャープになったが、残念なことに、(大金を出したのにも関わらず)昔の日本の刃物に匹敵するものではなかった。昔のドイツの刃物にも負けていると私は感じた。


刃物作りにおいて日本を凌ぐ国は無いだろうと、科学も進歩し、機械化も進み、情報量も信じられないほど多くなっている今の世においても確信できるのは、おそらく私だけではあるまい。


余談だが、このお高い鉋は、こともあろうに屋外の駐車場に置いてあった車の脇に "配達" されていた。
玄関のドアはそこから数歩しか離れていないというのに、信じられないほど横着な NZ Post Courier の配達員は、雨が降ったらずぶ濡れになってしまう屋外に荷物を放置して行ったのだ。落としてはいないという確証は無い。

車のバンパーに水滴が付いているのが見えるように、雨が降ったばかりの地面にそのまま置くというその無神経さと、仕事に対する責任感の無さに非常に腹立たしく、何故こんな人が仕事にありつけて、もっともっと真面目で誠実な人が仕事にありつけず困難な生活を強いられているのだと、強い憤りを感じてしまった一日だった。



0 件のコメント:

コメントを投稿

「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...