23.6.17

"サタンの支配する世"で お粗末な鉋の梱包を褒められる

オークションに出品した『とんでもなく質の悪いblock plane』を買ってくれた人がとても良いフィードバックを残してくれた。




これらは掲載した写真のほんの一部(4/20)

こんな物を買ってもらって申しわけないなと思いながらも、正直に最低なコンディションを写真付きで説明してあったので、罪悪感を抱かずに済んだのはまぁ良かったかな… などと心の中で思いながら、本体の汚れを落とし、軽くオイルを染み込ませた布で磨き、ブレードを研ぎ直し、それを丁寧に包装し、家にあった段ボール箱をつぶしてちょうど良い大きさの箱を新たに作り、中にはパッキンをしっかり詰めて…

と、そのように輸送中に破損しないよう細心の注意を払って送った甲斐があって、あのようなお粗末な鉋の取引でも、速攻で送ってくれて有り難うとか、見事な梱包だとかいう良い評価をしてもらえた。

ずっと以前書いていたブログに、『正直者が馬鹿をみない国』とNZを称したことがある。
日本は明らかに正直者が馬鹿をみる国だし、今 同居人Hが訪れている南米の国は、『スリ大国』と呼ぶに相応しいほど、自分の所有物と他人の所有物に対する認識が甚だしく欠如している輩の天国となっていることなどを考えると、NZがどんなに健全な国かがよくわかる。
もちろん、この国にもどうしようもなく無責任な連中も存在するし、他人に危害を加えることに罪悪感を抱かず、自分中心の考え方しかできないような、まるで"邪悪の塊"でできているかのような人も悲しいかな存在しているのは確かだが、そのような者とはかけ離れた"正義感の塊" のような人の数が驚くほど多いのも確かだ。

誠意が踏みにじられることが往往にしてある国、道徳心の欠如した国から来た移民達は、こぞって『平和な国』『民主主義が実践されている国』とNZを褒め讃え、かつて経験した悪夢のような生活から逃れられたことに感謝する。


「良い国に行ってよかったな」
父が死を目の前にして私に言った。

うん、すごく良い国だよ。
父さんに見せてあげたかったよ。

彼の人にも住まわせてあげたかった。
彼の人と、そして家族全員と、日本ではなく、『ここで』暮らしたかった。

心の底からそう思っても、そう願うことはできない。
『願う』という行為は、可能性がゼロでない場合にのみ許されているものなのだと、私達の誰もが知っている。

『全知全能の神にできないことはない』と、聖書を学んだ時に教えられたが、『できなくはないのにしないことがある』とは、その時には教えられなかった。

おそらく、『サタンの支配する "この世" で生き長らえることに希望を持つな』ということなんだろうなと、そう解釈するしか無いのだろう。


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