4.6.17

The Art of Cabinetmaking - James Krenov

特別家具には興味が無かった… 

木工を始めても、ブランド品とか有名人の作品に全く興味が無かった(今でも無い)ため、James Krenov という人についての知識も当然無かったわけだが、たまたま国内のインターネット オークションで The Fine Art of Cabinetmaking という中古本が目にとまり、手頃な値段だったので購入してみた。


まだ最初の数ページしか読んでいないが、家具を作る際の木目の取り方の参考例は非常に為になり、その木目の取り方でアーティスティックにもなり、またダサくもなってしまうのだというのがよくわかった。(ステンドグラスでも、一ピースずつしっかりガラスの模様の方向を考えて配置しなければ、全くまとまりの無い作品になってしまうというのと同じだ)

要するに、遠目で見た時に全体的に調和がとれているかどうかに重点を置く必要があるということだ。




本自体の質は、霧のかかったような白黒写真(全ての写真が不鮮明)とレイアウトに首を傾げたくなる部分がざっと見ただけでも何カ所かあったのを除けば、かなり面白い本であるように思うし、工具に対する考察/説明も興味深い。




また、彼のデザインはゴテゴテ飾り立てていないものが多く、とても好感が持てる。

ただ、安定感という面で見たらどうだろうと地震の国から来た私はどうしても考えてしまい、長く細い足の上に乗っかった箱がゆらゆらと揺れる光景を想像し、足を支える何かを作りたくなる衝動に駆られてしまう。

日本では、厳つい重量のある家具でさえも、地震の際転倒しないよう壁に金具で固定していた私だ。かつて彼の人が買って来てくれた有田の器とかガラス細工は、このような足下が見るからに不安定そうなキャビネットやテーブルには、とてもじゃないが怖くて収納したり置いたりできない。
では何を入れ、飾ることができるのだろう…



作ってみたいなと思うが、もし万が一倒れても壊れる心配の無い物で、特別この限られたスペースしかないキャビネットに入れておきたい物があったかなと、しばし考えてしまった。



0 件のコメント:

コメントを投稿

「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...