ビデオを撮るのも編集するのも、もちろんこのジャイアント モールを作るのも、多分この人は一人でやっている。
とてもセンスのいい人だと私は思う。
ビデオグラファーを雇い、編集も全て任せ、"ファンシー"なプロモーション ビデオを作るようになってしまった雲の上のお師匠さんに比べて、この人はなんと生き生きとしているのだろうと、観ていて嬉しくなった。
粗野なように見えるかも知れないが、この人は実は非常に繊細な人なのだというのがよくわかる。
ちなみに、同居人Tは大手広告代理店でビデオ編集を担当しているのだが、映像を撮る専門のスタッフが全く使えないビデオを送ってよこすことがしばしばあり、撮り直し可能な状況であればまだいいのだが、不可能な場合は、自分では全く満足できない仕上がりのものを出さざるを得なく、非常にストレスが溜まると言っていた。
少し前には、NZの野鳥を保護するためのキャンペーン用ビデオを作ったらしいのだが、送られて来た映像に映っていたのは "普通の雀" だけで、そりゃ雀も野鳥に変わりはないのだが、キャンペーンで使うにはあまりにインパクトが無さ過ぎやしないか?しかも、雀は『害鳥』と認識している人も少なからず居るだろうし…と、疑問を投げかけ、また、出演者のトーク場面は、森の中なのに "メタルのバー チェア" は如何なものかと指摘したが、撮り直しすることなく、バーチェアの映像はそのまま使わざるを得なかったらしい。
時間をかければフェイクな映像を作ることももちろんできるのだが、時間もなければ予算も無いクライアントがそれでいいということで、実に不満足なビデオが公に流れることとなったというわけだ。(野鳥保護キャンペーンにフェイクな映像を使うというのも、信憑性が薄れるので、すべきではない)
コマーシャル ビデオ作りを本業としている企業であっても、魅力あるビデオを作るのは実はけっこう大変な事なのだ。
私は、この上のビデオを作った人のように、ほぼ電動工具類だけで作業するということはないが、物を作り出すことも、ビデオを作る事も、限られた状況の中でよく頑張っているなといつも思う。
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