28.12.17

2017年の師走


昨日、『白く長い雲のたなびく地』であるNZでは珍しく、空一面が細切れの雲で覆われていたので、思わず窓を開けて写真を撮ってしまった。

ここ数日気温は低めで、最高気温は20〜24℃にしかなっていない。
最低気温は13〜15℃... 真冬の最高気温程度だ。

朝ベッドの中で寒くてたまらず、思わず冬用の掛け布団をたくし上げ、肩まで包まってからスマートフォンに入れてある天気情報ガジェットを開いてみると、気温は13℃と出ている。(予想最低気温は15℃になっているんですが... )


オバカなお天気ガジェットは、数字に弱いだけではなく、状況判断力も鈍いと見えて、シャワー(にわか雨)と出ているのに、降水確率 0% と平然と書き並べてしまう。




家の窓際ですくすく育っている観葉植物だが、中には、朝になると水滴をいくつも付けているものがあり、地中から吸い上げた水分を蒸発分以上に積極的に放出するこのような植物を観ていると、性質が異なる様々な植物は、それぞれに環境に順応するよう上手くプログラムされているのだろうなといつも感心してしまう。



また、一昨年だったか、どこぞの不動産会社がポストに入れて回った百合の花は、今年も綺麗に花を咲かせた。すっとポットに植えたままだが、球根は死ぬこと無く、夏になるまでじっと土に埋まったままでいるというのは、考えてみたらすごいことだ。



ベランダのブルームーンの手入れだけは、どういうわけか同居人Tが行っている。
Tがケアしてくれていたおかげで、今年は沢山花が咲き、香しく咲き誇っていた。



裏庭に生っているリンゴは次第に赤みが差して来た。
数年前、日本に住む長男がここに遊びに来た折りに、庭を綺麗に作ってくれ、記念にと植えて行ったこの木は、今年はいっそう大きくなり、見る度に彼は元気でいるだろうかと皆で思いを馳せている。



私たちが日本に住んでいた頃、年末は28日頃が仕事納めとなっている会社が多かったように記憶しているが、ここNZではクリスマスが国民の祝日となっているため、クリスマス前に今年の仕事を終える人が結構な数居るように思う。

我家の同居人達ももう既にクリスマス〜新年にかけての休暇(この時期に有給休暇を2週間ほど消化するという恒例のパターン)に入っていて、のんびりと家中の掃除をし、植物の手入れをしたりなんぞして過ごしている。

同居人達とのんびり一緒に過ごすことのできる年末は、私にとって一年で最も嬉しい時期である。



14.12.17

注意を要すること

1. ジャガイモの買い置き
私はこれまでの人生で、買い置きしてあるジャガイモに芽が生えてしまったという経験は幾度かあるが、腐って異臭を放つジャガイモにはお目にかかったことが無かった。
生まれて初めて、洗った状態でパックされているジャガイモを買って、1週間ほど常温保存しておいたら、芽も生えずに腐っていてびっくり仰天。
こんなにも痛み易いとは想像だにしていなかった。
金輪際、洗ってあるジャガイモは買わないと心に決めた。

2. レシート確認
全く混雑していない薬局の一角に設えた CLINIQUE のブースには、目も覚めるようなどぎついピンクの口紅を塗りたくった "ビューティー アドバイザー" が居たのだが、注意力が完全に欠如したその女性は、たった一つのファンデーションを、レジ打ちする際に2度もカウントし、倍の値段を何の迷いも無く請求して来た。
私は化粧品はたまにしか買わない為金額をチェックしておらず、ファンデーションって高いのね... くらいにしか思っていなかったのだが、一緒に居た同居人Hが「やけに高くないか?」とレシートをチェックして初めて店員のミスに気付いた訳だ。Hは、「そこでだけ働いているのに、商品の金額(定額)を全く把握していないんだね」と呆れ返っていた。

そしてもっと驚いたのは、間違えて倍額徴収したことに対する謝罪をするでもなく、何食わぬ顔でただ Thank you! と非常に軽く挨拶しただけで、反省の欠片も見られなかったことだ。(Thank you. じゃなくて、Sorry. だろうが...)
私だったら平謝りし、何故そんな間違いを犯してしまったのかと、しばらく落ち込んだに違いない。
若いのに、コテコテに塗りたくるメイクに心血を注ぎ、他の事にはお構い無しか...
あぁ、嘆かわしいことよ...



間違ったキャビネットのノブが送られて来た件は、eBay のカスタマー サービスが全額返金という判断を下し、業者が返金してきた額の不足分を埋め合わせたのは、何と eBay のカスタマー サービスだった。eBay と業者との間にどんなやり取りがあったのか知らされていないので、eBay が業者にその額を請求したのかどうなのかわからないが、全くもって迷惑な話だった。

業者は、もっと頭のキレる人を雇って、製品及び出荷管理を徹底して正しく行えるようスタッフをしっかりトレーニングし、誠実な商売を心掛けるべきだ。初めからそうしていれば、商品を送料無料で送った上で全額返金などという馬鹿げたことをしないで済むようになる。

同居人達の会社のHRのボスだけではなく、世の中には低賃金でスタッフを雇うことにしか頭を働かさない "権力者" が驚くほど多く、お世辞にもきちんと仕事ができているとは言えないスタッフ達が犯す数多くのミスによって、実質的な損失だけではなく、商売に不可欠な信用も失っていることすら気付かないでいる有り様だ。

この世はどこまで "質" が落ちていくのだろうか...





12.12.17

箴言27:11

ー 我が子よ、賢くあって、わたしの心を歓ばせよ。
わたしを嘲弄している者にわたしが返答するためである。ー



同居人達の働く会社は、今年いっぱいで最大手の一つであるクライアントとの契約を終了することになり、その後そのクライアントに匹敵するほどの大手企業との契約を獲得できずにいるため、今年いっぱいで解雇する職員を大量に選び出した。

仕事ができないわけではないのに、長年働いていてそこそこの給料をもらっていたであろう同居人Tの部署の同僚も肩を叩かれた内の一人で、おそらくその給料の多さから首を切られる候補に上がってしまったのかも知れないとTは言っていたが、3週間ほどするとHR(ヒューマン リソース=人事課)のボスの気が変わったようで、今度は「シニアを残して若手を切ることにした」と、TとTよりも後に入った新人をターゲットにした。

HRのボスは、「二人のうちのどちらかに辞めてもらうことになる」という話の中で「仕事ができるかどうかに関係無く人員をカットする」と言い切っていたようで、それを聞いたTは、仕事ができない人を残してどうするんだ?そんなバカなことをしているからクライアントを失くすんだよと、呆れ返っていた。

雇用条件は「仕事ができるかどうかは無関係」と宣うHRのボス... 
そういうことが口から飛び出す人が有能な人に見えるだろうか?頭のキレる人だったら絶対に口にしないだろう言葉だ。裏を返せば、自分が有能ではないのにそのポジションに居座っていられるからこそ、そのような言葉が出て来るに他ならないのだとわかってしまうということすら気付かない、愚か者である。

『有能+責任感』というのは仕事をする上で求められる必須条項だと思っていた私は、「そのHRのボスを真っ先に首にすべきだね」とTに言った。そんな輩が人事を牛耳っているから会社が左前になってしまったに他ならない。
方針が定まらず、取りあえず誰かに辞めてもらわなくちゃというだけのお粗末な人事... それを牛耳るHRのボスが首にならない限り、あの会社は成長することはないだろうし、そんな会社に居ても将来何のベネフィットも無いかもな... と、今回の大量解雇で声を掛けられた職員達は『お先真っ暗』な行く末の会社に見切りを付け、他の会社を探し始めているというのも充分頷ける。

そんな中、同居人Hの関係する部署では親睦会と称して(こともあろうに)ウィークデーの午後3時頃からスタッフ全員で映画鑑賞に出かけ、その後ボーリング+食事会+飲み会で遊び呆けていたようで、もぬけの殻になったその部署の仕事を代行できる人などもちろん居らず、おかげで他の部署の人はその日仕事が滞り、「大量解雇して出費を押さえる傍らで、仕事そっちのけで "会社の経費で" 遊びに出掛けるなどあり得ない」と憤慨している人が多数居たようだ。

私が社長だったら、そのような状況を把握できない人/仕事に対して責任感のほとんどないように見える人たちを先に解雇することを考えるだろうが、あの会社はそうではない。

「一体、年に何回変えれば気が済むんだ?」と憤りを覚えるほど頻繁に、全く必要がないと思える社内の模様替え(大掛かりな工事を必要とする規模)をしてみたり、機能性の低い新品のデスク購入に多額の出費をしたりするのは厭わないのに、社員の給料は最低限に押さえ、会社は緊縮財政だとほざくような会社だ。

一体誰が指揮を執っているのだ?

Tは、明らかに労働基準法に違犯しているHRのボスの解雇工作を指摘し、これと同じケースで裁判で敗訴した雇用主の記録が残っている旨を呈示し、解雇に対する正当な理由を提示してくるよう要求したらしいが、他に考えつく『狡賢い』手口は見つけられなかったようで、労働基準法に違犯しているのを承知の上でTを解雇すると決めたのだそうだ。
解雇理由はただ一つ、もう一人の候補者よりも若干給料が高かったということ。(そんなに年棒を気にするのなら、なぜシニアを残すと気を変えたのだ? Tともう一人の給料を合せてもシニアの給料には追いつかないだろうに...  辻褄が合っていないことすらわからないのか?)

Tの直属のボスは、これまで雇ったスタッフの中でTが最も有能な人材で、おそらくこの先もTを越える人は出て来ないだろうと常に高い評価をしてくれていた。そして、会社の全スタッフのミーティングの折りに、Tを One-man band と称し、一人で何でもこなしてしまう優れた才能を持っているスタッフとして表彰したほど技量を高く買ってくれていたので、当然の如くHRのボスの裁決に異議を唱え続けていたらしいが、現場の意見はことごとく無視された恰好となってしまった。

今回解雇には至らなかった新人は、自分が "ただ単に給料が安かっただけで残された" ということをどう受け止めているのだろうか?
「会社があなたを雇っているのは、安く済むからだよ」と正面切って言われたら、この先も給料はほぼ上がらないと思って間違いない。
更に、今月いっぱいで会社の契約駐車場が無くなるらしく、残った職員はほぼ倍額を支払って少し離れた所にある一般駐車場を借りなくてはならなくなるようで、「実質的な賃金カットだ」と、辛うじて残った職員からも不平不満の声が上がっているとのこと。
明らかに落ち目になった "かつて" の大手企業がこの先生き残れるかどうか、見ものである。

ちなみに、Tの現場でフリーランスのワーカーを短期雇った場合、一日NZ$800〜$2,500支払われるのが相場の職種だとのこと。最低でも一日 ¥62,000 強の稼ぎになるわけだが、多くのフリーランサーは NZ$800 で仕事を受けると言うと質を疑われるらしく、高額を提示した方が雇われる確率が高くなるらしい。だが、一日 ¥194,000強 も稼ぐ人がかつて職場に来て仕事をしていたが、別に仕事が早い訳でもなく、仕事内容は何ら変わりが無かったとTは言っていた。(Tにフリーランサーになることを勧める同僚が圧倒的に多いのは、オバカな会社に振り回されることに皆嫌気がさしているからだろう。しかも、安い給料でだ)

自分に全く非がないのにも関わらず解雇通告されたTは、sick leave を何十日も残したまま、今週いっぱいであの会社を後にすることになる。


昨年末か今年始め、会社のNo.2 だった人が首になった。
正真正銘の "チャラ男"(無節操男) だったことは誰もが知っているが、その節操の無さを見るに見かねた社長が、全職員の前で実体を明らかにし、反論の余地無く首切りに至ったとのこと。
しかし、それからというもの、大きな仕事が入って来ていない。それどころか、今までのクライアントも失い始めている始末だ。

どのような方法を取ったにせよ、チャラ男に匹敵するほどの実績を挙げられる人が居ないというのは、裏を返せばその業界がモラルの上に成り立っていないということに他ならないかのではないかと、そんなことをふと考えた。

そんな会社にしがみついている価値は無いだろう。また、そのような業界のために心血を注ぐ意味も無いだろう。

「きっと、他にもっと良い所があるってことだな」

超ボジティブな私たちは、Tの解雇を憂いること無く、次にTが歩むことになっている道が目の前に現れる日を、楽しみに待っているところだ。



これは人生に於いて『最悪』なことではない。
私たちはもう既に、人生に於いて最悪なことを経験してしまっている。
私たちはその最悪な状況を、必死で歯を食いしばって乗り越えて来たのだ。

こんなことでは潰れない。


2.12.17

eBay カスタマーサービスとのオンラインチャット

狡猾な販売業者とのメッセージのやり取りは平行線に終わり、仕方がないので eBay のカスタマーサービスとライブ チャットし、このケースがどのように扱われて然るべきか聞いてみた。

事の成り行きをかいつまんで話し、販売業者と私とのこれまでのメッセージのやり取りを確認することができるかと聞くと、全て確認してくれた上で、問題を解決するためにeBayがこの件に介入する必要があるだろうと判断し、専門部署に報告し、できるだけ早くemailで連絡をくれるとのこと。

まさか苦情を申し立てるのにライブチャットを使用するとは、これまで思ってもみなかったが、チャットが終わった時、ふと雲の上のお師匠さんとの朝4時のチャットを思い出してしまった。

真っ暗な中鳴り続ける携帯電話を手探りで見つけ、ベッドに入ったまま寝ぼけ眼で「何事だ?」と開いた画面に目がくらんだこと。
「ごめん、起こしちゃった?」というお師匠さんに、「夢の中でヒバリが鳴いてた」と返した後、またウトウトしてしまった私を尻目に、数行打っては送信し、また数行打っては送信しを繰り返していたお師匠さん... 耳元でポロン、ポロンと鳴り続ける受信音に、終いには笑い出した私...

何だかとても懐かしく、そして切ない想い出となって心に残っている。


はてさて、eBay カスタマーサービスはどのようにこの件を解決してくれるのだろうか?
まぁ、販売業者のお粗末な実体をきちんと把握していてほしいという私の意図は通じたようなので、その点についてはよかったかな...


1.12.17

何故こうも間違いが多いのか...

eBay で注文を入れたキャビネットのノブが届いたのだが、5個注文した内の4個が間違ったサイズのノブで、含まれているはずのスクリューは1本も入っていなかった。


私は、どんな作業場で、どんな人が働いているのだろうかと、思わず想像せずにはいられなかった。




明らかに大きさの違うノブであるのに、バーコードの下に書いてある番号は同じ。その下の1006A-00 というのもそれに続くプロダクト名も同じ。
違ったのは私が黄色の枠で囲んだ箇所の列だけであるが、それが何を意味しているのか定かではない。



この業者のどの部分で大きなミスを犯しているのかわからないが、大きさの違う製品が同じ番号のバーコードを付けられて一緒くたにされていることに誰一人気付かず、そのまま梱包し、発送してしまうのだから、製品が破損していてもおそらく気付くことはないだろうなと、容易に想像できる。
業務がしっかり管理されていないのは他ならぬボスの責任だ。頭のキレる人でないことが手に取るようにわかってしまう。

eBay 経由で、間違ったサイズのノブ4個を注文したサイズのノブに交換し、しっかりスクリューも送って欲しいとメッセージを送ったところ、「また製品を送るのはお金がかかり過ぎるし、返品にかかる送料も商品代以上にかかるので、£3 の返金で良しとして欲しい。そちらに届いた商品は送り返す必要は無いから」との返事が来た。私が支払った総額は £6.50 だ。

あぁ、またか... 

1つのキャビネットに取り付けるのに、サイズが揃っていない物を持っていても役に立たないじゃないか... 別の業者に(全く同じ物かどうかも定かでないまま)足りない4個分を注文しろとでもいうのか?? 交換商品を送る気が無いんだったら、全額返金でしょうが...
ちなみに、それらは借家のバスルームに備え付けのキャビネットの把手が壊れたので、この際総取り替えしようと注文したもので、このような把手を他に付ける所など無いのだ。

そちらのミスなのに、何故私が不必要な物に半額以上の金額を支払わなければならないのだ?と怒りのメッセージを即刻送ったのは言うまでもない。

私は、そういう商売の仕方が本当に嫌いだ。


余談だが、同居人Tは車を磨く為のスポンジ5個セットをeBay経由で頼んだところ、超安っぽいオモチャのようなネックレス1個が送られて来て唖然としていた。どうやったら間違えることができるんだ??? 中国語じゃ、スポンジとネックレスは簡単に間違える可能性があるほど似通った漢字を使った言葉なのか??? しかも、個数も間違っているぞ...
その企業は苦情にも全く応答せず、返事の一つもよこさない、とんでもなく無責任な企業のようで、Tは呆れ果てていた。


30.11.17

外壁+屋根塗り替え & Advent Spiral

10年以上手入れをされていなかった家の外壁+屋根を塗り替えることにしたと、大家さんから連絡が入ったのは数ヶ月前のこと。
この数ヶ月の間に幾つかの業者が見積りを出す為にやって来たが、どうやら、納得できる金額を提示した業者がいたらしく、ようやく作業に着手する時が来たとのことで、大家さんご夫婦がやって来て、「明日の朝から業者が来るのでよろしく」と伝えてくれた日には誰も現れず... それから数日経って安全対策のフェンスを設置しに来たが、作業に取りかかったのは数日後だった。

予約した日に現れない業者...
彼らの設定する日時は単に "予定" であって、"約束" ではない。

当然の如く工事はいっこうに進まず、敷地の至る所に立つ邪魔なポールを避けながら歩かなくてはならなかった私達にとっては、至極迷惑な話だった。

クーリエ(宅配業者)に限ったことではなく、予約した日時に来ないというのは、おそらくこの国に住む人にとっては珍しいことではなく、日常のありふれた出来事でしかないのだろうが、「約束は必ず守れ」「守れないなら約束はするな」と口を酸っぱくして子供達に『責任感』というものを植え付けて来た私にはけっこうなストレスとなっている。

オークションで売れた物を発送するのに、集荷予約日に集荷に来ないことが90%以上... 予約日の翌日にやって来る業者もいれば、こちらから催促しなければ来ない業者もいるという誠にお粗末な状況なので、落札してくれた人への通知は、「ピックアップの予約は明日になっているが、クーリエの都合で翌営業日になるかも知れない」と書いて送らなくてはならなくなった。(集荷日と配達に要する日数を相手にemailで伝え、アテにならないクーリエに振り回されて、何度も自分の意に反して遅延の謝罪emailを書かなければならなかったことにウンザリした末の対策だ)

オークションの販売業者の中にはトラッキングナンバーすら送ってよこさない人もざらに居るのだが、買った荷物が何時頃届くのか、おおよその日付がわかっていれば、輸送途中で紛失した場合にも早急な対処が望めるだろうし、受取人が外出中に荷物が届けられてしまい盗難に遭うというようなことも最小限に食い止められるかも知れないと思い、私は常に配送状況と配達予定日を相手に通知することにしている。(おそらく、日本では常識だろうと思うが...)

大手企業はもちろん認識しているだろうが、取引というものは信用の上に成り立っていなくてはならないということを、しっかり認識している小規模企業が、この国にはどれほど存在しているのだろうか?


屋根のクリーニング、修理、塗装業者は、足場を建て、サージ プロテクションを施し、転落防止の柵を設置して作業にあたっていたが、大量の泥で排水パイプが詰まることを予想せず、丸一日かけて高圧洗浄し続けた結果、アトリエを水浸しにしてしまったり、塗装作業の前に、駐車場に置いてある車にシートカバーをかけた方がいいかどうか(塗装が飛び散る作業か?)と聞かれなければ、そのままスプレーしてしまうところだったし... 私はもちろん念のためにシートを被せたが、「シートを被せるのもいいかもね」くらいにしか返事をしなかった業者が帰った後で、シートの上に信じられないほど大きな雫痕が無数に付いているのを見た時には、家に居て車にシートをかけることができて本当にラッキーだったと心底思った。(車は白、屋根の塗装は黒... ダルメシアンになってしまうところだった)

しかも、塗装業者が来る日を前もって知らされていたわけではなく、電源を貸してくれと言って来た際に、「今日は何をするの?」と聞いてようやく屋根の塗装だとわかった有り様だ。
もし万が一、留守中に塗装され、車の再塗装をしなければならなくなった場合、塗装業者は責任を持って費用を負担してくれるのだろうか? 何年その商売をしているのだ? これまで苦情や損害賠償請求されたことはなかったのだろうか?
気の利かない/気の回らない業者という以前に、作業員自身が他人のことを何も考えない人であることがよ〜くわかった。また、作業マニュアルもしっかりできていない企業であることも付け加えておこう。

さて、屋根の全ての作業がようやく終わったようで、数日前足場は撤去された。
パイプ同士を繋いでいた頑丈なクランプを、屋根に昇った作業員が上からコンクリートの上に次々落として行くのを見て、「他に方法は無いのか?」と私はついつい思ってしまったが、その方法でこれまで破損物及び負傷者が出なかったとしたら、それはそれでお見事だと言えるかも知れない。

やれやれ、これで一つ片付いた...

次は外壁の塗り替えだが、はてさて、何時から始まるのだろうか? また、今付いているペイントはどのようにして落とすのだろうか?
まずは高圧洗浄機で汚れを落とすことになるのだろうが、所々ペイントが剥がれかけている部分はおそらくそれで剥がれてしまうので問題は無いだろうと思うものの、高圧洗浄でペイントが残った部分はどのようにして落とすのだろうか... スクレイパーを使って手作業なんてことはおそらくしないだろうな...

残ったペイントを削り取らないまま重ね塗りしてしまうのか、はたまた薬品を使ってペイントを落とすのか... ペイントを溶かす薬品は通常非常に強烈な臭いがする場合がほとんどなため、できればそのようなものは使って欲しくはないし、家の周りに生えている植物への影響も心配だ。

このように大掛かりな家の修復があると、気分的に落ち着かず、これまでの超平穏な日が早く戻って来ないかなと、そればかりを願ってしまう。


オークション サイトで Lucet とともに注文のあった Advent Spiral のボード作りは、苦労してパターンを作ったものの、板をカットする直前になってリクエストされた板の厚みが、予想を遥かに上回るものであったため、その厚みにした場合十分な手持ちの板が無く、また、新しく分厚い板を調達するとなるととんでもなく高額になってしまう旨を相手に伝え、私にはこの仕事は受けられないと断った。
もちろん、薄い板を何枚か貼付けて使うこともできなくはないが、出来上がりが美しくなくなってしまう以上に、費用がかかり過ぎてしまうことが充分予想できたため、その選択肢は相手に伝えるまでもなかった。

半日以上掛けたパターン作りは無給作業に終わったが、板を切り始めていなかっただけマシだったなと思った。
また、私に会ってみたいので、出来上がったら取りに来たいというリクエストにもおそらく答えなくてよくなり、それに付いては幸いだったなと安堵した。
人と会って話をすることには、私は全く興味は無い。








27.11.17

本日の気温 22℃

風もあまり無く、暑い一日になった。

鉋がけをしていると汗が噴き出す。外に出かけることが滅多に無い私にとっては殊の外良い運動になってはいるが、暑くてたまらない。

22℃で悲鳴を上げているようでは、とてもじゃないが日本の夏には帰省できないな... やはり帰るとしたら秋から春先にかけてだな... などと、次の帰省時期を考えながら作業をしていた。




裏庭のリンゴの木はまた一段と成長し、既に幾つも実を付けている。


レモネードは美味しそうな色になってきた。


例年になく沢山実を結んだサツマ(蜜柑)だが、もう病害虫にやられているような傷が付いている。
上手く、美味しく育つかな?



Hの部屋の窓辺にある植物には変わった形の蕾ができ、数日前、それがようやく開いたよとHが教えてくれた。
真っ白な花の中に更にピンクの花が咲いているような、凝った作りの :) とても綺麗な花だ。




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夕方になり、出品している Lucet に質問が来て、早急に追加の Lucet を作ることになった。
ほんの小さな物だけれども、出来上がるのを心待ちにしていてくれる人がいることを、心から嬉しく思った。



19.11.17

Oh, dear.......

昨日、家の屋根を綺麗にする人が来て、丸々一日かけて高圧洗浄して帰った。

夜になって雨が降り出し、キッチンが雨漏り... 
家族総出で急場凌ぎをしたものの、寝ている間に雨が降り続いたらダメージが広がってしまうかも知れないと昨夜は気が気ではなく、私が眠りについたのは明け方5時過ぎだった。

朝起きて、キッチンの状態が悪くなっていなかったことにホッと一安心したのもつかの間...

Oh, dear...

予想だにしていなかったアトリエのキッチンの水害。
どこから雨漏りしたのかと同居人Hと探して回ったが、カウンタートップも、壁にも雨漏りの痕は無く、隣りのトイレを見てみると床が真っ黒な泥で覆われていて唖然とした。
おそらく、トイレの便器に繋がる配管部分から泥が流れ込んでしまったのだろうと予想したが、配管がどうなっているのかなど、専門職ではないのでわからず、取りあえず大家さんに電話連絡し、現状を見てもらうことに...




Oh, dear...

大家さん夫婦も唖然とし、しばらく言葉が出なかった。
トイレの床に広がっている泥は明らかに雨樋から落ちて来たものと同じで、大家さんもやはり配管部分から侵入したに違いないと判断し、すぐに修理してもらうよう連絡するとのことで、「ひどいことになっちゃってごめんね」と言って帰った。

床はコンクリートにタイルもどきのカーペットを張ったものだったので、タイルのグルーが剥がれ、見るも無惨になっていたが、それでもカーペットの床とか、木の床でなかっただけマシだったねと、大家さんと話した。(一部カーペットの床まで浸水していたが、乾けば大丈夫なのか、それも取り替え無くてはならないのか、まだわからない)


それから間もなく、昨日屋根の洗浄にやって来た人が現れ(来る予定ではなかったが)、昨日やり残したベランダの洗浄をしに来たというので、もちろんアトリエの中の惨状を見せたところ、彼は「なんてこった!!」と、手で顔を覆った。
その人にとっても考えてもみなかった出来事であったようで、当惑し、困惑し、すぐに何とかするよと約束してはくれたが、掃除に来るとは言わなかった。

屋根の破損部分の修理とともに、アトリエの配管部分も要修理となり、修理は明日とのことだったが、しっかり明日来てくれるのだろうか...





溜まった大量の水を吸わせるよう新聞紙を敷き詰め、それを何度か取り替えたが、細かい泥をきれいに拭き取るのは手間がかかり過ぎるため、乾かしてから掃除機をかけることにした。
数センチ水に浸かったストックの無垢板は乾かせば使えるだろうが、合板はどうかわからず、MDFは水を含んだ部分はもう使い物にならない。



キッチンに備え付けのキャビネットはほとんどがMDFでできているため、もう既に膨張し、外側のコーティング部分がめくれ上がって来ていた。
新しいものに交換ということになるのだろうか... 果たして屋根のクリーニング業者に弁償してもらえるのだろうか?


私が出費しなければならないわけではないが、掃除は私の仕事か...

あぁ、難儀なことだ...



6.11.17

魂が無くなるまで...

日本では小学校しか出ていない同居人Hは、日に日に日本語を読むのが大変になってきている。

「犬も歩けば」に続く言葉は?と聞くと、
「猫も歩く」と答えたような子だ。

まぁ、諺としてではなく、単なる日本語としてとらえた場合は、何ら間違った使い方ではなく、「猫も」と同格にしたのは大正解だ。
「犬も歩けば、猫は歩く」だの、「犬も歩けば、猫が歩く」、「犬も歩けば、猫と歩く」などという、文章として成り立たない助詞をくっつけなかったのはさすがに日本人である。

そんなHが、先週末の朝食にパンケーキを食べたいと言って来た。
パンケーキのレシピを見つけたHが材料を私に読んでくれ、私は計量し、ボールにそれらを入れて行った。

H: 「粉類の中に溶かしたマーガリンとミルクを合せたものを入れて、魂(たましい)が無くなるまでかき回すんだってー」

私は笑い過ぎて動けなくなった。

私: 「それ、塊(かたまり)😂 」「魂が無くなるまでかき回してたら、焼く前に死んじゃってる」

たまらなく笑えた週末の朝であった。



5.11.17

木工、洋裁、そして邪道なマドレーヌ

先週木曜の朝、車を運転していて迷子になる夢を見た。そして、夢の最後に10年来の知り合いが出てきて、「あー、久しぶりー」と言ったところで目が覚めた。

迷子になって神経をすり減らし、グッタリ疲れた状態で目覚まし時計に起こされたため、しばらく頭がボーッとしていた。

ボーッとしたまま朝食の支度をし、同居人達を見送った後、アトリエに降りて行き、内側になる面を二度塗りしておいたレシピ ケースの組み立てをしていた時に電話が鳴った。

電話の主は、朝夢に出て来た10年来の知り合いだった。
何とも不思議な感じがした。

簡単に近況報告をし合うと、彼女は用件を話し始め、ジーンズとかスラックスを何着か買ったが、丈をつめて欲しいというので、お易い御用だと引き受けた。

彼女は翌日の午後アトリエに現れ、3本のパンツと、代金は要らないと断ったのに、律儀に$50+美味しいチョコレートを置いて帰った。

服の直し、とりわけズボンの裾上げはいい商売だ。ミシンとアイロンと糸と鋏さえあれば、ほとんどのことができる。
消耗品の糸代など微々たるもので、ほとんどが労働代金だ。『丸々儲け』と言っても差支えないほど、私には美味しい商売に思えて仕方がない。
丁寧に仕上げればもちろん時間はかかるが、私の他の仕事に比べたら遥かに楽で、尚且つ収益を見込めるかなり『割の良い』仕事である。

だが、直しの仕事は楽だが楽しくない... 全く楽しくないため、商売にする気が無い。


無給労働と言っても差支えないような、私の木工やらステンドグラスの作業は、お金にはならないが楽しいよな... と、そんなことを考えながら、底板の際をぐるりと削り取り、グルーを付け底にきっちりはめ込んだ。


外側にステインを塗り、拭き取り、乾かし...


この後、付け忘れていた強力マグネットを背面に埋め込むための穴をあけ、サンディングし、二度目のステイン塗装。

マグネットはエポキシ グルーで接着した。

キッチンで使う為、仕上げにコート剤を塗って、油汚れ対策をしておくことにした。


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昨夜遅くになって小腹が空き、マドレーヌを焼こうとキッチンに行ったのだが、仕舞い込んであるマドレーヌ型(貝型)を取り出すのが面倒で、「これでいいや...」と取り出したのは、Ginger Gem 型。


この Ginger Gem Iron は設定温度に達するのが早いオーブン トースターに入るサイズなので、すこぶる使い勝手が良い。しかも、使い終わった後洗うのも簡単だ。

どんな型で作っても、味はマドレーヌ。
マドレーヌ好きの同居人Tのみならず、辛党のHも夜中に幾つかつまんでいた。

Ginger Gem Iron は面倒臭がり屋にはもってこいの、二口サイズのケーキ型。
マフィンでも、ミニ フルーツケーキでも、なんでもこれ一つでいけそうだ。


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追記:up し忘れていた写真があった。

通常ズボンの裾上げは、片方の丈のみを測り、裾を合わせてもう片方を同じ丈(+縫い代分)に切り揃えるという方法を取るのだが、今回頼まれたジーンズの内の1本は、測る度にカットする幅が明らかに違って見えた。(私は間違いを起こさないよう、布をカットする前に数回サイズを確認する癖がついている)

このジーンズを前に、「目が悪くなったのかな?」と、しばし当惑してしまったが、それぞれ単独でピンを打ってみると、1.5cm 以上もの差があり仰天した。
通常の仕方で丈をつめてしまっていたら、どちらか片方がやけに短い(或はやけに長い)ものになってしまっていたに違いなく、私の技量を疑われかねない結果になるのは予想がつく。(長い場合は直せるが、短い場合はお手上げだ)


大量生産品は、一度に何枚もの布を重ね、機械で一気にカットし、流れ作業で縫製をするという方法を取ることがほとんどなため、元々のパターンが間違っていると、このような不良品が製造過程で誰にも気付かれること無く、大量に世に出回る結果となってしまう。
例え最終段階で誰かが気付いたとしても、そのロット全てを廃棄処分することも、やり直すこともおそらく無いだろう。

預かった他の2本のズボンに付いては、左右の丈を最初に測ったのは言うまでもない。

ズボンの丈直しの鉄則:左右の丈(股下のサイズ)が同じであるかまず最初に確認すること。

2.11.17

思い出せない

キッチンが非常に狭いため、レシピ本等を立てて置いておくスペースが無く、コピーした(或は手描きの)レシピをマグネットで冷蔵庫に貼付けて使っているのだが、幅の狭いドアには何枚も貼付けられない。また、重ねて貼付けていると、マグネットの威力が弱過ぎて、窓を開けた途端風で吹き飛んでしまうことがある。

そんなイライラを解消するため、強力マグネットで冷蔵庫に貼付けられる『薄いレシピケース』を作っているところだ。



ケース自体の重みを極力減らすべく、7mm 厚の合板(例によって端板)を使い、ダブテイル ジョイントで組み立て... ダブテイル ジョイントは薄い板を強度を保たせて組み立てる際に非常に便利で、釘などを使うこと無く頑丈に仕上げられるという利点があるものの、ジョイント部分が丸見えになるという欠点がある。まぁ、美しさなどどうでもいいレシピケースにはこれで充分だが...
(無垢でもう少し厚みのある板を使用し、高級な箱ものを作る場合は full blind dovetail joint(隠留形蟻組接ぎ)を施す方が綺麗に仕上がって良いのは言うまでもない)

作業をしている間、ずっと頭に浮かんでいたのは、中学校の技術の時間に作った状差し(レターラック)のこと。
家から鋸を持って行ったのは覚えているのだが(おそらく、学校にはクラス全員分の鋸が用意されていないため、家に鋸がある人は持って来るようにということだったのだろう)、鑿や鉋は持って行った覚えが無く、使った覚えも無い。
鋸で切っただけのものをどうやって組み立てたのかも、全く覚えていない。切り口はざらついたままだったのか???

クラス中で最も早く、綺麗にできたことを教師から簡単に褒められたことはよく覚えているが、どんなものが出来上がったのかは、おぼろげながらの記憶しか無く、家に持ち帰って父に見せた記憶も無い。
鋸は父から借りたものだったに違いないのだが...

今思うと、誰よりも早く綺麗に仕上がったのは、おそらく鋸の切れ味が格段に良かったからだろう。どう考えても、学校の備品である鋸がしっかりと手入れされていたとは到底思えないし、第一、教えていたのは "先生" であって、 "職人" ではないのだから、要目立ての鋸しかなくても無理はない。

家で鋸を使って遊んでいた記憶など無いので、もしかしたら、その授業が初めての木工だった可能性が高いが、もしその時教えてくれていたのが "職人" だったら... もしかしたら、私も雲の上のお師匠さんのように10代から木工に傾倒していたかも知れないなと、ふと思った。(その道に入っていたら、雲の上のお師匠さんとの出会いも無かっただろう)

そんなことをずっと考えながら、ハンド カット ダブテイルを日本の鋸と西洋の鑿を使って作っていた。

板を寸法通りに切り揃え、ダブテイル ジョイントが出来上がり、仮組み立てをすると、あまりに殺風景で貧弱に見えた。
余計な時間がかかるので一瞬悩んだが、接着する前にフロント パネルに透かし彫りを施すことに決めたため、今日出来上がるはずだったレシピ ケースは未だ作業中。


スクロール ソーで透かし彫りをしている時に、「切り終わった後、サンディングが面倒だな...」とどうしても考えてしまう。


見た目はもちろん良くなるが、本当にサンディングが嫌いで仕方がない。
しかも、細い刷毛でこの細かい隙間にステインで色をつけるのも時間がかかり、乾かした後にまた、飛び出した繊維でザラザラになった表面をサンディングしなければならず、その後更に重ね塗りすることを考えただけで、気が遠くなる。


最近は夕食の支度をする時間になってもまだ明るく、アトリエのドアを閉め、裏庭を華やかにしているリンゴの可憐な花をしばし眺めてから家に戻った。



31.10.17

日本とNZとの違い

一年も前の話になるが、日本に居る長男に小包を送った。最も速く、最も高い運送料を支払ったのに、NZ国内から出て日本に着くまでに何と4日もかかっていた。毎日直行便が出ているのにも関わらず、経由便で最も高い運送料を支払った荷物を送るのか?この国の郵便局は...

22日 1:57pm 荷物引受(NZ Post / Auckland)
23日 7:10am 国際交換局に到着 (NZ / Auckland)
23日 7:21am 国際交換局から発送

で、何故か、オークランドを出てから日本に着くまでに4日間を要し…

27日 0:27am 国際交換局に到着 (東京)、
同日 4:30am 通関手続中、
同日 9:41am 国際交換局から発送、
同日 1:02pm 配達局に到着、
同日 6:42pm 配達

まぁ、配達先が東京都内ということもあるだろうが、荷物が日本に到着してから税関を通過し、配達取扱い郵便局に渡され、それが仕分けされて配達されるまでに18時間15分しかかかっていないことに驚いた。荷物が日本に到着したその日に受取人に配達されているのだ。

同居人Hが日本に滞在していた時に、Amazonに注文を入れた物のほとんどは翌日きっちりと配達され、配達時間も夜8時頃までと長く、正に"勤勉な日本人"を象徴しているよなと感心したものだ。

さて、こちらの国はどうかと言うと…

この国に15年近く住んでいるが、夜間配達など聞いたことはない。
夕方5時までに届かなかったら、その日には絶対に来ないと断言できる。
国内の、しかも同じ市内であっても配達に3日以上かかる場合もザラである。

また、土曜配達指定されていない荷物も、配達人の都合だけで『土曜配達指定』というラベルを貼られて送られて来ることがままある。その週の月曜には届いていて然るべきものも、勝手に土曜配達指定になってしまっているというのは、受け取る側に取っては全くもって嬉しいことではない。

更には、家に人がいたのにも関わらず、ベルも鳴らされず、ドアも叩かれず、不在通知を置いて行かれることがあり、再配達指定できない(遠くまで受け取りに出向く選択肢しかない)のは言語道断だ。しかも、受け取りは午前中のみなどといったあり得ないほどごう慢な商売をしているのは他ならぬ NZ Post である。

最近の NZ Post の質の低下には辟易するばかりだ。


ちなみに、同居人Tの荷物は昨年クリスマス前にNZに届いていたのに、やる気があるのか?!と聞いてみたくなる運送会社TNTは、年内に配達しないどころか、年明けの6日になっても関税支払いの通知すらよこさず、トラッキング番号を追跡すると、配達予定日は昨年12月23日を皮切りに、頻繁に(=好き勝手に)変更され、表示される"配達予定日"というものが全く意味をなさないものになっていた。
一体どうなっているんだ??と業を煮やした同居人は、翌週直接営業所に出向き、その場で関税を支払い、荷物を受け取ってきた。
連絡の一つもよこさず、配達もしていないのに、運送料+手数料はしっかりと徴収するという、とんでもない企業である。
働いている人がそんなイイカゲンな仕事をしていられるというのは、ボスがだらしのない人だということに他ならない。
このような事例は例外ではないようで、その会社の評価は当然の如く低く、ネガティブなフィードバックが多く書かれていたとTは言っていた。

流通システムがしっかり構築されていないというよりも、仕事に対する姿勢が根本から違っているように思えてならないのは、私だけではないだろう。

(度々利用するオークションサイトでのクーリエ予約は、ピックアップ予約日に来たのはたった一度だけ... 翌日ピックアップに来るのか確証の無いままで放っておけない私は、毎回々「予約日の今日取りに来なかったけど、明日はちゃんと来てくれるのか?」とカスタマー サービスに email を送らなければならない。予約日翌日のピックアップが不可能ならば、翌日予約を指定できないようにしておくべきである。この場合はシステムがお粗末だと言わざるを得ない。)


こちらで大きな地震が起きた後、日本の迅速な災害復旧のことが取り上げられ、「何故日本にできて我が国にできないのだ」と、この国の政府の対処の遅さに国民から不満の声が上がっていたが、正直言って、この国では迅速な復旧工事を望むのは無理だろうと私は思う。

日本には、家庭を差し置いても会社のために働くという人がいまだに多いように思えるが、この国でそのような人に出くわすのは容易なことではないだろう。

日本では、何時でも何処でも時間厳守な割に、規定時間内しか働かないという勤め人は滅多におらず、時間外労働に制約が無いようにさえ思える。要するに、全てにおいて"時間厳守"な訳ではなく、全てが力関係の強い側に有利にできているということに他ならないということだろう。それは、責任を持って仕事をこなすという面では大きなプラスに働いているに違いないが、個人の生活はほぼ『ないがしろ』にされているわけである。

個人の生活をないがしろにして会社のために働いている人が、この国にどれくらいいるのかわからないが、個人の生活をないがしろにしないまでも、自分がきちんと仕事をしないことによって迷惑を被る人がいるということを少しは考えたらどうだと言いたくなることが多々ある。


以下は同居人の働く会社の様子…

*日本での始業時間というのは、会社で仕事を始める時間だが、ウチの会社では、会社に着いて朝食を食べ始める時間になっている。始業時間は、朝食を食べ終わり、30分以上も経ってからだ。(しかも、無料の簡単な朝食も会社が用意している)

*日本で言うランチの時間というのは、仕事を休憩している時間であって、職場を離れる時間から職場に戻る時間までのことだ。単に"ランチを食べている時間"ではない。
おまけに、ランチ時にアルコールを飲んでまた仕事に戻ることなど、日本ではあり得ないだろうが(そんなことをしたら即刻クビだろう)、ウチの会社では何の後ろめたさも無く、正々堂々と昼間からビールだのワインだのを飲み、1時間以上掛けてランチを取ってくる。また、それを咎める上司など居ない。

*金曜日の午後は週末モード全開で、ランチ時にアルコールを飲まない人の方が少ないのではないかと思えるほど。焦って仕事をしている感がまるでない人が多く、夕方4時過ぎになると会社内でビールやらワインを飲んで終業時間まで雑談している人が結構な数居る(会社内にアルコール専用冷蔵庫を備えている)というのは、別に驚くことではない。一杯やりながらデスクで仕事をしている人も居る。

*頑張れば今日できることは、頑張らずに明日やることにする人が多い。

*「今日やらなければならないことが終わってしまっていて、他にすることが無ければ家に帰っていいよ」と、所属する部署のボスが声を掛けてくれることもあり、当然『早退』扱いにもならず家に帰れることがある。

*他の部署の人が必死で仕事をしていても、自分の部署が暇だったら外で卓球をしていたりして遊んでいられる。(自分のデスクでYouTube を観ている人も多い)

*部署の『親睦会』を普通の日の昼間行い、その部署のスタッフ全員が居なくなってしまうことがある。(クライアントからの急な連絡が入ろうが一向におかまいなく、親睦会を優先することができる)

*毎日余裕を持って仕事をしている人がほとんどなのに、週末になってようやくやらなければならないプロジェクト(突然入ったものではなく、かなり前からわかっているプロジェクト)に手を付け始め、無給で人を借り出すような、全く計画性のない上層部がけっこう多い。

*多くの人の机の引き出しの中にはお菓子が入っていて、四六時中お菓子を食べながら仕事をしていてもオトガメ無し。(同居人の引き出しの中にもお菓子が入っていることが多くなり、日本のお菓子を食べていると、所属する部署のボスがやって来て、「何食べてるの?」と声を掛けつつおすそ分けを喜んで食べていくこともあるらしい)

*ラグビー ワールドカップやら、オリンピックになると、朝から会社備え付けの大きなスクリーンの前に陣取って、仕事そっちのけで応援/熱狂している人が多い。

*海外で行われる大きなラグビーやらヨットの試合は、時差の関係からNZの深夜、或は早朝に行われる場合があり、その翌日は、職場で "病欠" する人が大量発生することを誰もが知っている。(これは、この会社に限らず、国内全般で言えることのようで、新聞にもよく書かれる話題である)

これらはとある会社内の様子のほんの一部でしかないが、たったこれだけの事柄を見ただけでも、日本とNZの『仕事に対する感覚の違い』がよくわかるだろう。

生き方そのものが、根本的に違うのだと私は思う。


このNZで、日本のような迅速な復旧工事を期待できると思うか?
私も、同居人たちも、声を揃えてNOと言うのは間違いない。


14.10.17

"取りあえず作った" 物

常温保存できる野菜類+スーパーマーケットのビニール袋を収納しておくためのキャスター付きストレージ ボックスは、余っていた合板の端切れのみで作ったのだが、18mm厚の板は天板、中仕切り、底部分に使えるだけしかなく、12mm厚の板は継ぎ接ぎして何とか側面を張れるだけの量しか無かったため、7mm厚の合板をダブテイル ジョイントやらハーフ ラップ ジョイント等々を使って、強度を保たせた組み立てにし使うことにした。

全く見えない箇所にハンド カット ダブテイル ジョイントを施し、見える所はねじ釘とdowel(だぼ)で超初心者仕上げ... 誠にお粗末にしか見えない作りである。


これに最初は渋い緑色を塗ったのだが、キッチンに使われている緑と全然違い、非常に違和感があった為、dark oak のステインを上から塗ったら遥かにマシになった。


キャスターを付け、キッチンに運んでみると、艶が無さ過ぎてしっくりこない...

またアトリエに持ち帰り、セミグロス の水性ウレタン ヴァーニッシュを数回重ね塗りし、ようやく出来上がり。


万が一野菜が傷んで汁が出てしまった時のために、簡単に引き出せる汁受けトレイ(大掃除で出てきた、使われることの無かった蓋無しキャセロール)を差し込み、下には長い間にたまったスーパーマーケットのビニール袋を入れ、


そして上には取りあえず玉ねぎやらジャガイモやらを放り込んでおいた。


トレイ用の穴が空いているので、通気性に問題はないとは思うが、暑くなって来たら上の蓋を開けておけば大丈夫だろう。


蓋を閉めれば簡易テーブルにもなる。(ここにヒンジを付ける予定ではなかったのだが、余った18mm厚の板がこれしか無かったので、苦肉の策でこのようになった)


キャスターのストッパーは、ビニール袋入れの扉のストッパーにもなっていて、開き過ぎてしまうことはないが、今のところ扉はパタンと倒れてしまうこと無く、どんな角度でもしっかり止まっている。
開け閉めは非常にスムースで、きつくも緩くもない。扉がしっかり閉まっているようマグネットを付ける予定だったが、マグネットを付ける必要は無いかも知れない。(夏の乾燥した時期になってみないとわからない)


ペイントを乾かす間、垣根の剪定をし、裏庭の草取りをしていたら、夜には腕がダルくて仕方なかった。

さて、次は何を作るんだったかな...


13.10.17

Keepsake Box

部屋の片付けをしていると、細々とした『棄てられない物』が出て来る。それらには想い出と深い思い入れがあるためだ。

自分の存在を否定してしまえばそれらを大切に保管しておく必要も無くなるのだろうな...と、そんなことを考えながら、棄てられない品々をしばらく眺めていた。

収納スペースの極めて少ないこの家に、これまで幾つかの下駄箱やら棚やらキャビネットを作ってきたが、それでもまだ収納し切れておらず、掃除をしながら「ここに棚を作って、あそこには移動式のキャビネットを作って...」と、必要な物のスケッチを書き留めておく毎日だった。

借家なので、棚等を壁に打ち付けることは極力避けている。そのため、空きスペースにぴったり納まるサイズの据え置きタイプのものをデザインしなければならず、独自にデザインし、強度を考え、見た目を考えなどしていると、時間ばかりがどんどん過ぎて行ってしまって、一向にプロジェクトが進んでいないように思えて来る。
そして、焦りが出て来る。

取りあえず早急に作らなければならないものを焦って作るとどうなるか... 
使う板は合板になり、板をカットするのはcircular saw(電動丸鋸)、ジョイントは dowel (だぼ)だのねじ釘となる。
機能的には問題はないものの、『当座を凌げればいい』という程度の超簡単な作りで、"仮に" 作った感満載の仕上がりになるのだが、悲しいことにほとんどの場合それをしっかり作り直したりすること無く終わることになる。

最近作っている物のほとんどがそのような誇ることのできないシロモノで、「まぁ、借家だからな」と半ば諦めて作業をしているわけだが、この先も家を買うことがあるのだろうかと考えると、その可能性は極めて少なく思え、生涯をこの粗末な合板の家具と共に暮らすことになりそうで、ちょっと笑えるなと思った。


Keepsake Box を作ろうと買っておいた American Walnut と Oak の板がある。
American Walnut は鉋がけのし易い Hardwood で、色は sapwood(辺材/白太:樹皮に近い部分)はクリーム色、 heartwood(心材:樹木の材の中心に近い部分)は薄茶色〜濃いチョコレート色、そして濃い紫がかった茶色の細い線が通っていることもある。私の好みの木材だ。
それらを使って、"ステンドグラス従事者の(作る)" keepsake box を作るつもりなのだが、いつになったら取りかかれるのか、目処が立たないまま一月過ぎてしまった。


数年前、私の作ったイスラム模様のランプの写真を見て、雲の上のお師匠さんは "woodworker の(作る)" ランプを製作したことがあった。
彼は琥珀色でテクスチャーのある透けるガラスを使っていたが、私の使ったガラスは、琥珀色にクリームがかった茶色が混じった半透明なもので、灯りを点けると琥珀色に輝くものだった。


まだ木工を初めて日が浅かったために、スクロール ソーで切り出した模様は凝っているものの、組み立てに関しては簡単な作りで、今だったらもっとマシなものを作れるのにな... と、見る度に思ってしまうのだが、それでも一生懸命に綺麗に仕上げようと、その時点では最大限の努力をし、頑張って作っていたのだ。

私は琥珀色が一番好きだと、どこかに書いたことがある。
今でも変わっていない。



さて、どんな Keepsake Box を作ろうか...

あと少し家に必要な物を作ってから、ゆっくり考えることにしよう。


11.10.17

How To Work With Chainsaws 2



良いお父さんだ。

このビデオを観ていたら、小さい頃父親を失った子供達が心底不憫に思え、涙が溢れた。


9.10.17

私たちの新年

先週末、私たちだけの新年が明けた。

彼の人が居なくなってから19年が過ぎ、この10年で『NZでの全く変わり映えのない生活』にどっぷり浸かってしまった私たちは、特別この日に皆で食事に出掛けることもしなくなってしまった。

クリスマスは勿論のこと、元旦も祝わず、お盆も無く、誕生日もどうでもよくなっているこの家は、世間の各種催し物とも無縁で、他人から見たら、この世に居ながらこの世のものでない集団に見えるに違いない。

今朝 iCal(カレンダー)が「今日は体育の日だよ」と教えてくれた。
体育の日って、10月10日じゃなかった???
いつからアップデートされていなかったのかも定かでない私たちのおぼろげな記憶は、どんどん、どんどん時代遅れなものになって行き、日本に居る家族との『感覚的な距離』も増々広がって行くように思える。


来年の "新年" は、残された家族が無事20年過ごせたことに感謝して、とびきり美味しいものでも食べに行くとしよう。
彼の人の写真を持って...


25.9.17

手打ちうどん 第二弾

今日は、風邪で高熱を出し会社を休んでいる同居人Tのために、(フードプロセッサーを使わずに)本格手打ちうどんを作った。

中力粉は無いので、薄力粉+強力粉 を合せて 500g、食塩 20g、水 200cc強を合わせて20分ほど手で捏ね、一まとまりになったらジップロックに入れて30分ほど生地をねかせた。

その後、洗い立ての厚手の布を上下に敷き(ジップロックが破れた場合に生地が床やら足に付いて台無しになるのを防ぐため)、ジップロックに入った生地を足踏みすること約100回。
ジップロックの中でぺしゃんこになった生地を大まかに丸めて、更に100回ほど踏み、それを3回繰り返した後もう一度ボール状に丸め、2時間程度生地を休ませた。


水分が少なく、やっとまとまっているという感じの生地なため、麺棒で伸ばすのに一苦労したが、伸ばした生地を切るのは楽で、切った後、麺をバラバラにほぐすべく10本程度取ってはまな板に叩き付け、生地がまな板にくっつかないように振っておいた余分な粉(片栗粉を使用)を落としつつ更に伸ばしても、前回のようにプチプチ切れる事は無く、非常に腰の強い立派なうどんが出来上がった。


一昨日の夜からずっと食欲の無かったTは、出来立てのうどんを「美味しい」と言って汗をかきながら食べていた。

『病気の時はうどん』
我家では、病気になるとお粥ではなくうどんを食べるのが習慣になっている。


大掃除してプラントを移動したり、売らなかったステンドグラスの作品を飾ったりしつつ、家具の配置換えをする合間に、縫い物をしたり、料理をしたり...

一日があっという間に終わってしまう。



「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...