25.2.17

ステンド グラス ランプ シェード製作 その二


「超テキトウな配色だね😄」と同居人Hは笑っていたが、これでもけっこう長い時間考えたのだ。

色ガラスの配置を考えた後は、白濁ガラスの配置を考え、その後はテキトウに端切れの透明ガラスを切って埋めて行った。


淡いピンク色の透明ガラスは手元に無かったので、その部分だけは不透明ガラスになったが、まぁ全体の雰囲気を壊すことはないだろう。

ガラスを全て切り終えた後は、切り口をパターン通りにきちっと揃えるべく、グラインダーで削り取って行く。

かつて教室運営していた時に、生徒さんがグラインダーがけが上手くできないとよく嘆いていたが、↓ この網目状の下には水が張ってあり、水を適量巻き上げながらダイヤモンド ビットが回転するため、ガラスの側面を削っている内に、ガラスの上に糊で貼付けた普通紙のパターンは水を吸ってふやけ、当然糊は剥がれて、パターンがガラスの上で滑って動いてしまう。
そうならない内にパターン通りに削ってしまわないとならないのだが、ガラスカットの段階で大きく誤差が出ていると、削る部分が多い分時間が余分にかかり、思うようにグラインドできなくなるというわけだ。

でき得る限り正確にガラスカットをすることは、その後の作業を楽にする上でとても大切なことなんだと、生徒さんは身をもって理解できたようだった。



グラインダーをかけ終わり、順番通りに並べたガラスを見ていたら、私は素材は木よりもガラスの方が好きだなと思った。だが、作業自体は木工の方が遥かに楽しい。
鋸で板を切るのも、鉋で表面を削るのも、鑿でほぞ穴を掘ったりするのも、全てが楽しいのだ。

ステンドグラスの作業で楽しいのは、ガラスカットと、ハンダ付けくらいなもので、グラインダーがけと銅のホイル巻きは本当に退屈で仕方がない。



ハァ… 
まだグラインダーがけは終わっていない。

どんなに集中して削ったとしても、やはり完璧にパターン通りになるわけではなく、とりわけ今回のランプシェードのように、少しの誤差が出来上がりに大きく影響して来る場合には、全てを取りあえず削り終えた後、再度パターンに合わせて削り直す作業を免れられないのだ。


上の写真の丸印の部分のように、若干パターンから飛び出している箇所や、縦横のサイズがほんの少し大きい箇所等をマーカーで細かく印を付けて削り直していく。
一つ一つのピースを入念にチェックし、少し削っては合せ、また削っては合せと、地味な作業が一日中続いた。

そのようにして、それぞれのピースをピッタリ合わせて行く作業の面倒なこと…

途中で板に鉋がけをしたい衝動に駆られてしまったのを我慢して、それでもひたすらグラインダーがけをしていたのだが、合計108枚の、ただの四角いピースを削って行くのは本当に退屈でウンザリした。



あぁ、これが終わったら次は銅のホイル巻きか…

早く作り終えて木工の作業に戻ろう...



22.2.17

ステンド グラス ランプ シェード 製作 その一

バスケットに冷たい水やら、携帯電話やら、製図したパターンやらを入れ、アトリエに下りて行く。



ドームランプの製図は超アナログな私… 作りたい形の曲線を紙の上に描き、そこから計算してサイズを割り出し、パターンを作る。
組み立てる際にモールドを使わず、一つ一つ手で組み立てて行くので、型に制約無く作れ、またモールドを買う費用もかからず、モールドを保管する場所を確保する必要も無い。

製図の方法を教えてくれたのは、かつて短期間通ったステンドグラス教室で一緒に学んでいた美しい女性だった。
彼女はその教室に何年も在籍していたので、超初心者であった私が習わずに終わってしまった技術も既に習得しており、「この製図の仕方だけは知っておいた方がいいよ」と、親切にも教えてくれたのだが、今はおそらくコンピューターで簡単に製図できるだろうし、実際数年前に、設計/デザインの仕事をしていた同居人の友達が、簡単にパターンを作ることができるから、いつでも言ってねと言ってくれていたので、私も教わればパソコンで製図できるようになるはずなのだが、何故かいまだに手で製図をしている。

手で製図したものは明らかに完璧ではない。コンマ何ミリという数値を定規で測るのは不可能な上に、鉛筆の線の太さも加わって、微妙なズレが生じ、少しずつのズレがやがて大きな誤差となって現れることになるのだ。

とは言え、もし完璧な寸分違わないパターンを作ったとしても、そのパターンを印刷し、手でカットし、手でガラスカットをした時点でもう既に不完全な形になってしまっていて、コンマ何ミリの世界からかけ離れた世界に突入してしまっているのだから、そこまで神経質に数値にこだわる必要があるとも思えない。



父が言っていた。
定規に頼り過ぎるな。感覚を研ぎ澄ませるんだぞと。

最終的には、感覚の鋭さがものをいうのだ。

ここ数年ステンドグラスの作業をほとんどしていなかったのだが、木工を始めてから"正確さ"に対する認識が深まり、自分の感覚が以前にも増して鋭くなって来ているのを実感した。

高年齢になると感覚は鈍り、思うように身体を動かせなくなって来るはずだが、私は今のところはまだ大丈夫なようだ。



20.2.17

Dado Plane 〜 ステンド グラス ランプ シェード

午前中は Dado Plane の調整をしていた。


溝を削るための至ってシンプルなこの鉋は、以前国内のインターネット オークションで十把一絡げで購入した物だが、底を真っ平らにし、角を直角にし、ブレードを狂い無く装着したら、手直しの必要の無いほど、ほぼ正確な直角面が作れるようになった。


これくらいに削ることができると作業がより楽しくなる。

数年前まではこんな道具を使うなんてことは頭の片隅にも無かったし、この鉋がどのような目的で作られたのか、また、どのようにして使うのかも全くわからなかった私だが、少しずつ、少しずつ勉強してきた甲斐があって、道具を使い易く調整できる段階までたどり着けた。
幾つになっても、進歩が確認できるというのは嬉しいものである。


小さな切れ端を使って Dado Plane の使い勝手を確認した後は、刃物を研いだ時にできる反りを取るための、真っ平らな研ぎ台作りに取りかかった。
一般の砥石ではどうしても凹みができるのを免れることはできず、頻繁に平らに均す必要が出て来る。持っているダイヤモンド砥石もそこまで正確に真っ平らではなくなってきているので、私は平らなガラスを砥石台のような板に貼付け、その上に耐水性のサンドペーパーを貼って使うことにした。


一般の砥石と同じくらいのサイズがあれば充分なので、色分けされている端ガラスのコンテナから表面が平らな物を探し出し、取りあえず扱い易いように長方形にカットした。

本当に久しぶりにガラスカッターを使い、チーッというガラスにスコアが入る音を聞いていたら、無性にステンドグラスの作業をしたくなった。

木も好きだけれども、ガラスはもっと好きかも知れないと思った。

様々な表情のガラスを手に取り、「そうだ、同居人Hの誕生日のプレゼントは、吊り下げ式のランプシェードにしよう」と思いたち、すぐさま製図に取りかかった。

夕食時にテーブルの上に置いてあった簡単な出来上がり図を見た同居人たちは、揃って「それって grenade(手榴弾)?」と聞いてきた。

まぁ、そんなような形だなと、自分でも製図しながら思ったが、配色のイメージは金平糖… 

そう、私の頭の中にあるのは、何故か綺麗な金平糖なのだ。


実際には、ランプにはハンダの線が無数に入るので、このような綺麗な色合いには絶対にならないことはわかっているし、おそらく今イメージしているものとは全く違った物になるだろうが… 

明日からしばらくはガラスの作業。出来上がりが楽しみである。


13.2.17

Oak 鉋がけ


Henry Boker の荒削り用鉋で、反った Oak の板を大まかに平らに均す。

中央が凹んだ板を平らにするためには、板目にクロスするように鉋をかけるのだが、かなり大きく凹んでいたのが下の写真でよくわかるだろう。



凹んだ板の裏面の膨らみを削り取り、仕上げ鉋をかけられるようになったところで、喉が渇いたので一休みした。

珍しく蒸し暑い日で、この夏初めて扇風機をかけながらの作業。それでも汗だくになり、ランチの前にシャワーを浴びてしまったほどだった。




作業台の上にも下にも、鉋屑の山ができ、アトリエは Oak の香りに満たされていた。


雲の上のお師匠さんの作業台の上にはいつも金属製の鉋が何台か置かれていて、板の状態を見ながら仕様が違う鉋を使い分けているのだが、見た目が同じ形の鉋ばかり並んでいるので、多くの人は何故そんなに沢山の鉋が出ているのか理解できず、度々質問されることになる。

私の場合は…



鉋云々を聞かれる前に、国籍を聞かれそうだ。


11.2.17

Keyhole (compass?) saws


(上の写真左から)Made in Japan、USA、England(?) のKeyhole saws。

黒い柄の日本製は父の道具箱に入っていた物で、刃が非常に鋭く、他のものに比べて刃のつき方が複雑だ。






Made in USA & UKのものは、ブレードが cross cut パターンだと想像していたが、ごく普通の rip cut パターンに見える。 cross cut 仕様の方が一般的なようなので、また今度 cross cut 用にしっかり目立てをし直そう




交換式ブレードのものは Made in England だとうことだったが、インターネットで探しても同じようなものを見つけられず、本当にそうなのかいまだわからないままだ。



どれも目が粗く、歯振(あさり)が大きいため、切り口は綺麗にはならない。しかも、ブレードの幅が狭いのでコントロールするのに少々コツが要る。

それでも、これがあった方が便利な状況におかれることが "極たまに" あり、持っていないと「あれがあれば良かったなぁ…」と残念に思ってしまうことがあるのだ。

それが必要になる時というのは、板が大き過ぎてスクロールソーでカットできないとか、コーピングソーのフレームが邪魔してカットできないとかいう場合なのだが、スクロールソーやコーピングソーを使えば綺麗にカットできるのになと考えてしまうと、私はこれらの鋸の雑な切り口がどうにも納得できなくなってしまう。
一度、歯振幅を狭くしてみたらどうだろうと試してみたが、歯振幅を狭くすると、目立てをしたばかりの刃でも、全くと言っていいほどカットできなくなってしまい、功を奏さず… 

 何とかならないものか…



おそらく、電動のジグソーの方が綺麗に切れるだろう。



9.2.17

鉋刃を研ぐ 大切な補足編 6 (Kanna Project Supplement 6/8)




私もいよいよ、父から引き継いだ鉋の調整をせざるを得ない時期に来た。

このビデオ シリーズは、説明がこれ以上無いというほど的を得ていてわかり易く、口調も穏やかで、話すスピードも申し分無い、素晴らしいものになっている。
私のような、父に道具の使い方のみならず、メンテナンスの仕方を聞くこともできなかった者にとっては、このような丁寧なビデオの存在は本当に有り難く、制作者及び投稿してくれた方々に感謝してもしきれないほどだ。


今日は台直し鉋の刃を研いだ。
台直し鉋というのは、西洋でいうところのキャビネット スクレーパーのようなものだと思うが、西洋のキャビネット スクレーパーは刃を45度に研ぎ、その後刃の先端に極少量の反りを作るのに対して、日本の台直し鉋は一般の鉋よりも刃を鈍角に研ぎ(40度くらい)、普通の鉋の刃を研ぐ時と同様にシャープにし、反りを作ったりせずそのまま使うようだ。

父の台直し鉋の刃は、シャープにするのに時間がかかった。
研いでも研いでも満足のいくレベルまで達せず、「何故なんだ?」「何処が悪いの?父さん」と心の中で父に問いかけながら、指先が爪の中まで真っ黒になっても尚磨き続けていた。
最後の最後になって、ガラスの上に敷いた#2000のサンドペーパーで裏の刃先部分を念のため磨いでみたら、それまでの苦労が何だったんだろうと思えるほど、呆気無く鋭い刃先になった。(裏はダイヤモンド砥石で平らに磨いてあったのだが、ダイヤモンド砥石が平らではなかったということか…)

今後のために、真っ平らなガラスを適度な大きさに切って、鉋や鑿の裏を研ぐためのプレートを作っておくことにしよう。


父はきっと、私が手直しをしながら道具を使い続けていることを喜んでいてくれるに違いない。


7.2.17

吐くかと思った 😰

初めて Hide Glue を作ったのだが、あまりの臭さにアトリエの中で温めていられず、速攻で外に出し、屋外で温めた。

臭いとは聞いていたが、ここまでひどいとは思っていなかった。我慢できないほどたまらなく気持ちの悪い臭いだ。

防臭マスクをして、溶かした Hide Glue を接着面に塗り、乾き切る前にはみ出たグルーを取って綺麗にするのは楽だったが、あの強烈な吐き気を催す臭いのグルーを防臭マスク無しで使えるようになる日が私にも来るのだろうか… (そこまでして使う意味があるのか??)

不思議なことに、強烈な悪臭は、乾燥し固まり出すと全く臭わなくなる。(恐る恐る接着面の臭いを嗅いで確認)

私にとっては、今のところ、はみ出たグルーの始末が楽だというだけしか利点の無いように思える Hide Glue だが、いつかそれが必要になる時が来るのかも知れない。


接着した物を乾かしている間に、気を取り直して、ギフト用に幾つか小物を作った。


これは鍋に引っかけ、蓋を少し開いた状態にして蒸気を逃がし、吹きこぼれを防ぐためのものである。スクロールソー のフリー パターンを提供してくれている人のデザインで、簡単な割りに『使える』キッチン用品である。
フリーのパターンの鍋に引っ掛ける部分は、下の写真のように広く、非常に不安定だったため、私はスリットの幅を狭くして作っている。




Hide Glue の臭いを忘れるように、鶏の唐揚げの写真でも載せておこう。



2.2.17

Knife Sharpening Leather Strop

ナイフ類の切れ味が少々落ちた程度だったら、砥石でしっかり研ぎ直さなくても、革砥と呼ばれるもので軽く研ぐだけでシャープさが甦る。

革砥を作るのは簡単だ。
平らな板に革を貼付けるだけでいい。(私は持ち手を作ったが、長方形の板に貼付けただけでもいっこうに差支えない)


端切れの板の表面に鉋をかけ、"真っ平ら" になったら、そこに革を張り付ける。
革の表面にポリッシング コンパウンドを塗布し、刃の角度に添わせつつ、いつでもナイフの背の方向に向って、刃先を押し当てながらナイフを動かす。(刃先の方向に向かってナイフを動かすと、革や板に刃が食い込み、革や板が切れてしまうのみならず、刃先も傷めてしまうことになるので、研ぐ方向を間違えてはならない)また、ナイフを回転させて刃先の角度を鈍らにしてしまわないよう、気をつけることが必要だ。

上の写真では手前から向こうに向って研ぎ、その裏面を研ぐ際には、向こうから手前に向って研ぐことになる。

革砥の裏にも革を貼っておいたが、こちらにはポリッシング コンパウンドは塗布せず、仕上げに軽く磨いて、ポリッシング コンパウンドの粉などを落とせるようにしておいた。



ついでに、幅の細い板で、小さめのナイフの刃を研ぐための革砥も作っておいた。


この細い板の方には大きな節があり、鉋の刃がシャープでなかったり、深く削ったりするとひどくガサガサになってしまうため、少しずつ、少しずつ削って行ったら、面白い模様が現れた。世界にたった一つしかない木目…  まぁ皆そうなんだけど… 





大きな方にはシェラックを塗り、細い方は Tung Oil で仕上げてみた。




1.2.17

超ガッカリなナイフ

錆を落とし、ハンドルを挿げ替え(Ancient Kauriの小片使用)、刃先をシャープに研いだ IXL のナイフだが、期待したほど良いブレードではないようで、研げども、研げども満足な仕上がりにならず、研ぎに何時間も費やした挙げ句に匙を投げたくなった。
もちろん、紙はスーッと切れるのだが、板を削ってみると鈍い感じを拭えない。



少し前にオークションで落札した Robert Sorby の鑿のブレードとは雲泥の差がある。



これは Wood Turning 用のミニサイズの鑿のセットなのだが、研ぎ直し、切れ味を試すと、思わず微笑んでしまうほど素晴らしい切れ味で、この企業はいい仕事をしているなと感心してしまったものだ。
Robert Sorby の他の製品も、皆同じように高品質なものばかりなのだろうか?


ちなみに、Wood Turning Lathe はまだ手に入れていない。(アトリエが狭くて、置き場所がない)




「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...