22.2.17

ステンド グラス ランプ シェード 製作 その一

バスケットに冷たい水やら、携帯電話やら、製図したパターンやらを入れ、アトリエに下りて行く。



ドームランプの製図は超アナログな私… 作りたい形の曲線を紙の上に描き、そこから計算してサイズを割り出し、パターンを作る。
組み立てる際にモールドを使わず、一つ一つ手で組み立てて行くので、型に制約無く作れ、またモールドを買う費用もかからず、モールドを保管する場所を確保する必要も無い。

製図の方法を教えてくれたのは、かつて短期間通ったステンドグラス教室で一緒に学んでいた美しい女性だった。
彼女はその教室に何年も在籍していたので、超初心者であった私が習わずに終わってしまった技術も既に習得しており、「この製図の仕方だけは知っておいた方がいいよ」と、親切にも教えてくれたのだが、今はおそらくコンピューターで簡単に製図できるだろうし、実際数年前に、設計/デザインの仕事をしていた同居人の友達が、簡単にパターンを作ることができるから、いつでも言ってねと言ってくれていたので、私も教わればパソコンで製図できるようになるはずなのだが、何故かいまだに手で製図をしている。

手で製図したものは明らかに完璧ではない。コンマ何ミリという数値を定規で測るのは不可能な上に、鉛筆の線の太さも加わって、微妙なズレが生じ、少しずつのズレがやがて大きな誤差となって現れることになるのだ。

とは言え、もし完璧な寸分違わないパターンを作ったとしても、そのパターンを印刷し、手でカットし、手でガラスカットをした時点でもう既に不完全な形になってしまっていて、コンマ何ミリの世界からかけ離れた世界に突入してしまっているのだから、そこまで神経質に数値にこだわる必要があるとも思えない。



父が言っていた。
定規に頼り過ぎるな。感覚を研ぎ澄ませるんだぞと。

最終的には、感覚の鋭さがものをいうのだ。

ここ数年ステンドグラスの作業をほとんどしていなかったのだが、木工を始めてから"正確さ"に対する認識が深まり、自分の感覚が以前にも増して鋭くなって来ているのを実感した。

高年齢になると感覚は鈍り、思うように身体を動かせなくなって来るはずだが、私は今のところはまだ大丈夫なようだ。



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