午前中は Dado Plane の調整をしていた。
溝を削るための至ってシンプルなこの鉋は、以前国内のインターネット オークションで十把一絡げで購入した物だが、底を真っ平らにし、角を直角にし、ブレードを狂い無く装着したら、手直しの必要の無いほど、ほぼ正確な直角面が作れるようになった。
これくらいに削ることができると作業がより楽しくなる。
数年前まではこんな道具を使うなんてことは頭の片隅にも無かったし、この鉋がどのような目的で作られたのか、また、どのようにして使うのかも全くわからなかった私だが、少しずつ、少しずつ勉強してきた甲斐があって、道具を使い易く調整できる段階までたどり着けた。
幾つになっても、進歩が確認できるというのは嬉しいものである。
小さな切れ端を使って Dado Plane の使い勝手を確認した後は、刃物を研いだ時にできる反りを取るための、真っ平らな研ぎ台作りに取りかかった。
一般の砥石ではどうしても凹みができるのを免れることはできず、頻繁に平らに均す必要が出て来る。持っているダイヤモンド砥石もそこまで正確に真っ平らではなくなってきているので、私は平らなガラスを砥石台のような板に貼付け、その上に耐水性のサンドペーパーを貼って使うことにした。
一般の砥石と同じくらいのサイズがあれば充分なので、色分けされている端ガラスのコンテナから表面が平らな物を探し出し、取りあえず扱い易いように長方形にカットした。
本当に久しぶりにガラスカッターを使い、チーッというガラスにスコアが入る音を聞いていたら、無性にステンドグラスの作業をしたくなった。
木も好きだけれども、ガラスはもっと好きかも知れないと思った。
様々な表情のガラスを手に取り、「そうだ、同居人Hの誕生日のプレゼントは、吊り下げ式のランプシェードにしよう」と思いたち、すぐさま製図に取りかかった。
夕食時にテーブルの上に置いてあった簡単な出来上がり図を見た同居人たちは、揃って「それって grenade(手榴弾)?」と聞いてきた。
まぁ、そんなような形だなと、自分でも製図しながら思ったが、配色のイメージは金平糖…
そう、私の頭の中にあるのは、何故か綺麗な金平糖なのだ。
実際には、ランプにはハンダの線が無数に入るので、このような綺麗な色合いには絶対にならないことはわかっているし、おそらく今イメージしているものとは全く違った物になるだろうが…
明日からしばらくはガラスの作業。出来上がりが楽しみである。
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