29.7.17

たかがまな板、されどまな板

eBay で注文を入れたコルク一巻きは、ポルトガルから送られてくることになっている。
注文を入れた翌日には発送してくれたという連絡が来たが、eBay サイトにリンクがはられている追跡番号は何故かNZ国内に到着してからでないと確認できないようになっているため、どこまで来ているのか、はたまた既にポルトガルを出ているのかさえわからなかった。

そこで、ポルトガルの郵便局(?)のサイトを探し、これでいいのかな??と悩みながら追跡番号を入力してみると、ちゃんと発送され、輸送途中だという結果が出て来た。
Track Portugal CTT Shipments の追跡結果によれば、10日前にはポルトガルから出ているはずだが、送料無料であったので、船便か航空便かも、また、配達に要するおおよその日数も何もわからない。

出品者の評価は100% ポジティブなので、信頼の於ける業者だとは思うが… 一体いつ頃届くのだろうか…


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家で使っていたバンブーのまな板(スーパーマーケットで購入したもの)は、半年もしないうちに "Breadboard Joinery もどき"の端の板が剥がれ、ただグルーでくっ付けただけの誠にお粗末な作りが露になったことから、このテの大量生産品に手を出す気にはならなくなった。

しかし、自分で一枚板を買って作るとなると、NZではどの木がいいかもわからず… 
日本に居た時には、知り合いの大工さんが檜の分厚い大きな一枚板を格安で譲ってくれたため、長年使い続けていたが、ここには当然のことながら日本の檜(Japanese cypress)は無い。Cypress に属するものは幾つか見つけたが、果たしてそれがまな板に適しているかどうか… 
他にも日本でまな板に適しているとされる木を探してみたが、やはり全く同じものは無いため、あっさりと探すのを諦めた。

では、最低限、hardwood(広葉樹材)とsoftwood(針葉樹材) のどちらを使うべきかを調べてみると、日本の包丁には softwood を使うべきだという声の方が多かったが、最高級まな板とされるねこ柳は広葉樹(hardwood)だ。また、まな板に適していると言われている銀杏はsoftwood、ホオはhardwoodである。
要するに、板は(ハードウッド、ソフトウッドに関係無く)適度に硬く、かつ弾力性があり、包丁傷が元に戻り易いことと、水に強く、クセがないことが求められるというわけだが… NZのどの木がそれに当てはまるのだ?????

う〜ん、一つ一つの板を買って実験してみるには時間もお金もかかり過ぎるぞ…


木に関する知識がいまだにほとんど無いに等しい私は、次に、NZではどんなまな板が出回っているのだろうと調べてみた。
無垢の細長い板切れを張り合わせただけのようにしか見えないあるメーカーのまな板は、日本のようなこだわりのある板の選択とはほど遠いように思えるのに、何故そんな値段を付けられるのだ?と憤りを感じるほど高額で驚いた。その程度だったら誰にでも作れるじゃないか… と、そんなことを考えて、取りあえず、以前国内のインターネット オークションで板見本のセットを購入したことのあるトレーダーから、Vitex (Teak) 、Purpleheart などの端切れ + その他諸々の細長い端切れの板を約15kg、Buy Now $70 で購入してみた。

最近のグルーは、しっかり接着すればかなりな強度があり、滅多なことでは剥がれて来ないらしいので、アーティスティックなエンド グレイン カッティング ボードを専門に作っている人に倣って、Titebond III (食品が触れても無害とされる耐水性グルー)を使って数枚の板を張り合わせることに決めた。


15kg と書かれていたが、届いた段ボール箱はずっしりと重たく、私が持って運べるギリギリの重さだったため、実際には何キロあるのだろうと計ってみると、20kg を有に越えていた。
色々な種類の板を入れてくれてあり、これまで扱ったことの無いものがほとんどで、鉋がけが楽しいことこの上ないのだが、Vitex と Purpleheart 以外の板の名前がわからない…


昨日はグルーで接着する面全てに鉋をかけていたのだが、中には途中で板目が変化していて、急に逆目になって部分的にガサガサに削れてしまう板があり、鉋の刃を研ぎ直したり、チップ ブレーカーを刃先に極近く寄せてみたり、削る深さを極浅く設定してみたりと、色々と試してみたのだが、それでも効果がない板も幾つかあった。おそらく、そういった板はカード スクレイパーのようなもので綺麗にするしかないのだろう。

沢山の板を扱うのはいい勉強になる。


しかし、まな板一枚を作るのにどれだけ時間をかけているんだ、私…


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少し前、ボックスを作ろうと思い、削り始めたNZ Rimu の板の表面に数本亀裂が入っていたのだが、"ムンクの叫び" を連想させるかのようなこの模様を残したいので、亀裂部分でカットしたくはない。



どのように扱おうかと考えているところである。



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