20.3.17

60年以上も前に作られた鉋

国内のインターネット オークションで、非常に状態の良さそうな Woden No.W5 Jack Plane を落札した。


入札前に品質はいかがなものかと調べてみると、ボックス&ラベルから1954 ~ 1957年に作られたものであろうと判断でき、Record に経営権が移る以前のもののようでとても高品質であると書かれていた。

薄っぺらなStanley のブレードから、分厚い日本の鉋刃まで、様々なものを研ぎ、切れ味の違いを確かめて来た私は、このWoden のブレードを研いで使ってみるのが非常に楽しみで、今朝届くとすぐに箱を開け、一通り写真を撮り、数カ所点検した後ブレードを研ぎ始めた。







60年以上も前に作られたというのに、ほぼ新品同様だ。

わずかにブラウンの木屑が付着していたが、刃は先端をほんの少し研いだだけだったようで、新品のブレードに付いている機械で削った跡のような線がそのまま残っていた。





鉋の底は若干汚れてはいるものの、信じられないほど真っ平らで、ストレート定規をあてた私は、こんなにも正確な状態で出荷できる企業があったことにとても驚いてしまった。
(刃の研ぎ方もよく知らないような前の持ち主が底を平らにしたとは到底考えられない。製品がこのままの状態で販売されていたと考えるのが妥当だろう)




底を平らにする手間も省け、落とさなければならない錆も無かったので、すぐさま刃を研ぐことができたのだが、ダイヤモンド砥石で研ぐも、最初の研ぎで凹ませて研いでしまってあった部分をなかなか取り除けず…


まぁ、それでも板に当たる刃先は鋭利に研げたため、削るのに問題はないだろうと、今日のところは凹みが残ったままで良しとした。



板を削ってみると、刃の質は(もちろん合せ鋼ではないが)Stanley に比べて格段に良いように感じる。

削り上がった板は、日本の鉋で削ったものほど光沢は出ないが、充分ツルツル、スベスベである。






数年前にオークションでたったの$25で落札した比較的新しい Stanley #5 と比べると、使い心地に雲泥の差があるのは言うまでもない。(Woden W5の落札金額は$84+送料$12だったので、違いが無かったら超ガッカリだ)

Stanley #5で削ったのは、数ヶ月前に購入した NZ Native Timber のサンプル30本。



数年前まで木に全く興味が無かったので、こんなにも様々な板が取れることに正直驚いた。

色も然ることながら、持ってみると驚くほど軽い木やら、反対に重い木やらがある。
それらを削り比べてみると、削り易さも全く違い、また、削り屑の質感もまるで違うのだ。








残念なことに、ほとんどの板は高価で、これらを使って気軽に家具を作ることができない私は、いまだに松材ばかり使っているのであるが、いつの日か、きちんとした家具を、好きな木材を使って作りたいものである。



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