29.3.17

鍋敷きとは何ぞや

何かの病気だったのか、この3日間ひどい目眩のために寝たきりになっていた。
お腹の具合も悪く、やっとの思いでトイレにたどり着くと嘔吐してしまうという有り様で、食欲も全く無く、同居人が作ってくれた食事をほんの少し口にしただけで、よくもまぁこんなに寝れるものだと呆れるほど眠り続けていた。

そんな中、インターネット オークションに出品している鍋敷きに質問が来たとの通知があった。

「熱い鍋などを乗せたら、この綺麗な鍋敷きに焦げ痕ができたりしないかしら?」

私は、「他の木製の家具などと同じで、熱いものを乗せれば焦げ痕が付くのは避けられない。鍋敷き自体は焼け焦げが付くのを免れられないが、あなたの大切な家具をそのようなダメージから守ることはできる」と回答しておいた。

鍋敷きとは、本来そのような役割をするものだ。
レストランでステーキやらを注文すると、鉄製のプレートの下に木製の板が付いて出て来るが、そのような保護板の焦げ痕を気に病む人がどれほどいるだろうか?おそらく滅多には居ないだろう。

綺麗に透かし彫りを施したものであっても、用途はステーキ プレートの保護板と同じなのだ。
『熱いものを直接テーブルに置いてダメージを作ることがないようにするための物』でしかない。ただ切っただけの板の切れ端で充分役割は果たせるのだが、それではあまりに殺風景だと私は思うので、綺麗な模様の鍋敷きを作って売っているのである。

例え食事中は鍋の下に隠れはしても、お茶の時間にはポットを持ち上げれば綺麗な模様が見え、食事やお茶の時間が終わって、テーブルの周りに誰も居なくなっても、テーブルの傍を通る際にチラッと見える置いたままの鍋敷きが見苦しくない… 

要するに、目につく所に置いておいても見苦しく見えないようにと、装飾を施しているに他ならない。

ずっと以前、NZ Rimu で作った鍋敷きを知り合いにプレゼントしたのだが、彼女の友達が遊びに来る度、「素敵ね〜」と羨ましがられるのだと、彼女が嬉しそうに話すのを聞いて、私もとても嬉しく思ったことがあった。
彼女は、ティーポットが上に乗っていない時にもそれをテーブルの上に置いて、装飾の一部として楽しんでくれているようだ。


鉄製の、見た目には素敵な鍋敷きもあるが、熱いものを乗せたら鍋敷き自体が触れないほど熱々になってしまい、その鍋敷きの下に更にテーブルを保護する素材を敷いておかないとならなくなるので、私は鉄製の鍋敷きは使わない。
もちろん、木製の鍋敷きも熱くはなるが、火から下ろしてもしばらくグツグツ煮え続けているタジン鍋を乗せても、テーブルの表面にダメージを与えたことはこれまで無かった。


買ってくれる人が、鍋敷き本来の用途を充分認識してくれていることを祈るのみである。


追記:
私は火から下ろしたてのステンレス鍋をよく木製の鍋敷きに乗せるが、これまで鍋敷きに焦げ痕を作ったことはない。
カンカンに熱したcast iron skillet(鉄鍋)を乗せたらおそらく焦げ痕が付くだろうが、鍋敷きの表面はテーブルと違って広くはないので、焦げ痕がどの程度目立つのか、気になるほど目立つのかどうかわからない。

焦げ痕が付いてただみすぼらしくなるのか、はたまた木の本来の色と調和して良い味を出すようになるのか… ちょっと試してみたいと思った。



0 件のコメント:

コメントを投稿

「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...