28.4.17

木工 & 裁縫技術

久しぶりに同居人Hのラブリーな年代物の車(フォード エスコート)が動き、同居人たちが「大丈夫かな?会社までたどり着けるかな??」と心配しつつHの車に乗って出勤した一昨日、私は裁縫の頼まれものを受け取りに近くの公園まで出掛け、世間話に花を咲かせて帰って来た。

その日は快晴だったので、屋外で話をしているのは気持ちがよかったが、ベンチの無い場所で長時間立ち話をしていたので、少々腰が痛くなってしまった。

頼まれたものは、カレッジに通う男の子の制服のシャツのサイズ直しで、学校はいつから始まるのかと聞くと来週からとのこと… それでは今週金曜日までには仕上げて渡すよと約束し、昨日は朝一番でアトリエに降りて行き、観葉植物を置くプランタースタンドをペイントし、ペイントを乾かしている間に家に戻って服の直しに取りかかった。


 サイズ直しだけではなく、袖ぐりのステッチが外れていたのも目に付いたので直しておいた。


裾のスリットの裂け止めは簡単なジグザグステッチのみというのは、大量生産ではよく使われる手法だが、ジグザグステッチ部分の布を接着芯などで補強していないため、実際には裂け止めどころか、その部分の布を極度に弱らせる結果になり、縫い目が裂ける(或はほつれる)よりも先に、布自体が破れてしまうということが往往にしてあるのだ。
糸が切れてスリットが裂ける方が、布自体が破れてしまうよりもマシではないかと、そんなことを考えながら、身幅を狭くし新たに作ったスリット部分には裏から接着芯を張った当て布をし、滅多なことでは裂けないようにしておいた。




ペイントは何回かに分けて塗らなければならなかったため、ペイントが乾いた頃にアトリエに戻って別の面を塗り、そしてまた家に戻って裁縫の続き… 
制服2着の直しは糸を解かなければならない箇所が多く、予想以上に時間がかかって、結局昨夜9時過ぎになってようやく出来上がり、疲れていたために出来上がりの写真を撮るのをすっかり忘れてしまった。

今日はペイントをした全ての面をサンディングし、2度目のペイントを一部施し、ペイントを乾かしている間に直した制服を届けに行った。

制服を着てみた男の子は、満面の笑顔で喜び、ダブダブのシャツを着ていることを友達にからかわれるのが本当に嫌で嫌でたまらなかったが、これで誰にも何も言われなくなる、涙が出るほど嬉しいと、心の底から感謝してくれ、制服を着たまま脱ごうとしなかった。
彼はすこぶる素直な子なので、少しでも役に立つことができたことを、私はとても嬉しく思った。

だが、少々大きめな服を着ていたって別に誰に害を与えるわけでもないのに、それを大げさに取り上げ相手に執拗に嫌がらせをするのを生き甲斐にしているような子供の何と愚かなことか… その程度の低さには呆れるばかりだ。
この国に限ったことではなく、世界中で見られる恥ずべき行為だ。


服の直しの作業が終了し、またアトリエでペイントの続きをしている時、この家の大家さん(インド人)がやって来て、間違って隣りの大家さん宅に配達された私宛の荷物とともに、私にと小さな包みを手渡してくれた。


大家さんの家の警報機が時々けたたましく鳴ることがあり、ほとんど家に居る私は家の中とか周囲から不審人物が出て来ないかをすぐさま見回りに行くセキュリティのおばさんになっているのだが、家を留守にしている大家さんは、私が居てくれて本当に助かると、丁寧にお礼を言ってくれ、プレゼントまで用意してくれたのだ。

私たちは、大家さんがこの10年でたった一度しか家賃を値上げせず、しかも、値上がり額は極わずかだったことに感謝してもしきれないほどだと思っているので、私達にできることは何でも言ってくれていいし、また、そんな些細なことでプレゼントなど用意する必要は無いよと言い、大家さんは私達が住んでいてくれることを本当に嬉しく思っていると言ってくれて、明るい笑顔で手を振り別れた。

プレゼントは薔薇と芍薬の香りの石鹸で、部屋の中で香水のような芳香を放っている。



異国の地で、たまたま知り合った善良な人々に囲まれて、私達はとても落ち着いて生活しているよと、心の中で彼の人と父に話し掛けながら、同居人たちの帰りを待っていた。


あぁ、そういえば、トルコ人のマフムートもズボンとシャツを直して欲しいと言ってたな…





23.4.17

買い物でストレスが溜まる国

週末になってようやくSash Clamp が届いた。

まずは、グリースと機械油でギトギトだったクランプを一本々拭き取って綺麗にし、挟む板に接する面に両面テープで薄い合板のパッドを付け、締め上げた時にクランプの跡(凹み)がつかないようにしておいた。



届いたクランプは 6本で 18kgと記載されていたが、実際、1本 3kgもあるクランプは非常に重たく、クランプで留めたキャビネットを持ち上げられないのはもちろんのこと、狭いアトリエでは、クランプの長い棒が飛び出しているキャビネットを回転させるのにも一苦労したが、この長い頑丈なクランプのおかげで、ようやくバスルーム キャビネットの枠組みを組み立て終えることができた。



次は、扉と引き出しのサイズを測って取り付ける作業に移る。把手をオンラインで注文しておいたが、似合うかどうか… 

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植物好きな同居人Hは、Urban Jungle という本を購入してからというもの、家の中に観葉植物をたくさん飾るようになった。

私も幾つか観葉植物を買ったのだが、鉢の種類が少なく、なかなか良い鉢が見つからない。
鉢とお揃いの水受け皿が付いているいるものは更に品数が少ないため、仕方なく、使わなくなった皿を使っている始末だ。



また、植物は増えたものの、適切な置き場所が無いため、植物を置く台を作る必要が出てきた。台を作るのは鍋敷きを作るよりも楽しそうなので、今作っているキャビネットが出来上がったら、次は、中くらいの鉢が一つ乗るだけの簡単なスツールのような物でも作ってみようかなと思っている。



20.4.17

Precision Combination Square & Flat Bar Sash Clamps

イースターの4連休の内、半分はバスルーム キャビネット作りに費やし、あとの半分は同居人たちとプラントを買いに行ったりし、作業は一休みしていた。

作業スピードを落としていたのは、バスルーム キャビネットの組み立てに必要な 1m 越えのバー クランプが手元に無かったためということもあったのだが、インターネットでバー クランプの価格を調べるとほとんどが1本 $50.00 以上… 最低でも4本、願わくば6〜8本購入しておきたいと、時間をかけて幾つかの価格&材質を見比べた結果、ほんのわずかイースター ディスカウントのあった120cm 丈のクランプを6本注文するに至ったのだが、果たして本当に品質が良いのかどうか… 12ヶ月保障付きだが… 日本円にして2万5千円近くにもなる買い物が残念な結果にならないようにと祈るのみである。(家から車で40分足らずの場所から出荷されているのに、2日経っても届いていない…  😒)

父や祖父はその昔、西洋のクランプに取って代わる"何か"を使用していたはずだが、どのようなもので固定していたのだろうかとふと思った。丈夫な幅広の紐のような物で締め上げていたのだろうか? それとも『鎹(かすがい)』のようなコの字形の釘を使って固定していたのだろうか? 父の作った家具に鎹で固定したような痕は残っていなかった記憶があるので、そのようなものを使ったとは考え難いのだが… 日本の優れた組手/継手の技法はクランプを使用する意味を為さなくさせるということなのかと、そんなことを考えてしまった。
実際に、物が無かった時代の物作りというものはどんなだったのだろう?

それはさておき…

You Shop USA(NZ Post が運営する荷物受け取り仲介サービス)を経由して、アメリカからコンビネーション スクエアが送られて来るはずだった一昨日、email で荷物が配達済みという通知が来たのにも関わらず、荷物は届かなかった。
仕方なくカスタマー サービスに電話をかけて問い合わせをし、調査してもらうことになったのだが、最初に応対してくれた男性は、しばらくやり取りをした後に、私の名前を聞くなり、「日本人でしょ!名前でわかったよ」と、急にフレンドリーに話かけてきて笑えた。だが、その人が配達担当のドライバーにいくら電話をしても繋がらないということで、国際荷物担当の部署に電話をしてみてと、電話番号を知らされ、また電話をかけ直し…

次に国際荷物担当者に電話をすると、そこでもすぐにドライバーに電話をしてくれ、やはり繋がらないということで、正式に "調査" するということになり、電話口で調査受付番号を知らされ、翌日調査結果をまた連絡して来るとのことだったが、荷物は昨日の朝 7:10 に無事配達され、NZ Post から連絡は来なかった。
たった一人のミスのせいで、数名が本来しなくてもよい仕事をしなければならなかったわけだということを、しっかりと心に留めておいて欲しいものだと思った。


アメリカから届いた荷物は、精密に作られたコンビネーション スクエアで、一般に目にする物よりも長い60cm丈のもの。



これまで使っていた "手直しを施し使えるようにしたStanley" の黄色いコンビネーション スクエアは、ルーラーを止めるネジがきしみ、スムーズに動かないため、毎回々使う度にストレスを感じていたので、少々長めではあるが、ネジのきしみも無く、精度も申し分無いこのコンビネーション スクエアをこれからメインに使うことになるだろう。

ちなみに、隣りに写っている小さな直角定規は私が最も頻繁に使うもので、板の縁に印を付けたり、削った溝の直角を測ったりするのに最適なサイズである。


合板のバスルーム キャビネット作りは少しずつ進んでいる。



合板と言えども、昔ながらの工法で作り、技術を習得することができるので、作業自体はとても楽しいのだが、この合板はそんなに品質の良い物ではなく、合板なのに節だらけで、内側になって見えないとは言え、少々みすぼらしい感じを拭えない。

キャビネットの左側には扉を付け、右側には引き出しが3段付く。

図面通りに作っているつもりでも、まだ私は作業している段階でわずかな誤差が出てしまうのを避けられないので、棚のサイズやらバックパネルのサイズ、扉や引き出しのサイズ等々を実際に組み立ててから測って確かめ、ピッタリに合せて行かなければならない。
何度も々仮組み立て& 解体を繰り返し、全てが隙間無くピッタリと納まるように神経を集中していると、夕方にはどっと疲れが出てしまい、夕食の準備をする頃にはほとんど気力が失せている状態だ。



いつも作業を終える頃には、作業台の上は色んな道具でいっぱいになっている。



道具類を片付け、木屑を掃除し、アトリエの扉を閉める頃には、もう外気が冷たくなっている。

あぁ、冬はもう すぐそこまで来ているんだ… 



14.4.17

Feijoa の時期

(写真を撮り忘れ、ずっと以前に撮った写真を引っ張り出してきた)


イースター ホリデーに突入したNZだが、北島はサイクロン Cook に見舞われ、オークランドは直撃を免れたものの、その他の各地で大きな被害が出ているとのことで、昨日は同居人たちの会社は午後3時にはほとんどの人が仕事を終え家路を急いだとのこと。

ロング ウェークエンドに3時間早い終業が重なって、昨夜、同居人たちは夕食の後も手持ち無沙汰な様子で、「暇だよ〜〜」と、ダイニング ルームに集まって来たため、夜10時過ぎになってから、ちょこっとつまむケーキを焼き、皆でお茶を飲んだ。

同居人たちの同僚が数名、家で採れたフェイジョアを会社に持って来てお裾分けしてくれたというので、昨夜はフェイジョア入りのミニケーキを Ginger Gem 型で焼くことにした。


この Ginger Gem Iron はオーブン トースターにすっぽり入るサイズなので、庫内を温める時間が短くて済むオーブントースターを使用。量もちょこっとつまむのに最適なサイズで、非常に使い勝手が良い。(インターネット オークションで売られていた 2個セット$28.50 の中古品)

フェイジョアはキウィ フルーツのように半分に切り、スプーンですくってフードプロセッサーにかけ、そこにバター、砂糖、小麦粉、卵、ベーキング パウダー、ベーキング ソーダ、ゴールデン シロップ、牛乳を入れてガガーッと一混ぜしただけ。(材料は Ginger Gem のレシピからジンジャー パウダーとシナモン パウダーを抜き、単にフェイジョアを加えただけという超イイカゲンなもので、ベーキング ソーダを入れる意味など全くわかっていない私)

予めオーブントースターで200℃に温めておいたGinger Gem 型にバターを少量ずつ入れ、そこに混ぜた種を入れ、15分焼いて出来上がり。


2カップの粉に対してフェイジョア3個では足りないかな?と予想してはいたが、案の定フェイジョアの風味の全く無いフェイジョア ケーキになった。
だが、ほのかにフェイジョアの "ジャリジャリ感" が残っている… ジャリジャリ感のあるケーキと聞いただけでは作る気が失せそうだが、不味くはない。

昨夜はケーキの上に粉砂糖を振って食べたが、スコーンのように、温めた後バターを付けて食べても美味しそうだ。

今度は裏庭に生っているリンゴを入れて作ることにしよう。


12.4.17

無垢の板じゃないとダメなのか...

「もちろん、良い板を使えば立派なものができるだろうよ…」

合板を買って来て、製図に寸分違わぬよう、カットした板の断面に鉋をかけ、ハンド カット ダブテイル ジョイントを施し、ほぞ&ほぞ穴を丁寧に作りながら、私は心の中でつぶやいていた。私は今バスルームに置くキャビネットを作っている。

長いこと"家具職人"として生活して来た雲の上のお師匠さんには、私の姿は惨めに映るに違いない。


最終的には、材料の良し悪しが仕事の質を決めるのだということくらい、私だって知っている。だが、材料が高過ぎて、そんなものに残り少ない財産をつぎ込むのはもったいないと、木材売り場でどうしても躊躇してしまうのだ。

ステンドグラスにしてもそうだ。
長年ガラスを扱って来た私は、ガラスの質の違いがどれほど大きいかを、一般の人よりも良く知っている。
さほど技術の無い人でも、高級なガラスを使えば、それなりに立派に見えるものを作ることができる。色合いを間違えさえしなければいいだけだ。
反対に、どれほど高い技術を持っていても、使用するガラスが安っぽいと、全く見栄えのしないものになってしまう。


だが、よくよく考えてみれば、そのように高級に見えるものを持っていることに何の意味があるのだろうか。

マタイ6章 25-34 の聖句を心の中で復誦し、気持ちが落ち着いた。


世も世にあるものをも愛していてはなりません。世を愛する者がいれば、父の愛はその人のうちにありません。すべて世にあるもの − 肉の欲望と目の欲望、そして自分の資力を見せびらかすこと − は父から出るのではなく、世から出るからです。
さらに、世は過ぎ去りつつあり、その欲望も同じです。しかし、神のご意志を行う者は永久にとどまります。(ヨハネ第一 2章15-17)


9.4.17

Micro Latex Pillow 作り

今日は掃除やら枕作りで忙しく、写真を撮るのを忘れていたので、インターネット オークションに出品者が掲載している写真を使わせてもらうことにしよう。

板の端切れと一緒に送ってもらった 100% Natural Latex の off-cuts を、同居人たちと一緒にひたすらちぎっていた。


↓ こんなに小さくはしなかったが、小一時間ちぎり続け、用意した枕の内袋にちぎったものをどんどん詰めて行った。




けっこうな量が入ったので、これまで使っていた枕の倍以上の厚さになり、使ってみると、弾力があって、しかも柔らかく、一人当たり $10.00 ではとても買うことのできない上等な枕になった。

高い既製品を買わなくても、自分たちで一手間加えれば、安価で良い物が使えるようになるのだ。

これも板と同様、良い買い物だった。



7.4.17

Saligna? ピンク色の板


昨日届いた大きな どでかいボックスに入っていた板を仕分けしながら、以前購入しておいた板見本と見比べ、名前を調べた。


 汚れた外側を Henry Boker の Scrub Plane でザクザクと削って行くと、ピンクとオレンジが混ざったような色合いの綺麗な板が現れ、これは何???と、初めて見るピンク系の板に目が釘付けになった。


肌理は細かくなく、板はずっしりと重たく、鉋がけをしていると粘り気があるのを感じる。


自然光で見ると、削った鉋屑は淡いピンク色で、とても綺麗だった。

手持ちの板見本で似たような色を探し、実際に板見本も削って鉋屑の質感も比べ、香りも嗅ぎ比べ、おそらく Saligna (Red Gum) であろうという結論に至ったが、100%確かかどうかわからない。




送られて来た板は他にも色々な種類があった。


↑ これはRimuに間違いない。Rimuは肌理が細かく、黄色みがかったブラウンで、香りに特徴があるのですぐにわかる。



初めて見たこの板 ↑は、板見本のBlack Maireに、色も模様も、質感もよく似ている。とても変わった感じの、特徴のある板だ。


↑ この板は名前がわからなかったので、売ってくれた人に問い合わせているところだ。
重量がある肌理の荒いハードウッドで、色は濃く、茶色と紫が混じったような感じ。エンドグレインはほとんど紫に見える。


色がやけに薄いけれども、Kauri の質感によく似ている板も入っていた。これはソフトウッドだ。

写真を添付して問い合わせた方がわかり易いだろうと、幾つか写真を送っておいた。



その後、今度は鍋敷きにする板に鉋を掛け、鉋がけの最後に極々表面のコンマ数ミリの段差を削り取って終了。
Woden の刃はStanley に比べて切れ味が落ちるのが遅いように思う。









5.4.17

Rise & Fall

朝のうちは晴れていたが、天気予報では 11: 00 am には100%の確率で雨が降るということだったので、10時前に家を出発し、ダウンタウンまでバスで行った。

ここオークランドでは、バス料金が頻繁に値上がりしており、現金で支払うと1ステージ$3.50 もかかるようになっている。同居人にその話をすると、AT (Auckaland Transport) Hop Card を使えば $1.85で済むというので、3〜4ヶ月に1度くらいしかバスを利用しない私も、2ヶ月ほど前にそのカードを買っておいた。



このカードは言わばプリペイ方式のカードで、バス、電車、フェリーに乗る際に使用できる。カードを購入するのに$10.00かかり、最初に最低でも$5.00 トップアップしておかないとならない。
残金が少なくなればオンラインでトップアップでき便利なのだが、ウェブサイトの作りが悪く、最初にトップアップした金額は、実際にバスに乗り、カードを読み取り機でアクティベートするまで反影されず、代金だけはとっくに引き落とされているのに、ATのウェブサイトで自分のアカウント情報を確認しても、カードの残高表示は $0.00のまま。まるで詐欺にあってしまったかのように思えた。そのため、本当にトップアップできているのかどうかと心配しつつバスに乗らなければならなかったのだ。しかも、カードは使い回しのナンバーなのか、今年2月に買ったばかりの私のカードは、2016年4月に購入されたことになっている。

色々な面で、「大丈夫かな?」と心配になる運営なため、万が一に備えて、既にトップアップしてあるというのがわかる画面をスクリーンショットで撮り、それを携帯電話の写真フォルダに保存し、カードが残高不足で使えないと運転手に言われた際には、水戸黄門の印籠の如く携帯電話を掲げ、自分の正当性を主張するつもりでいたのだが、AT Hop Card を読み取り機に翳すと、呆気無く残高 $20 と出てきて、私の杞憂は呆気無く消滅した。

Link バスは固定料金なのだが、一般の路線バス(日本のように、距離によって料金が異なる方式)と同様に、バスに乗る際、及び降りる際にAT Hop Card を機械に翳さないとならないことになっている。
小銭を持ち歩かなくていいというのはアドバンテージであり、乗車料金の差もばかにならないので、オークランドに長く滞在する人で、バス、電車、またはフェリーを年に数回は利用するという人は持っていた方が良いカードであるように思うが、ATのウェブサイトはあのままではいかんだろう。


そんなこんなで、今日は小一時間ほど外出し、ダウンタウンのバス停のすぐ近くにあるポストショップに寄って、オークションで売れた荷物を出し… と思っていたら、その場所にあったポストショップは消えて無くなっていた。
キョロキョロ回りを見回すも辺りにポストショップの看板は無く、仕方なく、その場所にある銀行に入り、ポストショップの場所を聞いた。

そこから1ブロック離れた駅の所に移ったというので、駅の中に入ってみたが、見当たらず… その辺りに居た工事用のベストを着た人に場所を尋ね、駅の隣りのブロックの角に位置するデイリーの中に入っている簡易ポストショップでようやく荷物を投函することができた。

観光客が最も利用するだろうと思われる、ダウンタウンとパーネルにあった大きなポストショップが 2つとも、小さな商店の一角を借りた簡易ショップとなってしまっているというのは、ポストショップの経営が危ないということを意味しているのだろうか?と、夕食時に同居人たちと話した。

ダウンタウンでは、昨年5月末に41年間営業し続けていたという Downtown Shopping Centre が営業を終了し、その後取り壊されたビル跡はもう何ヶ月も工事が進んでいるようには見えないのだが、新しい開発計画は頓挫する危険性は無いのだろうか?
また、パーネルのど真ん中にあった有名レストラン『イグアス』は、その土地の所有者とのいざこざ(高額賃貸料の更なる値上げ)が元で、2012年4月をもって廃業してしまい、とても良い雰囲気だった建物は半分取り壊されたまま、もう何年も放置状態だ。
その土地所有者の心算はどのようなものだったのか知る由もないが、この5年間、何の利益も生んでいないように見えるその場所を通る度、金を愛する者の愚かさというものを感じずにはいられない。

街はこの10年ちょっとの間にずいぶんと変わってしまった。

私達がここに来た頃には、まだ古き良き時代の趣のある立派な建造物が多く残っており、とても良い感じだったのだが、それらのビルは取り壊され、いつの間にか、ガラス張りの、どれも同じようにしか見えない殺風景なビルばかりが立ち並ぶ街になってしまった。

お気に入りだったレストランはことごとく消えて無くなり、私達は滅多に食事に出かけることはなくなった。


全てのものには終わりがあることを、私達はある時強烈に実感することがある。

あるものの終わりは別のあるものの初まりに繋がるのだから、失くしたもののことを思い煩うなど愚かなことだと言い切る人がいた。
だが、私は、失くしたものの存在がいつしか脳裏からも消え去ってしまうのではないかと怖れ、必死で抵抗し続けている。


帰りのバスを降りた途端に雨が降り出し、家路を急いだ。
天気予報通り、11: 00am には雨が降っていた。


4.4.17

有り難い知らせと転ばぬ先の杖

昨年末、国内のインターネット オークションで、盛り沢山の板の端切れを格安で売ってくれた人がいたのだが、一昨日その人から、NZ Rimu の端切れがあるけど欲しいかというemailが届いた。

丁寧に写真も送ってくれ、「25kgまでだったら、送料は$5.70で送れるから、他に欲しい物があったら言ってね」と書き添えてくれてあったので、ナチュラル ラテックス(枕を作る予定)と、ハードウッドがもしあったら送って欲しいと頼んだ。

とても親切な彼女は、全ての板を売値の半額で送ってくれると言い、私は有り難く言われたままの金額を入金した。

彼女の職場では使い道の無い端切れ板でも、私の作業にはもってこいのサイズで、彼女のおかげで 1m 当たり何十ドルもする高級な板を買わずに済み、また、色々な種類の板が家に居ながらにして手に入るので、私にとってこれ以上嬉しいことはない。
彼女は、美しい板なので薪になってしまうのはもったいないからと出品しているのだが、本当にその通りで、何十年もかけて木を育て、切り倒し、山から運び出し、様々な人々の重労働を経て製品となった板を、まだ使い道があるのに、捨てたり、火にくべてしまうのは本当にもったいないと私も思うのだ。

しかし… 私は、木の板にしても、ガラス板にしても、はたまた布/皮革にしても、極々小さな切り屑になってしまうまで捨てないで取っておき、何かに活用するという生活を送っているため、物はどんどん増えるばかり…  おかげで自分の部屋もアトリエも狭くなる一方だ。貧乏性というのはある意味困ったものである。


さて、今日から明日にかけ、NZの北島全域に大雨雷雨警報が発令されている。
先月の悪天候で洪水、浸水の被害に遭った地域は、今回も被害が出る可能性が高く、不安な夜を迎えているに違いない。
日本のように道路に満足な排水溝が設置されていないNZでは、少し雨が続くとすぐに道路が氾濫してしまい、また、ほとんどの家には日本のような雨戸が無いため、強風で飛来した物によって窓ガラスが割れることを防ぐこともできないというのが現状だ。

かつて、『窓ガラスが割れて家の中に散乱する可能性があるので、怪我をするのを最小限に食い止めるために、カーテンを閉めておくように』という注意勧告が出た時、私は、事前に窓ガラスが割れないようにするという発想が無いのかなと不思議に思ったことがあった。

日本では住宅に雨戸を付けるのは常識だったけれど、今はどうなんだろう?

『転ばぬ先の杖』という諺があるが、万が一の事態を想定し、予め充分な準備をしておくということはとても重要なことだ。

同じ失敗を何度も繰り返すのは愚の骨頂である。


2.4.17

家の中でコオロギが… 

最近ベッドに入ると、コオロギの鳴き声がやけに近くに聞こえてくるようになった。
良い声だが、家の中ではお目にかかりたくない。まぁ、蜘蛛とか、カマキリとか、ゴキブリとか、Weta などに比べたら可愛いものだが、よくもまぁそんなに長い時間鳴き続けていられるものだと関心しながら、いつも、いつの間にか眠りに落ちてしまっている。

私は昆虫類が総じて苦手だ。昔から、カマキリを見ただけで鳥肌が立っていたが、最近では足の長いひょろひょろの蜘蛛も私には脅威となっている。

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ベランダでは、Hが伸び過ぎた鉢植えのユッカの丈をつめ、挿し木にしておいたものに葉が出てきた。ただ挿しておいただけだが、すこぶる元気に育っている。
その内に植木鉢を用意しないとならなくなるだろう。



さて、Daylight Saving (Summer Time) は今日の朝終わり、2:00 am になると同時に1:00 am に逆戻りし、日本との時差は3時間となった。(NZ時間 − 3時間 = 日本時間)

今の時代はパソコンも携帯電話も、その時間になると自動的に時間が変わるように設定できるようになっており(ロケーション設定するだけ)、あたかも時代遅れに見える壁掛け時計を見るまでは、時間の変化に気付かなかった。

ふと掛け時計を見て、「あれ?まだこんな時間?」と驚く一家… 
全員が、何だかやけに長く感じた一日だった。


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いまだ体調が戻らず、食料品の買い出しを同居人たちに頼んだところ、途中立ち寄ったDIY ショップで、Hがずっと欲しかったらしい観葉植物を見つけて買って帰って来た。

バスルームに置きたいが置き場所がないというので、体調が良くなり次第、適度に薄い収納棚を作って、その棚の上に小さな植物を幾つか飾れるようにしてあげようと、今日は寸法を測り、デザインを考えていた。

引き出し付きの棚になる予定。




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ヘビメタ サウンズ 😄😅😝 


「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...