29.4.16

最近 Lucet って流行ってるの?

TVも観ない、友達付き合いもほとんどない私は、世間の流行というものにめっぽう疎い。

最近、インターネット オークションに出品している Lucet が立て続けに売れ、購入してくれているのがある一部の地域というわけではなく、NZ国内に点々と散らばっているため、Lucet 愛好家のサークルが見つけてくれたというわけでもなさそうで、何故売れ出したのかまったくわからないでいるが、残り1つになったため、取りあえず補充にまた幾つか作った。


まずは板に鉋をかける。
この頃よく使うのは Henry Boker で、適度に深く削れるよう刃をセットした大きめの鉋(黄色っぽい色の方)で表面を均し、非常に浅く削れるようセットした小さめの鉋の方でスベスベの表面にする。


そしてスクロールソーで模様をカットして行く。


周囲の切り口を丸くし、使い易いように形を作るのは rasp(ヤスリ)と、spokeshave(上の写真の右上角に写っている工具)、それにサンドペーパーで、感覚で削って行く。

ヤスリは板目を考えて削らないと、板がボロボロになってしまうので注意しながら削る必要がある。


適当にデザインした、ハートが散らばる"ファンシー"なものは、強度がどうかなと思ったが、両側からかなりな力を加えてもびくともせず、使用するのには問題無さそうでホッとした。


滑らかな形を作り、スクロールソーの切り口のガサガサを取り除き、表面をスベスベにしたものに tung oil を塗る。小さな穴にもオイルが満遍なくコートされるよう、腰の強い筆を使って塗って行くのだが、オイル仕上げの良いところは、塗りムラができないことと、塗った後ひどく木の繊維が飛び出して来ないことだ。

水性塗料を使うと、塗った面の繊維が盛り上がり、表面がまたガサガサになってしまう。スクロールソーで透かし彫りした部分は細かいので、その部分を竹串に巻いたサンドペーパーで何度もサンディングするのは、考えただけで気が遠くなると思うようになってしまったのは、色々なペイントの方法を試してみて要領がよくなったからだろうか、それとも単に歳を取って面倒臭く感じることが多くなったせいだろうか…


オイル処理したものは、乾燥に時間がかかる。
しっかり乾燥させないとオイルが滲み出してくるので、作ってもすぐには売りに出すことはできないというのは、大きな難点だ。

NZは次第に気温が低くなって来ているので、これをオークションに出品できるようになるのはまだまだ先になるだろうが、その頃にはもう誰も Lucet に興味を持たなくなっているかも知れない。


「出来上がったばかりで、少々オイリーだから、購入後家で乾燥させてから使ってね」と但し書きをして売ったら大丈夫かな…



25.4.16

同居人H のコンクリート工作

同居人Hはコンクリートで作るポット/置物に興味を持ったようで、DIY ショップで『水を加えるだけで使える Super Easy Concrete 』を買い、また、その近くにある安物ばかり売っている店でモールドになりそうなものを幾つか買って来た。

段ボールやら厚紙で自作のモールドも幾つか作り、コンクリートに触れる面にフィルムやらテープを貼ってから、更にオイルを薄く塗り、水で適度な硬さにしたコンクリートを流し込んだら、後は乾燥させるだけ…


凹みを付けるために差し込んだ使い捨てコップ等の中には、重しのために木の切れ端を入れたり、私の工具を入れたり、はたまた全く美味しくならない庭のバレンシアオレンジを取って来て入れたりし、一番大きなプラスチックのボールで作るプランターには、ペイント缶を入れて、「上手くできるかなぁ〜?」と、少々心配しながらも、楽しそうに作業していた。



我家の住人は皆、私に似て工作が好きだ。
そして、誰かが何かを作っていると、皆興味津々で集まって来て、手伝ったり(手伝わされたり)しているので、いつの間にか色々なことができるようになっているということが多い。

初めてのコンクリート工作。
明日、モールドを外すのが楽しみだ。


22.4.16

Veritas は高いが それなりによく働くはず

NZ国内で、新品の木工関連商品を購入する時には、私はいつも CARBA-TEC のウェブサイトで検索することにしている。
同じ商品をUS やUKのAmazon或はeBay等の価格と比較し、送料を含めると、CARBA-TECで購入した方が遥かに安いということが多いためだ。
しかも、オークランド市内にあるこの店にオンラインで注文を入れると、在庫がある場合は翌朝一番に玄関に届くので、高いガソリン代を使って片道30分以上も車を走らせて店に出掛けることはほとんど無くなっている。

注文を入れると、速攻で配送状況がemailで送られて来る。在庫切れの物については、電話で入荷予定日がいつ頃になるかを伝えてくれ、注文をキャンセルするのか、入荷するまで待つのか、すぐに決定できるようにしてくれているのも有り難い。。
送料は、オンライン上で試算された金額より実際の送料の方が安かったら、安い金額でクレジットカード決済してくれてある。どこぞのインターネット オークションの出品者と大きく違い、非常に良心的だ。

さて、今回購入したのはこの3点。

Veritas 24in Steel Straight Edge

Veritas Dual Marking Gauge

Veritas Chair Doctor Glue

今更ながらのストレート エッジ…
ずっと欲しかったのだが、何処のメーカーの物も高くて手が出せず、ようやく購入したこれは、誤差 0.001"(0.0254mm)という精度で、他のメーカーと比較したら決して高過ぎる値段ではなかった。

私のアトリエにあるステンレス製の物差しが真っ直ぐではないのを知ったのは、ずっと以前、ステンドグラスの長方形のパネルを製図した時だった。
定規で正確に測ったはずなのに、サイズが微妙に合わず、角が直角にならない…  最初はステンレスの物差しが問題だなどとは思わず、自分の測り間違いだとガッカリし凹んだが、定規で引いた線の通りにガラスを切りそろえて、パターン通りに作った物をテーブルの上に置いて写真を撮ったら、底のエッジから光が漏れていて、どうにも納得ができず、その時になってようやく、パターンをおこした段階で既に直線が歪んでいたのだとわかった。
定規を信じられないと思ったのは、その時が初めてだった。

そのひどい定規を、今日届いたVeritas Straight Edge に当ててみると、インチ表示側は中央が凹んで隙間ができている。



では、反対のセンチ表示側はというと、下の写真の通りであった。



これでは正確な寸法の物など作れるわけがない。これはこちらで買った Made in China の物だ。この企業は、『計器』というものの本来の役割を理解せずに仕事をしている。

日本から持って来た物差しも調べてみたが、このコクヨの物差しはストレートだった。




ステンドグラス用に買った合成樹脂製の直角定規は、アメリカから送られて来たものだが、Made in Taiwan。
これは見かけは安っぽいが、驚くべきことに、エッジはストレートで、狂いのない直角を保ち続けているという優れものなのだ。しかも、サイズが大きいのにも関わらず、誤差がほとんど無い。



定規というのはそのように正確であって然るべきだと思うのだが、全く正確ではない定規が他にもあった。


スタンレーのコンビネーション スクエア(Made in England)。
これは直角でもなければ、45度でもないという、誠にお粗末な定規である。
Amazonのリビューに何件か同じようなことが書かれていたが、大方は満足しているようなので、全ての物が不正確なわけではないかも知れない。が、そんなにバラツキのある商品を売っていていいのか、スタンレー?!


余談だが、Made in China とMade in Taiwan は同じようなものだと思っている人が多いように思うが、私は両者の間には大きな隔たりがあるように思う。

上記の台湾製の合成樹脂製の定規はもう長い年月使っているが、歪みもせず、強度も申し分無い。

また、中国製のカッティング マットはやたらと硬くて、上に置いた紙も、ナイフのブレードも、マットの上を滑ってしまって切り辛かったという経験があるが、Made in Taiwan のカッティング マットは、非常に品質が良く、しなやか且つ強度が有り、間違ってもナイフのブレードが滑るなどということは無い。しかも、手頃な価格だ。



収益を上げるために粗末な材料を使い、商品の品質管理もせず、イイカゲンなものを世に大量に散蒔いている企業がどんどん姿を消して行ってくれることを願うばかりである。


Veritas Dual Marking Gauge と、Chair Doctor Glue については次回...

20.4.16

オークションの売れ行きで 母の日が近いことを知る

最近、オークションに出品している物がポツポツと落札されるようになってきている。
母の日が近いからだろうか…?

経済を活性化させるために誰かが仕組んだとしか思えないような、各種行事に乗っかって、多くの人は買い物をし、プレゼントを用意し…
(そして要らない物を貰った人は、オークションで売ってお金にする)

何か、そういう行事に便乗して商売をするのも気が進まないな…と思いつつも、アトリエで作業中に、ラジオから流れる『母の日』の連呼を耳にしていたら、「あっ、そうだ。前に作った物があったんだ…」と思い出した。




特別手元に残しておきたい物というわけでもないので、以前撮った写真を引っ張り出してきて、作業途中の写真と出来上がりの写真を数枚載せて、国内のインターネット オークションに出品してみた。


この小さなステンドグラスのパネルは取り外しできるようになっているので、ここに写真などを入れて、ピクチャー フレームとしても使えるよと添え書きしておいたが、そうしたら、外したステンドグラスのパネルはどうするんでしょう?捨てられてしまうのかな?

まぁいいか、たいしたものでもないし…


と、珍しくこの世の波に乗った感のある出品をした日だった。




17.4.16

鋸のハンドル


同じサイズの Tenon saw (Dovetail saw?) だが、写真上は Wtyzack sons and Turner 、下は Spear & Jackson のもの。

以前にも書いたが、写真上のハンドルはどう見てもバランスが取れていないように思えるし、分厚過ぎて重過ぎる。
この鋸を手に入れるまで、西洋の鋸は持っていなかったので、西洋のこのテの鋸のハンドルは皆こんなにどっしりとしているものなのかなと思い、二挺目を購入する気にはならなかったのだが、"超お買い得 古道具3点セット" の中にあった Spear & Jackson のハンドルは、非常に持ち易くて驚いた。


ハンドルを比べて見ると厚みが全く違う。
これだけ厚みが違うと、無論、重量も、持ち易さも違い、か弱くはないが一応一般的な女性の手のサイズだと思える私の手にもフィットしていて、このような形の西洋の鋸ハンドルの中ではダントツに使い易いように思った。

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2014年10月始め、私がこちらに来て初めて買った鋸は、輸出用に作られたと思われる日本製の鋸だった。

日本製だったら材質はお粗末ではないかも知れない… 
中古を買えばどんな鋸でも研ぎ直さなくてはならないのだから、材質の良い物だといいな… 
日本製と書かれていたが、他のアジアの国に作らせている物だったら期待はできないかも… 

などと、色々考えてはみたが、まぁ NZ$4.00 +送料だったら使えないシロモノでも諦めがつくか… と思って購入したのだが、届いた鋸は私が落札したそのものではなく、ハンドルはチンケなプラスチック製で、形も違い、錆もひどかった。



出品者に、「違う物が届いたけれども、これを送り返して交換してもらえるか」と、この写真を添付してemailで問い合わせると、間違えたことに対する丁寧な詫びと、(私が落札した物がどういうわけか手元に無かったらしく)もう少し状態の良い物を送るからという返事が来た。この間違えて送って来た鋸については、返送料の方が高いので送り返す必要は無いとのことで、私は NZ$4.00+$9.60 (日本円にして約1,000円ほど)で2挺の鋸をゲットしたことになってしまった。



全ての錆を落とし、刃の目立てをし直し、見違えるほどに綺麗になったこのKINZO印の鋸は、日本製なのに押して切るタイプの西洋式鋸だった。(私はヒビの入っていたこのハンドルを取り外し、木製のハンドルを作って付け替えた)

輸出用に作られた物というのはわかったが、果たしてこれが本当に日本国内で製造された物なのかどうなのか、私にはわからない。しかし、使い捨てのブレードを装備した日本の鋸の中にあって、"使い捨てでない"日本製の鋸の存在はそれだけで価値があるように思えた。

さて、代替として届いたもう一挺の鋸だが、これもプラスチック ハンドルでガッカリした。(このメーカーはプラスチック ハンドルの物しか作らなかったのかも知れない)
しかし、金属部分は珍しくほとんど錆がなく、切れ味はさほど悪くはなかった。
こちらは rip-cut saw ではなく、cross-cut saw で、用途も違い、刃の付け方も違っていることを、おそらく出品者は気に留めることなく送ってくれたのだろう。(下の写真上の、サイズの大きい方の鋸が、cross-cut saw)





KINZO の西洋式の鋸をインターネットで調べても多くは出て来ない。もう既に作られてはいないということなのだろうか。

便利な世の中になり、こちらに居ながらにして、KINZO というのは、兵庫県にある金蔵鋸工業株式会社のことだということがわかり、そのウェブサイトで鋸の製造工程の写真及び説明を見て、今でも日本国内で製造していることを知った。

その人たちが保ち続けている日本の物作りに対する真摯な態度を、この先もずっと失わないでいて欲しいと願うと同時に、『使い捨て大国日本』のイメージを払拭する、使い捨てでない優れた物を、もう一度世界に向けて提供して欲しいと、KINZO印の鋸を使いながら、心から願ってしまった。

そして、願わくば、ブレードの品質に見合った(ブレードの価値を下げない)、もう少しマシなハンドルを付けて欲しいと、やはり思ってしまう。
ハンドルがしっかりした木製で、それなりにデザインされたものであったなら、ブレードの価値を更に上げることになるはずなのだから。




12.4.16

Utada Hikaru - Sakura Nagashi ORIGINAL VERSION Official Music (Voice Sin...



母からメールが来た。

「こちらは桜が満開だよ。
毎年父さんを連れて見に行っていた場所に、今年は父さんの写真を持って行って、見せてあげたんだよ。」

涙が溢れて、メールの続きを読むのが大変だった。


7.4.16

父の道具、私の道具

昨年日本から持って来たツールの中には、鋸の目立てをするファイルと、Saw Set があった。

使い捨ての替刃式鋸など無かった昔は、鋸が鈍らになったら研ぎ直すのは当然のことで、研ぎ直せば何十年も使い続けられたのだ。



父の工具箱には、沢山のSaw File が一つにまとめられて入っていた。
使い込んで欠けてしまっているものから、袋に入った新品のものまで、サイズもいくつかあったが、柄は大雑把に板を切って付けただけというものがほとんどで、そんなところには力を入れない性格だったんだと、父の違った一面を見た気がした。

面白いことに、新品の袋の一面には英語で表記がされていた。
こんなに古いものであるのに(と言っても、購入した年代は定かではないが、父はもう何十年も本格的に木工をしていなかったので、少なく見積もっても30年以上前のものであることは間違いないだろう)、こんな頃から日本のこのような特殊な工具が輸出されていたのか?という疑問は然ることながら、もっと疑問に思ったのは、この『日本の鋸用』のファイルが海外で需要があったのか?ということ。

海外の鋸は刃の付け方が日本とは違うので、目立てをする時には三角形のファイルを使うのが一般的のようだ。三角形のファイルを使えば容易に削る角度を保つことができるのに、わざわざ技術を要する削り方を選ぶとは思えない。…ということは、当時、日本式の鋸がもう既に輸出されていたということなのか… それとも、他の用途で使用していたのだろうか...

Saw Set は、(父が亡くなる前の年に)私がこちらのインターネット オークションで落札したものと同じ物を父も使っていたようで、父の工具箱の中にこれを見つけた時には、「これ、私も持ってるよ」と、思わずつぶやいてしまったことを覚えている。

全く同じ物を持っているのに、鋸やら鑿やら何やらをほとんど持って来て、ソー セットだけ置いて来ても仕方がないよなと、帰りの荷物の中に入れて来た。

左の光沢が無くなっている方が父の使っていたもので、真新しく見える右のものは、型番も製造元も全く同じものだが、箱には英語の表記しか無い。おそらく日本で輸出用に作られたものなのだろう。ここNZで購入したが、紛れもない日本製だ。


日本の工具は、ハンド ツールから電動工具に至るまで、世界的に評価が高い。
しかし、中には製造を人件費の安い国に委ねている企業もあり、品質が年々落ちて行くのを免れられなくなってしまうのではないかと、私はやはり危惧してしまう。
この先も、日本は高品質なものを生産/提供する国だというプライドを持ち続けていて欲しいものだと、昔の工具類を手にして、増々強く願うようになってしまった。

日本に限らず、世界的に有名な工具メーカーが、自国で生産するのを止め海外に製造拠点を移したり、或は、海外の資本家にブランド名を譲渡したりして、品質は信じられないほどお粗末になってしまったという話をよく聞く。
ブランド名が同じだからといって、品質が同じだとは限らないというのは、正に、消費者を欺いているということに他ならない。
消費者は、しっかりと本物を見定める目を持たないと、『紛い物』と言っても差支えないほど、低品質な"ブランド物"をつかまされることになるということを、しっかりと頭に入れておくべきだろう。


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さて、修理の終わったエッグビーター(ハンド ドリル)。


同居人たちに、この新しいハンドルを製作している段階の写真を見せたところ、2つに割って取り付けるところの写真と、取り付けたばかりの色を塗っていないハンドルの写真を見て、二人ともクスッと笑った。あのまま色を塗らないでいたら、『笑える修理』として楽しめたかも知れないなと、ちょっと残念に思った。

シェラックが乾いた後、#0000 のスチールウールで磨き、ビーズワックスで仕上げると、上品な光沢の仕上がりになった。

5.4.16

手作りのハンドル

タラキヒに塗ったオイルを乾かし、表面と裏面にシェラックを塗った。
そしてシェラックを乾かしている間に、先日買った eggbeater の無くなっていたハンドルを作っていた。



まずは、要らない板の切れ端を取り付ける部分の寸法に合わせて切り、中央にドリルで穴を空けた後、鑿と小刀で形を作って行った。



そして、それを半分に割り、バーを挟み、ボンドで接着。




少々形が気に入らなかったが、まぁいいか…と妥協して、色を塗り始めた。


まず最初に Deep Oak のステインを塗り、それが乾いたら Asian Brown のステインを重ね塗り&拭き取りすること4回。
ステインがすっかり乾いたら、アンバー シェラックを2回重ね塗り。

木の材質は違うものの、パッと見はもう片方のハンドルとほぼ同じ色に見えるようになった。



一番大きなハンドルは元々赤っぽい色が付いていて、小さなハンドルと色が違うのは何故なのかわからないが、それは今回は変えずにおいた。

まだシェラックがしっかり乾いていないので、スチールウールで磨いて少し艶消しの状態にするのは明日の仕事だ。

Lathe (旋盤)の機械があればもっと完璧な形に作ることができるだろうし、その機械を使うのは楽しそうだなとも思うのだが、私のアトリエは狭過ぎて、これ以上大きな機械を据えるスペースは無い。

コツコツと手で形を切り出し、サンドペーパーで磨いて作ったこの少々不格好なハンドルを、次に交換する時には、(旋盤の機械を買っていても、いなくても)きっともう少し上手に形作れるようになっていることだろう。




4.4.16

世界にたった一つのTarakihi 、二つは作らないだろうな...


パターンを作り終えた後、少々拡大コピーし、A4サイズよりも若干長めの魚になった。


スクロールソーで切り取る部分にドリルで穴を空ける。
あまりに小さな穴が多くて、はぁ、これをこれから切って行くのかとため息が出た。
上の写真中央の胸びれ… スクロールソーで切り取るのは不可能だとようやく気付いたのは、胸びれを途中まで切ってしまった時だったため、苦肉の策で、胸びれの一部を切り落とさずに残し、何とかデザインに添った形を残すことができ、ホッとした。(マヌケな私…)


小さな穴を切ってはブレードを外し、次の穴にブレードをさし、切っては外しを何度繰り返したことだろう… ここまで切るのに 6 時間以上かかっている。


その後も切り続けること数時間… ようやく尾びれの部分に入った時には、「あともう少しだ、頑張れ!」と、自分に言い聞かせ、先が見えて来るというのは何と嬉しいことかと、毎度のことながらやり遂げられる喜びに浸った。



周囲を切り終え、ホッと一息ついた後、表に貼ったパターンを剥がし、裏面のガサガサを竹串に巻いたサンドペーパーで取る作業に入った。



全てのガサガサを取り除くのに1時間以上かかり、げんなりした。


そのようにして出来上がったタラキヒ。
せっかく板の色目を考えて配置したので、濃い色に塗ってしまうのはもったいない。
やはり、仕上げにはオイルとシェラックがいいかなと考えている。


「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...