これは新しく手に入れた Henry Boker の鉋の刃。
研いでみると、ラミネートされたものであるのがはっきりとわかる。
時間をかけて丁寧に刃を研ぎ直し、鉋の底には鉋をかけて(日本の鉋使用)、板に接する面が真っ平らになるように調整をし、ビーズワックスを塗って仕上げた。
刃をセットして使ってみると、切れ味が良いのは当然だが、他の2挺の Henry Boker よりも使い易いように思えた。
最初に購入した Henry Boker (下の写真の左)は、大きくて角張り過ぎており、私の手にはフィットしない。
次に購入したもの(下の写真右)は、私には最も扱い易いサイズではあるが、刃の幅が狭過ぎるように思える。(やはり、荒削り用として使った方がいいかも知れない)
比べて見ると、今回購入したものが最も万能な鉋のサイズ、スタンレーで言うならば、No.4 Bench Plane という感じがする。
先頃、あるYouTube ビデオを観ていたら、ウッドワーカー向けの講演の中で、鑿や鉋の刃を『恐ろしいほど(危ないほど)』シャープに研ぐ人がいることに触れ、「そのように研いだことがある人?」と問いかけている場面があった。
会場に居た人の数人が挙手をしたようだったが、大方は恐ろしいほどまでにシャープには研いだことがないらしい。
刃の質にこだわる日本のウッドワーカーがそのビデオを観たら、きっと仰天することだろう。
刃は恐ろしいほどシャープに研がなければ、それを使って良い仕事はできないと、私は確信を持って言えるようになった。実際、若干切れ味の落ちた刃で広い板を平らに均そうとしても、綺麗にできないのだ。
そして、恐ろしいほどシャープにできる刃は、ラミネートされた刃しかないと、やはり思ってしまうのは、その鋭利さを見てしまったからだろう。
日本の刃物とドイツの刃物…
その双方を使ってみることができた私は幸せだね、父さん…
そう、心の中で父に話し掛けながら、ドイツの鉋の手入れをしていた。
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