同じサイズの Tenon saw (Dovetail saw?) だが、写真上は Wtyzack sons and Turner 、下は Spear & Jackson のもの。
以前にも書いたが、写真上のハンドルはどう見てもバランスが取れていないように思えるし、分厚過ぎて重過ぎる。
この鋸を手に入れるまで、西洋の鋸は持っていなかったので、西洋のこのテの鋸のハンドルは皆こんなにどっしりとしているものなのかなと思い、二挺目を購入する気にはならなかったのだが、"超お買い得 古道具3点セット" の中にあった Spear & Jackson のハンドルは、非常に持ち易くて驚いた。
ハンドルを比べて見ると厚みが全く違う。
これだけ厚みが違うと、無論、重量も、持ち易さも違い、か弱くはないが一応一般的な女性の手のサイズだと思える私の手にもフィットしていて、このような形の西洋の鋸ハンドルの中ではダントツに使い易いように思った。
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2014年10月始め、私がこちらに来て初めて買った鋸は、輸出用に作られたと思われる日本製の鋸だった。
日本製だったら材質はお粗末ではないかも知れない…
中古を買えばどんな鋸でも研ぎ直さなくてはならないのだから、材質の良い物だといいな…
日本製と書かれていたが、他のアジアの国に作らせている物だったら期待はできないかも…
などと、色々考えてはみたが、まぁ NZ$4.00 +送料だったら使えないシロモノでも諦めがつくか… と思って購入したのだが、届いた鋸は私が落札したそのものではなく、ハンドルはチンケなプラスチック製で、形も違い、錆もひどかった。
出品者に、「違う物が届いたけれども、これを送り返して交換してもらえるか」と、この写真を添付してemailで問い合わせると、間違えたことに対する丁寧な詫びと、(私が落札した物がどういうわけか手元に無かったらしく)もう少し状態の良い物を送るからという返事が来た。この間違えて送って来た鋸については、返送料の方が高いので送り返す必要は無いとのことで、私は NZ$4.00+$9.60 (日本円にして約1,000円ほど)で2挺の鋸をゲットしたことになってしまった。
全ての錆を落とし、刃の目立てをし直し、見違えるほどに綺麗になったこのKINZO印の鋸は、日本製なのに押して切るタイプの西洋式鋸だった。(私はヒビの入っていたこのハンドルを取り外し、木製のハンドルを作って付け替えた)
輸出用に作られた物というのはわかったが、果たしてこれが本当に日本国内で製造された物なのかどうなのか、私にはわからない。しかし、使い捨てのブレードを装備した日本の鋸の中にあって、"使い捨てでない"日本製の鋸の存在はそれだけで価値があるように思えた。
さて、代替として届いたもう一挺の鋸だが、これもプラスチック ハンドルでガッカリした。(このメーカーはプラスチック ハンドルの物しか作らなかったのかも知れない)
しかし、金属部分は珍しくほとんど錆がなく、切れ味はさほど悪くはなかった。
こちらは rip-cut saw ではなく、cross-cut saw で、用途も違い、刃の付け方も違っていることを、おそらく出品者は気に留めることなく送ってくれたのだろう。(下の写真上の、サイズの大きい方の鋸が、cross-cut saw)
KINZO の西洋式の鋸をインターネットで調べても多くは出て来ない。もう既に作られてはいないということなのだろうか。
便利な世の中になり、こちらに居ながらにして、KINZO というのは、兵庫県にある金蔵鋸工業株式会社のことだということがわかり、そのウェブサイトで鋸の製造工程の写真及び説明を見て、今でも日本国内で製造していることを知った。
その人たちが保ち続けている日本の物作りに対する真摯な態度を、この先もずっと失わないでいて欲しいと願うと同時に、『使い捨て大国日本』のイメージを払拭する、使い捨てでない優れた物を、もう一度世界に向けて提供して欲しいと、KINZO印の鋸を使いながら、心から願ってしまった。
そして、願わくば、ブレードの品質に見合った(ブレードの価値を下げない)、もう少しマシなハンドルを付けて欲しいと、やはり思ってしまう。
ハンドルがしっかりした木製で、それなりにデザインされたものであったなら、ブレードの価値を更に上げることになるはずなのだから。
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