30.8.16

雨垂れ石をも穿つ

今月始め、大枚はたいて買った日本の豆鉋3挺の内の1挺の刃が、出過ぎたままスタックしていて、どう足掻いても外せないと書いたことがある。



天候が良くなってきたので、今日、再度この刃を外そうと試みた。

台を叩くこと10分…
お〜、引っ込んできている!!

やった〜!! 外れた〜!!!
と、明るい日差しの中で、非常に清々しい達成感に包まれた。
精密な調整を要するものであるが故に、ごくわずかな木の伸縮がとても大きな差となって現れたように思った。



刃を取り外し、研ぐ。


以前作った、このような細いブレードを固定して研ぐための治具と木の丸棒、そして目の細かいサンドペーパーを使って丁寧に研いだ後は、皮革にポリッシング コンパウンドを塗り、それを木の丸棒に巻いたもので磨いた。

刃をセットする部分は、長いこと刃が深く差し込まれたままだったので、ちょうど良い深さで止まらず、言わばスカスカの状態だったため、父に倣って薄い紙(オーブン ペーパーを使用)をその大きさに合わせて切り、刃と一緒に差し込んでみると、最適な締まり具合になった。

これらの豆鉋は日本で購入しても高いものだと1挺1万円以上するようで、こちらで大枚はたいたと言っても、3挺で日本円にして ¥9,000 ほどで落札できたのは、もしかしたらラッキーだったのかも知れない。

諦めずに叩き続けてよかった…



29.8.16

焼きおにぎりとHummus

約2週間に1度の食料品の買い出し…

買い出しに行く直前には冷蔵庫の中がガランとした状態になり、食卓に上るものは非常に質素なものになって行く。

同居人たちの好物『焼きおにぎり』が、最近週末の朝ご飯としてよく登場するようになった。


薄くごま油を塗ったフライパンで時間をかけて焼き目をつけ(と書けば聞こえが良いが、我家はガスコンロではなく、電熱器が備え付けられているため、料理をするのにやたらと時間がかかってしまうというのが正解)、表面全体に薄く焦げ目が付いたら、醤油と少々のみりんを混ぜたものを刷毛で塗って行く。
醤油液を塗った面は焦げ易いので、手早く塗り、ひっくり返して他の面に塗り… と慌ただしく手を動かし、香ばしい香りとともに焼き上がったばかりのおにぎりをテーブルに運ぶ。
美味しい、美味しいと言いながらほおばる同居人たち… こんなものでも喜んでもらえるのは何よりだ。

土曜の朝は焼きおにぎり、昨日は Za'atar Bread(フラット ブレッド)を焼いた私…
我家の食卓に上るものは種々雑多。日本食、中華、イタリアン、メキシカンと並んで、よく中東及び北アフリカの料理が登場する。

中東の料理など日本に居た頃は作ったことも無かったが、フラット ブレッドを焼くようになったのも、ひよこ豆を茹で、家で Hummus を作るようになったのも、知人のイスラエリの影響が大だ。


家で簡単にできる Hummus をわざわざスーパーマーケットで買ったりはしない。
塩加減も、レモン汁の量も、好みの味つけにでき、しかも、作ったばかりの Hummus は買って来た物と比較にならないほど美味しいのだ。

… と、食べ物の写真を載せたりすると、さも料理好きのように見えるかも知れないが、料理は取り立てて好きではなく、必要に迫られて作っているだけである。
更に付け加えて言うなら、"着飾った" テーブルセッティングなどには全く興味が無く、気取ったレストランで食事をする気も更々無い。


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昨日ポカポカ陽気の中、同居人と一緒に裏庭に下り、みずみずしい葉が生い茂る寒梅の木を見上げると、もう既に沢山実を付けているのを発見した。


昨年作った梅ジュースはまだ残っている。
「今年は何にする?」と、私に難題を振ってきた同居人Hと一緒に苦笑いするしかなかった私…
「う、梅酒…?」


同居人が窓辺で育てているサボテンに花が咲いたと喜んで見せに来た。
地味で、控え目でかわいい。

人にしても、こういう地味で控え目な人の方が好きだな… 




28.8.16

お土産を考える日々

最近日が長くなって来たNZ。
朝食を食べ始める7時半頃にはもう電気をつけなくても充分明るく、夕食の支度を始める夕方5時頃に電気をつけることも無くなっている。


ここ数日はヒーターを使わなくてもいいほど暖かかったが、風が強く、荒れ模様の天候になることがしばしばあり、裏庭のリンゴの木には一カ所のみ残った葉が付いていた。


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周囲の面取りをしてオイルを塗り終わった鍋敷きは、色が濃くなりいい感じになった。
細かな透かし彫り部分に溜まった余分なオイルは、今回はエアー ブロー ガンで吹き飛ばしながら拭き取ったので、透かし彫り部分を拭く手間が省けて楽ができた。
エアー ブロー ガンがあれば、このような細かい透かし彫りの一つ一つの穴に細い筆でオイルを塗って行く必要は無くなり、作品をオイルの海にどっぷり浸けてしまうことができ、後処理も簡単なので、かなりの時間の節約になる。
また、オイル仕上げやらペイント仕上げの前に、細い透き間に付着している埃を吹き飛ばして掃除することももちろん出来るわけで、エアー ブロー ガンはこと透かし彫りをしている人には非常に便利な道具であるように思った。



この写真を撮ったのは数日前になるが、同居人たちにこの写真を見せ、どちらが好きかと聞いたら、2人とも写真右側の外枠の細い方を選んだので、装飾品となり得る右側のものは日本に居る長男へのプレゼントとし(鍋敷きとして使うかどうか定かでないため)、より実用的な感じのする左のものは実家へのプレゼントとすることに決まった。

日本に居る家族へのプレゼントは、定番のプロポリス入り歯磨き粉と、今回は父の作った家具を保護するためのビーズワックス、それに特に、靴やらバッグやらを沢山持っている姉のために、皮革保護用ビーズワックスも買っておいた。


私はこのメーカーのビーズワックスをもう何年も使い続けているが、品質も良く香りも良いので、他のメーカーの物を試そうと思ったことはない。
古くて乾燥し切ったような、表面がカサカサに見える家具も、一塗りで見違えるほど綺麗になるのだ。しかも、人体に無害という優れもの。きっと、父の作った家具類も生き返ったようになることだろう。

あとは、お土産に何をもたせようか…


24.8.16

お土産作りの一日

私が以前買ったドリル ビットは品質がよろしくないためか、ドリル プレスで穴を空ける際にささくれが生じてしまい、せっかくの作品が台無しになってしまうことが度々ある。マツ材(パイン)はまだマシなのだが、今回使ったKwila のように肌理の荒いものだと悲惨な状態になってしまうのだ。




それを防ぐために、今日はまず真新しいドリル ビットの先端をダイヤモンド シャープナーで研ぎ、板の下には両面テープで当て木を接着し、出来得る限りの対処をして望んだのだが…
結果は上の写真の通りだった。

周囲から穴を空け始め、最初の内はささくれも無く比較的綺麗な穴を空けられたのだが、中央に行くに従って穴の周囲が裂けてきているのがよくわかる。(だが、ドリル ビットを研いだおかげでこの程度で済んでいる)

穴を空けた裏面はこのようにボコボコになっているので、スクロールソーでカットする前にサンドペーパーでこの突起を削り取っておかなければならない。削り取らないと、スクロールソーのブレードがガサガサに飛び出た繊維を引っ掛けてしまったり、突起のせいで若干浮き気味になった板の底に当たる部分が綺麗に仕上がらなくなってしまうからだ。


↑ このように小さな穴の周囲を平らにした後、スクロールソーで透かし彫りをする。


表面はほとんどの場合綺麗にカット出来る。

さて、裏はどうだろうかとチェックすると…


😱...

悲しいことに数カ所繊維が剥がれてしまっていた。
仕方がないので、この面は電動サンダーを使ってこの欠損部分が見えなくなるまで削り、その後、いつものように竹串に巻いたサンドペーパーで透かし彫り部分の角を丸くして行った。

同じ模様だが、昨日作った物よりも周囲の枠の幅を大きく取っただけで感じが違って見える。



周囲はこれに使えそうなモールディング 用の鉋を持っていないので、電動ルーターで仕上げることになるだろう。

道具も足りなければ、技術も足りない私の手作り品だが、これらを受け取ることになる家族は、きっと喜んでくれるに違いない。




23.8.16

デザインと製図

玄関のスペースに合わせて、下駄箱兼ベンチの高さ、幅、奥行きを測り、デザインを考える…

厚みの違う板を何種類か使うため、それらのバランスを考慮に入れてデザインしなければならず、何度も何度もデザイン画を描き直し、頭が痛くなって来るとしばし違うことをして気を紛らわし、一息ついてまた考え始めるという作業をして日が暮れる。

私の父は方眼紙に縮小図を正確に描いていたような記憶があるが、私は至って大雑把な絵を描き、その周りにサイズを細かく記入して行き、出来上がるとそのスケッチはゴミとなることがほとんどだ。

用意する板のサイズと枚数は、もちろん間違えないようしっかりと書き留めておくが、几帳面な雲の上のお師匠さんがしているように、整然と表にしたりはしない。

考えてみると、私はけっこうイイカゲンな性格だったんだと思う。
そのイイカゲンさに、加齢のせいで明らかに面倒臭くなる速度が増し、年を経る毎に『この程度でいいか… 』という気持ちが大きくなってきたのを実感するようになった。

そんな私だが、こと継手仕口に関しては、少しでもギャップがあると気になって仕方がなく、平らな面が平でないと気がおさまらず… 超神経質な面が出てしまうのだ。
そのため、完璧に近いと自分で思えるまで作業をするとなると、えらく時間がかかってしまうことになる。

ある一人の指物師が、それはそれは見事な仕事をしつつも、仕上げたものに100%満足するということはないと言っていたのをよく覚えている。

私も、木工を始めてから、『人間の限界』というものを改めて思い知った。
神経を尖らせて、正確に、正確に作っているつもりでも、いつの間にかほんのわずかな狂いができてしまっている。ほんのわずかな狂いは幾つか寄せ集まると、目に見えるほどの狂いになってしまう。

私は自分の手仕事にガッカリする事が多くなった。

しかも、そのような不完全さに加え、木材自体の変化(気候の変化に絡む膨張、収縮)による変形、割れ、歪み等々が、完璧な木工品を作るのを阻んでいるかのようにさえ思え、知識も経験もない私は、どのようにしたら満足のいくものを作れるのだろうかと、灯りの見えない暗闇を、手探りで恐る恐る、前進しているのかも後退しているのかもわからずに彷徨っているような感覚に陥ってしまうのだ。

下駄箱にするための板は揃えたものの、今ひとつ集中できず、今日は、あと1ヶ月半ほどで日本に行く同居人Hに持たせるための『お土産』作りをしていた。

お土産は鍋敷き。お荷物にならず、しかも毎日使えるもの。


まだ切り出したばかりで、周囲の面取りもしていない状態だ。

明日もう一つ切り出した後で、周囲の面取りをする予定でいる。


19.8.16

iPhone 復活!

予定通り、iPhoneのバッテリーはオーバーナイトで届き、アマゾンUKのカスタマーサービスからは、代替品を送るというのはキャンセルし、私の既に支払ってある代金を全額返金するということで解決した旨が伝えられ(事後承諾)、誠に不本意ながら、面倒だからそれでいいやとOKした。

企業に取っては代替品20本を無料で送るより、2本の損失の方がそりゃいいに決まっている。その企業(Amazon UK 上の出品者 Bahco = Cut360)には誠実さだの、良心だの、責任感などというものはなく、ただひとえにその"狡猾さ"をもって商売をしているのだと解釈するのが正解だろうと思えた。

手元に届いたsaw file 2本については送り返す必要は無いとのことで、思慮深くない人が聞いたら儲けたねと思うかも知れないが、私はそれとほぼ同額の送料を、(UKからNZに送ってもらわなければならないため)荷物受け渡し代行業者に支払っているわけで、それは当然のことながら返金されるはずもなく、結果としてさして得をしているわけでもなく、嫌な思いをし、カスタマーサービスとのやり取りに時間を取られ、更に近い将来再度同じようなものを探さなくてはならないという、何とも難儀なことこの上ない取引に、心底ウンザリしてしまった次第である。

まぁ、トラブルが一件落着したことだけは有り難いが…


eBay で購入した 100mm  (4") double machinist square は、予想よりも遥かに早く届いた。

これは非常に正確な定規であるのだが、製造過程で表面に極わずかに傷が付いたりしたものを、廃棄処分にするのはもったいないということで、本来の価格よりも遥かに安く売っている業者から買ったもので、測ってみると本当に正確な、質の良い定規であった。
この手のひらサイズの小さな定規は、細かな仕事をする際にすこぶる役に立つ。

そして、このキャビネットメーキングの本は、私のような木工初心者にうってつけの、とてもわかり易い図解が本の大部分を占める、買って損はない一冊で、様々な家具を作る上で、押さえておかなければならないポイントがしっかりと把握できるよう書かれている、とても良質な本のように思えた。



さて、また下駄箱作りに戻らなくては… 


18.8.16

iPhone バッテリー 死亡 & False (deceptive) Advertisements

数年前にお古でもらったiPhoneのバッテリーが逝ってしまったようで、チャージしなくなった。

『お古でもらった』というところからして、既にこういった機器に疎いというのがバレバレだと思うが、パソコンだの、スマートフォンだの、iPad などを持ってはいても、知らないことだらけで、普通に動いてくれなくなるとお手上げ状態になる私…

早速に、自分の血を受け継いでいるとは思えないほどその方面に精通している子供達に、「オイラのi Phone 死んだっぽい」とemailを送った。

すぐに返事をくれた次男は、バッテリーが本当に逝ったのかどうかを確かめる方法を教えてくれ、完全に機能していないとわかると、新しいバッテリーを探すよう言って来た。国内のインターネット オークションで売っているというので早々見てみると、沢山あり過ぎて一つ一つ一々見て回るのが超面倒で、途中でウンザリした。

もう何でもいいやと、オーバーナイトで届けてくれるはずである所のものをBuyNowで落札し、クレジットカードで即決済したものの、本当に明日届くのだろうかと、少々不安である。

ちなみに、持っているパソコンも、iPadも、iPhone も全て長男からのプレゼントで、私が買ったものは一つもない。

そんなこんなでアタフタしている時、アマゾンUKに注文したsaw files と本が届いた。

空けてビックリ!!



それぞれに「… files, 10-Pack 」と書いてあったのにも関わらず、1本ずつしか入っていなかった。

10-Pack って、一体何を意味していたんだ???と疑問に思った私は、早々にアマゾンUKの同じ商品のページに公開質問をしておいた。
そして夜、アマゾンUKのカスタマーサービスにemailを書いて送ったところ、3時間以内に丁寧な返事が送られて来た。

それによると、パッケージングをする時点での単純な人的ミスであろうとのことで、早々に代替品を注文し、同じ送付先に送るよう手配したとのこと。
ということは、誰が見ても疑いようも無く『10 本』入っていて然るべきだったわけで、私の勘違いなどではなかったのだ。

そのメッセージに返事を書いている最中に、公開質問に回答があったという通知が来たため、見てみると、「商品のタイトルに書かれている"10-Pack"って何を意味しているんだ?」という質問に、何故だか、5月に注文したのに8月になっても注文品を一つも送って来なかったマーケット プレイスの出品者からまたしてもドイツ語で、「違う、1本だ」という、意味はわからなくはないけれども全く答えになっていない答えがなされているのを見て驚いた。

出品者 Bahco はマーケットプレイスの出品者 Cut360 と同一ということか…
どうしようもない企業だな…


アマゾンUKへの返事には、この私が公開質問をしたページをまず見てくれるようにと促し、私が思うところ、これは梱包時の人的ミスなどではなく、『...Slim Taper Files(複数形)..., 10-Pack』と書いてあるのは、明らかに人を欺く記述の仕方に思えると書いた。
そして私は、その商品は直接NZに送ってくれないことになっていたために、 輸送代行業者に依頼し、UKからNZまでの送料を既に支払っている上に、再度代替品をNZに送ってもらうのにまたしても送料を支払わなくてはならず、それは本来全く支払う必要のないものだったことも付け加えた上で、また1本ずつのために何十ドルも送料を取られたのではたまったものではないので、代替品の数量をしっかりチェックしてくれるよう頼んだ。


まぁ、手続き上、代替品は注文した時点での同じ住所にしか送らないだろうなとは想像していたので、仕方ないなと承知しているが、今後このようなエラーが繰り返されることが無いよう、強く希望すると付け加えて、返事を送信した。


黙ってはいられないが、もうこのようなトラブルはウンザリだと、グッタリ疲れた一日だった。



追記:
私がした公開質問が消されている! カスタマーの質問を承諾無しに勝手に消していいのか??




10.8.16

鉋がけと小さな道具たち

今日も下駄箱作りのための材料の鉋がけで一日が終わった。
父から引き継いだ鉋は荒削り用から仕上げ用まで揃っているのだが、買って来た板には荒削り用鉋は必要なく、普通の鉋と、私のお気に入りの仕上げ用鉋を使って削った。


仕上げ用鉋は表面の極薄い部分を削り取るため、もちろん刃はスーパー シャープに研いでおかないと使い物にならない。だが、とりわけ昔の日本の刃物は非常に品質が良く、スタンレーのブレードのように頻繁に研がなくともシャープさを長いこと維持しているので、研ぎの最後に使う研磨剤で磨くだけで充分だと思える時がけっこう多くある。




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鉋がけの合間に、オークションで落札した品が届いたので、簡単に手入れをした。
これらは革製品を作る際に使うツールで、おそらく100年以上前に作られた道具だろうと書かれていた。

100年以上前の道具…
木に割れがあったり、鉄の表面に少々錆が付いていたりしたものの、特に錐などは先が驚くほどシャープで、とてもしっかりした作りだった。


錆は錆び落とし用のペーストとワイヤーブラシを使って落とし、ハンドルは#0000のスチールウールで磨いた後、ビーズワックスを塗っておいた。


所有しているのが何だか嬉しくなる古い道具たち...。近いうちにこれ専用の小さな道具箱を作ろう。


今日家に届いたものは他にもあった。
こちらは更に小さなサイズのものだ。


日本製の豆鉋 3挺。
その内の2挺は、ボディには『菊一文字』、ブレードには『国秀』と刻印があった。東京製である。



その内の一挺は、前の持ち主が刃を出し過ぎてしまったようで、刃がスタックしてどうにもこうにも出て来なかった。

父から引き継いだ鉋を使っている私は、もちろん刃の出し方は知っているが、叩けど叩けどびくともしない。
何十分も格闘していた甲斐もなく、刃は未だ恐ろしく出っ張ったままだ。


前の持ち主もおそらく刃を外そうと悪戦苦闘したのだろうなと思えるような跡があった。


仕方がないので、夏になるのを待ち、空気が乾燥している状態でもう一度叩いてみようと思っている。(雨の日ばかりのNZの冬は、木製の窓枠やらドアはひどく膨張し、開け閉めが本当に大変になるので、木製品であるこの鉋も、ドアのように乾燥した夏に縮んで、隙間ができてくれるといいなと願うばかりだ)

それでもダメだったら、誰か専門の人に相談してみるしかないな...

父は長い間使わない鉋のブレードと本体の間に、自分の名刺をその大きさに切って挟んでおいていたので、例え錆が付いていても簡単に取り外すことができた。
ブレードを失くすことなく、本体に付けたまま安全に保管する良い方法のように思った。


7.8.16

下駄箱が足りない...




増え続ける同居人の靴を片付けるべく、追加のシューラックを作っている。

今回はスタンレーの鉋を使うことにし、研ぎ直し、磨き、恐ろしいほど切れ味を良くしたのだが…


end grain (木口)を直角に削り取っている間に刃先に細かな傷が付いたため、平らな面の鉋がけ前にもう一度研ぎ直しをしなければならなかった。


今回使った板はほとんど反りも歪みも無かったため、張り合わせる面の鉋がけはしたが、表面の鉋がけはせずに板を張り合わせた。

張り合わせた部分は若干の段差があったため、鉋がけは板目方向ではなく、最初は板目にクロスするように行い、2枚の板がほぼ平らになったところで板目方向に鉋をかけた。

継ぎ目はよく見ないとわからないくらいになっている。


縦横が平らに削れているかどうか、また、斜めにもストレート定規を当て、凹みがないかどうかを確認しながら削って行く。



今日の作業は久々に満足できる出来映えで、お高いストレート定規が板に吸い付くようにピタッと乗っているのを見て、ちょっと嬉しくなったところで作業終了。


この歳になっても達成感が得られる作業ができることを有り難く思った。



4.8.16

Kumite (組手)その1


最近風雨の強い日が続いたせいで、寒梅の花びらが少々飛んでしまい、みすぼらしい感じになってしまっている。
出始めた新しい葉はまだ開いてはおらず、遠目から見るとトゲのようだなと、雨上がりに横を通り過ぎながら思った。


今日は鋸、鑿、コーピングソー(糸ノコ)、ハンマー、ナイフを使って『組手』の練習をしていた。


私が練習に使う板は、いつも合板の端切れ。(もったいなくて無垢の板を使えない貧乏性)
そして、合板を使う時には父の鋸は使わず、西洋の鋸を使う。
西洋の鋸は自分で簡単に目立てできるが、日本の鋸はまだ目立てをしたことが無いため、完璧に目立てができる自信がまだ無く、合板なんぞを切って歯を鈍らにしたくないというのが大きな理由なのだが、父の使っていた鋸はもちろん交換式(=使い捨て)の物ではないので、その内に日本の鋸の目立てもしなくてはならなくなるだろう。


さて、この組手だが、フィンガージョイントを斜めに組み、編んであるように見えるはずだったが、組んだ部分が太すぎて、どう見ても編み込みには見えない。
合板の重なりが見えてしまっていて、それが邪魔をしているということもあるかも知れないが…

まぁ、これでどのように組んだらいいのかがわかったので、次は無垢の板で組む部分を細かくしてやってみることにしよう。


家族が日本から送ってくれた継手と組手の本はとても役に立つ。だが、それらを見て同じように綺麗に仕上げられるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。


日本の職人の技術は全くもって見事である。
その素晴らしい技術が、この先も絶えること無く引き継がれて行くことを願うばかりだ。


3.8.16

届かなかったSaw Files

今年の5月半ばにAmazon UKに注文を入れた鋸の目立て用ファイルは、配達予定日をとうに過ぎても届かず、クレームをすると、マーケットプレイスの出品者から調べますという簡単な返事が届き、その後一週間経っても音沙汰無し。返金請求できるのは注文を入れてから3ヶ月以内となっているので、もう待つことは止めて、Amazon UKにクレームをした。

このマーケットプレイスで商売をしているドイツの企業は、注文確認のメールをドイツ語で送ってよこした後発送もせず、注文から1ヶ月後になって、Amazon UKが出荷したという確認が取れていない旨を企業に問い合わせると、そこでようやく発送したとAmazon UKに通知したような企業なのだ。

本当に送っていたのかどうかも、「調べます」という言葉が本当かどうかも限りなく疑わしいと思われても仕方がないほど、イイカゲンな仕事振りに思えた。

返金はAmazon UKが速やかに手続きを行ってくれたようで、数日したらクレジットカードの方に返金されたのが確認できるだろうとのことだった。

返金手続きが終了し、また振り出しに戻った Saw Files の注文…

今回はマーケットプレイスの出品者からではなく、Amazon UKから発送されるものを選んだ。3日〜6日以内にイギリス国内にあるNZ Post のYouShop の住所に配達されることになっている。

前回注文した物と全く同じ物を注文したのだが、価格は今回の方が £8.16も安かった(NZ$15、日本円にして約1,100円ほど)のに加え、2ヶ月半前よりもポンドが弱くなっているため、NZ ドルに換算すると、前回の出費よりも何十ドルも安くなる計算になる。

2ヶ月半以上待ち続けてウンザリしたが、無いと困るSaw File。
YouShopを経由しても、手元に届くまでに2週間はかからないだろう。


今度は間違いないだろうと、期待を込めて待つことにしよう。







「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...