16.7.15

修理に半日かけてもまだ使い物になっていない鉋

国内のインターネット オークションでNo.110 のスタンレーによく似た(おそらく)無名の鉋を落札した。ちなみに、説明では「アベレージ コンディション」と書いてあった。



この写真を見ただけでは、この後の修理の手強さが伝わって来ないだろうが、これが何とも手に負えないシロモノであった。



 はてさて、何から始めよう…
まずはボディからかな...



鉋の底は所々ひどくボコボコ/ガタガタに痛んでいた。初めからこんな表面だったのかなと思いながら、平らなガラスの上にセットした目の荒いサンドペーパーで磨く事30分…
(刃が出る部分は明らかに均一にカットされてはいない)


30分必死で磨いてもボコボコの部分はスムーズにならず、この段階で少々諦め気分。その後も格闘し続けたが、1時間以上磨き続けてさすがにめげ、一時ボディは横に置いておいて、簡単そうなブレード キャップのガタガタを先に直すことにした。


これは目の細かいヤスリでいとも簡単にほぼ平らになったが、あまり削り過ぎると刃をおさえる機能に支障をきたすかも知れないと思い、適当なところで止めておいた。

次に直したのはボロボロの刃。いったい、これを使って何を削ったんだい???と思えるような刃こぼれだが、その他の部分もひどい状態だ。
この刃が最後に研がれたのはいつだったんだろうか? エッジのどこをとっても綺麗な部分が無く、この状態で使い続けていたのか?とついつい持ち主のことを想像してしまった。




刃は、まず刃こぼれしている部分までヤスリで削り取り、次にダイヤモンドの砥石で角度を付けながら研いで行き、最後にコンパウンドで磨いた。(もちろん、裏側も磨いた)


ブレード キャップと刃がマシになったので、またボディの修理に戻ったが、後ろから見てみると、刃を支えるためのいわば支柱の役割をする部分が垂直ではなく、ブレード キャップを締める金属部分は更にズレている。



また、サイドの壁は直角とはほど遠く、これを直すのは至難の業だなと悲しくなってきた。


頑張って高い部分を削ってはみたが、これは上部を内側から叩いて均さないと垂直にするのは無理だろう。


約半日かけて、下の写真の状態にまでし、試しに要らない板を削ってみた感想は…、



「この鉋のどこをとってもアベレージな部分は無く、その中でもとりわけ刃の質が恐ろしくお粗末で、これを使って無垢の板は絶対に削りたくない」


刃の質というのはとても大切で、同じように丁寧に研ぎ上げても、切れ味は全く違う。
お粗末な作りの本体に、それ以上にお粗末な"ただの鉄の板"を切って付けたような刃…

誠にお粗末な買い物であった。




0 件のコメント:

コメントを投稿

「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...