26.7.15

平穏に暮らす


NZの海の色は緑。穏やかで落ち着いた色だ。

昨日はスタジオに仕事に行かず、珍しく一日休養を取り、同居人に連れられてドライブに出掛けたりしていた。

オークランドは『帆の街』と呼ばれていることからもわかるように、海辺が身近にある景観に恵まれた地域で、天気の良い休日には、多くの人が手近にある観光スポットに出かけ、ただただくつろぐのである。

まだまだ寒い季節が終わったわけではないが、買い物以外で外に出かけるのは久しぶりだったので、何だかとても気持ちがいいなと思った。


帰りの道すがら小腹が空いたので、ベトナム料理店に行き、遅いランチを取った。午後3時という中途半端な時間にも関わらず、店内は満席状態で驚いたが、もっと驚いたのは、私達が食べ終わった頃、奇遇にも(以前私のスタジオで働いてくれていた)コリアンの女性に声を掛けられたことだった。
同じ場所で同じ時間に食事をしていた事にお互い全く気付かず、「あれ〜、居たんですか〜?」と、支払いを済ませて外に出るところだった彼女が私達のテーブルに近付いてきたので、私は驚きながらも彼女と娘さんに手を振って合図をした。

彼女は私の同居人に向って、私がほとんど外に出かけないだけではなく、友達に連絡をする事もしないんだから...と、笑いながら愚痴をこぼしていた。
同居人も笑いながら頷いていたが、私は毎日暇を持て余しているわけではなく、やりたいことが一杯あるもんだから…と、やはり笑いながら答え、この次買い物に出掛ける時に呼んでと頼んでおいた。

彼女は気性のサッパリした良い人である。それでも私は自分から連絡を取る事をしない。

雲の上のお師匠さんは、例え限られた友達だけとでも絶えず連絡を取り合い、人生をシェアするようにと何度も何度も私に説き勧めてくれていたが、私はこれまでの人生に於いてそうしてこなかったので、この歳になって今更生き方を変えるなんてことは考えられない。

私はこのままでいい。
このまま貧しいながらも平穏に暮らし、終わりを迎えたい。



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