31.1.17

私、友達だったんだ...

オークションで売れた物を投函しにポスト ショップまで出掛けた。

数年前に近所のポストボックスがことごとく姿を消してしまい、ごく小さな荷物一つを送るのにも、車に乗って行かなければならないというのは、誠に不便である。
ちなみに、ここはダウンタウンにほど近い、セントラル オークランドである。草原に建つ一軒家ではない。

あいにく最寄りの商店街の道路は工事中で、ポスト ショップの周りには車を停められず、少し先の市営の無料駐車場に車を置きに行かなければならなかった。

荷物を投函し終え、大きな交差点で信号が変わるのを待っていると、けたたましいサイレンの音が聞こえ、パトカーが3台繋がって、ものすごいスピードで走り抜けて行った。そしてすぐにまた2台のパトカーが目の前を通過し、一息ついた後、信号が青になったので渡り始めると、またサイレンの音が聞こえて来たため、道を渡っていた私と数人は慌てて走り抜けなければならなかった。

一体、何台のパトカーが通過して行ったのだろうか… よほど大きな事件/事故に違いないと、道行く人々がパトカーの向った方向を眺めていたが、見渡せる限りの範囲では何事も起こっておらず、平和そのものに見えた。

その後、中国系の八百屋に寄って野菜を少々買い、帰り道にある公園で苺と寿司を買って帰ることにした。

その公園に寄るのは久しぶりだった。

苺売りのMr. ダンディーは、私の顔を見るなり、「君の車がここを通るのを時々見てたのに、ずっと顔を見せに来てくれなかったから、何かあったのかと心配して、モト(お寿司屋さん)に何か聞いているかと聞きに行ったんだよ」と話し掛けてきた。

「腰を痛めていたりしてたもんだから…」と笑って答えた。

いや、本当は、知り合いの誰とも会う気にならなかったからなのだが、神経を病んでいるとは言い辛く、腰が痛いということだけ言っていいとした。

ちゃちゃっと果物を買って帰ろうと思っていたのだが、Mr.ダンディーは後から来るお客さんの接客を先にし、他のお客さんが「この人の方が先でしょ?」とせっかく言ってくれたのに、「彼女は僕の友達だからいいんだよ」と、私の買い物を後回しにした。

彼は、She is my friend, more than a customer. と他の常連客らしい人たちに言っていたが、私はずっと、自分を単なる客だと思っていたので、心の中で「えっ?そうなの?」とつぶやいてしまった。

電話番号をやり取りすることも無く、相手の家が何処にあるのかも知らず、プライベートで会うことも全く無く、年に数回苺を買いに行く時に話をするだけの人を友達と呼ぶのなら、私以外の客は皆 "親友"と呼べそうだなどと、くだらないことを頭の中で考えながら、客が引けるのを待っていた。

積もる話(?)を終え、お寿司屋さんに寄ると、開口一番、「苺屋さんが、○○さん(私)ずっと来ないけど、何かあったの?って、心配して聞きにきましたよ」と言われたので、今寄って来たところだと返事をした。

お寿司屋さんは、私がちょっと変わっている人間だと承知しているので、長いこと顔を見せなくても心配したりはしなかったはずだが、苺屋さんに心配をかけていたというのは予想外で、しかも、"友達" と呼ばれたのは更に予想外で、"友達" の定義が増々浅いものになって行くのを感じながら、「友達って何だ?」と首を傾げながら家に戻って来た。

家に戻って30分も経たない内にクーリエが荷物を配達に来た。

届いたものは IXL の刻印の付いた 2 本のポケット ナイフ。
どちらもひどく傷んでいるが、それを承知でインターネット オークションで買ったのは、古いブレードの品質を見たかったからだ。


上:bone handle、下:fibre handle と説明されていた

こんなに傷んではいるものの、折りたたみ式のブレードは全くがたつきも無く、少々かたいが、しっかりと鞘にも納まる。

作業中に手を切りたくないので、ブレードを研ぐのは他をきれいに掃除してからだ。

黒いハンドルの方はクラックが入り、浮いてしまっていたため、Hacking knife を使って取り外し、木で代えを作ることにした。



中は両面ひどく錆び付いていた。




稀釈したビネガーに浸けて錆び落としをしている間に bone handle の方の手入れを始めたのだが、長い年月の間に、研がれて形が変わってしまっているように見えるブレードをそのまま研ごうか、シェイプを直して研ぎ直そうかといまだ悩んでいる。

使い捨ての手袋が真っ茶色になるほど汚い作業をしながら思った。
私はやはり、人と話をしている時よりも、一人で何か作業をしている時の方が好きだ。


夕食時に同居人たちに今日の出来事を話すと、パトカー軍団が目の前をものすごい勢いで走り抜けたのは、その付近の家の敷地内からモーターバイクを盗もうとしている3人組が居ると通報を受けた警察が、緊急出動した正にその時だったようで、その後車(盗んだ車)に乗り込み逃げた犯人を追いかけ、最終的には道に敷いたスパイクで車を動けなくして捕まえたようだよと、同居人が言っていた。

犯人は非常に危険な運転をしつつ、私が立ち寄った公園の前の道路もハイスピードで通り過ぎていたらしい。私が出掛けた時間帯に、行った場所で事件が起こっていたというわけだ。
たまに外に出て、たまたま出くわしたカーチェイスにもし巻き込まれていたら、運がないというよりも、それが私の運命だったんだろうなと思うしかないんだろうなと、そんなことを考えてしまった。



30.1.17

「それ何?きれいな形」


姉と Line でチャットしている時に、何故売れるのかわからない Lucet の写真を送ると、Lucet の存在を知らなかった姉が聞いてきた。「それ何?きれいな形」

「リリアンみたいな、紐を編む道具だよ」と伝えたのだが、リリアンのように金物の細い棒に掛けた糸を外すための道具は必要なく、これだけを使ってどのように紐を作ることができるのか、おそらく姉の頭には?が点灯したことだろう。



先週インターネット オークションに出品していたものを落札してくれた人が居て、その人からのフィードバックを心配しつつ待っていたのだが、今朝その人からemailと共に有り難いフィードバックが届いているのを見つけ、ホッと一安心した。

その人は、実際に私の作ったLucet を使った上で、'… the product is beautifully made and perfect for the job!' と感想をフィードバックに残してくれ、またemailには、'I'm using it very successfully - lovely to use.' とも書いて送ってくれた。

見た目の美しさだのみならず、どれだけ使い易いかということを重視して作っている私にとって、これ以上に嬉しい評価はない。


ただ売れればいいというだけの、形だけコピーした"安物"で満ち溢れている現代に逆行するかのような、(少々高めかも知れないが)使う人のことを考えて一つ一つ時間をかけて作ったものが、正当に評価されるというのは本当に嬉しいことだ。


誰かが言っていた言葉がふと頭に浮かんだ。

Craftsmanship is my goal but your satisfaction is my passion.


昨日実家で行われた父の三回忌には出席できなかったが、父に見せられないような見苦しい仕事はしないぞと、今日、改めて肝に銘じた。



25.1.17

光り輝く Pacific Kauri


アメリカの業者に注文を入れておいたスクロールソーのブレードが届いた。
間違いなくしっかりと仕分けされて入っていた。


今日はPacific Kauri の鉋がけをしていたのだが、私の作業台は木工用に作ったわけではないので、板をとめておくストッパーを付けられず、苦肉の策で作った、板を固定する簡単な治具を使ったのだが、これがけっこう使えて、今のところ不便はない。

西洋式の鉋を使う場合は、ストッパーになる板を、鉋をかける板の向こう側にし、


日本の鉋を使用する場合は、手前にストッパーを固定する。(西洋式、日本式のどちらか一方の鉋しか使わない場合は、ベンチ バイスに挟む板はこんなに長くする必要は無く、ストッパーをどちから片方に寄せて付ければいいのだが、私の場合は両方使うため、挟む板の中央にストッパーを取り付ける必要があった)


長めの板の鉋がけをする際に、しっかりバイスで固定できるようにと考えて、ベンチ バイスに挟む部分はある程度長くしておいた。



もちろん、厚い板であれば、直接ベンチ バイスに挟んで鉋がけできるのだが、私はベンチ バイスに挟んで広い面を鉋がけするのは感覚的に好きではない。
私の感覚の問題なのだが、ベンチ バイスに挟んで鉋がけをすると狂いが生じ易くなり、削っても削っても平面にならず、延々と鉋がけをし続ける羽目になってしまうのだ。おそらく、私は鉋がけをする板そのものだけを見ているのではなく、板の周囲の状況と一体化して見ているのだろうと思う。
感覚というのは人それぞれ違うので、例え雲の上のお師匠さんが推奨する方法でも、倣えないこともあるのだ。



鉋をかけたばかりの Pacific Kauri は、様々な色が混じり、キラキラと光り輝いていて、とても綺麗だ。



スクロールソーでカットしてしまうと、この美しさを見ることができなくなってしまうので、本当は板を透かし彫りせず、そのまま鍋敷きとして売りたいのだが、板切れ一枚では買ってくれる人は多分いないだろうし、金額も極わずかなものになってしまうだろうな…などと、そんなことをしばし考えてしまった。


鉋で削った板と、同じ板の端切れを#240のサンドペーパーで磨いたものとを並べてみると、違いは一目瞭然である。(↑)

スクロールソーでカットした部分のガサガサを綺麗にするために、私はサンドペーパーを使っているので、光り輝く表面は部分的に消えてしまうことになる。

こんなに綺麗な板なのにもったいないなと思いつつ、スクロールソーで模様を切り出した。

透かし彫り部分を極少なくした鍋敷きと、周囲を多めに残した鍋敷きの2種類をカットし終えたところで、今日の作業は終了。

明日周囲の飾り彫りを施せば、少しは綺麗に見えるようになるだろう。



22.1.17

良心的な業者 〜 オイル仕上げ失敗談

スクロールソーのブレードはアメリカの Lesley's Patterns, Ltd から買うことにしている。
ブレードの品質が良いのは言うまでもないが、価格も、送料も非常に良心的で、品揃えも申し分無い。

先々週末、同居人が使ったメタル用ブレードが最後の1本だったため、私の木工用のブレードと共にまとめて注文を入れておいたのだが、注文を入れた翌日には発送済みの連絡が来た。… しかし、まだ届いていない。何処で(どちらの国で)時間がかかっているのだろう?

もう何年も取引をしていないが、ステンドグラスの仕事をしていた頃にお世話になったアメリカの業者も、これ以上無いと思えるほど良心的で、膨大な量の注文をほぼ間違いなく即座に送ってくれ、しかも、何キロにもなった荷物は、 重量に関係無く一箱当たりの送料が固定されている箱に詰めるだけ詰めてくれたので、信じられないほど安い送料で送ってもらうことができたのだ。購買者の負担を極力減らすよういつも考えてくれていたその業者は、『送料を上乗せして、更に儲けよう』と企むようなずる賢い商売はしていなかったということだ。おそらく彼女の生き方そのものが真っ当だったのだろうと容易に想像できる気がした。

そのような業者との取引があったので、小さなチップ カービング ナイフ3本で US$48.50 (最も安いオプションで)も送料がかかるなんてあり得ないじゃないかと、私はやはり思ってしまい、いまだに欲しいカービング ナイフを手に入れられないでいる。


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先週は、鍋敷き作りの合間に、研ぎが必要な鑿を収納しておく箱(5箱目)を作ったりしていた。
これまでは、研いだ後使っていない鑿と、数回使用した鑿を同じ箱に収納していたので、研ぎ直す際に「あれ?これは使ってあるものかな??」と、一々切れ味を試して選別していたのだが、これまでのように、ダイヤモンド砥石でチャチャッと削って良しとするのならいざ知らず、貴重な父の天然砥石を使い、時間をかけて丁寧に一本一本研ぐことを考えると、研ぎ直しが必要でないものまで研ぐなどということは、時間の浪費以上に、"砥石の浪費" "刃物の浪費" につながり、この先も効率の良くないことをし続けるのは全くもって愚かだよなと、"重い腰を上げて"簡単な dovetail box を作るに至ったというわけだ。

板厚が 19mm のマツ材があったので、これでいいか…と、板厚を半分にして使うことにした。

板厚を簡単に綺麗にカットできるだろうと思って買ったバンドソーは、期待を大きく裏切り、これ以上無いと思えるほどお粗末な仕上がりになってしまうため、また鋸を使う方法に戻ってしまった私…


いつもは幅広の両刃鋸を使うのだが、今回は日本の折りたたみ式の幅の狭い鋸で切ってみた。
刃が鋭く、歯振(あさり)幅が大きいため、ザクザクと切れるが、切り口は綺麗ではない。しかし、バンドソーでカットするよりも遥かにマシだ。
鋸を使うと切り終わるのに要する時間は当然長くなるが、切った後鉋をかけ、表面を平らにするのに要する時間は(切り口がひどくうねってしまって、厚みがバラバラになってしまうバンドソーで切った場合よりも)かなり短くなるので、総じて時間的な開きはさほど大きくはないだろう。


グルーが乾くのを待つ間、或はペイントを乾かしている間に他のものを作り始め、ずっと何かしら作業をし続けているのだが、作業の合間に、乾かしていた鍋敷きの一つに少しオイルの滲み出しがあるのを見つけ、気落ちした。


Macrocarpaもやはり Tung Oil の海に浸けてはいけないことがよくわかった。

オイルにポチャンと浸け、即座に取り出し、エアー ブロー ガンで余分なオイルを吹き飛ばしなどしても、オイルの染み込み方は筆で塗ったものとは明らかに違い、まだらにオイルが染み込んでしまっている。

スクロールソーを買ったばかりの頃観ていたビデオでは、大きなトレイの中に作品が充分浸かるほどのオイルを満たし、そこに透かし彫りした作品をポチャンと浸け、引き上げて簡単にオイルを切り、自然乾燥させていただけだったが、このようにまだらにオイルが染み込んでいたのかどうか定かではない。
また、YouTube で観た手の込んだカッティング ボードを作っている人も、オイルの海に浸けて、取り出した後は立て掛けて自然乾燥しているのだが、私のようなトラブルは起こらないのだろうか?

使っているオイルの問題なのか、板の種類に依るものなのか… 

これまでに、Pine、Ancient Kauri、Pacific Kauri、Rimu、そしてMacrocarpa の板で試してみているが、どれも綺麗な仕上がりにはなっていない。
せっかく時間をかけて作った物が、最後の段階で台無しになってしまうのはもう懲り懲りなので、これからは面倒でも筆で塗る方法を取るしか無い。

何か良い方法はないものかと、いつもそんなことばかり考えて暮らしていたら、亡き父のようにボケないまま最期を迎えられるかも知れないが、難儀なことである。  



14.1.17

Moulding Planes & Pacific Kauri Trivet


moulding plane は数えるほどしか持っていないので、オークションに安く出品されている物をコツコツと買い集めている。


そのほとんどが長い間使われずに工具箱等にしまわれていた物で、虫食いがあったり、カビ臭かったり、ブレードが錆び付いていたりするのだが、手を加えればまだまだ使えるものがほとんどだ。

これは虫食いの穴は開いておらず、かなりカビ臭かったものの、本体は非常に綺麗な状態で、カビを取り、表面をビーズワックスを塗布した#0000 のスチールウールで磨いたら、カビ臭さはマシになった。(が、まだ少々臭う)

ブレードは見ての通り、かなり錆び付いていたので、今回は稀釈したビネガーに一晩浸けて錆を落とすことにした。




一晩経って、丁寧に水洗いし、#250のサンドペーパーで軽く磨くと、赤錆はほとんど取れたので、これで良しとした。(潔癖性ではないのがよくわかる)



刃を研ぎ終わると板を削って切れ味を確かめるのは誰しも同じだろう。
要らない端切れの板を削ると面白いほど簡単に綺麗に縁飾りが出来上がり、ニンマリしてしまった私… これ、けっこう楽しいよ。



今年は鍋敷き作りに精を出そうと決めた私が次に作った物は、Pacific Kauri で作ったイスラム幾何学模様のもの。
また父が使っていた彫刻刀(多分、私が小学生の時に使っていたものだと思われる)で交差部分を少々削り、立体感を出しておいた。

このデザインは透かし彫り部分が広いので、楽に筆でオイルを塗ることができ、疲れ切ってしまわずに作業を終えられたのは何よりだった。



11.1.17

Pacific Kauri Endless Knot Trivet


鉋がけが終わった Pacific Kauri にスクロールソーで透かし彫りを施したのだが、信じられないほどダストが舞わないことに驚かされた。
香りも全く気にならず、ドリルでの穴空けも問題無い。



今日は天気がよかったので、裏庭に彫刻刀を持ち出し、のんびりと"編み目"を作っていた。


鍋敷きなので、凹凸は大きくせず、ものを乗せた時にがたつかないように気をつけながらの作業だったが、この板はカービングにも向いているようで、彫るのも非常に楽だった。


仕上げに、Tung Oilを細い筆で塗り、自然乾燥で2〜3日置いてみることにした。



ピザ ナイフ ホルダー作り


幅 9cm で 1.9cm 厚の Pine ボードが手元にあったので、それでピザナイフの鞘を作ることにした。
刃を研いだばかりのブレードを装着した Stanley #4 で鉋がけをしたボードは、そこそこ美しく光り輝いている。


上の写真の上方に小さく写っている紙は、ナイフの持ち手の出っ張りを写し取ったもので、まずは紙でパターンを作り、それを板に写す。そして、スクロールソーでその部分をカットした。(鋸と鑿とヤスリを使えば手で同じようにカットできるのは知っているのだが、スクロールソーを持っているのに、わざわざ時間をかけて面倒な方法を取る必要があるのかなと、このテの作業をする時にはいつも考えてしまう私…)


持ち手がカットした部分にぴったり納まったら、今度はこの板の厚みを半分にする。
例によって鋸で慎重に切ったのだが、鋸で切っている時はかなり集中しているため、いつも写真を撮り忘れてしまう。

そして、鋸の切り口をまた鉋がけ。


長い時間鉋をかけていた。
それぞれの板の厚みは 7.5mmほどになったので、4mmほど削り取ったことになる。

ブレードの厚みよりも少し幅を持たせてブレードの差し込み口を作るべく、薄く削った細い板を両端に貼り付けた。


底板も同じく薄く削った板を貼付け、接着部分の余分な出っ張りやら乾いたグルーを鉋で綺麗に均し、周囲の角を落として出来上がり。




この写真を撮り終わった後、表面にワークトップ オイルを塗り、オイルが乾いたらサンドペーパーで軽く磨き、ビーズワックスを塗った。

これでようやく、切れ味の悪いこのピザナイフを研ぐことができる。



9.1.17

真夏なのに寒いよ…

「この気候、全然夏じゃないよね」と、裏に住む大家さんの息子さんと一緒にぼやいてしまうほど、今年の夏は寒い。

今日の予想最高気温は23℃、最低気温は16℃。
今週一週間の予想気温は概ね同じで、どうやら23℃以上にはならないようだ。

朝晩は寒くて、長袖を羽織らないと腕が冷たく痛いと感じてしまうほど。じっとしていても汗が吹き出るような日本及び東南アジアの夏はお断りだが、もう少し暑くなってくれないと、全くメリハリのない一年を送りそうで、何だか寂しい。


さて、今日は 4cm 厚の Pacific Kauri の板を取り出し、鋸で厚みを半分にし、鉋をかけていた。
バンドソーで厚みを半分にしようと思ったのだが、私の持っているバンドソーは性能が悪いのか、またはブレードが悪いのかわからないのだが、フェンスに板を沿わせてカットしようとすると、ブレードがどんどん避けて行ってしまい、100%の確率で、厚みのバラバラな、切り口のうねった板が出来上がってしまうため、汗水垂らしながら手鋸で格闘していたというわけだ。時間はかかるが、鋸を使うのもけっこう楽しく、鉋がけ同様良い運動になった。しかし、腕がダルい… 

厚みを半分にした板を削るのに、今日は久々に Stanley #4を使った。
Pacific Kauriは鉋をかけると非常に光沢が出て美しい板になる。
香りはキツくなく、ほとんど臭わないと言っても過言ではないほどだ。



(下の写真、左から)Macrocarpa、Pacific Kauri、Pine を並べてみると、色やら質感がまるで違うのがよくわかる。
木の香りの最もキツいのは Macrocarpa、次にPine、そしてPacific Kauri の順だ。


この Pacific Kauri の板は小さいので、これも鍋敷き用。オイル仕上げにしても大丈夫だろうか?


そうそう、eBay で注文した小さなヒンジは届いたものの、付属のねじ釘は必要数の半分しか入っておらず、その旨を伝えると、不足分はすぐに送るが、着くまでに25〜35日かかると返事が来た。
AliExpress に注文したヒンジは、トラッキングが昨年12月7日に中国の国際運送会社(?)に届いたところまでしか書かれておらず、どうなっちゃってるの??と半ば諦めていたが、注文を入れてから 1ヶ月と 1週間経ってようやく届いてホッとした。しっかり届きはしたが、こんなに時間がかかるのだったら、少々値段は高くても、この次は別の所に注文することにしようと思った。


8.1.17

要 マスク


沢山買っておいた端切れの板で、売るための鍋敷き作りを始めた。
今日も使ったのは Macrocarpa だ。


この板から出る粉は細かく、マスクを着用していないと、カットし始めた途端に咳き込んでしまうほどひどく粉が舞う。

スクロールソーの下に粉を受けるボックスを作って付けてあるのだが、ボックスの縁にも粉がけっこう積もっていた。まぁ、ボックスが無かったら足下にこの全ての粉が落ちているわけで、それを考えたらまだマシだろうとは思うが、アトリエの中はこの細かいダストで覆われるわけで、身体に良く無さそうだなとやはり思ってしまう。
しかも、私はこの Macrocarpa の木の香りがあまり好きではない。



カットし終えるとサンディング… 
毎回同じことの繰り返しなわけだが、デザインが違うので救われている。だが、デザインが違うということは、デザインする時間も余分にかかっているわけで、どのみち一つ々手で作ることになるとは言え、決して効率が良い商売の仕方ではない。




今回は恐る恐る Tung Oil の海に浸し、エアー ブロー ガンで透かし彫り部分の余分なオイルを吹き飛ばす方法を取った。表面のオイルは丁寧に拭き取っておいたが、透かし彫り部分まで拭き取ることはしなかったので、まだらな油染みが出て来ないかどうか、しばらく様子をみてみないとならない。

木工を始めたばかりの頃は、この透かし彫り部分全てを、竹串やら割り箸を薄く削いだものにサンドペーパーを巻き付けて、コツコツ磨いていた。そして、オイルもペイントも、細いペイントブラシを使って塗っていたのだが、そんな気が遠くなるような作業をしても、仕事に見合った金額で売れるはずはなく、購買者が手に入れられる『手頃な価格』にすれば、時給 3ドルにも満たなくなってしまうのだ。
しかも、何日もかけて綺麗に仕上げても、買った人が膨大な時間をかけたものとそうでないものとの区別を付けられるかというと、甚だ疑問なのである。



透かし彫り部分には極力手を加えず、尚かつ綺麗に見え、そして何よりも、安価で提供できるようにするにはどうしたらいいのか、そんなことばかり考えて暮らしている。







6.1.17

Homemade Pizza

時間があったので、今回のピザ生地は The Best Bread Ever のレシピで作った。
私にとって、この本はパン作りのバイブルのようなものだ。



薄力粉 500g
ドライ イースト 小匙 1/2
塩 10g
水 300cc ± 60cc?(捏ねた時の生地の状態を見て加減する)

1. まず、粉、ドライ イースト、塩を混ぜて温度を計る。
2. 最適な水の温度を割り出し(130°F / 54.4444℃ − 粉類の温度 = 水の温度)、水が冷た過ぎたらお湯を加え、水が温か過ぎたら氷を加えなどして最適な水温で 300cc 強用意する。
3. フードプロセッサーにパン生地を捏ねるためのブレードを取り付け、パン生地モードを選択してスイッチを入れ、水を加えながら撹拌する。用意した水は少し残しておき、生地がまとまってきてから20秒ほどで一旦スイッチを切り、生地の様子を見て更に水を加えたり、生地が柔らか過ぎるようだったら粉を少し加えたりし、更に25秒ほど撹拌する。
4. 生地の温度を計り、75〜80°F / 23.8889℃〜26.6667℃ になっていれば、捏ね終了。温度が低ければ更に5秒撹拌し、温度を計り、それでもまだ低かったら、更に5秒撹拌する。
温度が高くなり過ぎたら、フードプロセッサーから取り出し、プラスチックのコンテナに入れ、冷蔵庫に5〜10分入れて冷ますとよい。(温度を計るのを忘れずに!)
5. 温度が75〜80°Fになった生地を、プラスチックのコンテナ(密閉容器ではない、簡単な蓋のついた、安っぽい容器が最適)にそのまま入れ(オイル、粉等不要)、蓋をして 2時間半〜3時間室温に置く。(室温は70〜72°F / 21.1111℃〜22.2222℃ が望ましい)

*本に記載されていた華氏表示を一々摂氏にするのが面倒なので、私は華氏表示もできる温度計を使って、華氏のまま測定することにしている。



これで、本格的ピザ生地の出来上がり。

この生地は冷蔵庫で4〜36時間寝かせて使うこともできるので、生地が出来上がってすぐに料理を始めない人には便利だ。また、残った生地は focaccia だの schiacciata などとしても利用できるので、ピザを続けて食べたくない人は試してみるといいかも知れない。

私はこれまでにも数えきれないほどピザ生地を作っているが、このピザ生地は本当に美味しく、おまけに伸ばすのに何のストレスも感じない理想的な生地だと思う。

定番の ペペロニ ピザに、今回はスパニッシュ チョリソー&野菜、そして、生ハム&野菜のピザを作った。




生ハム&野菜ピザは、ピザ生地にモッツァレラ チーズを少々乗せて焼き、若干冷ましてから、クリーミー シーザー サラダ ドレッシングで和えたサラダミックスを乗せ、その上に生ハムをちぎって乗せただけだが、サッパリしていてとても美味しかった。



ピザは家で作るに限る。
美味しい上に安上がりだ。


「ありがとう」ではなく「すみません」

病院に面会に行き、エレベーターが自分の居る階に来るのを待っている時の光景... 到着したエレベーターから降りる人は、必ずお辞儀をしながら降りてくる。 乗り込む際、最後に入ってくる人もまた、お辞儀をしながら入ってくる。「すみません」と言いながらお辞儀をする人が圧倒的に多い。 また、...